JPH06106259A

JPH06106259A - 金型用柱状案内具

Info

Publication number: JPH06106259A
Application number: JP27788592A
Authority: JP
Inventors: Susumu Shinozaki; 進篠崎; Fumio Enomoto; 文雄榎本
Original assignee: Enomoto Co Ltd
Current assignee: Enomoto Co Ltd
Priority date: 1992-09-22
Filing date: 1992-09-22
Publication date: 1994-04-19
Anticipated expiration: 2013-09-30
Also published as: JP2805422B2

Abstract

(57)【要約】【目的】金型用柱状案内具及びブッシュの耐久性を増
し、金型の稼動率を向上する。金型用柱状案内具及びブ
ッシュの耐摩耗性を増し、精度を向上する。【構成】ＷＣ−Ｃｏ系の超硬合金、ＷＣ−Ｃｏ−Ｔｉ
Ｃ系の超硬合金、あるいは、ＷＣ−Ｃｏ−Ｎｉ系の超硬
合金からなり、略円柱形状に燒結成形し、摺動部表面を
鏡面研磨してなる金型用柱状案内具である。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、打抜き加工、曲げ加
工、絞り加工、鍜造加工、射出成形加工、ダイカスト加
工、粉末成形加工などに用いる金型用柱状案内具に関す
る。特に、本発明は、半導体精密部品の製造に用いる打
抜き、曲げ金型のサブガイドへの利用や電気電子精密部
品の製造に用いるプラスチック射出成形金型のガイドピ
ンへの利用に適した金型用案内具である。

【０００２】

【従来の技術】ストリッパーガイド方式の打抜き金型
は、図２、図３及び図４に示すように、下型ダイプレー
ト１１の上面と上型ストリッパープレート１２の下面と
が平行を保ちつつ繰返し上下動する。この上下動を案内
するために、サブガイドポスト４複数本が上型ダイプレ
ート１４に、ポストホルダー１を介して、取付け固定さ
れている。図示の打抜き金型においては、４本のサブガ
イドポスト４が、上型ストリッパープレート１２の四隅
及び下型ダイプレート１１の四隅を貫通するように配置
されている。すなわち、上型ストリッパープレート１２
の四隅には貫通孔が穿れており、その貫通孔に略円筒形
状あるいは中空円柱形状のストリッパーブッシュ２がは
め込まれ固定されており、ストリッパーブッシュ２の中
にサブガイドポスト４がはめ込まれている。そして、サ
ブガイドポスト４の表面とストリッパーブッシュ２の内
面が摺り合いながら、サブガイドポスト４の軸方向にス
トリッパーブッシュ２が往復移動する。同様に、下型ダ
イプレート１１の四隅にも貫通孔が穿れている。その貫
通孔に、略円筒形状（あるいは中空円柱形状）のダイプ
レートブッシュ３がはめ込まれ固定されている。そし
て、ダイプレートブッシュ３の中にサブガイドポスト４
がはめ込まれている。ダイプレートブッシュ３と下型ダ
イプレート１１とは一体となっており、サブガイドポス
ト４の表面とダイプレートブッシュ３の内面が摺り合い
ながら、サブガイドポスト４の軸方向にダイプレートブ
ッシュ３が往復移動する。しかし、サブガイドポスト４
は、下型ダイプレート１１に固定されているダイプレー
トブッシュ３とプレス機のストローク長だけ摺動する
が、一方、サブガイドポスト４は、上型ストリッパープ
レート１２に固定されているストリッパーブッシュ２に
対してわずかに（通常０．５〜２．５mm）上下に摺動す
るのみである。

【０００３】打抜き金型用の従来のサブガイドポスト
（金型用柱状案内具の１種）としては、高炭素クロム軸
受鋼鋼材（ＪＩＳＧ４８０５参照）であって、ＳＵ
Ｊと表記される鋼材を用い、必要に応じて焼入れ処理を
行っていた。そして、打抜き金型用の従来のサブガイド
ポストの形状は、図３に示すように中実円柱形状であっ
たり、あるいは、図４に示すように内部に冷気道６を穿
った、中空円柱形状であった。中空円柱形状とした理由
は、サブガイドポストの内部に空気を通過させて、サブ
ガイドポストを内部からも空冷することにより、サブガ
イドポストの温度上昇を極力抑えることを図ったもので
ある。そのために、上述の冷気道６は冷気入口５と連結
されている。

【０００４】また、前述のストリッパーブッシュ２やダ
イプレートブッシュ３は、サブガイドポストとの摺動を
円滑とするため、種々の工夫がなされてきた。（１）ス
トリッパーブッシュ２、ダイプレートブッシュ３を砲
金、黄銅などの銅合金製とし、潤滑油を適宜注ぐもの。
（２）ストリッパーブッシュ２、ダイプレートブッシュ
３を砲金、黄銅などの銅合金製とし、これらブッシュの
油溜を設け、油溜からブッシュ内面へ通ずる油流動路を
設けたもの。（３）ストリッパーブッシュ２、ダイプレ
ートブッシュ３を二硫化モリブデン、グラファイトなど
固形潤滑剤を埋め込んだ、砲金、黄銅など銅合金製とし
たもの。（４）ストリッパーブッシュ２、ダイプレート
ブッシュ３を焼結成形品とし、その粒間隙間に潤滑油を
溜めた、含油構造としたもの。

【０００５】次に、射出成形金型用の従来のガイドピン
（金型用柱状案内の１種）について、図５を用いて、説
明する。上型２１と下型２６とは上下動して、離れ再び
合う運動を繰返す。この運動の位置を調整するために、
上型ブッシュ２２、下型ブッシュ２７、ガイドピン３０
を用いる。そして、従来のガイドピン３０としては、高
炭素、クロム軸受鋼鋼材（一般にＳＵＪと表記される鋼
種）が用いられてきた。また、上型ブッシュ２２や下型
ブッシュ２７としては、砲金、黄銅などの銅合金が用い
られ、必要に応じて、潤滑油や固形潤滑剤も併用されて
きた。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の金型用
柱状案内具は、耐久性、耐摩耗性が不十分であり、比較
的短期間の金型の上下動繰返し摺動によって、摩耗、引
かききずが金型用柱状案内具に生じ、運動位置精度が低
下し、製品の寸法精度劣化や金型の偏摩耗、破損を招
く。そのため、所定回数のプレスのたびに、金型用柱状
案内具を新品と交換しなければならず、（１）金型の稼
動率が低下し、（２）長時間連続運動中に精度不良製品
を生じやすいという問題がある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記の問題点は、請求項
１に記載の第１の発明、すなわち、ＷＣ−Ｃｏ系の超硬
合金からなり、略円柱形状に焼結成形し、擢動部表面を
鏡面研摩してなる金型用柱状案内具によって、解決され
る。

【０００８】また、上記の問題点は、請求項２に記載の
第２の発明、すなわち、ＷＣ−Ｃｏ−ＴｉＣ系の超硬合
金からなり、略円柱形状に焼結成形し、擢動部表面を鏡
面研摩してなる金型用柱状案内具によっても、解決され
る。

【０００９】さらに、上記の問題点は、請求項１に記載
の第１の発明、すなわち、ＷＣ−Ｃｏ−Ｎｉ系の超硬合
金からなり、略円柱形状に焼結成形し、擢動部表面を鏡
面研摩してなる金型用柱状案内具によっても、解決され
る。

【００１０】

【作用】ＷＣ−Ｃｏ系の超硬合金、ＷＣ−Ｃｏ−ＴｉＣ
系の超硬合金、ＷＣ−Ｃｏ−Ｎｉ系の超硬合金は、いず
れも、硬さがロックウェル硬さのＡスケールを用いて測
定すると、８８ＨＲＡ以上と大変に硬いので、たとえ柱
状案内具とブッシュの間に異物が混入しても、柱状案内
具にきずが生じにくい。そのためか、多数回の繰返しに
よっても、柱状案内具には、きずや偏摩耗がほとんど生
じない。また、ＷＣ−Ｃｏ系の超硬合金、ＷＣ−Ｃｏ−
ＴｉＣ系の超硬合金、ＷＣ−Ｃｏ−Ｎｉ系の超硬合金
は、いずれも、熱膨張が小さい。そのため、長時間連続
運転を行ない、柱状案内具とブッシュとを繰返し摺動す
ることによって、発熱しても、柱状案内具の外径寸法の
増加量はわずかである。一方、銅合金製のブッシュは熱
膨張が大きい。そして、摺動により温度上昇すると、ブ
ッシュの内径寸法が増加する。そのために、温度上昇し
ても、柱状案内具とブッシュとの熱かじりが生じにく
い。

【００１１】

【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。図
２に示したストリッパーガイド方式の打抜き金型のサブ
ガイドポスト１３を本実施例材１、本実施例材２、本実
施例材３及び比較材で試作し、それぞれ、摺動面を鏡面
研磨加工した。これら供試サブガイドポストの組成を図
６に示す。ブッシュは、砲金製で油溜めを有する通常の
オイルレス・タイプのものを用い、潤滑油としては夏期
用油と冬期用油を３対７の割合で混ぜた混合油を用い
た。スタンピング材料ＳＰＣＣ厚さ０．４mm×幅２６．
６mmを約２年間連続稼動した。その結果、本実施例材に
ついては、この２年間、トラブルなしで連続運転がで
き、本実施例材のサブガイドポストは極めてわずかに摩
耗し、直径が３〜５μ減少し、表面は半光沢状態に変化
した。また、ブッシュの摩耗も驚くほど小さく、７μ前
後であった。一方、比較材（ＳＵＪ材）は、３０００万
のパンチ数で０．０２５mmの摩耗が生じ、熱かじりによ
る縦筋きずも発生し、同様にブッシュの摩耗、きずもひ
どく、通算２年間の運転中にポストブッシュを２回、新
品と交換しなければならなかった。本実施例材と比較材
のサブガイドポストそれぞれの摩耗量をパンチ数に対し
て表わしたグラフを図１に示す。

【００１２】

【発明の効果】本発明の柱状案内具を用いることによっ
て、当該柱状案内具のみならず、それと摺動するブッシ
ュについても、摩耗量が従来材に比べ１／３以下と大幅
に低下し、しかも、きずも生じにくい。そのため、従来
材に比べ３倍以上の期間を部品交換なしで連動運転で
き、金型設備の稼動率が向上する。もちろん、部品交換
による部品代や交換作業を省くことができ、コスト低減
につながる。

【００１３】柱状案内具及びこれと摺動するブッシュの
両者ともの摩耗量が大幅に低く抑えることができるの
で、上下摺動運動の位置精度が高く保たれる。その結
果、製品精度が高く、かつ金型の偏摩耗や破損が生じに
くいという効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本実施例材及び比較材のサブガイドポストのそ
れぞれの摩耗量をパンチ数に対して表わしたグラフであ
る。

【図２】ストリッパーガイド方式の打抜き金型の概略図
である。

【図３】サブガイドポストの説明図である。

【図４】サブガイドポストの説明図である。

【図５】射出成形金型及びそのガイドピンの概略図であ
る。

【図６】実施例材１、実施例材２、実施例材３及び比較
材の組成を示す表である。

【符号の説明】

１ポストホルダー２ストリッパーブッシュ３ダイプレートブッシュ４サブガイドポスト５冷気入口６冷気道７二硫化モリブデン１１下型ダイプレート１２上型ストリッパープレート１４上型ダイプレート２１上型２２上型ブッシュ２６下型２７下型ブッシュ３０ガイドピン

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】ＷＣ−Ｃｏ系の超硬合金からなり、略円柱
形状に焼結成形し、摺動部表面を鏡面研摩してなる金型
用柱状案内具。
【請求項２】ＷＣ−Ｃｏ−ＴｉＣ系の超硬合金からな
り、略円柱形状に焼結成形し、摺動部表面を鏡面研摩し
てなる金型用柱状案内具。
【請求項３】ＷＣ−Ｃｏ−Ｎｉ系の超硬合金からなり、
略円柱形状に焼結成形し、摺動部表面を鏡面研摩してな
る金型用柱状案内具。