JPH06106069A - 電気加熱式ハニカム体 - Google Patents

電気加熱式ハニカム体

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JPH06106069A
JPH06106069A JP4279178A JP27917892A JPH06106069A JP H06106069 A JPH06106069 A JP H06106069A JP 4279178 A JP4279178 A JP 4279178A JP 27917892 A JP27917892 A JP 27917892A JP H06106069 A JPH06106069 A JP H06106069A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 排気ガス浄化装置において、エンジン始動時
(コールドスタート時)の排気ガスの浄化能力を向上さ
せるために、排気ガスを均一にかつ触媒反応に好適な温
度に加熱することができる電気加熱式ハニカム体を、該
主触媒(MC)の前部に配設する。 【構成】 ケーシングと中心部をそれぞれ外周部電極材
及び中心部電極材とし、かつ薄肉金属板製の平板状帯材
と波板状帯材を前記中心部電極材の周りに相互に当接す
るように重積させて製作したハニカム体を前記ケーシン
グ内に固定した構造の電気加熱式ハニカム体において、
前記ハニカム体として該ハニカム体を構成する平板状帯
材と波板状帯材との当接部のろう付けが、前記ハニカム
体の軸方向の中心部電極材を通る少なくとも1つの断面
上に、外周部電極材から中心部電極材の方向にろう付け
される当接部の割合が大きくなる平面を選び、更に前記
ハニカム体の正面上に該断面を含む所望幅(W)を選
び、該断面を該所望幅(W)内に平行移動させて空間軌
跡を成形し、該空間軌跡内の当接部をろう付けしたもの
を採用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、一般に、自動車の排気
ガス浄化手段として排気管系統に介装されて使用される
排気ガス浄化装置に関する。更に詳しくは、本発明は、
この種の排気ガス浄化装置における大きな欠点、即ちエ
ンジン始動時(コールドスタート時)の排気ガスの低浄
化率の問題を改善するために排気ガス浄化装置に組込ま
れる電気加熱式ハニカム体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の排気ガス浄化装置の主要
な構成要素である触媒担持母体として、コージェライト
などのセラモックス材を用いたセラモックス製のモノリ
スタイプのものと、金属(メタル)製のモノリスタイプ
のものが知られている。特に最近においては、機械的強
度、耐久性、電気抵抗、浄化効率、装置の小型化、など
の観点から金属製のモノリスタイプのものが盛んに研究
されている。なお、以下の説明においては、説明の便宜
のために後者の金属製モノリスタイプのものを主として
説明する。金属製モノリスタイプの排気ガス浄化装置
は、一般に耐熱性の薄肉鋼板からの平板状帯材と前記薄
肉鋼板を波形成形した波板状帯材とを、相互に当接部を
有するように重積し、これを一括渦巻状に巻回積層して
製作した軸方向に排気ガス通路のための多数の網目状通
気孔路(以下、セルという。)を有するハニカム状積層
体(以下、ハニカム体という。)と、前記ハニカム体を
填装し固着するための両端が開口した筒状の金属製ケー
スから構成されている。そして、前記ハニカム体と金属
製ケースとは、排気ガス自体の高温度及び排気ガスと浄
化用触媒との発熱反応による高い温度雰囲気下で生起す
る熱膨脹や熱的応力に耐えるように、また自動車走行時
の激しい振動に耐え得るようにろう接または溶接などに
より強固に固着される。なお、ハニカム体を構成する平
板状帯材と波板状帯材の当接部は種々の方法により固着
されることはいうまでもないことである。
【0003】この種の排気ガス浄化装置における大きな
問題点は、次の点にある。即ち、エンジン始動時(コー
ルドスタート時)において、金属製ハニカム体の壁面に
担持された、Pt,Pd,Rhなどの排気ガス浄化用触
媒が、排気ガスと効率的に触媒反応を起こす最適な温度
条件に達していないことであり、エンジンから排出され
るCO(一酸化炭素)やHC(炭化水素化合物)などの
有害な物質のほとんどが浄化されずに大気中に放出され
てしまうという点にある。そして、この点は公害規制の
観点から問題にされようとしている。
【0004】前記したエンジン始動時(コールドスター
ト時)の問題点を解決するために種々の提案がなされて
いる。例えば、(i) 実開昭63−67609号には、セ
ラミックス製モノリスタイプを主触媒担持母体として使
用したコンバータにおいて、該主触媒担持母体の排気ガ
ス上流側の近傍部位に、予めハニカム状に製作したメタ
ル担体にアルミナをコートし、かつ通電可能とされたメ
タルモノリス触媒を配設する方法、(ii)実開平2−94
316号には、触媒本体の外周部に遠赤外線ヒータを配
設する方式、(iii)実開平3−10022号には、モノ
リスタイプの触媒の前面(排気ガスの上流側)に加熱ヒ
ータ、更に該ヒータの前面に排気ガスを整流するための
整流板を配設する方式、(iv)特開平2−277916号
には、波板状帯材の所望枚数を蛇腹状に折畳んで1つの
束体とし、該束体の隣接する層間に電気絶縁体を配設す
るとともに束体の各端部に電気接点を固定する方式、な
どが提案されている。しかしながら、これら従来の提案
のものは、ヒータ機能を有するハニカム体を十分に高く
昇温させて触媒反応を効率的に行なわしめるという要請
からみると、昇温温度が不十分でかつ昇温の温度分布が
不均一であったり、解決のためにコストアップを強いら
れたり、更にはハニカム体それ自体の強度が不十分であ
ったりなどして充分に満足のいくものではない。
【0005】
【発明が解決しようとする問題点】本発明は、前記した
従来のヒータ機能を有するハニカム体にみられる問題点
を解決すべくなされたものである。本発明者らは、コー
ルドスタート時にハニカム体の温度、特にハニカム体の
内部全体を均一にかつ充分に高い温度に昇温させる技術
について種々、検討を加えた。特に、従来技術において
説明した実開昭63−67609号などに提案されてい
る排気ガス浄化装置用の電気加熱式ハニカム体の改良に
ついて、鋭意、検討を加えた。
【0006】その結果、本発明者らは、従来技術として
説明した実開昭63−67609号などに提案されてい
る耐熱製の薄肉金属板製の平板状帯材と波板状帯材を当
接させるように重積し、これを巻回成形して巻回タイプ
のハニカム体を製作し、その中心部と外周部に電極材を
配設してプレヒータとしたもの(なお、前記従来技術
は、更にハニカム体の壁面をアルミナでコーティングし
ているが、これは形成されるコーティング層に排気ガス
の浄化用触媒を担持させるためであると認められる。)
は、次のような欠点があることを見い出した。例えば、
前記構造の電気加熱式のプレヒータとしてのハニカム体
において、外部の電源部(バッテリなど)に対して、ハ
ニカム体の外周部電極材を+(正)極、中心部電極材を
−(負)極に接続して通電したとき、(イ)外周部電極
材(ハニカム体は、例えば導電性の円筒状金属製ケース
内で固着されるので、該金属製ケース全体が外周部電極
材となる。)の表面積に対するハニカム体の外周部及び
その近傍部位における単位体積当りの平板状帯材と波板
状帯材が形成する通電面積の割合(別言すれば、該部位
における電流密度の割合ということができる。)と、
(ロ)中心部電極材(例えばNi製丸棒材)の表面積に
対するハニカム体の中心部及びその近傍部位における単
位体積当りの平板状帯材と波板状帯材が形成する通電面
積の割合(該部位における電流密度の割合)において、
前者(イ)の方が圧倒的に多いことから、前者の各セル
の壁を通じて流れる電流密度が後者より極めて少なくな
ること、別言すれば、通電によりハニカム体の外周部及
びその近傍部位での抵抗加熱により得られる発熱量は、
ハニカム体の中心部及びその近傍部位での抵抗加熱によ
り得られる発熱量と比較して小さいものとなる。その結
果、プレヒータとしてのハニカム体内部の温度が不均一
となる。
【0007】従って、従来のプレヒータ機能を有する電
気加熱式ハニカム体を組込んだ排気ガス浄化装置(な
お、装置全体の概要は、後述する図15に示されるもの
と同じであるため、以下の説明は図15が参考にな
る。)においては、通電により内部が均一に加熱昇温さ
れず、その内部を通過する排気ガスは不均一に加熱され
て下流側の主触媒(MC:Main Converter)に至る。即
ち、排気ガスは、触媒反応にとって最適な温度に均一に
加熱されずに主触媒(MC)内に流入してしまい、この
結果、最適な排気ガス浄化を達成することができない。
また、従来の電気加熱式ハニカム体においては、前記し
た電流密度の相違から中央部位を適温にすると外周部位
が低温となるが、これを解消しようとして外周部位を適
温にすると中心部位、特に中心部電極材の近傍部位はオ
ーバーヒートし、極端な場合にはメルトダウン(溶損)
してしまいハニカム体の耐振耐久性(機械的強度)が大
きく損なわれる。
【0008】これに対し、本発明者らは、従来のプレヒ
ータ機能を有するハニカム体の構造において、前記
(イ)と(ロ)で述べたように電極材(中心部電極材B
1 ,外周部電極材B2 )に対する通電面積(電流密度)
を略同一にする手段を講じた場合、ハニカム体内部が均
一に加熱されること、そして、これにより高い排気ガス
浄化率が達成されることを見い出した。本発明は、前記
知見をベースとした排気ガス浄化装置、特にその主要な
構成要素であるヒータ特性に優れた電気加熱式ハニカム
体を提供しようとするものである。
【0009】周知のように、電気加熱式ハニカム体を組
込んだ排気ガス浄化装置は、当業界においてはEHC
(Electrically Heated Converter )と呼称されてい
る。これは、主触媒(MC)を含む全体的名称である。
これに対し、本発明は特に電気加熱式ハニカム体の構造
を改善するものであり、以下の説明において前記EHC
との関連で該電気加熱式ハニカム体をEHH(Electric
ally Heated Honeycomb )と略記される場合がある。ま
たハニカム体それ自体はH(Honeycomb )と略記される
場合がある。
【0010】
【問題点を解決するための手段】本発明を概説すれば、
本発明は、ケーシングと中心部をそれぞれ外周部電極材
及び中心部電極材とし、かつ薄肉金属板製の平板状帯材
と波板状帯材を中心部電極材の周りに相互に当接するよ
うに重積させて製作したハニカム体を前記ケーシング内
に固定した構造の電気加熱式ハニカム体において、前記
ハニカム体として該ハニカム体を構成する平板状帯材と
波板状帯材との当接部のろう付けが、前記ハニカム体の
軸方向の中心部電極材からハニカム体の外周部に至る平
面または曲面を含む少なくとも1つの断面であって、か
つ、ハニカム体外周部から中心部電極材の方向にろう付
けされる当接部の割合が大きくなる断面を選び、更に前
記ハニカム体の正面上に該断面を含む所望幅(W)を選
び、該断面を該所望幅(W)内に平行移動させて空間軌
跡を形成し、該空間軌跡内の当接部をろう付けしたもの
を使用することを特徴とする電気加熱式ハニカム体に関
するものである。別言すれば、本発明の電気加熱式ハニ
カム体において、前記ハニカム体が、(i) 前記ハニカム
体の軸方向の中心部電極材から前記ハニカム体の外周部
に至る平面または曲面からなる断面であって、かつ、ハ
ニカム体外周部から中心部電極材の方向に平板状帯材と
波板状帯材の当接部の割合が大きくなる断面をハニカム
体内に規定するとともに、(ii) 前記断面を含む所定幅
(W)の少なくとも2以上の空間領域(Z)をハニカム
体内に規定し、(iii) 前記空間領域(Z)内にある平板
状帯材と波板状帯材の当接部をろう付けしたもの、であ
ることを特徴とするものである。
【0011】以下、本発明の技術的構成及び実施態様に
ついて、図面を参照して説明する。なお、本発明は図示
のものに限定されないことはいうまでもないことであ
る。
【0012】まず、はじめに、本発明の電気加熱式ハニ
カム体(EHH)と排気ガス浄化装置(A)の関係を説
明する。一般に、本発明のプレヒータ機能を有する電気
加熱式ハニカム体(EHH)は、図15に示される態様
で、排気ガス浄化装置(A)に組込まれて使用されるも
のである。図15は、電気加熱式ハニカム体(EHH)
を組込んだ排気ガス浄化装置(A)の一部を省略した断
面図である。図示されるように、排気ガス浄化装置
(A)は、排気ガス流方向(F)に対し、排気ガスの上
流側に電気加熱式ハニカム体(EHH)を、また下流側
にPt、Pd、Rhなどの排気ガスの浄化用触媒を担持
したメイン(主)触媒(MC)を金属製ケース(C1
内に配設して構成される。そして、該電気加熱式ハニカ
ム体(EHH)は、ハニカム体(H)、中心部電極材
(B1 )、及び外周部電極材(B2 )で構成されるとと
もに、これら電極材(B1 ,B2 )は外部電源部(4) に
対し、導線(41,42)により接続される。なお、電気加
熱式ハニカム体(EHH)の配設において他部材との絶
縁に留意しなければならないが、図15は簡略化のため
にこれを省略してある。本発明において、後述するよう
にEHHのヒータ特性を改善するためにハニカム体
(H)に触媒を担持させる場合があるが、このような場
合にはメイン触媒(MC)を排除してもよいことはいう
までもないことである。即ち、このような場合、EHH
がMCの機能を兼ねることになる。
【0013】図16は、図15に示される電気加熱式ハ
ニカム体(EHH)のハニカム体(H)部の正面図であ
る。図16に示されるように、本発明の電気加熱式ハニ
カム体(EHH)の主要な構成要素であるハニカム体
(H)は、薄肉金属板製の平板状帯材(1)と波板状帯
材(2)を相互に当接するように巻回積層して製作され
るものである。これにより、両帯材(1,2)の多数の
当接部(12)、及び多数の排気ガスの網目状通気孔路
(セル)(3)が自動的に形成される。なお、外周部電
極材(B2 )は、ハニカム体(H)のケーシング
(C2 )の役割も果すものである。(B2 =C2)。
【0014】次に、本発明の電気加熱式ハニカム体(E
HH)において、通電したときにその主要な構成要素で
あるハニカム体(H)の内部を均一に加熱するための技
術的手段について説明する。
【0015】薄肉金属版製の平板状帯材(1)と波板状
帯材(2)を相互に当接するように巻回積層して製作し
たハニカム体(H)において、平板状帯材(1)と波板
状帯材(2)の当接部(12)をろう付け(ろう接合)す
るとき、ろう付けされた部分(ろう付け部)とろう付け
されない部分(非ろう付け部)を設けるようにした場
合、両者の間に大きな電気抵抗の相違が生じる。いうま
でもなく、ろう付けされない部分は平板状帯材(1)と
波板状帯材(2)が機械的に当接しているだけであり、
両帯材(1,2)がろう材により完全に接合しているも
のに比較してその電気抵抗は高くなる。そして、このよ
うなろう付け態様より製作されたハニカム体(H)に通
電したとき、電流の大部分がろう付けされた部分に流
れ、これらろう付けされた部分のチャンネル内で抵抗発
熱が生じることになる。また、本発明の非ろう付け部の
帯材(1,2)において、その外表面に電気的絶縁層、
例えばAl2 3 の絶縁層を設けた場合、通電時に確実
にろう付け部に電流を流すことができるため、ろう付け
部の大きさとの関連で抵抗発熱量を正確にコントロール
することができる。
【0016】本発明は、前記したろう付け態様のもとで
製作されたハニカム体(H)内部の抵抗発熱の相違を利
用して、ハニカム体(H)の内部を均一に、通電加熱さ
れるようにしている。以下、図面を参照にして、通電時
にハニカム体(H)の内部を均一に加熱するための、本
発明に係るハニカム体(H)に適用されるろう付け態様
について説明する。
【0017】図1〜図3は、本発明のハニカム体(H)
に適用される第一実施例のろう付け態様を説明するため
の図である。図1は、本発明の、電気加熱式ハニカム体
(EHH)の中心部電極材(B1 )を通る断面図であ
り、中心部電極材(B1 )からハニカム体(H)の外周
部に至る断面(5)が示されている。第一実施例におい
て、断面(5)は、図1のようにろう付け平面(51)と非
ろう付け平面(52)に区画される。なお、図1において、
ろう付け平面(51)は斜線でハッチングされた部分であ
る。即ち、ハニカム体(H)の軸方向の中心部電極材
(B1 )から外周部電極材(B2 )に当接するハニカム
体(H)の外部に至る断面(5)上において、外周部電
極材(B2 )から中心部電極材(B1 )の方向にろう付
けされる当接部(12)の割合が大きくなる平面(51)は、
ハニカム体(H)の一方の端部において外周部電極材
(B2 )に接する線分(a)、及び前記線分(a)から
ハニカム体(H)の他の端部において中心部電極材から
の距離が湾曲状に連続的に漸減する線分(b)により区
画されるものである。
【0018】図2は、図1に示される電気加熱式ハニカ
ム体(EHH)のハニカム体の前部(Hf)からみた正
面図である。また、図3は、図1に示される電気加熱式
ハニカム体(EHH)のハニカム体の後部(Hb)から
みた正面図である。図2〜図3において、幅(W)の斜
線部はろう付け部(6)、白地部分は非ろう付け部
(7)を示すものである。そして、該ろう付け部(6)
(図2でいうと紙面に垂直な方向に)は、前記断面(5
1)を含んでハニカム体の全幅(l0 )に及ぶものであ
る。
【0019】即ち、ハニカム体(H)のろう付け態様
は、以下のようにして行なう。まず、図1に示されるよ
うにハニカム体(H)の軸方向の中心部電極材(B1
と、ハニカム体(H)の外周面に至る平面を含む一断面
(5)を規定するとともに、該断面(5)に包含され、
かつハニカム体(H)外周部から中心部電極材(B1
の方向に平板状帯材(1)と波板状帯材(2)の当接部
(12)の割合が大きくなる断面(51)を規定し、図2に
示されるように前記断面(51)を含む所望幅(W)の空
間領域(Z)を規定し、該空間領域(Z)内に存在する
平板状帯材(1)と波板状帯材(2)の当接部(12)を
ろう付けするものである。いうまでもないことである
が、図2及び図3の斜線部で示されるろう付け部(6)
は、前記空間領域(Z)に一致する。以上のようなろう
付け態様により、外部電源部(4)からの電力供給によ
り、外周部電極材(B2 )と中心部電極材(B1 )の夫
々の近傍部位において、各帯材(1,2)及び各帯材
(1,2)の当接部(12)に流れる電流密度を略同じに
することができ、ハニカム体(H)の内部を均一に加
熱、昇温させることができる。
【0020】本発明において、前記断面(51)を包含す
る断面(5)は平面であってもよいし、所望形状の曲面
であってもよいことはいうまでもないことである。ま
た、図2に示されるように、平面状の断面(5)はハニ
カム体内に4個規定され、空間領域(Z)は、中心部電
極材を中心にして90°の対称位置に規定される。本発
明において、対称的な空間領域(Z)のなす角度(α)
は、360°/n(但し、n=2,3……の整数)で規
定され、nは断面の数に相当するものである。なお、本
発明においては、後述の実施例が示すように、空間領域
(Z)が対称的に配置される態様ばかりでなく、非対称
的に配置されてもようことはいうまでもないことであ
る。
【0021】本発明において、本発明者らの多くの実験
によると、図1に示される前記線分(a)の長さ
(l1 )は、ハニカム体(H)の全幅の長さ(l0 ),
及び図2に示されるハニカム体(H)の外径(D)と中
心部電極材(B1 )の外径(d)から次のような関係式
のもとで設定できることが判明している。 l0 /5・d/D≦l1 ≦5l0 ・d/D 前記関係式は、Dが大きくなると外周部電極材(B2
の表面積が大きくなるため、l1 を小さく設定しなけれ
ばならないこと、またdが大きくなると中心部電極材
(B2 )の表面積が大きくなるためl1 を大きくしても
良いことを意味している。更に、前記関係式は、ハニカ
ム体(H)の全幅の長さ(l0 )の影響を加味したもの
であり、前記関係式により合理的にl1 を設定すること
ができる。
【0022】また、前記所望幅(W)と中心部電極材
(B1 )の外径(d)の関係、及び中心部電極材
(B1 )の外径(d)とハニカム体(H)の外径(D)
(図2を参照)の関係については、本発明者らの実験に
よると、下式(1) ,(2) により関係づけることが好まし
いことが判明している。これにより、Wは合理的に設定
することができる。 d/5 ≦W≦ 5d………(1) D/15≦d≦D/5………(2) なお、上記の関係式は一応の目安であり、中心部電極材
(B1 )の外径(d)に対して、大きな幅(W)の値を
採用すると、中心部電極材(B1 )の近傍部位の電流密
度が多くなるため該部位の異常加熱、溶損などを招くの
で気を付けなければならない。なお、図1〜図3に示さ
れる本発明のハニカム体(H)のろう付け態様は、W>
dの関係のものである。
【0023】本発明において、前記電気加熱式ハニカム
体(EHH)を構成するハニカム体(H)を製作するた
めに使用される平板状帯材(1)としては、通常のメタ
ルモノリスタイプの主触媒担持母体(MC)の製作に使
用されている帯材、例えばクロム鋼(クロム13〜25
%)、Fe−Cr 20%−Al 5%などの耐熱性の
ステンレス鋼、あるいはこれに耐酸化性を改善するため
に希土類を加えた耐熱性のステンレス鋼などの厚さ0.
04mm〜0.1mmの帯材を使用する。また、波板状帯材
(2)として、前記平板状帯材(1)から所定の略正弦
波もしくは略台形波を有するように波付加工したものが
使用される。このほか、ハニカム体(H)の高温下での
通電性を考慮してNi−Cr合金、Ni−Cr−Fe合
金、Ni−Cr−Al−Fe合金なども使用される。
【0024】特に、本発明においては、後述するように
電気加熱式ハニカム体(EHH)のヒータ特性を向上さ
せるために、ハニカム体(H)の壁面に排気ガス浄化用
触媒を担持させて使用することができる。このような場
合、該ハニカム体(H)を構成する部材、即ち平板状帯
材(1)と波板状帯材(2)にAlを含有させたものや
あるいはその表面にAl層を設けたものを熱処理して、
その表面にウィスカー状もしくはマッシュルーム状のア
ルミナ(Al2 3 )層を析出させたものが好ましい。
前記ウィスカー状などのアルミナ層は、後述するように
Pt,Pd,Rhなどの排気ガス浄化用触媒を担持する
ためのウォッシュコート層を強固に保持することができ
るので好ましいものである。
【0025】前記したように、本発明の電気加熱式ハニ
カム体(EHH)においては、そのヒータ特性(加熱特
性)を向上させるために、電気加熱式ハニカム体(EH
H)の主要な構成要素であるハニカム体(H)の壁面に
排気ガス浄化用触媒を担持させて使用することができる
ものである。周知のように、排気ガス中のHC(炭化水
素化合物)やCO(一酸化炭素)は、酸化触媒(Pt,
Pd,Cr,V,Cuなど)のもとで発熱反応によりC
2やH2 Oに無害化される。また、理論空燃比近傍で
排気ガス中に排出されるHC,CO及びNOX を同時に
浄化する酸化還元(三元)触媒(Pt−Rh系,Pt−
Pd−Rh系など)はよく知られているものであり、こ
れら排気ガス成分はCO2 やH2 Oに酸化されたりN2
に還元されたりする。なお、三元触媒系でも全体的には
発熱的に触媒反応が進行する。
【0026】本発明において、ハニカム体(H)の側に
排気ガスの浄化用触媒を担持する意味は、排気ガス浄化
装置(A)全体の浄化能を向上させる一方、前記したよ
うに触媒反応に基づく発熱量の有効活用にあり、この発
熱量をヒータ特性の向上に使うという点にある。本発明
において、ハニカム体(H)の壁面に担持させる触媒と
しては、前記した触媒反応からわかるように発熱量の大
きさからみて酸化触媒が好ましいが、酸化還元(三元触
媒)(a three-way catalyst)であってもよい。なお、
これら触媒成分を担持させる方法は、後述する主触媒
(MC)のところで説明する。
【0027】本発明の電気加熱式ハニカム体(EHH)
と外部電源部(4)の配設関係(通電接続)は、図1の
ように行なえばよく、また、排気ガス浄化装置(A)の
全体からみたときは図15のように行なえばよい。本発
明において、図示されていないが、外部電源部(4)か
ら電極材(B1 ,B2 )への電力供給は、タイマーで時
間を限っておこなってもよいし、あるいはハニカム体の
所望の部位に取付けたセンサー(熱電対など)によりハ
ニカム体の温度や排気ガス温度を測定して所望の設定値
でオンーオフされるようにしてもよく、その態様に何等
の制限を受けるものではない。また、外部電源部(4)
として直流電源を例示したが、交流電源であってもよい
ことはいうまでもないことである。なお、本発明におい
て、前記第一及び第二実施例の線分(b)が、ハニカム
体(H)の端部(H1 )に達しなくてもよいことはいう
までもないことである。この点は、以下の実施例でも同
様である。
【0028】図4は、本発明のハニカム体(H)に適用
される第二実施例のろう付け態様を説明するための図で
あり、前記図1に対応するものである。第二実施例は、
前記第一実施例と比較して、線分(b)が断続的に(階
段状に)中心部電極材(B1 )からの距離を漸減させて
いる点で相違するが、他の技術的構成は同じである。こ
のようなろう付け態様により、通電時に両電極材
(B1,B2 )の近傍部位の電流密度を略同一にするこ
とができる。なお、本発明において、前記第一及び第二
実施例の線分(b)が、ハニカム体(H)の端部
(H1 )に達しなくてもよいことはいうまでもないこと
である。この点は、以下の実施例でも同様である。
【0029】図5は、本発明のハニカム体(H)に適用
される第三実施例のろう付け態様を説明するための図で
あり、前記図1に対応するものである。第三実施例は、
前記第一実施例と比較して、線分(a)がハニカム体
(H)の両端部分に設定され、かつ、線分(b)が下に
凸状の放物線状に形成されている点で相違するが、他の
技術的構成は同じである。このようなろう付け態様によ
り、通電時に両電極材(B1 ,B2 )の近傍部位の電流
密度を略同一にすることができる。なお、線分(b)を
図5に示されるように下に凸状の放物曲線状とせずに、
ハニカム体(H)の両端部から中心部に向かって断続的
(階段状)に中心部電極材(B1 )からの距離を漸減す
るようにしてもよいことはいうまでもないことである。
【0030】図6は、本発明のハニカム体(H)に適用
される第四実施例のろう付け態様を説明する図であり、
前記図1,図4〜5に対応するものである。第四実施例
は、前記第一実施例と比較して、線分(a)がハニカム
体(H)の外周部で、かつその軸方向の略中央部に設定
され、また線分(b1 ,b2 )が該線分(a)よりハニ
カム体(H)の両端部に向かって中心部電極材(B1
からの距離を連続的に漸減するように設定されている点
で相違するが、他の技術的構成は同じである。このよう
なろう付け態様により、通電時に両電極材(B1
2 )の近傍部位の電流密度を略同一にすることができ
る。なお、線分(b1 ,b2 )を図6のように連続的な
曲線とせずに、一方を、あるいは両方を継続的(階段
状)に中心部電極材(B1 )からの距離を漸減するよう
にしてもよいことはいうまでもないことである。
【0031】図7は、本発明のハニカム体(H)に適用
される第五実施例のろう付け態様を説明するための図で
あり、前記図2に対応するものである。第五実施例は、
前記第一実施例と比較して、図1にいう平面状断面
(5)が2つ設定され、空間領域(Z)のなす角度、α
=180°のものである点で相違があるが、他の技術的
構成は同じである。このようなろう付け態様により、通
電時に両電極材(B1 ,B2 )の近傍部位の電流密度を
略同一にすることができる。
【0032】図8は、本発明のハニカム体(H)に適用
される第六実施例のろう付け態様を説明するための図で
あり、前記図2に対応するものである。第六実施例は、
前記第一実施例と比較して、第一実施例のものがW>d
であるのに対して第六実施例のものはW<dである点で
相違するが、他の技術的構成は同じである。このような
ろう付け態様により、通電時に両電極材(B1 ,B2
の近傍部位の電流密度を略同一にすることができる。
【0033】図9は、本発明のハニカム体(H)に適用
される第七実施例のろう付け態様を説明するための図で
あり、前記図2に対応するものである。第七実施例は、
前記第一実施例と比較して、図1にいう平面状の断面
(5)がハニカム体内部に4つ設定され、α=45°の
ものである点で、またW<dである点で相違するが、他
の技術的構成は同じである。このようなろう付け態様に
より、通電時に両電極材(B1 ,B2 )の近傍部位の電
流密度を略同一にすることができる。
【0034】図10は、本発明のハニカム体(H)に適
用される第八実施例のろう付け態様を説明する図であ
り、前記図2に対応するものである。第八実施例は、前
記第一〜第七実施例の断面(51)を包含する断面(5)
が平面状であったものを、断面(5)を曲面とし、該曲
面をもって空間領域(Z)を規定したものである。な
お、第八実施例は、断面(5)が曲面である点を除い
て、図7に示される第五実施例のもの全く同じ構成であ
る。
【0035】図11は、本発明のハニカム体(H)に適
用される第九実施例のろう付け態様を説明する図であ
る。前記第一〜第五実施例の空間領域(Z)は、中心部
電極材(B1 )を中心にして、空間領域(Z)同士のな
す角(α)が、360°/nの角度をもって対称的位置
に規定されるものである。これに対して、図11に示さ
れる第九実施例のものは、非対称的位置に規定されるも
のである。その他の技術的構成は第一実施例と全く同じ
である。
【0036】図12は、本発明のハニカム体(H)に適
用される第十実施例のろう付け態様を説明する図であ
る。第十実施例は、ハニカム体(H)内に規定された所
定の平面状断面(5)を含む所定幅(W1 )の空間領域
(Z1 )と、他の平面状断面(5)を含む所定幅
(W2 )の空間領域(Z2 )とを合成(Z=Z1
2 )した形式のものである(W1 ≠W2 )。その他の
技術的構成は第一実施例と全く同じである。
【0037】図13は、本発明の第十一実施例を示すも
のである。第十一実施例は、ハニカム体(H)の断面形
状が、レーストラック形状のものである点を除いて、他
の技術的構成は第一実施例と全く同じである。
【0038】図14は、本発明の第十二実施例を示すも
のである。第十二実施例は、ハニカム体(H)の断面形
状が略三角形をしている点を除いて、他の技術的構成は
第一実施例と全く同じである。
【0039】本発明において、前記第一〜第十二実施例
のろう材の供給は適宜の方法で行なえばよい。例えば、
平板状帯材(1)と波板状帯材(2)とを巻回成形して
ハニカム体(H)とするときに、両帯材(1,2)のう
ち少なくとも一方の帯材の必要部位にコーティングによ
りろう材を供給したものを使用すればよい。あるいは、
帯材の巻回時に巻回スピードに同期させながら帯材の必
要部位にろう材コーティング液を供給してもよい。な
お、ろう材の節約、ハニカム体の耐久性などの視点か
ら、波板状帯材(2)の頂部(山または谷部)の必要部
位にろう材を供給する態様は好ましいものである。本発
明において、ろう付け部以外の非ろう付け部の電気絶縁
性を高めるために、ろう付けされたハニカム体を酸化処
理し、あるいは当該部位にアルミナスラリーを被覆し、
かつ加熱処理して当該部位に電気絶縁性のアルミナ被覆
層を形成させてもよい。前記したアルミナ被覆層の形成
は、平板状帯材(1)と波板状帯材(2)とを巻回成形
してハニカム体(H)とするときに同時に行なってもよ
い。例えば、巻回成形時にろう材を供給しない部分にア
ルミナスラリーを塗布処理してもよい。
【0040】本発明の電気加熱式ハニカム体(EHH)
は、図15に示されるように一般的には主触媒(MC)
の前部に配設されて使用されるものである。以下、主触
媒(MC)について説明する。排気ガス浄化装置(A)
のもう一方の主要な構成要素である主触媒(MC)は、
セラミックス製モノリスタイプのものであってもよく、
あるいは金属(メタル)製モノリスタイプのものであっ
てもよい。これらは、常法に従って製作すればよく、例
えば主触媒(MC)の前駆体である主触媒担持母体を製
作し、これに排気ガス浄化用触媒を担持させればよい。
以下に、金属(メタル)製モノリスタイプの主触媒担持
母体の製法を説明するが、本発明に適用できる主触媒担
持母体はこれらに限定されない。なお、触媒の担持法は
後述する。
【0041】まず、断面形状が円形の巻回タイプの主触
媒担持母体がある。これは耐熱性で薄肉金属板製の平板
状帯材(1)と波板状帯材(2)を相互に当接するよう
に重積し、これを一括渦巻状に巻回積層して製作され
る。巻回積層により排気ガスの通路となる多数の網目状
通気孔路(セル)(3)が自動的に形成される。前記し
た電気加熱式ハニカム体(EHH)の主要な構成要素で
ある巻回タイプのハニカム体(H)も、この方式により
製作されるものである。より具体的には、次のようにし
て製作すればよい。Fe−Cr 20%−Al 5%−
Ce 0.02%の耐熱鋼の厚さ0.04mm、幅38mm
の薄肉鋼帯からなる平板状帯材をフォーミングギアの間
を通過させ、ピッチ幅(3.0mm) ,波高(1.4mm) の波板状
帯材とする。次いで、前記平板状帯材と該平板状帯材を
波付加工して製作した波板状帯材を相互に重積し、スリ
ット入り巻回成形棒のスリット部にその端部を挿入し、
一括巻回積層して、例えば軸方向に多数の網目状通気孔
路(セル密度 300cpsi)を有する外径70mmのメタル製
主触媒担持母体とすればよい。
【0042】次に、断面形状が円形の階層タイプの主触
媒担持母体がある。これは耐熱性で薄肉金属板製の平板
状帯材(1)波板状帯材(2)を相互に当接するように
階層状に重積して製作される。
【0043】断面形状が円形の放射状タイプの主触媒担
持母体がある。これは耐熱性で薄肉金属板製の平板状帯
材(1)と波板状帯材(2)を当接させて浄化エレメン
ト(E)とし、該浄化エレメント(E)の所望の数を固
定軸(S)を起点として放射状に外延させて製作され
る。
【0044】断面形状が円形のS字状タイプの主触媒担
持母体がある。これは耐熱性で薄肉金属板製の平板状帯
材と波板状帯材を当接させて浄化エレメント(E)と
し、該浄化エレメント(E)を最外面が平板状帯材とな
るように階層状に重積するとともに、上下両最外面に設
定された二つの固定点(S1 ,S2 )を中心に各浄化エ
レメント(E)を逆向きに折曲げて、即ち各浄化エレメ
ント(E)を略S字状カーブに変曲させて製作される。
【0045】以上のようにして製作される各種構造の主
触媒担持母体に、Pt,Pd,Rhなどの排気ガス浄化
用触媒を担持させるためには、通常の方法を採用すれば
よい。例えば、まず、前記触媒をハニカム構造の主触媒
担持母体の壁面に担持させるための触媒担持層を形成す
る。これには、活性アルミナ(γ−Al2 3 )粉末と
アルミナゾルを配合したスラリーを塗布し、これを60
0℃に加熱処理すればよい。次いで、このようにして形
成された触媒担持層にPt,Pd,Rh触媒などの触媒
を担持させるためには、含浸処理などの通常の方法を採
用して触媒成分を担持させればよい。以上のようにして
主触媒(MC)が製作される。
【0046】本発明の電気加熱式ハニカム体(EHH)
は、一般的には図15に示されるように排気ガス浄化装
置(A)を製作するために前記した主触媒(MC)と共
に金属製ケース(C1 )内に固着されるものである。こ
のような金属製ケース(C1 )は、前記電気加熱式ハニ
カム体(EHH)と主触媒(MC)を内部に収容し固着
するためものもであり、両端が開口しているものであれ
ば、その形状に何らの制約を受けるものではない。金属
製ケース(C1 )の素材として、前記主触媒担持母体と
同種の耐熱鋼を用いてもよいし、更に耐熱耐食性に富む
ものを用いてもよい。また、外側部分の金属材料を内側
部分より耐熱耐食性に富むものとした二重構造のもの、
具体的には内側部分にフェライト系ステンレス鋼を、外
側部分にオーステナイト系ステンレス鋼を使用したもの
を用いてもよい。
【0047】
【発明の効果】本発明の電気加熱式ハニカム体(EH
H)は、一般的には排気ガス浄化装置(A)の主要な構
成要素(プレキャタライザー)として金属製ケース(C
1 )内において主触媒(MC)の上流側に配設されて使
用されるものであるが、前記主触媒(MC)に代替して
(メインキャラタライザーとして)使用することもでき
る。そして、本発明の電気加熱式ハニカム体(EHH)
において、その主要な構成要素であるハニカム体(H)
は、通電時に発熱部の温度分布が均一でかつ十分な抵抗
加熱が得られるように新規なろう付手段を採用してい
る。更に、該ハニカム体(H)は、ヒータ特性(加熱特
性)を向上させるために、その壁面に排気ガス浄化用触
媒を担持させることができる。
【0048】従って、本発明においては次のような優れ
た効果が達成される。 (1) 排気ガスが電気加熱式ハニカム体(EHH)におい
て均一に、かつ触媒反応に好適な温度に加熱昇温される
ため、排気ガス処理において特に問題となるゴールドス
タート時の排気ガス浄化能力を大幅に改善することがで
きる。 (2) 電気加熱式ハニカム体(EHH)のハニカム体
(H)に排気ガス浄化用の触媒を担持する場合、ヒータ
特性の向上はもとより排気ガス浄化装置(A)全体の排
気ガス浄化能を向上させることができる。 (3) 電気加熱式ハニカム体(EHH)の構成部材が局部
的に加熱されることがないため、部材劣化に伴う耐振耐
久性(機械的強度)の低下を防止することができる。 (4) 電気加熱式ハニカム体(EHH)それ自体がヒータ
となるため、別途にヒータ材を製作し、配設しなくても
よい。 (5) 電気加熱式ハニカム体(EHH)の主要な構成要素
であるハニカム体(H)において、該ハニカム体の中心
部及びその近傍部位の平板状帯材(1)と波板状帯材
(2)の当接部(12)は、他の部位よりろう接合される割
合が大きいため、通常この種のハニカム体の中心部にみ
られるスコーピング(飛出し)が防止され、長期に亘り
優れたヒータ機能を発揮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第一実施例のろう付け態様を説明す
るための電気加熱式ハニカム体(EHH)の断面図であ
る。
【図2】 本発明の第一実施例の電気加熱式ハニカム体
の前部正面図である。
【図3】 本発明の第一実施例の電気加熱式ハニカム体
の後部正面図である。
【図4】 本発明の第二実施例のろう付け態様を説明す
るための電気加熱式ハニカム体(EHH)の断面図であ
る。
【図5】 本発明の第三実施例のろう付け態様を説明す
るための電気加熱式ハニカム体(EHH)の断面図であ
る。
【図6】 本発明の第四実施例のろう付け態様を説明す
るための電気加熱式ハニカム体(EHH)の断面図であ
る。
【図7】 本発明の第五実施例のろう付け態様を説明す
るための電気加熱式ハニカム体(EHH)の断面図であ
る。
【図8】 本発明の第六実施例のろう付け態様を説明す
るための電気加熱式ハニカム体(EHH)の断面図であ
る。
【図9】 本発明の第七実施例のろう付け態様を説明す
るための電気加熱式ハニカム体(EHH)の断面図であ
る。
【図10】 本発明の第八実施例のろう付け態様を説明
するための電気加熱式ハニカム体(EHH)の断面図で
ある。
【図11】 本発明の第九実施例のろう付け態様を説明
するための電気加熱式ハニカム体(EHH)の断面図で
ある。
【図12】 本発明の第十実施例のろう付け態様を説明
するための電気加熱式ハニカム体(EHH)の断面図で
ある。
【図13】 本発明の第十一実施例のろう付け態様を説
明するための電気加熱式ハニカム体(EHH)の断面図
である。
【図14】 本発明の第十二実施例のろう付け態様を説
明するための電気加熱式ハニカム体(EHH)の断面図
である。
【図15】 本発明の電気加熱式ハニカム体(EHH)
を組込んだ排気ガス浄化装置の一部を省略した断面図で
ある。
【図16】 本発明の電気加熱式ハニカム体(EHH)
の正面図である。
【符号の説明】
A……………… 排気ガス浄化装置 MC…………… 主触媒 EHH………… 電気加熱式ハニカム体 H……………… 電気加熱式ハニカム体を構成するハニ
カム体 B1 …………… 中心部電極材 B2 …………… 外周部電極材 C1 ,C2 …… ケーシング F……………… 排気ガス流方向 1……………… 平板状帯材 2……………… 波板状帯材 12…………… 平板状帯材と波板状帯材の当接部 3……………… セル(網目状通気孔路) 4……………… 外部電源部 41,42…… リード線 5……………… ハニカム体の断面 51…………… ろう付け平面 52…………… 非ろう付け平面 6……………… ろう付け部 7……………… 非ろう付け部 a,b………… 線分
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F01N 3/20 K 3/24 L

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ケーシングと中心部をそれぞれ外周部電
    極材及び中心部電極材とし、かつ該ケーシング内に薄肉
    金属板製の平板状帯材と波板状帯材を相互に当接するよ
    うに重積させて製作したハニカム体を前記ケーシング内
    に固定した構造の電気加熱式ハニカム体において、前記
    ハニカム体が、 (i) 前記ハニカム体の軸方向の中心部電極材から前記ハ
    ニカム体の外周部に至る平面または曲面からなる断面で
    あって、かつ、ハニカム体外周部から中心部電極材の方
    向に平板状帯材と波板状帯材の当接部の割合が大きくな
    る断面をハニカム体内に規定するとともに、 (ii) 前記断面を含む所定幅(W)の少なくとも2以上
    の空間領域(Z)をハニカム体内に規定し、 (iii) 前記空間領域(Z)内にある平板状帯材と波板状
    帯材の当接部をろう付けしたもの、であることを特徴と
    する電気加熱式ハニカム体。
  2. 【請求項2】 外周部電極材と中心部電極材が、外部の
    電源部に接続されたものである請求項1に記載の電気加
    熱式ハニカム体。
  3. 【請求項3】 空間領域(Z)が、中心部電極材を中心
    にして360°/n(但し、n≦2,3……整数)の対
    称位置に規定されるものである請求項1に記載の電気加
    熱式ハニカム体。
  4. 【請求項4】 空間領域(Z)が、中心部電極材を中心
    にして非対称位置に規定されるものである請求項1に記
    載の電気加熱式ハニカム体。
  5. 【請求項5】 空間領域(Z)が、所定幅(W1 )の空
    間領域(Z1 )と別の所定幅(W2 )の空間領域
    (Z2 )を組合わせたものであるる請求項1に記載の電
    気加熱式ハニカム体。
  6. 【請求項6】 ハニカム体外周部から中心部電極材の方
    向に平板状帯材と波板状帯材の当接部の割合が大きくな
    る断面が、ハニカム体の一方の端部において外周部電極
    材に接する線分(a)、及び該線分(a)からハニカム
    体の他の端部の方向において中心部電極材からの距離が
    漸減する線分(b)で区画されるものである請求項1に
    記載の電気加熱式ハニカム体。
  7. 【請求項7】 ハニカム体外周部から中心部電極材の方
    向に平板状帯材と波板状帯材の当接部の割合が大きくな
    る断面が、ハニカム体の両端部分において外周部電極材
    に接する線分(a1 ,a2 )、及びハニカム体の両端部
    から中心部の方向において中心部電極材からの距離が漸
    減する線分(b)で区画されるものである請求項1に記
    載の電気加熱式ハニカム体。
  8. 【請求項8】 ハニカム体外周部から中心部電極材の方
    向に平板状帯材と波板状帯材の当接部の割合が大きくな
    る断面が、ハニカム体の略中央部分において外周部電極
    材に接する線分(a)、及び該線分(a)からの両端部
    の方向において中心部電極材からの距離が漸減する線分
    (b1 ,b2 )で区画されるものである請求項1に記載
    の電気加熱式ハニカム体。
  9. 【請求項9】 線分(b,b1 ,b2 )がハニカム体の
    端部に至らないものである請求項1に記載の電気加熱式
    ハニカム体。
  10. 【請求項10】 ハニカム体の正面上に設定される所望
    幅(W)が、中心部電極材の外径(d)以上のもの(W
    ≧d)である請求項1に記載の電気加熱式ハニカム体。
  11. 【請求項11】 ハニカム体の正面上に設定される所望
    幅(W)が、中心部電極材の外径(d)より小さいもの
    (W<d)である請求項1に記載の電気加熱式ハニカム
    体。
  12. 【請求項12】 ハニカム体の非ろう付け部位の帯材表
    面が、電気的絶縁層を有するものである請求項1に記載
    の電気加熱式ハニカム体。
  13. 【請求項13】 電気的絶縁層が、Al2 3 で構成さ
    れるものである請求項12に記載の電気加熱式ハニカム
    体。
  14. 【請求項14】 ハニカム体が、排気ガス浄化用の酸化
    触媒を担持したものである請求項1に記載の電気加熱式
    ハニカム体。
  15. 【請求項15】 ハニカム体が、排気ガス浄化用の酸化
    還元触媒を担持したものである請求項1に記載の電気加
    熱式ハニカム体。
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