JPH06102181A - 硫化水素分析方法 - Google Patents
硫化水素分析方法Info
- Publication number
- JPH06102181A JPH06102181A JP25163092A JP25163092A JPH06102181A JP H06102181 A JPH06102181 A JP H06102181A JP 25163092 A JP25163092 A JP 25163092A JP 25163092 A JP25163092 A JP 25163092A JP H06102181 A JPH06102181 A JP H06102181A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- hydrogen sulfide
- plasma
- sample
- gas
- high frequency
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Investigating Or Analyzing Non-Biological Materials By The Use Of Chemical Means (AREA)
- Investigating, Analyzing Materials By Fluorescence Or Luminescence (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【構成】 試料ガスを、酸化防止剤を含む吸収液に接触
せしめて該試料ガス中の硫化水素を吸収液に吸収させて
捕集し、次いで硫化水素を捕集した吸収液を、測定元素
をプラズマで励起した際に発生する硫黄の輝線スペクト
ルを分光分析して発光強度を測定するICPにより発光
強度を測定する一方、既知濃度の硫化水素を含む標準ガ
スを該吸収液に流して所定濃度の硫化水素を吸収させた
溶液をICPにより発光強度を測定して硫化水素検量線
を作成し、この検量線から上記試料ガスの硫化水素濃度
を測定する方法である。 【効果】 従来法である炎光光度型ガスクロマトグラフ
(FPD−GC)法のようにアルシンやホスフィンなど
の分析における分析ピークの重なりが無く、アルシンや
ホスフィン中の極微量の硫化水素を高感度で測定するこ
とができる。
せしめて該試料ガス中の硫化水素を吸収液に吸収させて
捕集し、次いで硫化水素を捕集した吸収液を、測定元素
をプラズマで励起した際に発生する硫黄の輝線スペクト
ルを分光分析して発光強度を測定するICPにより発光
強度を測定する一方、既知濃度の硫化水素を含む標準ガ
スを該吸収液に流して所定濃度の硫化水素を吸収させた
溶液をICPにより発光強度を測定して硫化水素検量線
を作成し、この検量線から上記試料ガスの硫化水素濃度
を測定する方法である。 【効果】 従来法である炎光光度型ガスクロマトグラフ
(FPD−GC)法のようにアルシンやホスフィンなど
の分析における分析ピークの重なりが無く、アルシンや
ホスフィン中の極微量の硫化水素を高感度で測定するこ
とができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、化合物半導体用材料で
あるアルシン、ホスフィンなどの試料ガス中の硫化水素
(H2S)を高精度で分析するための硫化水素分析方法
に関する。
あるアルシン、ホスフィンなどの試料ガス中の硫化水素
(H2S)を高精度で分析するための硫化水素分析方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】アルシン、ホスフィンは有機金属気相成
長法(Metal OrganicVapor Pha
se Epitaxy;以下、MOVPEと言う)やハ
ライド気相成長法(Vapor Phase Epit
axy;以下、VPEと言う)を用いたIII−V族化合
物半導体のV族原料ガスとして主に用いられている。こ
れらガスを使用する分野では原料ガスの高純度化が極め
て重要であり、原料に混入した不純物は結晶の光学的お
よび電気的特性に影響を与え、結果的にデバイス性能を
劣化する働きをする。
長法(Metal OrganicVapor Pha
se Epitaxy;以下、MOVPEと言う)やハ
ライド気相成長法(Vapor Phase Epit
axy;以下、VPEと言う)を用いたIII−V族化合
物半導体のV族原料ガスとして主に用いられている。こ
れらガスを使用する分野では原料ガスの高純度化が極め
て重要であり、原料に混入した不純物は結晶の光学的お
よび電気的特性に影響を与え、結果的にデバイス性能を
劣化する働きをする。
【0003】原料ガス中の不純物としては従来よりAl
GaAs半導体レーザの性能向上の要求から酸素と水の
存在が問題となり、これらに着目した精製を行ってきた
が、最近MOVPEによるHEMT(高電子移動トラン
ジスタ)や半導体レーザなどの量産が行われるようにな
った結果、N型不純物である珪素、硫黄、ゲルマニウム
を問題不純物としての認識が深まり、ガスの精製と分析
保証が強く求められている。N型不純物が存在すると結
晶の電子移動度を低下させ、HEMTのノイズの原因と
なる。さらにVPEにより赤色GaAsP発光ダイオー
ドの生産においては硫黄不純物の存在によって輝度が大
きく低下することが報告されている(Craven,R.A.;Fin
n,D. J.Appl.Phys.50,6334-6343(1979))。化合物半導
体中の結晶欠陥と不純物、それらとデバイス不良との関
係は、まだ十分解明されていない。上述した原料ガスの
高純度化を行うに際しては、対象となる不純物とその問
題となるレベルを明確にした上で系統的に精製除去を行
うことが肝要であり、不純物量とデバイスへの影響を確
認しうる分析技術の確立が急務である。
GaAs半導体レーザの性能向上の要求から酸素と水の
存在が問題となり、これらに着目した精製を行ってきた
が、最近MOVPEによるHEMT(高電子移動トラン
ジスタ)や半導体レーザなどの量産が行われるようにな
った結果、N型不純物である珪素、硫黄、ゲルマニウム
を問題不純物としての認識が深まり、ガスの精製と分析
保証が強く求められている。N型不純物が存在すると結
晶の電子移動度を低下させ、HEMTのノイズの原因と
なる。さらにVPEにより赤色GaAsP発光ダイオー
ドの生産においては硫黄不純物の存在によって輝度が大
きく低下することが報告されている(Craven,R.A.;Fin
n,D. J.Appl.Phys.50,6334-6343(1979))。化合物半導
体中の結晶欠陥と不純物、それらとデバイス不良との関
係は、まだ十分解明されていない。上述した原料ガスの
高純度化を行うに際しては、対象となる不純物とその問
題となるレベルを明確にした上で系統的に精製除去を行
うことが肝要であり、不純物量とデバイスへの影響を確
認しうる分析技術の確立が急務である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記N型不純物の化合
物の内、分析技術に課題を有するものとして硫化水素
(H2S)の分析方法が挙げられる。硫化水素の一般的
な分析方法として、窒素などのバルクガス中の硫化水素
分析では、炎光光度型ガスクロマトグラフ(FPD−G
C)法が用いられている。図12(a),(b)はこの
FPD−GC法による硫化水素の分析結果の一例とし
て、(a)N2−H2S(8.4ppm)混合ガス、
(b)H2−PH3−H2S(0.8ppm)混合ガスの分
析結果を示している。(a)の窒素中の硫化水素ではシ
ャープなピークが現われているのに対し、(b)のホス
フィン中の硫化水素では、ホスフィンのテーリング現象
が起こり、低濃度になるにつれてピーク測定が困難にな
る。さらにアルシン中の硫化水素分析では、アルシンと
硫化水素のピークが重なることから、これらガス中の硫
化水素をガスクロマトグラフにより満足な分析条件を探
し出し高感度で分析することは非常に困難である。
物の内、分析技術に課題を有するものとして硫化水素
(H2S)の分析方法が挙げられる。硫化水素の一般的
な分析方法として、窒素などのバルクガス中の硫化水素
分析では、炎光光度型ガスクロマトグラフ(FPD−G
C)法が用いられている。図12(a),(b)はこの
FPD−GC法による硫化水素の分析結果の一例とし
て、(a)N2−H2S(8.4ppm)混合ガス、
(b)H2−PH3−H2S(0.8ppm)混合ガスの分
析結果を示している。(a)の窒素中の硫化水素ではシ
ャープなピークが現われているのに対し、(b)のホス
フィン中の硫化水素では、ホスフィンのテーリング現象
が起こり、低濃度になるにつれてピーク測定が困難にな
る。さらにアルシン中の硫化水素分析では、アルシンと
硫化水素のピークが重なることから、これらガス中の硫
化水素をガスクロマトグラフにより満足な分析条件を探
し出し高感度で分析することは非常に困難である。
【0005】また、一般的なメチレンブルー吸光光度法
(比色法)をアルシン、ホスフィンに応用し分析を行う
方法が知られているが、サンプルを吸収液に吸収させた
後、p−ジメチルアニリン溶液及び塩化鉄(III)溶液
を加え、生成したメチレンブルーの吸光度を測定し硫化
水素を定量するこの方法は、ランバードベールの法則に
基づく比色計の感度や、サンプリングに可能なガス量を
考えると、検出下限は0.1ppm程度と考えられ、そ
れ以下の微量の硫化水素の検出は不可能であった。
(比色法)をアルシン、ホスフィンに応用し分析を行う
方法が知られているが、サンプルを吸収液に吸収させた
後、p−ジメチルアニリン溶液及び塩化鉄(III)溶液
を加え、生成したメチレンブルーの吸光度を測定し硫化
水素を定量するこの方法は、ランバードベールの法則に
基づく比色計の感度や、サンプリングに可能なガス量を
考えると、検出下限は0.1ppm程度と考えられ、そ
れ以下の微量の硫化水素の検出は不可能であった。
【0006】本発明は上記事情に鑑みてなされたもの
で、アルシン、ホスフィンなどの試料ガス中の硫化水素
(H2S)を高精度で分析するための硫化水素分析方法
の提供を目的としている。
で、アルシン、ホスフィンなどの試料ガス中の硫化水素
(H2S)を高精度で分析するための硫化水素分析方法
の提供を目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するために、試料ガスを、酸化防止剤を含む吸収液に接
触せしめて該試料ガス中の硫化水素を吸収液に吸収させ
て捕集し、次いで硫化水素を捕集した吸収液を、測定元
素をプラズマで励起した際に発生する硫黄の輝線スペク
トルを分光分析して発光強度を測定する誘導結合高周波
プラズマ分光分析装置により発光強度を測定する一方、
既知濃度の硫化水素を含む標準ガスを該吸収液に流して
所定濃度の硫化水素を吸収させた溶液を誘導結合高周波
プラズマ分光分析装置により発光強度を測定して硫化水
素検量線を作成し、この検量線から上記試料ガスの硫化
水素濃度を測定するようにした。
するために、試料ガスを、酸化防止剤を含む吸収液に接
触せしめて該試料ガス中の硫化水素を吸収液に吸収させ
て捕集し、次いで硫化水素を捕集した吸収液を、測定元
素をプラズマで励起した際に発生する硫黄の輝線スペク
トルを分光分析して発光強度を測定する誘導結合高周波
プラズマ分光分析装置により発光強度を測定する一方、
既知濃度の硫化水素を含む標準ガスを該吸収液に流して
所定濃度の硫化水素を吸収させた溶液を誘導結合高周波
プラズマ分光分析装置により発光強度を測定して硫化水
素検量線を作成し、この検量線から上記試料ガスの硫化
水素濃度を測定するようにした。
【0008】また、上記吸収液を誘導結合高周波プラズ
マ分光分析装置のプラズマトーチに導く際には、該吸収
液を超音波振動子でミスト化しキャリアガスで移送しな
がら加熱して濃縮した試料を供給する超音波ネブライザ
を用いることが望ましい。
マ分光分析装置のプラズマトーチに導く際には、該吸収
液を超音波振動子でミスト化しキャリアガスで移送しな
がら加熱して濃縮した試料を供給する超音波ネブライザ
を用いることが望ましい。
【0009】
【作用】試料ガスを酸化防止剤を含む吸収液に接触せし
めて試料ガス中の硫化水素を吸収液に吸収させて捕集す
ることにより、硫化水素が吸収される際の酸化が防止さ
れ、S2-イオンの状態で捕集される。S2-イオンの状態
で誘導結合高周波プラズマ分光分析を行うことにより、
硫黄を高精度で定量分析することが可能となる。即ち、
この誘導結合高周波プラズマ分光分析では、従来法であ
る炎光光度型ガスクロマトグラフ(FPD−GC)法の
ようにアルシンやホスフィンなどの分析における分析ピ
ークの重なりが無く、アルシンやホスフィン中の硫化水
素を高感度で測定することができる。さらに本発明方法
では、吸収液を誘導結合高周波プラズマ分光分析装置の
プラズマトーチに導く際に超音波ネブライザを用いたこ
とにより、従来の他の分析法である比色定量法よりも1
桁下の検出限界での測定が可能となる。
めて試料ガス中の硫化水素を吸収液に吸収させて捕集す
ることにより、硫化水素が吸収される際の酸化が防止さ
れ、S2-イオンの状態で捕集される。S2-イオンの状態
で誘導結合高周波プラズマ分光分析を行うことにより、
硫黄を高精度で定量分析することが可能となる。即ち、
この誘導結合高周波プラズマ分光分析では、従来法であ
る炎光光度型ガスクロマトグラフ(FPD−GC)法の
ようにアルシンやホスフィンなどの分析における分析ピ
ークの重なりが無く、アルシンやホスフィン中の硫化水
素を高感度で測定することができる。さらに本発明方法
では、吸収液を誘導結合高周波プラズマ分光分析装置の
プラズマトーチに導く際に超音波ネブライザを用いたこ
とにより、従来の他の分析法である比色定量法よりも1
桁下の検出限界での測定が可能となる。
【0010】
【実施例】以下、本発明の硫化水素分析方法を詳細に説
明する。本発明では、アルシン、ホスフィンなどの化合
物半導体の原料ガスや種々の高純度ガスなどの試料ガス
中の硫化水素を分析するにあたり、一般に硫黄の分析に
対し高感度が期待できないと言われていたが、金属分析
としては基本的な分析手法である誘導結合高周波プラズ
マ(Inductively CoupledPlas
ma)分光分析(以下、ICPと略称する)を硫黄の検
出方法として採用した。
明する。本発明では、アルシン、ホスフィンなどの化合
物半導体の原料ガスや種々の高純度ガスなどの試料ガス
中の硫化水素を分析するにあたり、一般に硫黄の分析に
対し高感度が期待できないと言われていたが、金属分析
としては基本的な分析手法である誘導結合高周波プラズ
マ(Inductively CoupledPlas
ma)分光分析(以下、ICPと略称する)を硫黄の検
出方法として採用した。
【0011】図1はICPの測定原理を示すもので、図
中符号1は分光器、2は光電子増倍管、3はプラズマ、
4はプラズマトーチ、5は高周波電源、6は自動ガス制
御機構、7はアルゴンガス源、8は分光器1に接続され
た測光システム、9はデータ処理用のコンピュータ、1
0は表示用のディスプレイ、11はプリンタ、12はフ
ロッピィディスクである。このICPでは、高周波電源
からのエネルギを同調結合器によりマッチングして効率
良く誘導コイルで取り囲まれたプラズマトーチ4に供給
され、高周波磁場をつくる。アルゴン気流がこの磁場を
通過するとき、イオンとなってトーチ4先端から高温の
プラズマ3が形成される。このプラズマ3はドーナツ状
の中空になっている。試料溶液13はネブライザ(図示
略)により霧化され、この霧化試料は別のアルゴン気流
でトーチ4の中心部からドーナツ状のプラズマ3の中心
部を通過する。霧化試料中の測定元素が高温のプラズマ
3によって励起され、放射エネルギーとして輝線スペク
トルを出す。硫黄の輝線スペクトルは180nm前後で
ある。プラズマ3からの光は分光器1で分光され、出口
スリット14に外接した光電子増倍管2によって検出さ
れ、増幅器で増幅されてコンピュータ9により処理され
る。測定元素により異なるが、一般的な元素ではppb
レベルの金属分析が可能である。
中符号1は分光器、2は光電子増倍管、3はプラズマ、
4はプラズマトーチ、5は高周波電源、6は自動ガス制
御機構、7はアルゴンガス源、8は分光器1に接続され
た測光システム、9はデータ処理用のコンピュータ、1
0は表示用のディスプレイ、11はプリンタ、12はフ
ロッピィディスクである。このICPでは、高周波電源
からのエネルギを同調結合器によりマッチングして効率
良く誘導コイルで取り囲まれたプラズマトーチ4に供給
され、高周波磁場をつくる。アルゴン気流がこの磁場を
通過するとき、イオンとなってトーチ4先端から高温の
プラズマ3が形成される。このプラズマ3はドーナツ状
の中空になっている。試料溶液13はネブライザ(図示
略)により霧化され、この霧化試料は別のアルゴン気流
でトーチ4の中心部からドーナツ状のプラズマ3の中心
部を通過する。霧化試料中の測定元素が高温のプラズマ
3によって励起され、放射エネルギーとして輝線スペク
トルを出す。硫黄の輝線スペクトルは180nm前後で
ある。プラズマ3からの光は分光器1で分光され、出口
スリット14に外接した光電子増倍管2によって検出さ
れ、増幅器で増幅されてコンピュータ9により処理され
る。測定元素により異なるが、一般的な元素ではppb
レベルの金属分析が可能である。
【0012】硫化水素分析にあたり、まず硫化水素を吸
収濃縮する吸収液の検討を行った。排ガス中の硫化水素
分析方法のJISに示されている4つの方法のうちガス
クロマトグラフ法を除く3つの方法が、強アルカリ性の
吸収液に硫化水素を吸収させている(日本規格協会編
排ガス中の硫化水素分析方法 K0108(1983))。硫
化水素は、1気圧の下で1cm3の水に、20℃で2.5
6倍、0℃で4.67倍のガス体積が溶解し、他の気体
と比べて非常に高い溶解性を示し、アルカリ液性にはさ
らに高い溶解性を示す。アルカリ濃度を濃くすること
は、ICPの特質、即ちサンプル溶液のマトリックス
(液性)影響を受け易く、分析対象以外の成分はバック
グラウンドを高め、特に濃いアルカリ性を嫌うことから
好ましくない。従ってバックグラウンドの影響を極力抑
え、なおかつできるだけ濃度の濃いアルカリ性溶液を検
討した結果、吸収液としては0.001〜0.01重量%
のKOH水溶液が好適である。このKOH濃度が0.0
01重量%より小さいと硫化水素吸収が十分できなくな
り、また0.01重量%を越えると、上述したICPで
の分析におけるマトリックスの影響が出て測定精度が低
下することになる。
収濃縮する吸収液の検討を行った。排ガス中の硫化水素
分析方法のJISに示されている4つの方法のうちガス
クロマトグラフ法を除く3つの方法が、強アルカリ性の
吸収液に硫化水素を吸収させている(日本規格協会編
排ガス中の硫化水素分析方法 K0108(1983))。硫
化水素は、1気圧の下で1cm3の水に、20℃で2.5
6倍、0℃で4.67倍のガス体積が溶解し、他の気体
と比べて非常に高い溶解性を示し、アルカリ液性にはさ
らに高い溶解性を示す。アルカリ濃度を濃くすること
は、ICPの特質、即ちサンプル溶液のマトリックス
(液性)影響を受け易く、分析対象以外の成分はバック
グラウンドを高め、特に濃いアルカリ性を嫌うことから
好ましくない。従ってバックグラウンドの影響を極力抑
え、なおかつできるだけ濃度の濃いアルカリ性溶液を検
討した結果、吸収液としては0.001〜0.01重量%
のKOH水溶液が好適である。このKOH濃度が0.0
01重量%より小さいと硫化水素吸収が十分できなくな
り、また0.01重量%を越えると、上述したICPで
の分析におけるマトリックスの影響が出て測定精度が低
下することになる。
【0013】N2−H2S混合ガスを用いてのサンプリン
グ実験において硫黄の発光強度はそのイオン構造により
大きくことなることが判明した。その実験内容について
詳述する。
グ実験において硫黄の発光強度はそのイオン構造により
大きくことなることが判明した。その実験内容について
詳述する。
【0014】(実験1)図2に実験系統図を示す。本実
験にはN2−H2S混合ガス20を用い、吸収液21中に
混合ガス20を導きバブリングさせ硫化水素を捕集し
た。吸収瓶22はフッ素樹脂製のものを使用し、吸収液
量は150ml、混合ガス流速は1.0リットル/分とし
た。また硫化水素をサンプリングラインに導入する前後
に窒素パージを行いサンプリング後、ICPにて分析を
行った(測定波長180.7nm)。
験にはN2−H2S混合ガス20を用い、吸収液21中に
混合ガス20を導きバブリングさせ硫化水素を捕集し
た。吸収瓶22はフッ素樹脂製のものを使用し、吸収液
量は150ml、混合ガス流速は1.0リットル/分とし
た。また硫化水素をサンプリングラインに導入する前後
に窒素パージを行いサンプリング後、ICPにて分析を
行った(測定波長180.7nm)。
【0015】サンプリング後、吸収液中の硫黄分をIC
Pで定量分析した。検量線は硫酸を超純水で希釈したも
のを使用した。その結果、硫化水素が吸収液に100%
吸収されたと仮定した時の硫黄濃度よりも非常に高い濃
度を繰り返し示した。ICP分析では硫酸の水溶液で検
量線を作成するのが一般的手法となっている。サンプリ
ングの吸収効率が悪いのであれば、定量値よりも低い値
を示すはずであるが、ここでは逆の現象となった。この
違いは硫酸水溶液と吸収液中の硫黄の存在状態の違いに
あると考えられるので、硫黄のイオン構造別に発光強度
比較試験を行った。各イオン構造別の硫黄濃度と発光強
度の関係を図3に示す。サンプルには硫酸(H2S
O4)、チオ硫酸カリウム(K2S2O3)、硫化水素(H
2S)吸収液、硫化ナトリウム(Na2S)を用い、同一
条件で測定した。
Pで定量分析した。検量線は硫酸を超純水で希釈したも
のを使用した。その結果、硫化水素が吸収液に100%
吸収されたと仮定した時の硫黄濃度よりも非常に高い濃
度を繰り返し示した。ICP分析では硫酸の水溶液で検
量線を作成するのが一般的手法となっている。サンプリ
ングの吸収効率が悪いのであれば、定量値よりも低い値
を示すはずであるが、ここでは逆の現象となった。この
違いは硫酸水溶液と吸収液中の硫黄の存在状態の違いに
あると考えられるので、硫黄のイオン構造別に発光強度
比較試験を行った。各イオン構造別の硫黄濃度と発光強
度の関係を図3に示す。サンプルには硫酸(H2S
O4)、チオ硫酸カリウム(K2S2O3)、硫化水素(H
2S)吸収液、硫化ナトリウム(Na2S)を用い、同一
条件で測定した。
【0016】図3から明らかなように、硫黄の各イオン
によって大きく発光強度が異なることが判る。発光強度
はNa2Sがずば抜けて高く、次にH2S、そしてH2S
O4とK2S2O3がほぼ同程度の発光強度を示している。
同じ濃度の硫黄でこれだけ発光強度に差があるのは、今
まで知られていない現象である。
によって大きく発光強度が異なることが判る。発光強度
はNa2Sがずば抜けて高く、次にH2S、そしてH2S
O4とK2S2O3がほぼ同程度の発光強度を示している。
同じ濃度の硫黄でこれだけ発光強度に差があるのは、今
まで知られていない現象である。
【0017】なお、この現象は次のように解釈できる。
ICPの分析では硫黄、ヨウ素、リンなどの元素は発光
強度の強い分析線が真空紫外域にあり、通常の分光器で
は空気中の酸素による吸収妨害のため測定が難しく、分
光器をアルゴンや窒素で置換し、酸素による吸収を除く
ことにより分析が可能となっている。サンプルが水溶液
のミスト状態でプラズマに導かれ発光するのでSO4 2-
やS2O3 2-イオンでは発光時に酸素も同時発光するため
吸収妨害がおこり、硫黄の発光強度を低下させていると
考えられる。また、SO4 2-とS2O3 2-では、硫黄1原
子あたり酸素が4原子と1.5原子の違いがあるが、発
光強度には大きな差は現われていない。そしてNa2S
溶液中に存在するS2-イオンの発光は酸素による妨害が
無く硫黄本来の発光強度に近いとの解釈がなされる。こ
の結果により、硫黄はICP分析で低感度という従来の
常識は破られたことになる。
ICPの分析では硫黄、ヨウ素、リンなどの元素は発光
強度の強い分析線が真空紫外域にあり、通常の分光器で
は空気中の酸素による吸収妨害のため測定が難しく、分
光器をアルゴンや窒素で置換し、酸素による吸収を除く
ことにより分析が可能となっている。サンプルが水溶液
のミスト状態でプラズマに導かれ発光するのでSO4 2-
やS2O3 2-イオンでは発光時に酸素も同時発光するため
吸収妨害がおこり、硫黄の発光強度を低下させていると
考えられる。また、SO4 2-とS2O3 2-では、硫黄1原
子あたり酸素が4原子と1.5原子の違いがあるが、発
光強度には大きな差は現われていない。そしてNa2S
溶液中に存在するS2-イオンの発光は酸素による妨害が
無く硫黄本来の発光強度に近いとの解釈がなされる。こ
の結果により、硫黄はICP分析で低感度という従来の
常識は破られたことになる。
【0018】Na2S水溶液と硫化水素吸収液の発光強
度に大きな差があるため、吸収溶液中の硫黄のイオン構
造がS2-イオンと断定できない。そこでS2-イオンの呈
色実験を行い、吸収溶液中のS2-イオンの存在をまず確
認した。
度に大きな差があるため、吸収溶液中の硫黄のイオン構
造がS2-イオンと断定できない。そこでS2-イオンの呈
色実験を行い、吸収溶液中のS2-イオンの存在をまず確
認した。
【0019】(実験2)ニトロプルシッドナトリウムN
a2〔Fe(CN)5(NO)〕がアルカリ性溶液中でS
2-イオンと反応して赤紫色を呈色することを利用して各
サンプル中のS2-の存在を確認した。硫酸、チオ硫酸カ
リウム、硫化ナトリウムの水溶液と硫化水素吸収溶液を
それぞれ硫黄濃度が10ppmになるように調整する。
これら各5mlを試験管に入れ、これに水酸化ナトリウ
ム水溶液を1ml加えてアルカリ性とした後、ニトロプ
ルシッドナトリウム溶液1mlを加える。S2-イオンは
赤紫色を、S2O3 2-は赤色を呈する。この呈色実験の結
果、硫酸、チオ硫酸カリウムでは反応せず、硫化ナトリ
ウムと硫化水素吸収液が赤紫色に呈色した。この結果か
ら硫化水素吸収液中のS2-イオンの存在が証明された。
しかしながら硫化水素吸収液中にS2-イオンとS2O3 2-
イオンが混在しているとの分析は不可能であった。硫化
水素吸収液中の硫黄が全てS2-イオンであるとすると、
硫化ナトリウム溶液と硫化水素吸収液の両者の発光強度
に大きな差があり、矛盾を生じる。両者の違いの原因と
してまず共存イオンであるNaイオンとKイオンの影響
が考えられるので、これを確認する実験を行った。
a2〔Fe(CN)5(NO)〕がアルカリ性溶液中でS
2-イオンと反応して赤紫色を呈色することを利用して各
サンプル中のS2-の存在を確認した。硫酸、チオ硫酸カ
リウム、硫化ナトリウムの水溶液と硫化水素吸収溶液を
それぞれ硫黄濃度が10ppmになるように調整する。
これら各5mlを試験管に入れ、これに水酸化ナトリウ
ム水溶液を1ml加えてアルカリ性とした後、ニトロプ
ルシッドナトリウム溶液1mlを加える。S2-イオンは
赤紫色を、S2O3 2-は赤色を呈する。この呈色実験の結
果、硫酸、チオ硫酸カリウムでは反応せず、硫化ナトリ
ウムと硫化水素吸収液が赤紫色に呈色した。この結果か
ら硫化水素吸収液中のS2-イオンの存在が証明された。
しかしながら硫化水素吸収液中にS2-イオンとS2O3 2-
イオンが混在しているとの分析は不可能であった。硫化
水素吸収液中の硫黄が全てS2-イオンであるとすると、
硫化ナトリウム溶液と硫化水素吸収液の両者の発光強度
に大きな差があり、矛盾を生じる。両者の違いの原因と
してまず共存イオンであるNaイオンとKイオンの影響
が考えられるので、これを確認する実験を行った。
【0020】(実験3)共存イオンは一方はナトリウム
であり、もう一方はカリウムである。そこで硫化水素の
吸収溶液を0.01重量%水酸化カリウム溶液と0.01
重量%水酸化ナトリウム溶液の二種類として、同一条件
で硫化水素をバブリングさせ、これらの硫化水素吸収液
における発光強度をICPで測定した。なお、サンプリ
ングにはN2−H2S(4.5ppm)混合ガスを使用
し、150mlの吸収溶液に混合ガスを1.0リットル/分
の流速で通気した。水酸化ナトリウム溶液と水酸化カリ
ウム溶液中の硫黄濃度と発光強度の関係を図4に示す。
この図から両者の違いはほとんど無いと言える。ナトリ
ウムはカリウムに比べて、極く微量でも強い発光を示す
元素である。この強い発光がバックグラウンドを高め、
結果的に硫黄の発光強度を高めていると想像されたが、
実験結果から硫黄の発光強度は共存イオンの影響を受け
ていないと言える。
であり、もう一方はカリウムである。そこで硫化水素の
吸収溶液を0.01重量%水酸化カリウム溶液と0.01
重量%水酸化ナトリウム溶液の二種類として、同一条件
で硫化水素をバブリングさせ、これらの硫化水素吸収液
における発光強度をICPで測定した。なお、サンプリ
ングにはN2−H2S(4.5ppm)混合ガスを使用
し、150mlの吸収溶液に混合ガスを1.0リットル/分
の流速で通気した。水酸化ナトリウム溶液と水酸化カリ
ウム溶液中の硫黄濃度と発光強度の関係を図4に示す。
この図から両者の違いはほとんど無いと言える。ナトリ
ウムはカリウムに比べて、極く微量でも強い発光を示す
元素である。この強い発光がバックグラウンドを高め、
結果的に硫黄の発光強度を高めていると想像されたが、
実験結果から硫黄の発光強度は共存イオンの影響を受け
ていないと言える。
【0021】吸収溶液に溶解している硫黄の存在状態を
酸化還元電位から考察する。硫黄の水溶液中での化学的
性質の大部分は図5の酸化還元電位図に要約される。ア
ルカリ溶液中で硫黄は不安定であり、不均化反応を起こ
してS2-イオンとS2O3 2-イオンとなる。このことから
吸収液に吸収された硫化水素が、溶液中で一部酸化さ
れ、S2-イオンとS2O3 2-イオンが混在することにより
発光強度が低下していると考えられる。
酸化還元電位から考察する。硫黄の水溶液中での化学的
性質の大部分は図5の酸化還元電位図に要約される。ア
ルカリ溶液中で硫黄は不安定であり、不均化反応を起こ
してS2-イオンとS2O3 2-イオンとなる。このことから
吸収液に吸収された硫化水素が、溶液中で一部酸化さ
れ、S2-イオンとS2O3 2-イオンが混在することにより
発光強度が低下していると考えられる。
【0022】そこで硫化水素を吸収液に吸収する際の酸
化を防止するために、吸収液中に酸化防止剤を添加する
ことを検討した。酸化防止剤としてはL−アスコルビン
酸とグリセリンの2つを使用した。添加濃度はICPの
マトリックスの影響を考え、0.01重量%にとどめ
た。
化を防止するために、吸収液中に酸化防止剤を添加する
ことを検討した。酸化防止剤としてはL−アスコルビン
酸とグリセリンの2つを使用した。添加濃度はICPの
マトリックスの影響を考え、0.01重量%にとどめ
た。
【0023】(実験4)吸収液として0.01重量%
KOH水溶液、0.01重量%KOH+0.01重量%
L−アスコルビン酸水溶液、0.01重量%KOH+
0.01重量%グリセリンの3種類を用いて、それぞれ
の吸収液に、硫化水素をバブリング吸収させた。これら
吸収液の発光強度と経時変化の関係を図6に示す。な
お、サンプリング量はN2−H2S(45ppm)標準ガ
ス20リットルとした。図6の結果より、グリセリンを添加
したものは、その添加による酸化防止効果はほとんど見
られないが、L−アスコルビン酸を添加したものではバ
ブリング時の酸化防止に効果があり、経時的に酸化され
ていくことが判る。この結果から、硫化水素は吸収液中
で一部酸化され、S2-イオンとS2O3 2-イオンが混在
し、硫黄の発光強度を低下させていることが明らかにな
った。これを防ぐ意味で吸収溶液は0.01重量%KO
Hに0.01重量%L−アスコルビン酸を添加した水溶
液とした。
KOH水溶液、0.01重量%KOH+0.01重量%
L−アスコルビン酸水溶液、0.01重量%KOH+
0.01重量%グリセリンの3種類を用いて、それぞれ
の吸収液に、硫化水素をバブリング吸収させた。これら
吸収液の発光強度と経時変化の関係を図6に示す。な
お、サンプリング量はN2−H2S(45ppm)標準ガ
ス20リットルとした。図6の結果より、グリセリンを添加
したものは、その添加による酸化防止効果はほとんど見
られないが、L−アスコルビン酸を添加したものではバ
ブリング時の酸化防止に効果があり、経時的に酸化され
ていくことが判る。この結果から、硫化水素は吸収液中
で一部酸化され、S2-イオンとS2O3 2-イオンが混在
し、硫黄の発光強度を低下させていることが明らかにな
った。これを防ぐ意味で吸収溶液は0.01重量%KO
Hに0.01重量%L−アスコルビン酸を添加した水溶
液とした。
【0024】上記実験4によれば、吸収液に添加する酸
化防止剤としてL−アスコルビン酸が好ましいとの結果
が得られたが、同様の酸化防止効果が得られ、ICPで
の分析において妨害となる元素を含まない酸化防止剤、
例えばD又はDL−アスコルビン酸、ヒドロキシルアミ
ン、EDTA、トコフェロール類などの各種酸化防止剤
も使用することができる。また吸収液に加える酸化防止
剤の添加量は、使用する酸化防止剤の種類と、試料ガス
中に含まれる硫化水素その他の不純物の含有量とに応じ
て適宜設定することが望ましい。上記L−アスコルビン
酸の添加量は通常の場合0.01重量%程度が好ましい
が、試料ガス中の硫化水素濃度が高い場合にはそれ以上
添加することが望ましい。
化防止剤としてL−アスコルビン酸が好ましいとの結果
が得られたが、同様の酸化防止効果が得られ、ICPで
の分析において妨害となる元素を含まない酸化防止剤、
例えばD又はDL−アスコルビン酸、ヒドロキシルアミ
ン、EDTA、トコフェロール類などの各種酸化防止剤
も使用することができる。また吸収液に加える酸化防止
剤の添加量は、使用する酸化防止剤の種類と、試料ガス
中に含まれる硫化水素その他の不純物の含有量とに応じ
て適宜設定することが望ましい。上記L−アスコルビン
酸の添加量は通常の場合0.01重量%程度が好ましい
が、試料ガス中の硫化水素濃度が高い場合にはそれ以上
添加することが望ましい。
【0025】ガス中の硫化水素を定量分析するに当り、
その基準を硫酸やチオ硫酸カリウム、硫化ナトリウム水
溶液とすることは不適当であることが判った。即ち試料
ガス中の硫化水素を吸収液に捕集して定量分析する場合
には、同じように吸収液に既知濃度の硫化水素ガスを吸
収させ、吸収液中のイオンの存在状態が等しい状態で比
較、分析することが最適であることが判る。これらを考
慮した上でガス中の硫化水素を定量分析するための検量
線を作成した。
その基準を硫酸やチオ硫酸カリウム、硫化ナトリウム水
溶液とすることは不適当であることが判った。即ち試料
ガス中の硫化水素を吸収液に捕集して定量分析する場合
には、同じように吸収液に既知濃度の硫化水素ガスを吸
収させ、吸収液中のイオンの存在状態が等しい状態で比
較、分析することが最適であることが判る。これらを考
慮した上でガス中の硫化水素を定量分析するための検量
線を作成した。
【0026】(実験5)検量線の作成 基準ガスと半導体用材料ガスのサンプリングフローを図
7に示す。吸収瓶、ボールフィルタはフッ素樹脂製のも
のを使用した。吸収液量は150mlとし、サンプル流
量は1.0リットル/分とした。液量、流速、吸収瓶数は検
討後の最適条件である。サンプリングはN2パージ
サンプルガス通気N2パージの順で行った。検量線は
標準ガスを用いて作成した。この場合基準のとり方はX
ppmの硫化水素を1.0リットル/分で60分間吸収させ
た溶液をXppmの基準溶液とし、サンプリング時間を
短くすることにより(即ちサンプリング量を少なくする
ことにより)低濃度の基準溶液を作成する方式とした。
この基準溶液を用いて作成した検量線を図8に示す。こ
の検量線を用いて超純水を繰り返し測定した時の標準偏
差から求めた硫化水素の検出下限は50ppbであっ
た。なお、検出下限は標準偏差の2〜3倍とするのが一
般的であるが、ここではバックグラウンドの安定性と装
置の信頼性を考慮して標準偏差の10倍とした。
7に示す。吸収瓶、ボールフィルタはフッ素樹脂製のも
のを使用した。吸収液量は150mlとし、サンプル流
量は1.0リットル/分とした。液量、流速、吸収瓶数は検
討後の最適条件である。サンプリングはN2パージ
サンプルガス通気N2パージの順で行った。検量線は
標準ガスを用いて作成した。この場合基準のとり方はX
ppmの硫化水素を1.0リットル/分で60分間吸収させ
た溶液をXppmの基準溶液とし、サンプリング時間を
短くすることにより(即ちサンプリング量を少なくする
ことにより)低濃度の基準溶液を作成する方式とした。
この基準溶液を用いて作成した検量線を図8に示す。こ
の検量線を用いて超純水を繰り返し測定した時の標準偏
差から求めた硫化水素の検出下限は50ppbであっ
た。なお、検出下限は標準偏差の2〜3倍とするのが一
般的であるが、ここではバックグラウンドの安定性と装
置の信頼性を考慮して標準偏差の10倍とした。
【0027】さらに、ICPの測定感度を向上させるた
めに、超音波ネブライザを導入した。図9は超音波ネブ
ライザの原理図を示すもので、この図中符号91は噴霧
チャンバ、92はピエゾトランスデューサ、93は加熱
チューブ、94はコンデンサ、95はサンプル導入管、
96は振動子冷却装置である。通常のネブライザは霧吹
きと同様に、溶液をアルゴンキャリアガスでミスト状に
するのに対し、超音波ネブライザ90ではポンプにより
導入された試料をピエゾトランスデューサ92(超音波
振動子)で微細な霧としキャリアガスにより加熱チュー
ブ93に運び気化する。さらにコンデンサ94に運び脱
溶媒と濃縮を行い最後に乾燥し濃縮された試料は、プラ
ズマトーチ4に運ばれ測定に供される。一般的に超音波
ネブライザの使用により1桁の感度アップを達成でき
る。この超音波ネブライザ90を使用して作成した検量
線を図10に示す。通常のネブライザよりもバラツキが
少なく、直線性も良くなっている。この検量線を用いて
超純水を測定し、標準偏差から検出限界を求めた。標準
偏差の10倍を検出下限とし検出限界は10ppbであ
った。
めに、超音波ネブライザを導入した。図9は超音波ネブ
ライザの原理図を示すもので、この図中符号91は噴霧
チャンバ、92はピエゾトランスデューサ、93は加熱
チューブ、94はコンデンサ、95はサンプル導入管、
96は振動子冷却装置である。通常のネブライザは霧吹
きと同様に、溶液をアルゴンキャリアガスでミスト状に
するのに対し、超音波ネブライザ90ではポンプにより
導入された試料をピエゾトランスデューサ92(超音波
振動子)で微細な霧としキャリアガスにより加熱チュー
ブ93に運び気化する。さらにコンデンサ94に運び脱
溶媒と濃縮を行い最後に乾燥し濃縮された試料は、プラ
ズマトーチ4に運ばれ測定に供される。一般的に超音波
ネブライザの使用により1桁の感度アップを達成でき
る。この超音波ネブライザ90を使用して作成した検量
線を図10に示す。通常のネブライザよりもバラツキが
少なく、直線性も良くなっている。この検量線を用いて
超純水を測定し、標準偏差から検出限界を求めた。標準
偏差の10倍を検出下限とし検出限界は10ppbであ
った。
【0028】(実験6)アルシン中の硫化水素分析 実験系統図を図11に示す。実験にはN2−H2S(9.
4ppm)混合ガスとH2−AsH3(11%)混合ガス
を使用し、流量混合により硫化水素0.56ppmを含
むアルシン混合ガスを調製し、0.01重量%KOHと
0.01重量%L−アスコルビン酸とを含む吸収液にバ
ブリングした後ICPにて分析した。流量混合によるア
ルシン中の硫化水素の理論濃度が0.56ppmである
のに対し、吸収液をICPで分析した値は0.50pp
mであった。また流量混合を行わずアルシンのみを分析
した結果は、検出限界以下であった。このことからアル
シン中の硫化水素が精度良く分析可能であり、通常の製
品アルシン中の硫化水素濃度は検出限界以下であること
が確認できた。
4ppm)混合ガスとH2−AsH3(11%)混合ガス
を使用し、流量混合により硫化水素0.56ppmを含
むアルシン混合ガスを調製し、0.01重量%KOHと
0.01重量%L−アスコルビン酸とを含む吸収液にバ
ブリングした後ICPにて分析した。流量混合によるア
ルシン中の硫化水素の理論濃度が0.56ppmである
のに対し、吸収液をICPで分析した値は0.50pp
mであった。また流量混合を行わずアルシンのみを分析
した結果は、検出限界以下であった。このことからアル
シン中の硫化水素が精度良く分析可能であり、通常の製
品アルシン中の硫化水素濃度は検出限界以下であること
が確認できた。
【0029】(実験7)ホスフィン中の硫化水素分析 図11に示す実験装置と同様であって、H2−AsH
3(11%)混合ガスに代えてH2−PH3(46%)混
合ガスを用い、上記実験6と同様にして分析を行った。
その結果、流量混合によるホスフィン中の硫化水素の理
論濃度が0.60ppmであるのに対し、吸収液をIC
Pで分析した値は0.63ppmであった。また流量混
合を行わずホスフィンのみを分析した結果は検出限界以
下であった。
3(11%)混合ガスに代えてH2−PH3(46%)混
合ガスを用い、上記実験6と同様にして分析を行った。
その結果、流量混合によるホスフィン中の硫化水素の理
論濃度が0.60ppmであるのに対し、吸収液をIC
Pで分析した値は0.63ppmであった。また流量混
合を行わずホスフィンのみを分析した結果は検出限界以
下であった。
【0030】これら実験の結果より、試料ガスを、酸化
防止剤を含む吸収液に接触せしめて該試料ガス中の硫化
水素を吸収液に吸収させて捕集し、硫化水素を捕集した
吸収液をICPにより発光強度を測定する一方、既知濃
度の硫化水素を含む標準ガスを該吸収液に流して所定濃
度の硫化水素を吸収させた溶液をICPにより発光強度
を測定して硫化水素検量線を作成し、この検量線から上
記試料ガスの硫化水素濃度を測定することにより、試料
ガスとしてアルシンやホスフィンを用いた場合でも妨害
されることなく硫化水素の含有量を高精度で測定するこ
とができることが判った。
防止剤を含む吸収液に接触せしめて該試料ガス中の硫化
水素を吸収液に吸収させて捕集し、硫化水素を捕集した
吸収液をICPにより発光強度を測定する一方、既知濃
度の硫化水素を含む標準ガスを該吸収液に流して所定濃
度の硫化水素を吸収させた溶液をICPにより発光強度
を測定して硫化水素検量線を作成し、この検量線から上
記試料ガスの硫化水素濃度を測定することにより、試料
ガスとしてアルシンやホスフィンを用いた場合でも妨害
されることなく硫化水素の含有量を高精度で測定するこ
とができることが判った。
【0031】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の硫化水素
分析方法は、試料ガスを、酸化防止剤を含む吸収液に接
触せしめて該試料ガス中の硫化水素を吸収液に吸収させ
て捕集し、次いで硫化水素を捕集した吸収液を、測定元
素をプラズマで励起した際に発生する硫黄の輝線スペク
トルを分光分析して発光強度を測定するICPにより発
光強度を測定する一方、既知濃度の硫化水素を含む標準
ガスを該吸収液に流して所定濃度の硫化水素を吸収させ
た溶液をICPにより発光強度を測定して硫化水素検量
線を作成し、この検量線から上記試料ガスの硫化水素濃
度を測定する方法である。試料ガスを酸化防止剤を含む
吸収液に接触せしめて試料ガス中の硫化水素を吸収液に
吸収させて捕集することにより、硫化水素が吸収される
際の酸化が防止され、S2-イオンの状態で捕集され、こ
の吸収液中のS2-イオンをICPを用いて分析すること
によって、他の元素で妨害されることなく硫黄を高精度
で定量分析することが可能となる。従って本発明によれ
ば、従来法である炎光光度型ガスクロマトグラフ(FP
D−GC)法のようにアルシンやホスフィンなどの分析
における分析ピークの重なりが無く、アルシンやホスフ
ィン中の極微量の硫化水素を高感度で測定することがで
きる。さらに本発明方法では、吸収液を誘導結合高周波
プラズマ分光分析装置のプラズマトーチに導く際に超音
波ネブライザを用いたことにより、従来の他の分析法で
ある比色定量法よりも1桁下の検出限界での測定が可能
となる。
分析方法は、試料ガスを、酸化防止剤を含む吸収液に接
触せしめて該試料ガス中の硫化水素を吸収液に吸収させ
て捕集し、次いで硫化水素を捕集した吸収液を、測定元
素をプラズマで励起した際に発生する硫黄の輝線スペク
トルを分光分析して発光強度を測定するICPにより発
光強度を測定する一方、既知濃度の硫化水素を含む標準
ガスを該吸収液に流して所定濃度の硫化水素を吸収させ
た溶液をICPにより発光強度を測定して硫化水素検量
線を作成し、この検量線から上記試料ガスの硫化水素濃
度を測定する方法である。試料ガスを酸化防止剤を含む
吸収液に接触せしめて試料ガス中の硫化水素を吸収液に
吸収させて捕集することにより、硫化水素が吸収される
際の酸化が防止され、S2-イオンの状態で捕集され、こ
の吸収液中のS2-イオンをICPを用いて分析すること
によって、他の元素で妨害されることなく硫黄を高精度
で定量分析することが可能となる。従って本発明によれ
ば、従来法である炎光光度型ガスクロマトグラフ(FP
D−GC)法のようにアルシンやホスフィンなどの分析
における分析ピークの重なりが無く、アルシンやホスフ
ィン中の極微量の硫化水素を高感度で測定することがで
きる。さらに本発明方法では、吸収液を誘導結合高周波
プラズマ分光分析装置のプラズマトーチに導く際に超音
波ネブライザを用いたことにより、従来の他の分析法で
ある比色定量法よりも1桁下の検出限界での測定が可能
となる。
【図1】本発明の硫化水素分析方法において使用される
ICPの測定原理を示す構成図である。
ICPの測定原理を示す構成図である。
【図2】実験1での硫化水素の吸収操作を説明するため
の概略図である。
の概略図である。
【図3】実験1の結果を示すグラフである。
【図4】実験3の結果を示すグラフである。
【図5】アルカリ性溶液中での硫黄の酸化電位図であ
る。
る。
【図6】実験4の結果を示すグラフである。
【図7】実験5で用いたサンプリング装置を説明する概
略図である。
略図である。
【図8】実験5で作成した検量線の第1の例として、通
常のネブライザ使用時の検量線である。
常のネブライザ使用時の検量線である。
【図9】実験5で用いた超音波ネブライザを示す概略図
である。
である。
【図10】実験5で作成した検量線の第2の例として、
超音波ネブライザ使用時の検量線である。
超音波ネブライザ使用時の検量線である。
【図11】実験6及び実験7で用いたサンプリング装置
を示す概略図である。
を示す概略図である。
【図12】従来の硫化水素の定量法の1つである炎光光
度型ガスクロマトグラフを用いた硫化水素分析結果を例
示するもので、(a)はN2−H2Sの分析結果、(b)
はH2−PH3−H2Sの分析結果をそれぞれ示してい
る。
度型ガスクロマトグラフを用いた硫化水素分析結果を例
示するもので、(a)はN2−H2Sの分析結果、(b)
はH2−PH3−H2Sの分析結果をそれぞれ示してい
る。
1……分光器、2……光電子増倍管、3……プラズマ、
4……プラズマトーチ、5……高周波電源、6……自動
ガス制御機構、7……アルゴンガス源、8……測光シス
テム、9……コンピュータ、10……ディスプレイ、1
1……プリンタ、12……フロッピィディスク、13…
…試料溶液、20……標準ガス源、21……吸収液、2
2……吸収瓶、90……超音波ネブライザ、91……噴
霧チャンバ、92……ピエゾトランスデューサ、93…
…加熱チューブ、94……コンデンサ、95……サンプ
ル導入管、96……振動子冷却装置。
4……プラズマトーチ、5……高周波電源、6……自動
ガス制御機構、7……アルゴンガス源、8……測光シス
テム、9……コンピュータ、10……ディスプレイ、1
1……プリンタ、12……フロッピィディスク、13…
…試料溶液、20……標準ガス源、21……吸収液、2
2……吸収瓶、90……超音波ネブライザ、91……噴
霧チャンバ、92……ピエゾトランスデューサ、93…
…加熱チューブ、94……コンデンサ、95……サンプ
ル導入管、96……振動子冷却装置。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 生方 映徳 茨城県つくば市大久保10 日本酸素株式会 社つくば研究所内 (72)発明者 松本 功 茨城県つくば市大久保10 日本酸素株式会 社つくば研究所内
Claims (2)
- 【請求項1】 試料ガスを、酸化防止剤を含む吸収液に
接触せしめて該試料ガス中の硫化水素を吸収液に吸収さ
せて捕集し、次いで硫化水素を捕集した吸収液を、測定
元素をプラズマで励起した際に発生する硫黄の輝線スペ
クトルを分光分析して発光強度を測定する誘導結合高周
波プラズマ分光分析装置により発光強度を測定する一
方、既知濃度の硫化水素を含む標準ガスを該吸収液に流
して所定濃度の硫化水素を吸収させた溶液を誘導結合高
周波プラズマ分光分析法により発光強度を測定して硫化
水素検量線を作成し、この検量線から上記試料ガスの硫
化水素濃度を測定することを特徴とする硫化水素分析方
法。 - 【請求項2】 上記吸収液を誘導結合高周波プラズマ分
光分析装置のプラズマトーチに導く際に、該吸収液を超
音波振動子でミスト化しキャリアガスで移送しながら加
熱して濃縮した試料を供給する超音波ネブライザを用い
ることを特徴とする請求項1記載の硫化水素分析方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25163092A JP3217868B2 (ja) | 1992-09-21 | 1992-09-21 | 硫化水素分析方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25163092A JP3217868B2 (ja) | 1992-09-21 | 1992-09-21 | 硫化水素分析方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06102181A true JPH06102181A (ja) | 1994-04-15 |
JP3217868B2 JP3217868B2 (ja) | 2001-10-15 |
Family
ID=17225684
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP25163092A Expired - Fee Related JP3217868B2 (ja) | 1992-09-21 | 1992-09-21 | 硫化水素分析方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3217868B2 (ja) |
Cited By (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008096190A (ja) * | 2006-10-10 | 2008-04-24 | Chisso Corp | カルシウムの定量方法、およびカルシウム定量キット |
CN101846629A (zh) * | 2010-04-30 | 2010-09-29 | 浙江出入境检验检疫局检验检疫技术中心 | 一种微波消解-icp-oes测定化妆品中硼酸和硼酸盐的方法 |
JP2010286427A (ja) * | 2009-06-15 | 2010-12-24 | Fuji Electric Holdings Co Ltd | 硫黄および全硫黄の測定方法、測定システムおよび固体高分子電解質形燃料電池(pefc) |
US8967996B2 (en) | 2009-09-29 | 2015-03-03 | Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. | Combustion controller |
CN108956749A (zh) * | 2018-06-13 | 2018-12-07 | 国家核安保技术中心 | 放射性气体在线检测系统、装置和方法 |
WO2020186995A1 (zh) * | 2019-03-18 | 2020-09-24 | 江苏科技大学 | 一种利用顶空单滴液相微萃取法和智能设备比色测定硫化氢的方法 |
CN111751355A (zh) * | 2020-07-22 | 2020-10-09 | 攀钢集团研究院有限公司 | 测定Fe(Ⅱ)-EDTA络合脱硝液中二价铁离子含量的方法 |
KR102232768B1 (ko) * | 2019-12-18 | 2021-03-26 | 재단법인 포항산업과학연구원 | 안수의 h2s 및 co2 농도 분석 방법 |
CN114112968A (zh) * | 2015-01-27 | 2022-03-01 | 阿肯马法国公司 | 在线测量废气的硫化氢浓度的便携式装置 |
CN114486800A (zh) * | 2020-10-27 | 2022-05-13 | 中国石油化工股份有限公司 | 一种液硫中硫化氢含量的测定方法及液硫中多硫化氢初始含量的测定方法 |
-
1992
- 1992-09-21 JP JP25163092A patent/JP3217868B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (13)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008096190A (ja) * | 2006-10-10 | 2008-04-24 | Chisso Corp | カルシウムの定量方法、およびカルシウム定量キット |
JP2010286427A (ja) * | 2009-06-15 | 2010-12-24 | Fuji Electric Holdings Co Ltd | 硫黄および全硫黄の測定方法、測定システムおよび固体高分子電解質形燃料電池(pefc) |
US8967996B2 (en) | 2009-09-29 | 2015-03-03 | Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. | Combustion controller |
CN101846629A (zh) * | 2010-04-30 | 2010-09-29 | 浙江出入境检验检疫局检验检疫技术中心 | 一种微波消解-icp-oes测定化妆品中硼酸和硼酸盐的方法 |
CN114112968A (zh) * | 2015-01-27 | 2022-03-01 | 阿肯马法国公司 | 在线测量废气的硫化氢浓度的便携式装置 |
CN108956749A (zh) * | 2018-06-13 | 2018-12-07 | 国家核安保技术中心 | 放射性气体在线检测系统、装置和方法 |
US11965826B2 (en) | 2019-03-18 | 2024-04-23 | Jiangsu University Of Science And Technology | Method for determining hydrogen sulfide by headspace single-drop liquid phase microextraction and intelligent device colorimetry |
WO2020186995A1 (zh) * | 2019-03-18 | 2020-09-24 | 江苏科技大学 | 一种利用顶空单滴液相微萃取法和智能设备比色测定硫化氢的方法 |
KR102232768B1 (ko) * | 2019-12-18 | 2021-03-26 | 재단법인 포항산업과학연구원 | 안수의 h2s 및 co2 농도 분석 방법 |
CN111751355A (zh) * | 2020-07-22 | 2020-10-09 | 攀钢集团研究院有限公司 | 测定Fe(Ⅱ)-EDTA络合脱硝液中二价铁离子含量的方法 |
CN111751355B (zh) * | 2020-07-22 | 2022-05-24 | 攀钢集团研究院有限公司 | 测定Fe(Ⅱ)-EDTA络合脱硝液中二价铁离子含量的方法 |
CN114486800A (zh) * | 2020-10-27 | 2022-05-13 | 中国石油化工股份有限公司 | 一种液硫中硫化氢含量的测定方法及液硫中多硫化氢初始含量的测定方法 |
CN114486800B (zh) * | 2020-10-27 | 2024-04-26 | 中国石油化工股份有限公司 | 一种液硫中硫化氢含量的测定方法及液硫中多硫化氢初始含量的测定方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3217868B2 (ja) | 2001-10-15 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
Donati et al. | Recent advances in inductively coupled plasma optical emission spectrometry | |
Li et al. | Hydride generation-point discharge microplasma-optical emission spectrometry for the determination of trace As, Bi, Sb and Sn | |
Kambara et al. | Determination of impurities in gases by atmospheric pressure ionization mass spectrometry | |
Wang et al. | Determination of trace sodium, lithium, magnesium, and potassium impurities in colloidal silica by slurry introduction into an atmospheric-pressure solution-cathode glow discharge and atomic emission spectrometry | |
Li et al. | Sample matrix-assisted photo-induced chemical vapor generation: a reagent free green analytical method for ultrasensitive detection of mercury in wine or liquor samples | |
Kirkbright et al. | Atomic emission spectrometry with an induction-coupled high-frequency plasma source: The determination of iodine, mercury, arsenic and selenium | |
Schickling et al. | Optimization of electrochemical hydride generation coupled to microwave-induced plasma atomic emission spectrometry for the determination of arsenic and its use for the analysis of biological tissue samples | |
JP3217868B2 (ja) | 硫化水素分析方法 | |
Grotti et al. | Total introduction of microsamples in inductively coupled plasma mass spectrometry by high-temperature evaporation chamber with a sheathing gas stream | |
Červený et al. | Determination of mercury in water samples by electrochemical cold vapor generation coupled to microstrip microwave induced helium plasma optical emission spectrometry | |
Frentiu et al. | Sono-induced cold vapour generation interfaced with capacitively coupled plasma microtorch optical emission spectrometry: Analytical characterization and comparison with atomic fluorescence spectrometry | |
Smichowski et al. | Chemical vapour generation of transition metal volatile species for analytical purposes: Determination of Zn by inductively coupled plasma-optical emission spectrometry | |
US6236012B1 (en) | Plasma torch with an adjustable injector and gas analyzer using such a torch | |
Petrov et al. | Comparison between hydride generation and nebulization for sample introduction in the determination of lead in plants and water samples by inductively coupled plasma mass spectrometry, using external calibration and isotope dilution | |
Wang et al. | Dual-mode chemical vapor generation for simultaneous determination of hydride-forming and non-hydride-forming elements by atomic fluorescence spectrometry | |
Jankowski | Evaluation of analytical performance of low-power MIP-AES with direct solution nebulization for environmental analysis | |
Nakahara et al. | gDetermination of trace amounts of antimony in pure copper by high-power nitrogen microwave-induced plasma atomic emission spectrometry with hydride generation | |
JP4580119B2 (ja) | ガス中の不純物分析方法及び装置 | |
Scheffler et al. | Internal standardization in axially viewed inductively coupled plasma optical emission spectrometry (ICP OES) combined with pneumatic nebulization and aerosol desolvation | |
Tanabe et al. | Determination of ultratrace ammonium, nitrite, and nitrate nitrogens by atmospheric pressure helium microwave-induced plasma emission spectrometry with gas generation technique | |
Asfaw et al. | A new demountable hydrofluoric acid resistant triple mode sample introduction system for ICP-AES and ICP-MS | |
Duan et al. | Analytical performance of the microwave plasma torch in the determination of rare-earth elements with optical emission spectrometry | |
Scheffler et al. | Straightforward way to enhance robustness in ultrasonic nebulization-axial view inductively coupled plasma optical emission spectrometry via an additional N2 gas stream | |
Peng et al. | Slurry sampling fluorination assisted electrothermal vaporization-inductively coupled plasma-atomic emission spectrometry for the direct determination of metal impurities in aluminium oxide ceramic powders | |
Marshall et al. | Matrix interferences from methacrylic acid solutions in inductively coupled plasma mass spectrometry |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20010703 |
|
S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531 |
|
S533 | Written request for registration of change of name |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090803 Year of fee payment: 8 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |