JPH0599737A - 光量センサー - Google Patents

光量センサー

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JPH0599737A
JPH0599737A JP29251091A JP29251091A JPH0599737A JP H0599737 A JPH0599737 A JP H0599737A JP 29251091 A JP29251091 A JP 29251091A JP 29251091 A JP29251091 A JP 29251091A JP H0599737 A JPH0599737 A JP H0599737A
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JP
Japan
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group
chemical formula
compound
light
substituent
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Withdrawn
Application number
JP29251091A
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English (en)
Inventor
Tetsuo Murayama
徹郎 村山
Shuichi Maeda
修一 前田
Mitsuru Yoneyama
満 米山
Akiteru Fujii
章照 藤井
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Mitsubishi Kasei Corp
Original Assignee
Mitsubishi Kasei Corp
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Publication date
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  • Photometry And Measurement Of Optical Pulse Characteristics (AREA)
  • Photoreceptors In Electrophotography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】外部処理装置を必要とせず、簡便で且つ安価な
光量センサーを提供する。 【構成】少なくとも一方が光透過性を有する電極間に感
光層を形成して成り、当該感光層が、分子内に1個以上
の窒素原子を有する正孔輸送性の低分子化合物、光の照
射により変化した感光層の電導性を光照射後も持続させ
るメモリー性付与機能を有する化合物および必要に応じ
て用いられるメモリー性付与機能を有しない電子吸引性
化合物をバインダーポリマー中に分散して構成されてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光量センサーに関する
ものであり、詳しくは、特定の有機材料から成る感光層
を利用することにより、光の照射により変化した感光層
の電導性を光照射後も持続し得る機能を有する光機能素
子を利用した光量センサーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来報告れている光量センサーは、主と
して、光入力により、素子の電導性が変化するフォトダ
イオード特性のみを利用したものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従って、従来の光量セ
ンサーは、素子自身がメモリー機能を備えていないた
め、素子に照射された光の総量を検知するためには、特
殊な外部演算装置や記憶装置を必要とする。本発明は、
上記実情に鑑みなされたものであり、その目的は、外部
処理装置を必要とせず、簡便で且つ安価な光量センサー
を提供することにある。
【0004】すなわち、本発明の要旨は、少なくとも一
方が光透過性を有する電極間に感光層を形成して成り、
当該感光層が、分子内に1個以上の窒素原子を有する正
孔輸送性の低分子化合物、光の照射により変化した感光
層の電導性を光照射後も持続させるメモリー性付与機能
を有する化合物および必要に応じて用いられるメモリー
性付与機能を有しない電子吸引性化合物をバインダーポ
リマー中に分散して構成されていることを特徴とする光
量センサーに存する。
【0005】以下、本発明を詳細に説明する。図1は、
本発明の光量センサーの概念図であり、図中、(1)、
(1)は電極、(2)は感光層、(3)は定電圧電源、
(4)は照射光である。
【0006】先ず、電極について説明する。電極は、支
持体上に導電性薄膜層として形成される。支持体として
は、石英やガラスの板、金属板や金属箔、プラスチック
フィルムやシート等が用いられるが、ガラス板、透明な
プラスチック(ポリエステル、ポリメタアクリレート、
ポリカーボネート等)の板などが好ましい。電極として
用いることのできる金属板などは支持体を兼ねることが
できる。
【0007】電極形成材料は、通常、アルミニウム、
金、銀、ニッケル、インジウム、パラジウム、テルル等
の金属、インジウム及び/又はスズ等の金属酸化物、ヨ
ウ化銅、カーボンブラック、ポリ(3−メチルチオフェ
ン)等の導電性樹脂が用いられる。
【0008】導電性薄膜層は、電極形成材料が金属や金
属酸化物の場合は、通常、スパッタリング法、真空蒸着
法などにより形成されるが、電極形成材料の種類によっ
ては他の方法により形成される。例えば、銀などの金属
微粒子、ヨウ化銅、カーボンブラック、導電性の金属酸
化物微粒子、導電性樹脂微粉末などの場合には、適当な
バインダー樹脂溶液に電極形成材料を分散させたのち支
持体上に塗布する方法により形成する。更に、導電性樹
脂の場合は、電解重合により、直接支持体上に形成する
こともできる。導電性薄膜層は、異なる物質で積層する
ことも可能である。
【0009】導電性薄膜層の厚さは、特に制約はない
が、均一な導電性発現のためには少なくとも50Å以上
とするのが好ましい。一方、光透過性が必要な場合は、
透過率を満足する膜厚以上にならないようにする必要が
ある。膜厚が厚くなる塗布法による場合でも、膜厚は、
通常100μm以下である。
【0010】本発明においては、電極の少なく共一方が
光透過性電極であることが必要である。光透過性は、必
ずしも、全波長域に亙る必要はないが、少なくとも感光
層が吸収する光の波長域での光透過性が要求される。光
の透過率は、高いほど照射光の効率上好ましい。透過率
としては少なくとも10%以上、実用上は30%以上、
好ましくは60%以上が必要である。
【0011】次に、電極間に形成される感光層について
説明する。感光層は、分子内に1個以上の窒素原子を有
する正孔輸送性の低分子化合物、光の照射により変化し
た感光層の電導性を光照射後も持続させるメモリー性付
与機能を有する化合物および必要に応じて用いられるメ
モリー性付与機能を有しない電子吸引性化合物をバイン
ダーポリマー中に分散して構成される。
【0012】先ず、正孔輸送性の低分子化合物について
説明する。正孔輸送性の低分子化合物は、感光層内の電
荷キャリヤーである正孔の輸送担体として作用する。正
孔輸送現象は、分子間の電子移動あるいは酸化還元反応
と見なすことができ、効果的な正孔輸送のためには、イ
オン化ポテンシャルが小さい電子供与性化合物が適して
いる。
【0013】本発明においては、上記の趣旨から、正孔
輸送性の低分子化合物として、分子内に1個以上の窒素
原子を有する化合物を用いる。特に、分子内に2個以上
の窒素原子を有し、分子間の配向配列性が良好な化合物
が好適である。また、窒素原子の形態としては、ジエチ
ルアミノ基のようなジアルキルアミノ基、ジフェニルア
ミノ基のようなジアリールアミノ基などにより芳香族炭
化水素や芳香族複素環に直接結合したアミノ基、同様
に、芳香族炭化水素や芳香族複素環に結合したヒドラゾ
基、ヒドラゾノ基が挙げられ、その他には、複素環を構
成する窒素原子が挙げられる。そして、複素環の例とし
ては、カルバゾール、インドール、ピラゾール、ピラゾ
リン、オキサゾール等が挙げられる。
【0014】上記のような正孔輸送性の低分子化合物
は、高分子化合物に比べて製造が容易であり、また、精
製による不純物の除去も容易なため、不純物に由来する
トラップ形成等によるメモリー特性の低下が少ない。更
に、低分子化合物は、一般的に、バインダーポリマーと
の相溶性に優れているため、感光層中の含有量を増すこ
とにより正孔の移動度を高めることも容易である。本発
明においては、正孔輸送性の低分子化合物として、ヒド
ラゾン化合物、特に、下記の化学式[化4]([化1]
と同じ)で表されるヒドラゾン化合物が好適に用いられ
る。
【0015】
【化4】
【0016】上記の化学式[化4]中、Aは少なくとも
1個の芳香族炭化水素環または芳香族複素環を含む1価
または2価の有機基を表し、そして、これらの環は置換
基を有していてもよい。具体的には、次の(a)〜
(d)に記載の有機基が挙げられる。
【0017】(a)ベンゼン、ナフタリン、アントラセ
ン、ピレン、ペリレン、フェナントレン、フルオランテ
ン、アセナフテン、アセナフチレン、アズレン、フルオ
レン、インデン、テトラリン、ナフタセン等から誘導さ
れる1価または2価の有機基。当該有機基は、少なくと
も1個の芳香族炭化水素環を含む例である。 (b)ピロール、チオフェン、フラン、インドール、カ
ルバゾール、ピラゾール、ピリジン、アクリジン、フェ
ナジン、ベンゾチオフェン、ベンゾフラン等から誘導さ
れる1価または2価の有機基。当該有機基は、少なくと
も1個の芳香族複素環を含む例である。
【0018】(c)上記の各有機基が直接結合した化合
物から誘導される1価または2価の有機基。 上記の化合物としては、ビフェニル、ターフェニル、フ
ェニルアントラセン、ビチオフェン、ターチオフェン、
ビフラン、チエニルベンゼン、チエニルナフタリン、ピ
ロリルチイオフェン、N−フェニルカルバゾール等が挙
げられる。 (d)上記の各有機基が結合基を介して結合した化合物
から誘導される1価または2価の有機基。 上記の結合基としては、下記の化学式[化5]で表され
るような置換基を有していてもよいアルキレン基または
下記の化学式[化6]で表されるような2価の有機基が
挙げられる。また、斯かるアルキレン基および2価の有
機基を組合せた結合基が挙げられる。
【0019】
【化5】
【0020】
【化6】
【0021】そして、(d)に該当する化合物の具体例
としては、結合基により前記の芳香環や複素環が縮合環
を形成した、例えば、キサンテン、チオキサンテン、イ
ンドリン、フェノチアジン、下記の化学式[化7]で表
される化合物が挙げられる。
【0022】
【化7】
【0023】また、上記の他に、(d)に該当する化合
物の具体例としては、ジフェニルメタン、スチルベン、
トラン、1,4−ジフェニルフタジエン、ジフェニルエ
ーテル、ジフェニルスルフィド、N−メチルジフェニル
アミン、トリフェニルアミン、アゾベンゼン等が挙げら
れる。更にまた、これらの化合物のベンゼン環の代わり
に、他の芳香環や複素環を結合基を用いて組み合わせた
化合物などが挙げられる。
【0024】前記の(a)〜(d)における芳香族炭化
水素環および/または芳香族複素環が有していてもよい
置換基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピ
ル基、ブチル基、ヘキシル基等の低級アルキル基、メト
キシ基、エトキシ基、ブトキシ基等の低級アルコキシ
基、アリル基、ベンジル基、ナフチルメチル基、フェネ
チル基等のアラルキル基、フェノキシ基、トリオキシ基
等のアリールオキシ基、ベンジルオキシ基、フェネチル
オキシ基等のアリールアルコキシ基、フェニル基、ナフ
チル基等のアリール基、スチリル基、ナフチルビニル基
等のアリールビニル基、ジメチルアミノ基、ジエチルア
ミノ基等のジアルキルアミノ基が挙げられる。そして、
これらの置換基中のアルキル成分には、エーテル基、エ
ステル基、シアノ基、スルフィド基等が含有されていて
もよい。
【0025】前記の化学式[化4]中、R1 、R2 、R
3 、R4 、R5 は、水素原子または置換基を有していて
もよいアルキル基、アラルキル基、芳香族炭化水素基、
複素環基を表す。R1 〜R5 の具体的例としては、メチ
ル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基等
の低級アルキル基、ベンジル基、フェネチル基等のアラ
ルキル基、フェニル基、ナフチル基、アセナフチル基、
アントリル基、ピレニル基等のAにおけるのと同様の芳
香族炭化水素基、チエニル基、ビチエニル基、カルバゾ
ル基、インドリル基、フリル基、インドリン基等のAに
おけるのと同様の複素環基が挙げられる。
【0026】そして、上記のR1 〜R5 の各有機基が有
していてもよい置換基としては、メチル基、エチル基、
プロピル基、ブチル基、ヘキシル基等の低級アルキル
基、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基等の低級アル
コキシ基、フェノキシ基、トリオキシ基等のアリールオ
キシ基、ベンジルオキシ基、フェネチルオキシ基等のア
リールアルコキシ基、フェニル基、ナフチル基等のアリ
ール基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、フェニ
ルメチルアミノ基、ジフェニルアミノ基等の置換アミノ
基等が挙げられる。但し、R1 はAと一体となって環を
形成してもよい。このような例としては、下記の化学式
[化8]で表される有機基が挙げられる。
【0027】
【化8】
【0028】前記の化学式[化4]中、R6 、R7 は、
置換基を有していてもよいアルキル基、アラルキル基、
アリル基、芳香族炭化水素基または複素環基を表す。具
体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基
等の低級アルキル基、ベンジル基、フェネチル基、ナフ
チルメチル基等のアラルキル基、アリル基、フェニル
基、ナフチル基等の芳香族炭化水素基、ピリジル基、チ
エニル基、フリル基、ピロリル基等の複素環基を表す。
これらが有していてもよい置換基としては、前記R1
2 、R3 、R4 、R5 におけるのと同様の置換基が挙
げられる。但し、R6 とR7 は一体となって環を形成し
てもよく、このような例としては、下記の化学式[化
9]で表される有機基が挙げられる。
【0029】
【化9】
【0030】前記の化学式[化4]中、lは0又は1、
mは0、1又は2、nは1又は2の整数を表す。尚、n
はAが1価の基の場合には1を、2価の基の場合は2を
表す。
【0031】前記の化学式[化4]で表されるヒドラゾ
ン化合物の中では、特に、Aがカルバゾール環であるヒ
ドラゾン化合物が好ましい。下記の化学式[化10]
は、斯かるヒドラゾン化合物の幾つかを例示したもので
ある。
【0032】
【化10】
【0033】次に、メモリー性付与機能を有する化合物
について説明する。メモリー性は、数多くの化合物によ
り達成することができる。代表的な化合物としては、例
えば、クロロ酢酸、オルソベンゾイル安息香酸等のプロ
トン酸、芳香族ジアゾニウム塩、ロイコクリスタルバイ
オレット、ロイコマラカイトグリーン等のトリアリール
メタン類、ヨウ化メチレン、ヘキサクロロエタン等のハ
ロゲン化炭化水素、1,3,5−トリブロモベンセン、
9,10−ジクロロアントラセン、9,10−ジブロモ
アントラセン等の芳香族ハロゲン化合物、ベンズアミ
ド、ニトロフェノール、ニトロアニリン、ヘキサクロロ
アセトン、ブロモアセトフェノン等のハロゲン化ケトン
化合物、塩化アセチル、臭化アセチル、クロロベンゾイ
ルクロリド等のハロゲン化アシル化合物、無水フタル酸
等の酸無水物、チオミヒラーズケトン等のチオケトンが
挙げられる。特に、塩素原子および/または臭素原子が
2つ以上置換した芳香族ハロゲン化合物または下記の化
学式[化11]([化2]と同じ)で表されるチオケト
ンが好ましい。
【0034】
【化11】
【0035】上記の化学式[化11]中、Ar1 、Ar
2 は、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基また
は芳香族複素環基を表わし、具体的には、前記の化学式
[化4]中のAにおけるのと同様の芳香族炭化水素基ま
たは芳香族複素環基が挙げられる。下記の化学式[化1
2]は、好ましいチオケトン類を例示したものである。
【0036】
【化12】
【0037】次に、メモリー性付与機能を有しない電子
吸引性化合物について説明する。上記の電子吸引性化合
物は、任意成分として用いられるが、次のような作用を
奏する。すなわち、本発明の光量センサーにおいては、
感光層中を正孔が移動する場合、感光層中のトラップに
正孔がトラップされ、繰り返し使用した場合、トラップ
された電荷により感光層内の電荷が低下する。その結
果、キャリヤーの移動度が低下すると共に次第に電導性
も低下し、遂には、光量センサーが機能を発現しなくな
る。メモリー性付与機能を有しない電子吸引性化合物
は、電荷が感光層中にトラップされるのを効果的に防止
し、上記の機能喪失の問題を解消する。
【0038】メモリー性付与機能を有しない電子吸引性
化合物としては、例えば、ニトロ基、シアノ基、アシル
オキシ基、アルコキシカルボニル基、シアノビニル基、
スルホニル基、スルフィニル基、スルホニルオキシ基の
何れか1つ以上を置換基として有する芳香族性化合物が
用いられる。そして、芳香族性化合物としては、例え
ば、ベンゼン、ナフタリン、アントラセン、アセナフテ
ン、インデン、フルオレン、ビフェニル、スチルベン等
の芳香族炭化水素化合物、ベンゾキノン、インダノン、
テトラロン、ナフトキノン、アントラキノン等の芳香族
性キノン化合物、チオフェン、カルバゾール、ピラゾー
ル、ピリジン、キノリン、オキサジアゾール、ベンゾオ
キサゾール、ベンゾチアゾール等の芳香族性複素環化合
物が挙げられる。上記の電子吸引性化合物の中では、下
記の化学式[化13]([化3]と同じ)で表されるジ
シアノビニル化合物が好適である。
【0039】
【化13】
【0040】上記の化学式[化13]中、Ar3 は置換
基を有していてもよい芳香族炭化水素基、Xはアルキル
基または置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基を
表し、具体的には、前記の化学式[化4]中のAにおけ
るのと同様の芳香族炭化水素基が挙げられる。また、上
記の化学式[化13]中、pは0、1又は2の整数を表
す。下記の化学式[化14]及び[化15]は、好まし
いジシアノビニル化合物を例示したものである。
【0041】
【化14】
【0042】
【化15】
【0043】次に、バインダーポリマーについて説明す
る。バインダーポリマーとしては、前記の各化合物との
相溶性が良好であり、更に、電荷キャリヤーの層内移動
に対して悪影響を及ぼさないポリマーが好ましい。例え
ば、スチレン、酢酸ビニル、塩化ビニル、アクリル酸エ
ステル、メタクリル酸エステル、ブタジエン等のビニル
化合物の重合体および共重合体、ポリビニルアセター
ル、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリスルホン、
ポリフェニレンオキシド、ポリウレタン、セルロースエ
ステル、セルロースエーテル、アルキド樹脂、フェノキ
シ樹脂、ケイ素樹脂、エポキシ樹脂が挙げられる。これ
らの中では、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹
脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂およびフェノキシ樹
脂が好ましく、特に、ポリカーボネート樹脂およびメタ
クリル樹脂が好ましい。
【0044】バインダーポリマーの使用量は、通常、正
孔輸送性低分子化合物に対し、0.3〜30重量倍、好
ましくは0.7〜10重量倍の範囲である。そして、メ
モリー性付与機能を有する化合物の使用量は、バインダ
ーポリマー100重量部に対し、通常0.001〜30
重量部、好ましくは0.01〜20重量部の範囲であ
り、メモリー性付与機能を有しない電子吸引性化合物の
使用量は、バインダーポリマー100重量部に対し、通
常0.01〜30重量部、好ましくは0.1〜20重量
部の範囲である。
【0045】本発明の光量センサーにおける感光層は、
前述の正孔輸送性の低分子化合物、メモリー性付与機能
を有する化合物および必要に応じて用いられる電子吸引
性化合物をバインダーポリマー中に分散して構成される
が、更に、必要に応じて、可塑剤、紫外線吸収剤、酸化
防止剤等の添加物を含有させることができる。そして、
感光層の膜厚は、光量センサーの動作に必要な電界強
度、電源電圧の範囲により決定されるが、通常は100
μm以下、好ましくは30μm以下とされる。そして、
膜厚の下限は、塗膜の均一性確保の点から、0.01μ
m、好ましくは0.1μmとするのがよい。
【0046】次に、本発明の光量センサーの製造方法に
ついて説明する。本発明の光量センサーは、上記の感光
層の各成分および必要に応じて使用される各種の添加物
成分を溶剤に溶解して塗布液を調製し、当該塗布液を電
極上に塗布したのち乾燥して感光層を形成し、次いで、
電極を積層して製造される。電極の積層は、スパッタリ
ングや蒸着法などの他、圧着法によってもよい。また、
電極上に形成した感光層同士を加熱圧着して一体化する
製造法も採用することができる。
【0047】次に、本発明の光量センサーの機能および
使用方法について説明する。本発明の光量センサーは、
光の照射を受けない状態では絶縁性であるが、感光層の
吸収波長域の光の照射を受けた場合、光量に応じて連続
的に電導性が増加し、一定電圧下での電流が増加する。
また、電導性が増加した状態は、光照射後においても長
時間持続する。従って、本発明の光量センサーは、斯か
るメモリー性により、光の繰り返し照射による電導性の
増加を逐次積算することができる。そして、このメモリ
ー状態は、加熱により消去可能であり、メモリー状態と
その消去の間には可逆性がある。
【0048】本発明の光量センサーによる光量の測定
は、通常、較正曲線を利用して行なわれる。較正曲線
は、例えば、次のようにして容易に得ることができる。
先ず、光量センサーに光量既知の光を照射し、照射後の
電導性または一定電圧下の電流を測定する。そして、必
要があれば、加熱によりメモリー状態を消去して光照射
前の状態に戻す。次いで、上記の操作を繰り返し行なう
ことにより、光量と電導性または電流との関係をプロッ
トした較正曲線を得る。本発明の光量センサーは、一定
時間内に照射を受けた光の総光量を検知するものであ
る。従って、光が連続的に照射されたか、または、断続
的に照射されたかという照射形態には依存せず、総光量
が同じであれば、同じ電導性の変化として検知する。
【0049】本発明の光量センサーのメカニズムに関し
ては、現時点では十分に明らかではないが、可逆的な現
象であることから、感光層成分の化学的分解によるもの
ではないことは明らかである。しかしながら、一応は、
次のように仮説することができる。すなわち、正孔輸送
性の低分子化合物、メモリー性付与機能を有する化合物
あるいはバインダーポリマー等が単独あるいは分子間で
プロトトロピー、異性化、立体配座の変化、配向状態の
変化等を引き起こし、例えば、電極界面近傍での分極を
変化させることにより、界面のエネルギー障壁を低下さ
せ、電極からの電荷流入を容易にさせる等の変化を生じ
させて電導性が増加する。そして、この様に変化した状
態が安定に持続することにより、メモリー機能が発現さ
れる。
【0050】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳細に説明
するが、本発明は、その要旨を越えない限り、以下の実
施例に限定されるものではない。 実施例1 <光量センサーの作製>4,4′−ビス(ジメチルアミ
ノ)チオベンゾフェノン2.0重量部、N−エチル−3
−カルバゾールカルバルデヒドジフェニルヒドラゾン8
0重量部およびポリカーボネート100重量部をジオキ
サン880重量部に溶解して塗布液を調整した。厚さ1
00μmポリエステルフィルム上に形成した透明電極
(ITO電極)層の上に上記の塗布液を乾燥後の膜厚が
13μmになるように塗布して乾燥し、感光層を形成し
た。次いで、感光層の表面にアルミニウムを真空蒸着し
て直径1cmの円形の対向電極を形成し、光量センサー
を作製した。
【0051】<光量センサーの評価>上記の光量センサ
ーに透明電極側が正極になるように直流バイアス100
Vを印加し、透明電極側から出力100μW/cm2
波長435nmの単色光を50秒間(5mJ/cm2
照射した後に両極を2分間短絡させた。斯かる断続的な
照射を繰り返した結果、印加時の電流値は、図2に示す
ように一定の傾向を持って増加した。なお、上記の短絡
操作は、光量センサーの感光層の内部に蓄積した残留電
荷を放出し、その後の電圧印加による電導性の増加を容
易にするために行なったものである。その後、上記の光
量センサーを120℃の恒温器中に5分間収容すること
により、メモリー状態を消去し、上記と同様にして出力
100μW/cm2 で波長435nmの単色光を200
秒間(20mJ/cm2 )照射した後、電流値を測定し
た。得られた電流値は、0.4×10-7Aであった。以
上の結果、本発明の光量センサーは、断続的な照射に関
する光量だけではなく、連続的な照射に関する光量につ
いても容易に測定可能であることが分かる。
【0052】実施例2 <光量センサーの作製>実施例1において、更に、アク
セプターとして、4−ニトロジシアノビニルベンゼン
3.0重量部を溶解した塗布液を使用した他は、実施例
1と同様にして光量センサーを作製した。
【0053】<光量センサーの評価>上記の光量センサ
ーについて、実施例1と同様に評価した結果、総光量と
電流値との関係は、図2に示したものと同様であった。
また、上記の光量センサーを120℃の恒温器中に5分
間収容することにより、メモリー状態を消去して電流値
を元の状態に戻し、再度、上記と同様の光照射を行なっ
てメモリ状態とした。斯かるメモリ状態とその消去の操
作とを繰り返し行なった結果、上記の光量センサーは、
感光層にアクセプターを含有していない実施例1の光量
センサーに比べてメモリー性の劣化が少なかった。
【0054】実施例3 <光量センサーの作製>9,10−ジブロモアントラセ
ン7.0重量部、N−エチル−3−カルバゾールカルバ
ルデヒドジフェニルヒドラゾン80重量部およびポリカ
ーボネート100重量部をジオキサン880重量部に溶
解して塗布液を調整した。厚さ100μmポリエステル
フィルム上に形成したITO電極層の上に上記の塗布液
を乾燥後の膜厚が15μmになるように塗布して乾燥
し、感光層を形成した。次いで、感光層の表面にアルミ
ニウムを真空蒸着して直径1cmの円形の対向電極を形
成し、光量センサーを作製した。
【0055】<メモリー性の評価>上記の光量センサー
について、実施例1と同様に評価した結果、総光量と電
流値との関係は、図2に示したものと同様の相関関係で
あった。
【0056】
【発明の効果】以上説明した本発明の光量センサーによ
れば、光量に応じて連続的に増加した電導性が安定にメ
モリーされるため、外部処理装置は不要である。また、
本発明の光量センサーは、構造が簡単であるばかりか、
光を吸収する感光層が塗布により形成されるため、製造
が容易で且つ大面積化も容易という特徴を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光量センサーの概念図である。
【図2】実施例1で得られた本発明の光量センサーにお
ける総光量と電流値との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
(1):電極 (2):感光層 (3):定電圧電源 (4):照射光
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤井 章照 神奈川県横浜市緑区鴨志田町1000番地 三 菱化成株式会社総合研究所内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも一方が光透過性を有する電極
    間に感光層を形成して成り、当該感光層が、分子内に1
    個以上の窒素原子を有する正孔輸送性の低分子化合物、
    光の照射により変化した感光層の電導性を光照射後も持
    続させるメモリー性付与機能を有する化合物および必要
    に応じて用いられるメモリー性付与機能を有しない電子
    吸引性化合物をバインダーポリマー中に分散して構成さ
    れていることを特徴とする光量センサー。
  2. 【請求項2】 正孔輸送性の低分子化合物がヒドラゾン
    化合物であることを特徴とする請求項1記載の光量セン
    サー。
  3. 【請求項3】 ヒドラゾン化合物が下記の化学式[化
    1]で表される化合物であることを特徴とする請求項2
    記載の光量センサー。 【化1】 (化学式[化1]中、Aは少なくとも1個の芳香族炭化
    水素環または芳香族複素環を含む1価または2価の有機
    基を表し、これらの環は置換基を有していてもよい。R
    1 、R2 、R3 、R4 、R5 は、水素原子または置換基
    を有していてもよいアルキル基、アラルキル基、芳香族
    炭化水素基、複素環基を表し、R6 、R7 は、置換基を
    有していてもよいアルキル基、アラルキル基、アリル
    基、芳香族炭化水素基または複素環基を表し、lは0又
    は1、mは0、1又は2、nは1又は2の整数を表す。
    但し、AとR1 とは互いに結合して環を形成してもよ
    く、また、R6 とR7 とは互いに結合して環を形成して
    もよい)
  4. 【請求項4】 化学式[化1]において、Aが置換基を
    有していてもよいカルバゾール基であり、R6 及びR7
    が芳香族炭化水素基であることを特徴とする請求項3記
    載の光量センサー。
  5. 【請求項5】 メモリー性付与機能を有する化合物が塩
    素原子および/または臭素原子が2つ以上置換した芳香
    族ハロゲン化合物であることを特徴とする請求項1〜4
    のいずれかに記載の光量センサー。
  6. 【請求項6】 メモリー性付与機能を有する化合物が下
    記の化学式[化2]で表されるチオケトンであることを
    特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の光量センサ
    ー。 【化2】 (化学式[化2]中、Ar1 、Ar2 は、置換基を有し
    ていてもよい芳香族炭化水素基または芳香族複素環基を
    表わす)
  7. 【請求項7】 メモリー性付与機能を有しない電子吸引
    性化合物が、置換基として、ニトロ基、シアノ基、アシ
    ルオキシ基、アルコキシカルボニル基、シアノビニル
    基、スルホニル基、スルフィニル基、スルホニルオキシ
    基のいずれか1つ以上を有する芳香族性化合物であるこ
    とを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の光量セ
    ンサー。
  8. 【請求項8】 メモリー性付与機能を有しない電子吸引
    性化合物が下記の化学式[化3]で表されるジシアノビ
    ニル化合物であることを特徴とする請求項7に記載の光
    量センサー。 【化3】 (化学式[化3]中、Ar3 は置換基を有していてもよ
    い芳香族炭化水素基、Xはアルキル基または置換基を有
    していてもよい芳香族炭化水素基、Pは0、1又は2の
    整数を表す)
  9. 【請求項9】 バインダーポリマーが、ポリエステル樹
    脂、ポリカーボネート樹脂、メタクリル樹脂、アクリル
    樹脂またはフェノキシ樹脂であることを特徴とする請求
    項1〜8のいずれかに記載の光量センサー。
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