JPH059944U - 印刷装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 カード等の印刷物の改竄、偽造を防止する。 【構成】 第２の熱転写印刷装置４ではカード状記録媒
体上にオーバコート用リボンを用いて装置情報発生回路
４７からの装置固有の識別番号、印刷年月日及び印刷時
刻、印刷順序（発行番号）を印刷する。したがって、印
刷装置の管理状態を把握しておけば、記録された媒体の
情報を判別することにより偽造か否かを容易に知ること
ができる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は例えばＩＤカード、光カード、ＩＣカード、キャッシュカード、プリ ベイドカード、免許証等のカードやその他の印刷物を作成する印刷装置に関し、 特に印刷物の改竄（偽造）防止を可能とした印刷装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

ＩＤカード等を作成するため等に用いる従来の印刷装置としては、特開昭６１ −５１３９１号公報あるいは特開昭６２−５５１９２号公報に記載されているよ うに、カード状記録媒体に顔写真や氏名等の所要の情報を印刷した後、透明材か らなるオーバコートを施すようにしている。そしてこのようにオーバーコートを 施すことで、貼り付けた写真を剥がして他の写真に貼り変えたり、印刷箇所を消 去して他の印刷を行うなどのカードの改竄を防止できる。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、上述のような印刷装置を用いてカードを作成した場合、既存の カードに手を加える改竄を防止することはできても、印刷に用いられたカード作 成装置やそれと同等のカード作成装置を入手して、ほぼ同一材料に異なる顔写真 、氏名等を印刷することによって偽造が可能になる。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

上記の課題を解決するため本考案は、記録媒体に印刷を施した装置固有の情報 を当該記録媒体に印刷するようにした。

【０００５】

【作用】

カード等の印刷物には印刷を施した印刷装置固有の情報が識別情報として印刷 されるので、その装置を入手しない限り同一印刷物を作成することが困難になり 、印刷物の改竄、偽造を防止できる。

【０００６】

【実施例】

以下に本考案の実施例を添付図面を参照して説明する。ここで、図１は本考案 に係る印刷装置を備えたカード作成装置の斜視図、図２は同カード作成装置のブ ロック図、図３は同カード作成装置の第１の熱転写印刷装置で用いるインクリボ ンを示す図、図４は同カード作成装置の第２の熱転写印刷装置で用いるコート用 リボンを示す図、図５は同カード作成装置の第１の熱転写印刷装置の印刷状態を 示す図、図６は同カード作成装置の第２の熱転写印刷装置の印刷状態を示す図、 図７は同カード作成装置で作成したカードの一例を示す図である。

【０００７】 カード作成装置は印刷に用いるカード状記録媒体Ｃを多数枚収納して給紙する 給紙ユニット１と、カード状記録媒体Ｃの磁気ストライプＭをエンコードする磁 気エンコーダユニット２と、カード状記録媒体Ｃに画像を印刷する第１の熱転写 印刷装置３と、印刷後のカード状記録媒体Ｃにコート材を印刷する第２の熱転写 印刷装置４と、印刷されオーバコートされたカード状記録媒体Ｃを収納するスト ッカ５と、磁気エンコードユニット２から供給されたカード状記録媒体Ｃを第１ の熱転写印刷装置３、第２の熱転写印刷装置４及びストッカ５に順次搬送する搬 送ユニット６とを備えている。

【０００８】 給紙ユニット１は、収納部１１内にカード状記録媒体Ｃを多数枚収納し、給紙 ローラ１２により収納部１１からカード状記録媒体Ｃを１枚ずつ磁気エンコーダ ユニット２に供給する。磁気エンコードユニット２は、給紙ユニット１から給紙 されたカード状記録媒体Ｃの磁気ストライプｍに所定のデータを記録し、記録が 確実に行われているかを確認した後、搬送ユニット６に送り出す。カード状記録 媒体Ｃに磁気ストライプを設けない場合には、カード状記録媒体Ｃはこの磁気エ ンコーダユニット２を単に通過するだけである。

【０００９】 第１の熱転写印刷装置３は、カード状記録媒体Ｃを載置して搬送ユニット６と の間で受渡しをするステージ３１と、送り出しローラ３２と巻取りローラ３３と の間に張架した例えば図３及び図５に示すようなイエロＹ、マゼンタＭ、シアン Ｃ及びブラックＢｋの溶融性又は昇華性の各インク３４ｂをベースフィルム３４ ａ上に所定のピッチで塗布したインクリボン３４と、サーマルヘッド３５とを備 えている。

【００１０】 第２の熱転写印刷装置４は、カード状記録媒体Ｃを載置するステージ４１と、 送り出しローラ４２と巻取りローラ４３との間に張架した例えば図４及び図６に 示すようにベースフィルム４４ａ上に保護膜となる熱溶融型樹脂等のコート材４ ４ｂを塗布したオーバコート用フィルム４４と、サーマルヘッド４５とを備えて いる。

【００１１】 これらの第１、第２の熱転写印刷装置３、４に印刷信号を与える回路は、図２ に示すように構成している。先ず合成回路３６は、顔画像信号及び文字信号を合 成し、この合成信号を第１の熱転写印刷装置３の印刷部３７（サーマルヘッド３ ５及びその駆動回路等を含む部分）に出力し、カード状記録媒体Ｃに顔写真及び 氏名等の情報を印刷する。次に、記録位置設定回路４６は、透明部画枠信号に基 づいて装置情報発生回路４７からの装置固有の情報を印刷する位置を設定し、合 成回路４８は、透明部画枠信号と装置情報発生回路４６から設定した位置で出力 される装置固有の情報とを合成して、第２の熱転写印刷装置４の印刷部４９（サ ーマルヘッド４５及びその駆動回路等を含む部分）に出力し、カード状記録媒体 Ｃにコート材及び装置固有の情報を印刷する。

【００１２】 装置情報発生回路４７は、装置の識別番号を格納したＲＯＭと、累計枚数（印 刷順序）をカウントするカウンタと、印刷年月日及び印刷時刻をカウントする時 刻発生回路等からなり、これらの情報を装置固有の情報として出力するようにし ている。この場合に、これらの装置固有の情報を符号化する符号化（暗号化）す る手段を備え、カード状記録媒体には符号化した情報を印刷するようにすること もでき、このようにすれば一層改竄、偽造が困難になる。

【００１３】 そこで、このカード作成装置によるカードの作成について説明すると、第１の 熱転写印刷装置３では、インクリボン３４をサーマルヘッド３５でステージ３１ 上に載置されているカード状記録媒体Ｃに押圧した状態で、顔画像信号と文字信 号とを合成した合成信号に基づいてサーマルヘッド３５の発熱抵抗体を発熱させ ることによって、例えば図７に示すように、カード状記録媒体Ｃ上に顔写真Ｃ１ １、会社名Ｃ１２、氏名Ｃ１３及び社員番号Ｃ１４等の情報を印刷する。このと きの印刷状態を図５に示している。この場合、熱昇華型インクリボンを用いると きには、合成紙等の基材Ｃ１上に受容層Ｃ２をコートするか、或いは塩化ビニル 材料やＰＥＴ（ポリエチレンテレフタレート）のようなプラスチックの基材Ｃ１ 上に受容層Ｃ２をコートした表面の平な特殊紙からなるカード状記録媒体Ｃを用 いる。

【００１４】 また、第２の熱転写印刷装置４では、オーバコート用リボン４４をサーマルヘ ッド４５でステージ４１上に載置されているカード状記録媒体Ｃに押圧した状態 で、透明部画枠信号と装置固有の情報とを合成した合成信号に基づいてサーマル ヘッド４５の発熱抵抗体を発熱させることによって、例えば図７に示すように、 顔写真及び氏名等の情報Ｃ１１〜Ｃ１４全体を覆うようにコート材を印刷して保 護膜Ｃ１５を形成するとともに、装置識別番号、印刷年月日及び印刷時刻、発行 番号（印刷順序）等の装置固有の情報Ｃ１６をコート材で印刷する。

【００１５】 この場合、前述したように装置固有の情報を符号化して印刷したり、あるいは コート材に蛍光材料混入することによってより確実に改竄、偽造を防止できる。

【００１６】 このように、装置固有の情報を印刷することによって、印刷装置の管理状態を 把握しておけば、記録された媒体の情報を判別することにより偽造か否かを容易 に知ることができ、また透明部分に印刷することによって容易に印刷されている ことが分らず、カードが使用される場合にその情報を読取って本来の情報と比較 することにより、容易に判定できる。

【００１７】 尚、上記実施例では、本考案をカード作成装置に適用した例について述べたが 、これに限らず、例えば重要な印刷物の印刷に適用することもできる。

【００１８】

【考案の効果】

以上に説明したように本考案によれば、カード等の印刷物には印刷を施した印 刷装置固有の情報を識別情報として印刷するようにしたので、同一印刷物を作成 することが困難になり、印刷物の改竄、偽造を防止できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る印刷装置を備えたカード作成装置
の斜視図

【図２】同カード作成装置のブロック図

【図３】同カード作成装置の第１の熱転写印刷装置で用
いるインクリボンを示す図

【図４】同カード作成装置の第２の熱転写印刷装置で用
いるコート用リボンを示す図

【図５】同カード作成装置の第１の熱転写印刷装置の印
刷状態を示す図

【図６】同カード作成装置の第２の熱転写印刷装置の印
刷状態を示す図

【図７】同カード作成装置で作成したカードの一例を示
す図

【符号の説明】

１…給紙ユニット、２…磁気エンコーダユニット、３…
第１の熱転写印刷装置、４…第２の熱転写印刷装置、３
５、４５…サーマルヘッド、４７…装置情報発生回路。

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【手続補正書】

【提出日】平成３年９月６日

【手続補正１】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】請求項２

【補正方法】変更

【補正内容】

【手続補正２】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】請求項３

【補正方法】変更

【補正内容】

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁵ 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 Ｂ４１Ｊ 2/325 29/00 Ｂ４１Ｍ 3/14 7810−2Ｈ

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 記録媒体に所要の印刷を施して印刷物を
   作成する印刷装置において、この装置の識別番号、印刷
   順序、作成年月日または作成時刻を装置固有の識別情報
   として前記記録媒体に印刷することを特徴とする印刷装
   置。
2. 【請求項２】 前記装置固有の識別情報は、透明コート
   材を印刷物に被覆する際に同時に印刷されることを特徴
   とする請求項１または２に記載の印刷装置。
3. 【請求項３】 前記装置固有の識別情報は、符号化して
   印刷されることを特徴とする請求項１乃至３に記載の印
   刷装置。