JPH06102296A - 電圧分布測定装置 - Google Patents
電圧分布測定装置Info
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- JPH06102296A JPH06102296A JP4274843A JP27484392A JPH06102296A JP H06102296 A JPH06102296 A JP H06102296A JP 4274843 A JP4274843 A JP 4274843A JP 27484392 A JP27484392 A JP 27484392A JP H06102296 A JPH06102296 A JP H06102296A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 電気光学効果を利用し、さらに、位相共役波
を用いて、LSIなどの二次元の電圧分布、及び、その
高速な変化を測定する装置に関するものである。 【構成】 集積回路などの被測定対象1は電気信号源1
0からの電気信号により電圧分布を生じ、被測定対象1
の周囲に電界が発生する。この電界により起こる被測定
対象1近傍に配置した電気光学結晶3の屈折率変化を、
電気信号源10に同期したパルスレーザー光を電気光学
結晶3に照射し、レーザー光の位相変調として検出す
る。被測定対象1の電圧分布を高空間分解能で測定する
ために、位相変調を受けたレーザー光の近視野像の波面
を位相共役波によって再現させる。その位相共役波を参
照光と干渉させることにより、電圧分布を光強度分布と
して検出することができる。さらに、電気信号源10か
らのトリガー信号に遅延をかけることにより、電圧分布
の変化を測定することができる。
を用いて、LSIなどの二次元の電圧分布、及び、その
高速な変化を測定する装置に関するものである。 【構成】 集積回路などの被測定対象1は電気信号源1
0からの電気信号により電圧分布を生じ、被測定対象1
の周囲に電界が発生する。この電界により起こる被測定
対象1近傍に配置した電気光学結晶3の屈折率変化を、
電気信号源10に同期したパルスレーザー光を電気光学
結晶3に照射し、レーザー光の位相変調として検出す
る。被測定対象1の電圧分布を高空間分解能で測定する
ために、位相変調を受けたレーザー光の近視野像の波面
を位相共役波によって再現させる。その位相共役波を参
照光と干渉させることにより、電圧分布を光強度分布と
して検出することができる。さらに、電気信号源10か
らのトリガー信号に遅延をかけることにより、電圧分布
の変化を測定することができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電気光学効果を利用
し、さらに、位相共役波を用いて、LSIなどの二次元
の電圧分布、及び、その高速な変化を測定する装置に関
する。
し、さらに、位相共役波を用いて、LSIなどの二次元
の電圧分布、及び、その高速な変化を測定する装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、高速な電気信号波形を測定する装
置として、超短パルスレーザー光を用いて電気光学効果
を利用した電気光学(EO)サンプリング装置が知られ
ており、テラヘルツ(THz)の帯域幅の電気信号をサ
ブピコ秒(10-12秒以下)の時間分解能で測定できる
ことが、特開昭60−253878号公報に開示されて
いる。この種の従来の電気光学サンプリング装置の概略
模式図を図2に示す。
置として、超短パルスレーザー光を用いて電気光学効果
を利用した電気光学(EO)サンプリング装置が知られ
ており、テラヘルツ(THz)の帯域幅の電気信号をサ
ブピコ秒(10-12秒以下)の時間分解能で測定できる
ことが、特開昭60−253878号公報に開示されて
いる。この種の従来の電気光学サンプリング装置の概略
模式図を図2に示す。
【0003】電気光学サンプリング装置は、測定したい
電気信号が伝播する伝送路近傍に電気光学結晶3を配置
し、電気光学効果を利用して、電気信号により生じる電
界のために起こる電気光学結晶の屈折率の変化を、超短
パルスレーザー光34をその電気光学結晶中を透過させ
て検出すると同時にサンプリングすることによって、高
速な電気信号波形を測定する装置である。このとき、電
気光学結晶の屈折率の変化はレーザー光の偏光状態の変
化として現れるので、この変化をレーザー光強度の変化
に変換するために、電気光学結晶の前後に偏光子61及
び検光子65を配置している。さらに、電気光学結晶と
検光子の間に位相補償器64を挿入することによって、
感度向上と電気光学結晶の自然複屈折の補償を図ってい
る。
電気信号が伝播する伝送路近傍に電気光学結晶3を配置
し、電気光学効果を利用して、電気信号により生じる電
界のために起こる電気光学結晶の屈折率の変化を、超短
パルスレーザー光34をその電気光学結晶中を透過させ
て検出すると同時にサンプリングすることによって、高
速な電気信号波形を測定する装置である。このとき、電
気光学結晶の屈折率の変化はレーザー光の偏光状態の変
化として現れるので、この変化をレーザー光強度の変化
に変換するために、電気光学結晶の前後に偏光子61及
び検光子65を配置している。さらに、電気光学結晶と
検光子の間に位相補償器64を挿入することによって、
感度向上と電気光学結晶の自然複屈折の補償を図ってい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記の電気光学サンプ
リング装置では、もし被測定電圧が空間的に不規則に分
布している場合、つまり、レーザービーム径の領域内で
被測定電圧により生じる電界強度にばらつきがあり、そ
の結果電気光学結晶の屈折率にばらつきがある場合、そ
の電圧分布を測定することはできない。なぜならば、電
気光学結晶の屈折率のばらつきにより生じるレーザー光
の位相の空間的なばらつき、つまり、波面の乱れは、レ
ーザー光の空間的コヒーレント性のためにビーム内でお
互いに干渉し、レーザー光が伝播する間に平均化されて
しまうからである。すなわち、レーザー光が電気光学結
晶を透過する際のビーム径内の電界強度の平均的な値を
測定することになる。したがって、電圧分布を測定する
ためには、レーザー光をできるだけ小さく絞り、さら
に、そのレーザー光、又は、被測定対象を走査しなけれ
ばならない。このとき、空間分解能は絞り込めるレーザ
ービーム系の大きさで決まり、それは、回折限界である
波長程度に制限される。
リング装置では、もし被測定電圧が空間的に不規則に分
布している場合、つまり、レーザービーム径の領域内で
被測定電圧により生じる電界強度にばらつきがあり、そ
の結果電気光学結晶の屈折率にばらつきがある場合、そ
の電圧分布を測定することはできない。なぜならば、電
気光学結晶の屈折率のばらつきにより生じるレーザー光
の位相の空間的なばらつき、つまり、波面の乱れは、レ
ーザー光の空間的コヒーレント性のためにビーム内でお
互いに干渉し、レーザー光が伝播する間に平均化されて
しまうからである。すなわち、レーザー光が電気光学結
晶を透過する際のビーム径内の電界強度の平均的な値を
測定することになる。したがって、電圧分布を測定する
ためには、レーザー光をできるだけ小さく絞り、さら
に、そのレーザー光、又は、被測定対象を走査しなけれ
ばならない。このとき、空間分解能は絞り込めるレーザ
ービーム系の大きさで決まり、それは、回折限界である
波長程度に制限される。
【0005】本発明は、プローブとなるレーザー光、又
は、被測定対象を走査することなく、二次元電圧分布、
及び、その高速な変化の高空間分解能測定装置を提供す
ることを目的とする。
は、被測定対象を走査することなく、二次元電圧分布、
及び、その高速な変化の高空間分解能測定装置を提供す
ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に関わる電圧分布
測定装置は、電気光学結晶によって位相変調を受けたレ
ーザー光の近視野像の波面を位相共役波によって再現
し、その位相共役波を参照光と干渉させることにより、
高空間分解能で二次元電圧分布、及び、その高速な変化
を測定することを特徴とするものである。
測定装置は、電気光学結晶によって位相変調を受けたレ
ーザー光の近視野像の波面を位相共役波によって再現
し、その位相共役波を参照光と干渉させることにより、
高空間分解能で二次元電圧分布、及び、その高速な変化
を測定することを特徴とするものである。
【0007】
【作用】空間、又は、物質中を伝播するレーザー光の波
面が空間的に乱れたとき、乱れた後のごく近傍(近視野
領域)では波長の半分程度の空間分解能でその乱れの情
報が保存されている。すなわち、位相変調や振幅変調に
よりレーザー光の波面が乱された場合、近視野領域では
非常に高い空間分解能でその波面情報を取り出すことが
できる。従来の電気光学サンプリング装置において、電
気光学結晶によりレーザー光の波面が乱された直後にそ
の波面情報を取り出すことは、光学系の配置上困難であ
る。そこで、位相共役波を用いて、乱されたレーザー光
の波面状態を別の場所で再現し、その再現像の近視野領
域で波面情報を高空間分解能で取り出せることは、実際
の測定上、大きな利点である。
面が空間的に乱れたとき、乱れた後のごく近傍(近視野
領域)では波長の半分程度の空間分解能でその乱れの情
報が保存されている。すなわち、位相変調や振幅変調に
よりレーザー光の波面が乱された場合、近視野領域では
非常に高い空間分解能でその波面情報を取り出すことが
できる。従来の電気光学サンプリング装置において、電
気光学結晶によりレーザー光の波面が乱された直後にそ
の波面情報を取り出すことは、光学系の配置上困難であ
る。そこで、位相共役波を用いて、乱されたレーザー光
の波面状態を別の場所で再現し、その再現像の近視野領
域で波面情報を高空間分解能で取り出せることは、実際
の測定上、大きな利点である。
【0008】位相共役波の発生には、BaTiO3、L
iNbO3などの非線形光学結晶が用いられる。これら
の結晶には、レーザー光の照射によって屈折率が変化す
るフォトリフラクティブ効果、あるいは、光カー効果を
起こす性質がある。このような結晶にお互いにコヒーレ
ントな2つのレーザー光を180度の角度で入射する
と、結晶内にレーザー光の干渉パターンが生じ、そのパ
ターンに合わせて結晶の屈折率が変調され、結晶内部に
位相格子が発生する。この状態の結晶に、さらにもう1
つ別のレーザー光を入射させると、このレーザー光の位
相共役波が発生する。この結晶を電気光学結晶と呼び、
このような手法を四光波混合と云う。位相共役波は入射
光に対して時間反転した光であると考えられるので、位
相共役鏡に入射する前の入射光の状態を再現することが
できる。
iNbO3などの非線形光学結晶が用いられる。これら
の結晶には、レーザー光の照射によって屈折率が変化す
るフォトリフラクティブ効果、あるいは、光カー効果を
起こす性質がある。このような結晶にお互いにコヒーレ
ントな2つのレーザー光を180度の角度で入射する
と、結晶内にレーザー光の干渉パターンが生じ、そのパ
ターンに合わせて結晶の屈折率が変調され、結晶内部に
位相格子が発生する。この状態の結晶に、さらにもう1
つ別のレーザー光を入射させると、このレーザー光の位
相共役波が発生する。この結晶を電気光学結晶と呼び、
このような手法を四光波混合と云う。位相共役波は入射
光に対して時間反転した光であると考えられるので、位
相共役鏡に入射する前の入射光の状態を再現することが
できる。
【0009】本発明の実施は以下の要領で行われる。電
気光学サンプリング装置においては、被測定対象となる
デバイスやそれらが集積された電子回路の近傍に電気光
学結晶を配置し、その結晶を利用して、被測定対象を伝
播する電気信号によって生じる電界強度を、プローブと
なるパルスレーザー光で検出する。電気光学結晶の屈折
率は電界強度に比例して変化するので、被測定対象とな
るデバイスなどに空間的に不規則な電圧分布があり、こ
のために電界強度にばらつきがある場合、その電界中に
置かれた電気光学結晶は、内部に屈折率分布を持つこと
になる。この屈折率分布のために、レーザー光の波面は
乱されるが、この乱れは、レーザー光のコヒーレント性
のためにビーム内でお互いに干渉し、伝播する間に平均
化されてしまう。この平均化されてしまった情報から、
もとの屈折率分布、つまり、被測定対象の電圧分布を位
相共役波を用いて、再現する。位相共役波はもとの光に
対して時間反転した光であると考えられるので、レーザ
ー光が電気光学結晶で電圧分布による空間的位相変調を
受け、電気光学結晶から位相共役鏡まで伝播し、位相共
役鏡で反射された入射光に対する位相共役波が電気光学
結晶から位相共役鏡までと同じ距離だけさらに位相共役
鏡から伝播すると、電気光学結晶で受けた位相変調を再
現することになる。また、この位置から多少前後する近
視野領域においても、電気光学結晶で受けた位相変調を
波長の半分程度の空間分解能で再現している。この近視
野領域内で、位相変調の大きさ、つまり、被測定対象の
電圧分布を取り出すために、干渉を利用して空間的な光
強度変調として検出する。干渉用の参照光には、電気光
学結晶に入射する前にレーザー光をビームスプリッター
で分割したものを用いる。電気光学サンプリング装置に
おいて、電気光学結晶として自然複屈折を起こさない結
晶を用いた場合には、参照光はいくつかの反射ミラーと
ビームスプリッターで構成される光学系を通り、最終的
に測定光と干渉することになる。一方、電気光学結晶が
自然複屈折を起こす場合には、上記光学系に加え、参照
光の伝播路中に電気光学結晶によって生ずる複屈折を補
償するための結晶を備えておく必要がある。簡単には、
電気光学結晶と同じもの(特に、結晶の種類、厚さ、結
晶の方向が同じもの)を、参照光の伝播路中の、電気光
学結晶のある場所に相当する位置に配置すればよい。被
測定対象の電圧分布に相当する干渉光強度の空間的ばら
つきは、面型光増幅器で十分に増幅された後、面型光検
出器で検出し、光強度分布信号を信号処理装置で処理す
ることによって、被測定対象の電圧分布、及び、その高
速な変化を測定することができる。
気光学サンプリング装置においては、被測定対象となる
デバイスやそれらが集積された電子回路の近傍に電気光
学結晶を配置し、その結晶を利用して、被測定対象を伝
播する電気信号によって生じる電界強度を、プローブと
なるパルスレーザー光で検出する。電気光学結晶の屈折
率は電界強度に比例して変化するので、被測定対象とな
るデバイスなどに空間的に不規則な電圧分布があり、こ
のために電界強度にばらつきがある場合、その電界中に
置かれた電気光学結晶は、内部に屈折率分布を持つこと
になる。この屈折率分布のために、レーザー光の波面は
乱されるが、この乱れは、レーザー光のコヒーレント性
のためにビーム内でお互いに干渉し、伝播する間に平均
化されてしまう。この平均化されてしまった情報から、
もとの屈折率分布、つまり、被測定対象の電圧分布を位
相共役波を用いて、再現する。位相共役波はもとの光に
対して時間反転した光であると考えられるので、レーザ
ー光が電気光学結晶で電圧分布による空間的位相変調を
受け、電気光学結晶から位相共役鏡まで伝播し、位相共
役鏡で反射された入射光に対する位相共役波が電気光学
結晶から位相共役鏡までと同じ距離だけさらに位相共役
鏡から伝播すると、電気光学結晶で受けた位相変調を再
現することになる。また、この位置から多少前後する近
視野領域においても、電気光学結晶で受けた位相変調を
波長の半分程度の空間分解能で再現している。この近視
野領域内で、位相変調の大きさ、つまり、被測定対象の
電圧分布を取り出すために、干渉を利用して空間的な光
強度変調として検出する。干渉用の参照光には、電気光
学結晶に入射する前にレーザー光をビームスプリッター
で分割したものを用いる。電気光学サンプリング装置に
おいて、電気光学結晶として自然複屈折を起こさない結
晶を用いた場合には、参照光はいくつかの反射ミラーと
ビームスプリッターで構成される光学系を通り、最終的
に測定光と干渉することになる。一方、電気光学結晶が
自然複屈折を起こす場合には、上記光学系に加え、参照
光の伝播路中に電気光学結晶によって生ずる複屈折を補
償するための結晶を備えておく必要がある。簡単には、
電気光学結晶と同じもの(特に、結晶の種類、厚さ、結
晶の方向が同じもの)を、参照光の伝播路中の、電気光
学結晶のある場所に相当する位置に配置すればよい。被
測定対象の電圧分布に相当する干渉光強度の空間的ばら
つきは、面型光増幅器で十分に増幅された後、面型光検
出器で検出し、光強度分布信号を信号処理装置で処理す
ることによって、被測定対象の電圧分布、及び、その高
速な変化を測定することができる。
【0010】
【実施例】以下、本発明の実施例について図を参照しな
がら説明する。
がら説明する。
【0011】図1は本発明における電圧分布測定装置の
一実施例を示す模式図である。
一実施例を示す模式図である。
【0012】電気信号源10に同期したパルスレーザー
装置2より発せられる波長527nmのパルスレーザー
光31はビームスプリッター12でレーザー光32とレ
ーザー光33の2つに分割され、さらに、レーザー光3
2はビームスプリッター14でレーザー光34とレーザ
ー光35の2つに分割される。レーザー光34は測定光
として、誘電体多層反射膜4を蒸着した自然複屈折のな
い電気光学結晶であるZnSe 3に照射される。このと
き、レーザー光34のビーム径は1mm程度である。集
積回路1は電気信号源であるパルスジェネレーター10
からの電気信号41で駆動し、集積回路1内に電圧分布
を生じさせることになるが、集積回路1の線幅が1μm
である場合、電圧分布の測定には空間分解能1μm以下
の精度が必要となる。集積回路1の電圧分布に応じてZ
nSe 3の屈折率が変化し、レーザー光34は位相変調
を受け、誘電体反射多層膜4で反射される(レーザー光
36)。また、ビームスプリッター12で分割されたも
う一方のレーザー光33は、ビームスプリッター21で
さらにレーザー光39とレーザー光40の2つに分割さ
れ、位相共役波発生の整合条件を満たすようお互いが1
80度で対向して位相共役鏡であるBaTiO35に、
位相共役波発生のためのポンプ光として照射される。ポ
ンプ光であるレーザー光39とレーザー光40がBaT
iO35に到達するのと同時刻に位相変調を受けた測定
光であるレーザー光36がBaTiO35に入射する
と、レーザー光36の位相共役波38が発生する。ま
た、ビームスプリッター14で分割されたもう一方のレ
ーザー光35は、ミラー16とミラー17で反射されビ
ームスプリッター15で位相共役波38と合成される
(レーザー光37)。位相共役波38とレーザー光37
は同じ光路を同じ時刻に伝播するようにする。したがっ
て、位相共役波38とレーザー光37はお互いに干渉す
るが、その干渉光は位相共役波38の位相変調のために
集積回路1の電圧分布に相当する空間的な強度分布を生
ずる。この干渉光をレンズ18を用いて拡大し、位相共
役波38が集積回路1の電圧分布を再現する近視野領域
のところで、面型光増幅器であるマイクロチャンネルプ
レート6で増幅した後、面型光検出器であるCCDカメ
ラ7で検出する。近視野領域では、集積回路1の電圧分
布はレーザー光の波長の半分程度、つまり300nm程
度の空間分解能で光強度分布として再現されるので、マ
イクロチャンネルプレート6とCCDカメラ7の空間分
解能を考慮してレンズ18の倍率を選ぶことにより、集
積回路1の電圧分布を1μm以下の精度で測定すること
は可能である。例えば、マイクロチャンネルプレート
6、CCDカメラ7の空間分解能が10μm×10μm
程度、受光面積が10mm×10mm程度で、レンズ1
8の倍率が10倍である場合、集積回路1での空間分解
能は1μm×1μm程度、測定領域は1mm×1mm程
度となる。最終的には、CCDカメラ7で検出された光
強度分布信号、つまり、電圧分布信号は信号処理装置8
で積算などの処理を行い、ディスプレイ9などに表示す
る。以上の測定において、電気信号源10からのトリガ
ー信号42に遅延回路11を用いて遅延をかけて(トリ
ガー信号43)、パルスレーザー装置2の発振のタイミ
ングを変えていくことにより、パルスレーザー光による
サンプリング時間を徐々にずらし、電圧分布の高速な変
化を測定する。
装置2より発せられる波長527nmのパルスレーザー
光31はビームスプリッター12でレーザー光32とレ
ーザー光33の2つに分割され、さらに、レーザー光3
2はビームスプリッター14でレーザー光34とレーザ
ー光35の2つに分割される。レーザー光34は測定光
として、誘電体多層反射膜4を蒸着した自然複屈折のな
い電気光学結晶であるZnSe 3に照射される。このと
き、レーザー光34のビーム径は1mm程度である。集
積回路1は電気信号源であるパルスジェネレーター10
からの電気信号41で駆動し、集積回路1内に電圧分布
を生じさせることになるが、集積回路1の線幅が1μm
である場合、電圧分布の測定には空間分解能1μm以下
の精度が必要となる。集積回路1の電圧分布に応じてZ
nSe 3の屈折率が変化し、レーザー光34は位相変調
を受け、誘電体反射多層膜4で反射される(レーザー光
36)。また、ビームスプリッター12で分割されたも
う一方のレーザー光33は、ビームスプリッター21で
さらにレーザー光39とレーザー光40の2つに分割さ
れ、位相共役波発生の整合条件を満たすようお互いが1
80度で対向して位相共役鏡であるBaTiO35に、
位相共役波発生のためのポンプ光として照射される。ポ
ンプ光であるレーザー光39とレーザー光40がBaT
iO35に到達するのと同時刻に位相変調を受けた測定
光であるレーザー光36がBaTiO35に入射する
と、レーザー光36の位相共役波38が発生する。ま
た、ビームスプリッター14で分割されたもう一方のレ
ーザー光35は、ミラー16とミラー17で反射されビ
ームスプリッター15で位相共役波38と合成される
(レーザー光37)。位相共役波38とレーザー光37
は同じ光路を同じ時刻に伝播するようにする。したがっ
て、位相共役波38とレーザー光37はお互いに干渉す
るが、その干渉光は位相共役波38の位相変調のために
集積回路1の電圧分布に相当する空間的な強度分布を生
ずる。この干渉光をレンズ18を用いて拡大し、位相共
役波38が集積回路1の電圧分布を再現する近視野領域
のところで、面型光増幅器であるマイクロチャンネルプ
レート6で増幅した後、面型光検出器であるCCDカメ
ラ7で検出する。近視野領域では、集積回路1の電圧分
布はレーザー光の波長の半分程度、つまり300nm程
度の空間分解能で光強度分布として再現されるので、マ
イクロチャンネルプレート6とCCDカメラ7の空間分
解能を考慮してレンズ18の倍率を選ぶことにより、集
積回路1の電圧分布を1μm以下の精度で測定すること
は可能である。例えば、マイクロチャンネルプレート
6、CCDカメラ7の空間分解能が10μm×10μm
程度、受光面積が10mm×10mm程度で、レンズ1
8の倍率が10倍である場合、集積回路1での空間分解
能は1μm×1μm程度、測定領域は1mm×1mm程
度となる。最終的には、CCDカメラ7で検出された光
強度分布信号、つまり、電圧分布信号は信号処理装置8
で積算などの処理を行い、ディスプレイ9などに表示す
る。以上の測定において、電気信号源10からのトリガ
ー信号42に遅延回路11を用いて遅延をかけて(トリ
ガー信号43)、パルスレーザー装置2の発振のタイミ
ングを変えていくことにより、パルスレーザー光による
サンプリング時間を徐々にずらし、電圧分布の高速な変
化を測定する。
【0013】また、自然複屈折のない電気光学結晶であ
るZnSe3の代わりに自然複屈折のある電気光学結
晶、例えばLiNbO3などを用いた場合には、電気光
学結晶によって生ずる複屈折を補償するために、ミラー
16の代わりに、誘電体反射多層膜を蒸着した電気光学
結晶と同じ結晶(特に、結晶の種類、厚さ、結晶の方向
が同じもの)を用いることにより、同様の測定ができ
る。
るZnSe3の代わりに自然複屈折のある電気光学結
晶、例えばLiNbO3などを用いた場合には、電気光
学結晶によって生ずる複屈折を補償するために、ミラー
16の代わりに、誘電体反射多層膜を蒸着した電気光学
結晶と同じ結晶(特に、結晶の種類、厚さ、結晶の方向
が同じもの)を用いることにより、同様の測定ができ
る。
【0014】この装置により、LSIなどの二次元電圧
分布、及び、その高速な変化を高空間分解能で測定する
ことができる。
分布、及び、その高速な変化を高空間分解能で測定する
ことができる。
【0015】
【発明の効果】本発明の電圧分布測定装置によれば、位
相共役波を利用して近視野領域の波面を再現し、参照光
との干渉によってその波面を光強度分布として検出し、
プローブとなるレーザー光、又は、被測定対象を走査す
ることなく、二次元電圧分布、及び、その高速な変化を
高空間分解能で測定することが可能である。
相共役波を利用して近視野領域の波面を再現し、参照光
との干渉によってその波面を光強度分布として検出し、
プローブとなるレーザー光、又は、被測定対象を走査す
ることなく、二次元電圧分布、及び、その高速な変化を
高空間分解能で測定することが可能である。
【図1】本発明に関わる電圧分布測定装置の一実施例を
示す模式図である。
示す模式図である。
【図2】従来の電気光学サンプリング装置の一実施例を
示す模式図である。
示す模式図である。
1 被測定対象(集積回路) 2 パルスレーザー装置 3 電気光学結晶(ZnSe) 4 誘電体多層反射膜 5 位相共役鏡(BaTiO3) 6 面型光増幅器(マイクロチャンネルプレート) 7 面型光検出器(CCDカメラ) 8 信号処理装置 9 ディスプレイ 10 電気信号源 11 遅延回路 12,14,15,21 ビームスプリッター 13,16,17,19,20,22,23 ミラー 18 レンズ 31,32 パルスレーザー光 33,39,40 パルスレーザー光(ポンプ光) 34,36 パルスレーザー光(測定光) 35,37 パルスレーザー光(参照光) 38 位相共役波 41 電気信号 42,43 トリガー信号 51 位相共役波発生光学系 52 干渉光学系 53 面型光検出装置 61 偏光子 62,63 レンズ 64 位相補償器 65 検光子 66,67 光検出器 68 差動アンプ 69 ロックインアンプ 70 信号平均化回路 71 ディスプレイ 72 光チョッパー 73 光遅延器 74 ビームスプリッター 75 ミラー 76 パルスレーザー光(トリガー光)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松本 貴裕 相模原市淵野辺5−10−1 新日本製鐵株 式会社エレクトロニクス研究所内
Claims (1)
- 【請求項1】 パルスレーザー装置と、電気光学結晶
と、遅延装置とを有する電気光学サンプリング装置に対
して、被測定対象の空間的に不規則な電圧分布により生
じたレーザー光の空間的位相変調、つまり、波面の空間
的乱れを再現するための位相共役波発生光学系と、前記
レーザー光の波面の空間的乱れを光強度分布として検出
するための干渉光学系と、前記光強度分布を検出するた
めの面型光検出装置と、前記面型光検出装置で検出した
光強度分布信号を処理するための信号処理装置とを備え
ていることを特徴とする電圧分布測定装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4274843A JPH06102296A (ja) | 1992-09-21 | 1992-09-21 | 電圧分布測定装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4274843A JPH06102296A (ja) | 1992-09-21 | 1992-09-21 | 電圧分布測定装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06102296A true JPH06102296A (ja) | 1994-04-15 |
Family
ID=17547362
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4274843A Withdrawn JPH06102296A (ja) | 1992-09-21 | 1992-09-21 | 電圧分布測定装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06102296A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH09318710A (ja) * | 1996-05-30 | 1997-12-12 | Nec Corp | プリント基板の信号波形測定装置 |
CN106461707A (zh) * | 2014-06-06 | 2017-02-22 | 东芝三菱电机产业系统株式会社 | 三维表面电位分布测量装置 |
-
1992
- 1992-09-21 JP JP4274843A patent/JPH06102296A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH09318710A (ja) * | 1996-05-30 | 1997-12-12 | Nec Corp | プリント基板の信号波形測定装置 |
CN106461707A (zh) * | 2014-06-06 | 2017-02-22 | 东芝三菱电机产业系统株式会社 | 三维表面电位分布测量装置 |
CN106461707B (zh) * | 2014-06-06 | 2019-03-05 | 东芝三菱电机产业系统株式会社 | 三维表面电位分布测量装置 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 19991130 |