JPH0599377A - パイプの締結方法 - Google Patents

パイプの締結方法

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JPH0599377A
JPH0599377A JP8427591A JP8427591A JPH0599377A JP H0599377 A JPH0599377 A JP H0599377A JP 8427591 A JP8427591 A JP 8427591A JP 8427591 A JP8427591 A JP 8427591A JP H0599377 A JPH0599377 A JP H0599377A
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pipe
joint
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JP8427591A
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Tadakatsu Maruyama
忠克 丸山
Katsunari Yoshikawa
克業 吉川
Takashi Watanabe
隆 渡辺
Ryoji Shibata
良治 柴田
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Nippon Steel Corp
WATANABE KOGYO KK
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Nippon Steel Corp
WATANABE KOGYO KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は高圧配管経路に使用でき、かつ施工
の容易なパイプ締結方法を提供する。 【構成】 締結しようとするパイプ側には転造法による
雄ねじをつけ、継手側は拡管処理した状態の形状記憶合
金製の円筒に雌ねじをつけ、締結に際しては両者を素手
で軽くねじ込んだ後に継手部分を一定温度に加熱して、
形状記憶合金製円筒の収縮力によってねじ同士を締め込
むように構成した。 【効果】 ねじ式継手を用いるが、締結時に工具を用い
て大きなトルクを与える必要がないので、ねじ面が焼き
付く心配がない。このため、ねじ込みのための潤滑剤や
シール剤が不要で高圧シール性を有する締結が実現され
る。トルクを与えるための工具を使わず、締付けトルク
の管理も必要ないので熟練者でなくても確実な施工作業
が実施できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、各種の配管におけるパ
イプとパイプ間の締結方法に関する。
【0002】
【従来の技術】配管には、用いるパイプの種類、用途、
扱う流体の種類等に応じて様々な方法がある。その中で
パイプ端部に雄ねじを切り、雌ねじを有する継手と噛み
合わせることによってパイプ同士を締結する方法は、溶
接法と並んで最も普通に行われている配管施工法の一種
である。
【0003】ところが通常のねじ方式によるパイプの締
結は、外部からいかに大きな力を加えてねじ込みを行っ
ても、雄ねじと雌ねじの噛み合わせ箇所に生じる空隙を
なくすることが難しく、しかもこの空隙はねじ面に沿っ
てスパイラル状に外部とつながってしまう場合が多いた
め、完全なシール性を確保することが困難であるとされ
ている。
【0004】このような不都合を回避するために精密な
特殊な形状のねじが開発されており、例えば油井用鋼管
の締結等の限られた用途に対しては、多くの実用例が知
られるようになっている。しかし、油井用のパイプの締
結に使用されるねじ式継手方式は、精密に管理された工
場内でパイプ端部のねじ切り加工が行われ、プロテクタ
ーと呼ばれるねじ保護具をつけた状態で現場に搬送さ
れ、これも工場内で丁寧に雌ねじを切削加工された上
で、ねじ部を保護されて現場に搬送された継手(カップ
リングと呼ばれる)との締結が行われるものである。締
結作業は、ねじ部に焼き付き防止用の特殊なコンパウン
ドグリスが塗布された上、さらに締め付けトルクを厳密
に管理された状態で行われる。
【0005】これに対して一般に行われている配管施工
にあたっては、ねじは工場内で予め加工しておくのでは
なく、施工現場において作業者が必要な長さに切断した
パイプの端部にその場で加工できることが必要である。
このような施工現場でのねじ加工は管理の行き届いた工
場内での精密ねじ加工とは異なるから、油井管の場合の
ような確実な作業は期待できない。このため一般の配管
の中でも特に信頼性を要求される場合には、ねじによら
ない溶接によるか、ねじを使うとすればシール剤(シー
ル材の場合を含む、以下同)を介して締結する等の方法
で施工作業が行われる場合が多くなっている。このうち
シール剤を介する方法は手軽で効果の得られるものでは
あるが、高圧に対するシール性が必要とされる分野の継
手では、シール剤の断片等の異質物が配管内に混入する
のが嫌われることが多く、決定的な方法となるには至っ
ていない。
【0006】また溶接による配管施工にも欠点がある。
何よりも特殊技能が必要であるから限定された作業者し
か実施できないという問題がある。それだけに、溶接時
の大気のシールやビードの状況を配慮して、かつ溶接部
と周辺にひずみを発生させない溶接を実現するためには
高度な技術が要求され、特に最近では優れた施工者の確
保が大きな課題となる傾向が生じている。
【0007】これまで切削加工でつけられていた配管用
薄肉パイプ端へのねじ加工が、近年、切削によらず、塑
性変形の1種である転造法で加工できる技術が開発され
た。切削で作られるねじは、図2(イ)に示されるよう
にメタルフローを切断して形成されるので、強度が弱く
なる欠点がある。これに対して転造法でねじ加工した場
合には、図2(ロ)の通りメタルフローは変形するもの
の断ち切られず保存されること、塑性加工によって特に
ねじ谷底部が加工硬化することによってねじ部の強度が
高い上、ねじの寸法形状の精度も良好で、切削ねじに比
べてより平滑なねじ面に仕上がる。このため、転造法に
よって雄ねじ加工したパイプを、切削法で雌ねじの切ら
れた継手と締結すると、転造時に加工硬化した雄ねじ部
が軟らかい切削ねじ部を塑性変形させる結果として、メ
タル同士の接触によるドライシール状態で十分に高圧に
耐える継手が提供できるとされている。転造によるねじ
加工では、切削の場合と違って加工時に切り屑が出ない
ので、作業環境が良好に保たれるという利点もある。
【0008】このような特徴を有する転造雄ねじは、特
公昭63−33933号公報に記載のある管用テーパね
じ転造機などによって、短時間で容易にパイプ端部に加
工することが可能である。またこの装置は配管施工現場
に持ち込むこともできるから、長さ合わせして切断され
たパイプ端にその場で雄ねじ加工を行うこともできる。
また転造ねじは、切断されたままのパイプ端に加工して
も差し支えないが、より好ましくは、切断されたパイプ
端部に、例えば実公平2−24493号公報に記載され
た管用テーパ絞り加工装置等によってテーパ加工を行っ
た上に転造加工を行うことによって、その特徴を一層引
き立たせることができるとされている。図3(イ)は従
来の切削ねじ加工がなされたパイプ端部の断面形状であ
る。テーパねじが切られることによってねじ谷底部の残
肉が薄くなり、パイプの強度が低下することが問題であ
る。図3(ロ)はパイプ端部に絞り加工を行った様子
を、また図3(ハ)はその上に転造ねじ加工を行った様
子をそれぞれ示している。このように絞り成形後にテー
パねじ加工を行ったものは、ねじ加工によるパイプの残
肉減が最小に抑えられる上、そのねじを転造法で加工す
ることによって前述のようにメタルフローが切断されず
谷底部が加工硬化するので、高圧に耐える強度の高いね
じが実現する。もちろんパイプの肉厚が十分厚ければ、
このテーパ加工は必要ない場合もある。
【0009】実際にこのようなテーパ加工した上に転造
雄ねじをつけたパイプに対するねじ継手による締結部
が、内圧600kgf/cm2 の油圧配管に対して十分に使用
に耐えることがいくつもの例で証明されている。転造法
によるねじは上記のようにねじ性能が優れ加工時に切粉
が出ないので、切削による方法と較べて量産自動化向き
であることが特徴である。
【0010】転造雄ねじを利用したねじ接合は、シール
剤を使用しなくても十分なシール性を有すると推測され
ているにもかかわらず、実際の締結に際しては必ずシー
ル剤を介して行われている。転造ねじは一般にねじ込み
トルクが高くなるため、ねじ込み時にねじ山面で焼き付
きが起こり易い傾向を有する。このためシール性のため
には不要なシール剤を、焼き付き防止効果に期待して使
用しているのが一般である。目的が何であれ締結時に使
用されたシール剤は、配管内に流体が流されて実際に使
用される段階で、小さくちぎれたり溶けだしたりして流
体中に紛れ込み、バルブ系統等流路の狭い部分につまり
を生じたり、あるいは流体を汚染させる等の悪影響を与
える。高圧配管では特にこれらの点を嫌われる傾向があ
るので、せっかく高性能の転造ねじが、現状ではきわめ
て限定された範囲でしか使用されていないのが実状であ
る。
【0011】ところで、これらとは別に最近注目される
に至った新しい継手として、形状記憶合金の形状記憶効
果を活用する方式のものが現れている。これは形状記憶
合金を成形して、締結しようとするパイプの外径より多
少小さい内径を有する円筒を作り、この状態の形状を記
憶させた後に拡管してパイプを差込み、所定の温度に加
熱した時の形状記憶合金製円筒の収縮を利用してパイプ
を締結しようというものである。形状記憶合金を利用し
た配管継手にもいろいろなタイプがあるが、特公昭54
−4898号公報、特開昭59−93241号公報、特
開昭63−55393号公報等にはその代表的な例が提
案されている。いずれにしても形状記憶合金を利用した
継手の最大の特徴は、一定の温度に加熱するだけで締結
が完了するから、作業者の技能に依存する余地がほとん
どないことである。配管施工作業を一新する将来の技術
として期待されているのも、この作業性の良い点が高く
評価されるためである。
【0012】この種の用途に使われる形状記憶合金とし
ては、ニッケル・チタン合金や銅系合金、さらには鉄基
合金等がある。特性上からはニッケル・チタン合金が最
も優れていて、既に特殊配管用の継手としても豊富な実
用実績を残している。ただしこの合金はコストが高いの
で、一般の配管用の継手に対する応用にはとても使用で
きないとするのが定説である。銅系合金はコスト的には
ニッケル・チタン合金よりかなり安いので、一般用の配
管継手分野での実用化の期待もかけられてはいるが、既
存の継手とのコスト競争が可能なほどではなく、やはり
一定の限界内での利用に留まる見込みが濃厚である。
【0013】鉄基の形状記憶合金はコスト的には最も安
価であるが、形状記憶特性にやや問題がある。パイプ用
継手としての使用を考えると、拡管したあとの加熱によ
って十分な収縮が得られないと、完全なパイプの締結が
期待できないのは当然である。鉄基合金の中でもコスト
の安い合金には、収縮量が必要量ぎりぎり程度しか引き
出せないものがあり、このような合金では、締結しよう
とするパイプの外径にばらつきがあると継手へのパイプ
の差込みができなかったり、差込みはできても収縮代が
不足で締結不良となるケースが起こりがちであった。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】転造雄ねじを利用する
パイプ接合方法は、前述のように多くの利点を持ってい
る。しかしながら、締結時のねじ面での焼き付きを防止
するために、シール剤の使用が避けられないのが現状で
ある。シール剤を一切使用しなくても焼き付きの発生す
る心配がない施工法が確立されるならば、転造雄ねじの
利点はより一層発揮されることになる。
【0015】一方、形状記憶合金製パイプ用継手の施工
簡便性は時代の動向に沿うものであるが、現在実用化さ
れている形状記憶合金製パイプ用継手は、性能の優れて
いるものは値段が高く、安価なものは締結の確実性にや
や難を残している。施工性と締結された継手の性能がい
かに良好であっても、配管分野で使用される継手の数は
非常に多いので、価格の高い継手ではおのずからその用
途に制限が生じてしまうものである。形状記憶合金製パ
イプ用継手の施工簡便性を活かすためには、低コストの
形状記憶合金を用いても、パイプへの継手の差込みが確
実に行えて、かつパイプを差し込んだ状態で加熱される
ことによってパイプを確実に締結できるような締結方法
の開発が必要である。
【0016】以上のような背景から、前記の転造ねじの
利点を活用するために、シール剤が不要で、かつ長柄の
工具で継手かパイプを回転させることで高いねじ込みト
ルクを発生させることなしに、確実な締結のできる形状
記憶合金を用いた配管施工方法を提供することを本発明
の目的とした。特に本発明は、高圧用の配管に適した施
工方法を提供するものである。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨とするとこ
ろは、管端に転造ねじ法で作られた雄ねじを有するパイ
プを、雌ねじを有する形状記憶合金製パイプ用継手にね
じ込んだ後、前記の形状記憶合金製パイプ用継手部分を
加熱して収縮させることを特徴とするパイプの締結方法
にある。
【0018】本発明で用いる継手の、特に内面の雌ねじ
部分もしくは継手全体に対して、継手の外観もしくは耐
食性確保のためのメッキが施されることは一向に差し支
えない。
【0019】図1は本発明によるパイプ締結方法を要約
して示したものである。Cは形状記憶合金で製作された
円筒である。この円筒を製造する方法については特に制
約を設ける必要はない。丸棒素材からの削り出しや熱間
押し出しによる方法の他に、薄板を成形して溶接する工
程によって製造する方法等、既存の一般的な製作手段の
いずれによっても合金の特性に決定的な違いは生じない
から、円筒を得る手段の選択は自由である。製造された
円筒には、この状態を記憶させるための熱処理(形状記
憶処理)が行われる。ただし円筒に成形する以前の段階
でこれに代わる熱処理が行われていて、円筒状に成形す
る過程で大きな塑性変形を伴う加工を加えていない場合
には、成形後の形状記憶処理を省略できる場合もある。
【0020】このような方法で円筒Cの状態を記憶させ
た後に、内径を押し広げる拡管処理を行って図1に示す
C1の状態にする。形状記憶合金の特性を改善するため
のトレーニング処理(予備的な拡管と熱処理の組合せに
よって形状記憶特性の改善を計るための処理)が必要な
場合は、CからC1への過程中に行っておくことが必要
である。拡管後の円筒に雌ねじを加工した状態が図1の
C2である。円筒内面に形成する雌ねじは、転造、切削
のいずれの方法によっても差し支えない。以上の工程に
よって本発明による形状記憶合金製パイプ用継手は完成
する。この継手は使用した形状記憶合金の特性に応じた
適当な温度に加熱することによって、その継手内径を一
定の割合だけ収縮させる機能をもったものとなってい
る。
【0021】次に同じ図1によって、前記形状記憶合金
製パイプ用継手によって締結を行うパイプ側の予備加工
について説明する。図のAとBは、配管施工現場で切断
されて、これから締結しようとするパイプの端部を示し
ている。パイプ端部には転造法によって雄ねじを加工す
るのであるが、ここではそれに先だってまずテーパ加工
を行ってA1とB1の状態にし、次に雄ねじを転造加工
してA2とB2を得る場合を示した。パイプの肉厚が十
分であったり平行雄ねじを使用する場合には、このテー
パ加工を省略してAとBに直接雄ねじを転造加工するこ
ともできる。
【0022】一般に、配管に使用されるパイプの外径は
かなりのばらつきがある上、変形や打ちきず等もあるた
め、通常の形状記憶合金製パイプ用継手の収縮力だけで
完全な締結を実現するのは困難な場合が少なくない。本
発明においては前記の通り、締結しようとするパイプ端
部に転造雄ねじを加工するので、パイプ外径は必然的に
一定にコントロールされる。形状記憶合金製継手側は、
この転造雄ねじと噛み合う雌ねじを有しており、パイプ
と継手の両者のねじ同士をまず締結した後で、さらに形
状記憶合金の継手部分を加熱して収縮させることによ
り、従来なかった高い信頼性をもった締結を実現でき
る。図1の(イ)は、形状記憶合金製パイプ用継手C2
にパイプA2とB2を素手で軽くねじ込んだ状態、同じ
く(ロ)は形状記憶合金の形状回復温度以上に継手を加
熱したために、収縮した継手C3がパイプA2とB2を
完全に締結した状態を示している。
【0023】ここで、切断されたパイプ端部に雄ねじを
加工する方法を、切削ではなく転造法によることに特定
した理由について説明する。配管にもいろいろな種類が
あるので、パイプ側に切削による雄ねじをつけたもので
も十分に使用に耐える場合もあるが、本発明が目指す高
圧配管用の継手としては、切削による雄ねじ加工では十
分な効果をもたらさないからである。先に図2と図3に
よって説明した理由に加えて、切削ねじにはねじ精度を
確保できないという本質的な欠点がある。100kgf/cm
2 以上の高い内圧が付加される高圧配管用の継手部を、
シール剤を使用しないドライシールで達成しようとする
本発明の狙いに対しては、パイプ側のねじを精度の高い
転造雄ねじとすることが必要な条件である。
【0024】一方の形状記憶合金製パイプ用継手の雌ね
じについては、転造で加工してももちろん差し支えはな
いが、ねじ切削によるマイナス分を考慮して継手本体の
厚みを確保しておけば、切削ねじでも十分である。転造
雄ねじ部は転造加工の行われる過程で加工硬化して大変
硬くなる傾向がある。この硬い雄ねじ側のねじ精度が確
保されてさえいれば、継手側の雌ねじ部が切削で形成さ
れた軟らかいねじであることはむしろ好ましい条件とさ
えなり得る。すなわち、締結中に硬い雄ねじによって軟
らかい雌ねじ側が変形させられて、完全なシールが確保
されやすいようになるからである。もちろん継手の雌ね
じ側にも精度の優れた転造ねじを採用すれば、パイプ側
の転造雄ねじと幾何学的にぴったり噛み合うねじ接合状
態を実現することができるのであるが、一般に雌ねじ側
を転造で形成するのは雄ねじ側ほど容易でない場合が多
いので、本発明においては、継手側のねじ加工法に対し
ては制約を設けないこととした。
【0025】本発明に用いる形状記憶合金の種類として
は特に制約は設けないが、ねじ加工によってパイプと継
手間の幾何学的な関係が常に一定に近い状態で継手の円
筒を収縮させる本発明の使い方からいって、形状記憶特
性の特別に優れた合金は必要がない。安価な鉄基の形状
記憶合金が十分に効果を発揮できる分野である。
【0026】また、本発明におけるねじの種類は平行ね
じでも転造ねじでもよいだけでなく、さらにJIS等の
規格に制定されているねじに限らず、ピッチが長くねじ
山高さの低い自由な形状のねじであっても一向に差し支
えない。
【0027】さらに本発明に使用する形状記憶合金製の
パイプ用継手には、必要に応じてメッキ等の表面処理が
行われているものを使用することができる。継手の耐食
性を確保するためのものであるから、通常行われている
ニッケル、クロム、銅、亜鉛等やこれらを主とする合金
メッキの利用が好ましい。
【0028】
【作用】締結しようとするパイプに転造雄ねじを加工す
ることによってパイプの外径のばらつきを完全に修正す
るようにして、形状記憶合金製のパイプ用継手の内径収
縮を確実にパイプの締結力に転嫁できるようにした。こ
れまでねじ式継手の締結には、継手もしくはパイプを回
転させて、しかも加えるトルクが一定の範囲に入るよう
に注意深く作業を行うことが必要であったが、本発明は
ねじ式を基本としながらも、締結を形状記憶合金製の継
手の収縮作用だけで行わせることにより、締結した継手
の性能が施工者の技量に作用されにくい特徴を持つこと
になった。
【0029】
【実施例】
実施例1 Mn28%、Si6%、Cr5%、残部Feを主成分と
する鉄基の形状記憶合金を熱間鍛造によって直径35mm
の丸棒とした。この丸棒から長さ40mmの厚肉の円筒を
切り出した後に900℃で形状記憶処理を行った。次に
マンドレルを挿入する方法で拡管を行った。拡管は2度
に分けて行い、1度目は内径拡管率で5.5%になるよ
うに広げた後600℃に加熱するトレーニング処理とし
た。2度目の拡管は内径収縮率で6%になるように行
い、この段階で形状記憶合金製円筒の内径は17.5m
m、外径は32mmとなった。得られた円筒を長さ36mm
に仕上げ切断し、その内面に、JISB0203による
管用テーパねじを切削加工して継手とした。
【0030】他方、この継手で締結するパイプとして
は、STS370規格のサイズ15Aを用いた。このパ
イプの端面に1/16のテーパ絞り加工を加えた後、継
手側と同じJISB0203による雄ねじを転造加工し
た。
【0031】締結は次のようにした。まず一方のパイプ
に継手を素手でねじ込み、次ぎに他方のパイプをこの継
手の反対側に同じように素手でねじ込んだ。誘導加熱式
の継手加熱装置の加熱コイルを継手部分に当てて通電
し、約30秒で規定の300℃まで加熱した。この加熱
によって継手は収縮し、加熱前に手で簡単に回転してい
た両パイプと継手の間は完全に固定された。
【0032】曲がり部分や枝管の取り出し部分の配管用
には、溶接用の直管部付きのエルボとチーズに予め転造
雄ねじを加工しておいたものを使用して、雌ねじを有す
る形状記憶合金製のソケット型継手によって締結した。
【0033】この配管系を最高温度150℃、内圧30
0kgf/cm2 の油圧用として使用したが、シール剤を一切
使用しなかったにもかかわらず、完全なシール性の得ら
れることが確認された。
【0034】実施例2 Mn16%、Si6%、Cr9%、Ni5%、残部Fe
を主成分とする鉄基の形状記憶合金を、熱間押し出しと
切削加工の組み合わせで、外径25mm、内径15mmの円
筒状にした。熱間押し出しを高温度で行ったので、切削
加工後の形状記憶処理は省略し、円筒を長さ40mmに切
断した後、直接マンドレルを挿入する方法で内径拡管率
6%の拡管を行った。拡管後に、ねじピッチ3mm、山高
さ0.6mmの平行ねじタイプの自由雌ねじを切削加工
し、さらに無電解メッキ法でニッケルを約10μmの厚
みにメッキした。
【0035】この継手で締結するパイプ側としては、S
TPG370規格でサイズ15Aのパイプを用意した。
パイプ端部には前記の継手雌ねじに対応する雄ねじを転
造法によって加工した。
【0036】本実施例は、ねじのピッチが緩くねじ山高
さも低いものであるから、素手によるパイプと継手の予
備的な締め付けは、先の実施例1の場合に比べて遙かに
容易に行うことができた。継手の両端にパイプが素手で
ねじ込まれた後に、誘導加熱式の継手締結装置の加熱コ
イルを継手にセットして、規定の300℃まで加熱を行
って締結を完了した。
【0037】この実施例に示した継手3ケを使用して、
長さ0.5メートルのパイプ4本を締結した上で、片端
を封じて他端から室温の油を導入し、内圧が120kgf/
cm2 に達するまで圧力を高めた試験を行った。この結
果、継手部の抜け、漏れ等の生じないことが確認され
た。
【0038】
【発明の効果】パイプを施工時に切断した後で管端に転
造雄ねじが加工されるので、パイプの外径にばらつきが
あっても、ねじ加工によってサイズが完全に統一されて
しまう。このため本発明では、雌ねじを有する形状記憶
合金製パイプ用継手と前記転造雄ねじを有するパイプと
を素手等で軽くねじ込むことだけで、パイプと継手との
関係は常にほぼ同一条件と見なせる状態となる。したが
ってこの状態で継手部分を加熱して形状記憶合金の収縮
力を作用させることによって、常に一定の安定したパイ
プの締結が実現される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるパイプの締結方法の概要を示す図
である。
【図2】切削ねじと転造ねじにおける素材のメタルフロ
ーの違いを示す図である。
【図3】通常の切削によるパイプ端の雄ねじと、テーパ
加工後に転造法によって形成したパイプ雄ねじとの違い
を示す図である。
【符号の説明】
A,B 締結すべきパイプ A1,B1 管端にテーパ加工を行った後のパイプ A2,B2 管端に転造雄ねじを形成したパイプ C 形状記憶処理後の形状記憶合金製円筒 C1 拡管後の形状記憶合金製円筒 C2 雌ねじ加工されて完成した形状記憶合金製の継手 C3 形状記憶合金の形状回復温度に加熱されてパイプ
を締結した継手
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渡辺 隆 埼玉県蕨市北町五丁目6番19号 (72)発明者 柴田 良治 埼玉県大宮市大字南中丸1117番地16

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 管端に転造ねじ法で作られた雄ねじを有
    するパイプを、雌ねじを有する形状記憶合金製パイプ用
    継手にねじ込んだ後、前記の形状記憶合金製パイプ用継
    手部分を加熱して収縮させることを特徴とするパイプの
    締結方法。
JP8427591A 1991-04-16 1991-04-16 パイプの締結方法 Pending JPH0599377A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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