JPH0598445A - 有機金属化学気相蒸着用原料容器 - Google Patents

有機金属化学気相蒸着用原料容器

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JPH0598445A
JPH0598445A JP3165835A JP16583591A JPH0598445A JP H0598445 A JPH0598445 A JP H0598445A JP 3165835 A JP3165835 A JP 3165835A JP 16583591 A JP16583591 A JP 16583591A JP H0598445 A JPH0598445 A JP H0598445A
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JP
Japan
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container
carrier gas
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gas
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JP3165835A
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English (en)
Inventor
Hidefusa Uchikawa
英興 内川
Shigeru Matsuno
繁 松野
Iwao Kawamata
巌 河又
Makoto Utsunomiya
真 宇都宮
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Chodendo Hatsuden Kanren Kiki Zairyo Gijutsu Kenkyu Kumiai
Original Assignee
Chodendo Hatsuden Kanren Kiki Zairyo Gijutsu Kenkyu Kumiai
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E40/00Technologies for an efficient electrical power generation, transmission or distribution
    • Y02E40/60Superconducting electric elements or equipment; Power systems integrating superconducting elements or equipment

Abstract

(57)【要約】 【目的】 この発明は、有機金属化合物原料の加熱温度
を下げるとともに気化効率を高めることができる有機金
属化学気相蒸着用原料容器を得ることを目的とする。 【構成】 容器本体7には、キャリアガスを流入するキ
ャリアガス流入口8および有機金属化合物原料(MO原
料)6の気化されたガスを流出するガス流出口9が設け
られている。容器本体7の外周には、加熱ヒータ10が
配設されている。容器本体7内には、多孔質体からな
り、MO原料6を載置する蒸発皿11が配設されてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、酸化物超電導膜の合
成に有用な有機金属化学気相蒸着(以下、MOCVDと
いう)用原料容器の構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、液体窒素温度(77K)以上で超
電導状態を示すY−Ba−Cu−O系やBi−Sr−C
a−Cu−O系等の酸化物超電導体を各種の方法で作製
することが盛んに行われてきている。その中で、有機金
属化合物原料(以下、MO原料という)を用いたMOC
VD法は、合成速度が速く、連続合成が可能で、自由な
形状の物の上に合成でき、さらに厚膜状に合成できるこ
とから、酸化物超電導体のデバイス化および線材化に有
力な方法と見られ、広く検討されている。
【0003】図7は従来のMOCVD法の反応系を模式
的に示す構成図、図8は従来のMOCVD用原料容器の
一例を示す断面図であり、図において1は原料容器、2
は反応ガス容器、3は反応炉、4は基板であり、原料容
器1および反応ガス容器2と反応炉3とは配管5で接続
されている。この原料容器1は、MO原料6を収納する
容器本体7、容器本体7内にキャリアガスを流入するキ
ャリアガス流入口8、容器本体7内で気化したMO原料
ガスを流出するガス流出口9および容器本体7の周囲に
配設された加熱機構である加熱ヒータ10から構成され
ている。
【0004】つぎに、上記原料容器を用いた従来のMO
CVD法について説明する。まず、容器本体7にMO原
料6を入れ、加熱ヒータ10で加熱してMO原料6の脱
ガスを行った後、所定の温度に加熱する。MO原料6
は、加熱によって気化する。この気化したMO原料ガス
は、キャリアガス流入口8より流入するキャリアガス、
例えばArガスとともにガス流出口9から配管5を通っ
て反応炉3内に導入される。この時、反応ガス容器2か
ら反応ガス、例えば酸素ガスが配管5を介して反応炉3
内に導入される。反応炉3内は所定の真空度に維持さ
れ、所定の温度に加熱された基板4上に酸化物超伝導体
が合成成膜される。
【0005】上記従来のMOCVD法は、例えばアプラ
イド フィジックス レターズ(Applied Physics Lett
ers, Vol.54,No.4,pp.380-382,23 January 1989)および
ジャパニーズ ジャーナル オブ アプライド フィジ
ックス レターズ(JapaneseJournal of Applied Physi
cs Letters, Vol.27,No.7,July,1988,pp.L1265-L1267)
に記載されているように、 MO原料6の加熱温度を高
く(特に、Ba等の希土類原料は270〜300℃)設定
して合成するものであった。このことは、例えばアプラ
イド フィジックス レターズ(Applied Physics Lett
ers, Vol.53,No.18,pp.1750-1752,31 October 1988)に
記載されているように、固体状のMO原料6は一般に非
常に気化しにくい上に、固体原料を粉末のまま原料容器
1内に充填するために、加熱された時に軟化融着が起こ
り、キャリアガスとの接触面積が減少し気化効率が低下
することに起因するものであった。
【0006】このように上記従来のMOCVD法による
酸化物超電導膜の合成においては、原料容器1では難気
化性でしかも軟化融着してしまうMO原料6の充分な気
化がされないので、反応炉3に多量のMO原料ガスを安
定して供給できず、良好な特性を有する酸化物超電導膜
を高速合成できず、さらに、合成時間を長くして膜厚を
厚く成膜する場合には、膜組成が不均一となり、臨界温
度が低下したり、超電導性を示さない合成膜が得られる
等の問題があった。
【0007】この改善策として、本出願人は、MO原料
6に有機溶剤蒸気を接触させて、MO原料6の気化効率
を高め、MO原料6の加熱温度を下げ、しかも多量に安
定して反応炉3にMO原料ガスを供給できる合成方法を
先に提案している(特願平1ー169986号、特願平
1ー301940号)。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従来のMOCVD用原
料容器は以上のように、容器本体7内にMO原料6を充
填して加熱ヒータ10で加熱しているので、MO原料6
の難気化性とともに粉体の軟化融着によりキャリアガス
とMO原料6との接触面積が減少し、気化効率が低下す
るという課題があった。
【0009】この発明は、上記のような課題を解決する
ためになされたもので、MO原料に接触させてMO原料
の気化効率を高める有機溶剤蒸気の有無に拘わらず、M
O原料の加熱温度を下げ、しかもMO原料の気化効率を
高めることができるMOCVD用原料容器を得ることを
目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】この発明の請求項1に係
るMOCVD用原料容器は、原料を載置する多孔質体か
らなる蒸発皿を容器本体内に備えるものである。
【0011】この発明の請求項2に係るMOCVD用原
料容器は、多孔質体が三次元網目状構造を有するもので
ある。
【0012】この発明の請求項3に係るMOCVD用原
料容器は、容器本体内に不活性固体充填物を配置するも
のである。
【0013】
【作用】この発明においては、多孔質体からなる蒸発皿
が、常温時および加熱状態においても固体状のMO原料
を保持でき、蒸発皿内をキャリアガス等の気体が通過で
きるので、キャリアガスとMO原料との接触が促進さ
れ、MO原料の気化効率を高めるように働く。
【0014】また、容器本体内に配置された不活性固体
充填物が、常温時および加熱状態においても固体状のM
O原料をその固体充填物の表面に保持でき、キャリアガ
スとMO原料との接触が促進され、MO原料の気化効率
を高めるように働く。
【0015】
【実施例】以下、この発明の実施例を図について説明す
る。 実施例1.この実施例1は、この発明の請求項1に係る
実施例である。図1はこの発明の実施例1を示すMOC
VD用原料容器図の断面図であり、図において図8に示
した従来のMOCVD用原料容器と同一または相当部分
には同一符号を付し、その説明を省略する。図におい
て、11は容器本体7内に設けられ、MO原料6を載置
する蒸発皿であり、この蒸発皿11は多孔質体である銅
亜鉛合金の粉末焼結体(気孔率48%)で形成され、図
2に示すように、骨格12中に空孔13が点在する構造
をとり、載置されたMO原料6の粒子は蒸発皿11の表
面のみならず、空孔13中にも入り込んでいる。
【0016】上記実施例1による原料容器1を3個用い
て、図7に示したMOCVD法と同様の構成で、イット
リウム系酸化物超電導体YBa2Cu37-Xを酸化マグ
ネシウム基板4上に合成する実験を行った。MO原料6
として、Y、BaおよびCuのヘキサフルオロアセチル
アセトン誘導体の粉末を用い、3種類のMO原料6のそ
れぞれを3個の原料容器1のそれぞれの蒸発皿11上に
載置した。合成条件としては、Y、BaおよびCuのM
O原料6の加熱温度をそれぞれ145℃、255℃およ
び140℃とし、キャリアガスはArガスとし、反応ガ
スは酸素ガスとし、反応炉3内圧力は9.0Torrと
し、基板4の温度は850℃とし、合成時間は30分と
した。また、合成反応後は、酸素気流中で室温まで自然
放冷を行った。基板4上に成膜された酸化物膜は、0.
4ミクロンの膜厚であり、四端子法による超電導臨界温
度を測定したところ、87Kであった。
【0017】比較例1.比較のため、図8に示した従来
の原料容器1を用い、上記実施例1と同一のMO原料6
で、同一の合成条件で合成実験を行った。基板4上に成
膜された酸化物膜は、0.2ミクロンの膜厚であった
が、四端子法による超電導臨界温度を測定したところ、
極低温下においても超電導を示さなかった。
【0018】上記実施例1および比較例1の結果から明
らかなように、上記実施例1による原料容器によれば、
従来の原料容器に比べ膜の合成速度が2倍速くなり、し
かも、Ba原料が255℃という低温の加熱温度で気化
され、良好な特性の超電導膜を合成することができた。
【0019】このことは、蒸発皿11が多孔質体で形成
されているので、MO原料6の粒子が骨格12の空孔1
3中にも入り込んでおり、さらにキャリアガスが蒸発皿
11中を通過でき、キャリアガスがMO原料6粉末に良
好に接触し、特に加熱によるMO原料6の融解時にも融
解物にキャリアガスが充分接触でき、MO原料6とキャ
リアガスとの接触が促進され、MO原料6の気化効率が
高められることに起因するものと考えられる。
【0020】実施例2.この実施例2は、この発明の請
求項2に係る実施例である。上記実施例1では、蒸発皿
11を銅亜鉛合金の粉末焼結体で形成しているが、この
実施例2では、蒸発皿11をニッケルクロム合金の三次
元網目状構造を有する多孔質体(商品名:セルメット
(住友電工)、気孔率90%)で形成するものである。
【0021】上記実施例2による原料容器1を3個用い
て、図7に示したMOCVD法と同様の構成で、イット
リウム系酸化物超電導体YBa2Cu37-Xを酸化マグ
ネシウム基板4上に合成する実験を行った。MO原料6
として、Y、BaおよびCuのジピバロイルメタン誘導
体を用い、3種類のMO原料6のそれぞれを3個の原料
容器1のそれぞれの蒸発皿11上に載置した。合成条件
としては、Y、BaおよびCuのMO原料6の加熱温度
をそれぞれ120℃、235℃および120℃とし、キ
ャリアガスはArガスとし、反応ガスは酸素ガスとし、
反応炉3内圧力は9.0Torrとし、基板4の温度は
850℃とし、合成時間は30分とした。また、合成反
応後は、酸素気流中で室温まで自然放冷を行った。基板
4上に成膜された酸化物膜は、0.4ミクロンの膜厚で
あり、四端子法による超電導臨界温度を測定したとこ
ろ、89Kであった。
【0022】比較例2.比較のため、図8に示した従来
の原料容器1を用い、上記実施例2と同一のMO原料6
で、同一の合成条件で合成実験を行ったところ、MO原
料6の気化が充分なされず、Y、BaおよびCuのMO
原料6の加熱温度をそれぞれ145℃、270℃および
140℃として合成実験を行った。基板4上に成膜され
た酸化物膜は、0.1ミクロンの膜厚であったが、四端
子法による超電導臨界温度を測定したところ、極低温下
においても超電導を示さなかった。組成分析を行ったと
ころ、膜中にBaが検出されず、膜組成が目的組成から
大きくずれていた。
【0023】上記実施例2および比較例2の結果から明
らかなように、上記実施例2による原料容器によれば、
従来の原料容器に比べ膜の合成速度が4倍速くなり、し
かも、良好な特性の超電導膜を合成することができた。
【0024】また、実施例2では、上記実施例1に比べ
て各MO原料6の加熱温度が低温であり、このことは、
実施例2での蒸発皿11が三次元網目状構造を有し気孔
率が大きいので、内部を通過するガスの流れ抵抗を低減
し、MO原料6とキャリアガスとの接触が一層促進さ
れ、MO原料6の気化効率が高められることに起因する
ものと考えられる。
【0025】さらに、上記比較例1、2において、酸化
物膜の合成速度が低いことは、固体状のMO原料6が単
なる加熱では気化されにくく、かつ安定に供給されにく
いことに起因するものと考えられ、超電導性を示さない
ことは、MO原料6(特に、Ba)の不安定供給に起因
する成膜中の組成ずれによるものと推定される。
【0026】実施例3.上記実施例1では、多孔質体か
らなる蒸発皿11を容器本体7内に1個配設するものと
しているが、この実施例3では、図3に示すように、多
孔質体からなる蒸発皿11を容器本体7内に3段配設す
るものとしている。この実施例3によれば、MO原料6
の気化効率を一層高めることができるので、反応炉3に
MO原料ガスを安定して大量に供給することができる。
【0027】実施例4.上記実施例1では、多孔質体か
らなる蒸発皿11を平板状とするものとしているが、こ
の実施例4では、図4に示すように、蒸発皿11に窪み
を形状するものとしている。この実施例4によれば、蒸
発皿11の表面に窪みが形成されているので、MO原料
6を安定して載置できる。
【0028】ここで、上記実施例1〜4では、蒸発皿1
1を構成する多孔質体として銅亜鉛合金の粉末焼結体
(焼結金属)、ニッケルクロム合金の三次元網目状構造
体(発泡金属)を用いているが、この発明はこれらに限
定されるものではなく、多孔質体は300℃以上の耐熱
性を有し、30%以上の気孔率を有していればよい。特
に、焼結金属、発泡金属あるいは金属繊維の金属製多孔
質体は多孔質体の粉化もみられず、顕著なるMO原料気
化促進効果が得られた。
【0029】さらに、多孔質体からなる蒸発皿11の形
状や厚みにも特に限定はなく、粉末状もしくは顆粒状の
固体状のMO原料6を常温時および過熱状態時に保持で
きるものであればよい。このような蒸発皿11が収納さ
れる加熱機構を有する容器本体にも特に限定はない。
【0030】実施例5.この実施例5は、この発明の請
求項3の一実施例である。図5はこの発明の実施例5を
示すMOCVD用原料容器の断面図である。図において
14は容器本体7内に配置された不活性固体充填物であ
る。この実施例5では、不活性固体充填物14として直
径6mm、長さ10mmの筒状のテフロンビーズを用
い、図6に示すように、テフロンビーズをアルコールに
浸漬した後、MO原料6粉末中にテフロンビーズを入れ
て、テフロンビーズの表面にMO原料6粉末を付着させ
て容器本体7内に配置している。
【0031】上記実施例5による原料容器1を3個用い
て、図7に示したMOCVD法と同様の構成で、イット
リウム系酸化物超電導体YBa2Cu37-Xを酸化マグ
ネシウム基板4上に合成する実験を行った。MO原料6
として、Y、BaおよびCuのジピバロイルメタン誘導
体を用い、3種類のMO原料6粉末のそれぞれが付着し
たテフロンビーズを3個の原料容器1のそれぞれに配置
した。合成条件としては、Y、BaおよびCuのMO原
料6の加熱温度をそれぞれ120℃、240℃および1
20℃とし、キャリアガスはArガスとし、反応ガスは
酸素ガスとし、反応炉3内圧力は15Torrとし、基
板4の温度は820℃とし、合成時間は30分とした。
また、合成反応後は、酸素気流中で室温まで自然放冷を
行った。基板4上に成膜された酸化物膜は、0.4ミク
ロンの膜厚であり、X線回折によりC軸配向が確認さ
れ、四端子法による超電導臨界温度を測定したところ、
86Kであった。
【0032】比較例3.比較のため、図8に示した従来
の原料容器1を用い、上記実施例5と同一のMO原料6
で、同一の合成条件で合成実験を行った。基板4上に成
膜された酸化物膜は、0.1ミクロンの膜厚であり、X
線回折によりC軸配向が確認され、四端子法による超電
導臨界温度を測定したところ、76Kであった。
【0033】上記実施例5および比較例3の結果から明
らかなように、上記実施例5による原料容器によれば、
従来の原料容器に比べ膜の合成速度が4倍速くなり、し
かも、良好な特性の超電導膜を合成することができた。
【0034】このことは、不活性固体充填物14がキャ
リアガスとMO原料6との接触面積を増大させる役目を
し、特に加熱時においてもMO原料6の融解物にキャリ
アガスが充分に接触でき、MO原料6の気化効率が高め
られることに起因するものと考えられる。
【0035】実施例6.この実施例6は、この発明の請
求項3に係る他の実施例である。上記実施例6では、不
活性固体充填物14としてテフロンビーズを用いている
が、この実施例6では、不活性固体充填物14としてス
テンレススチール製ビーズを用い、キャリアガスとして
テトラヒドロフランの蒸気を用いるものとし、MO原料
6および他の合成条件を上記実施例5と同一として、イ
ットリウム系酸化物超電導膜の合成実験を行った。基板
4上に成膜された酸化物膜は、6.0ミクロンの膜厚で
あり、X線回折によりC軸配向が確認され、四端子法に
よる超電導臨界温度を測定したところ、91Kであっ
た。
【0036】比較例4.比較のため、図8に示した従来
の原料容器1を用い、上記実施例6と同一のMO原料6
で、同一の合成条件で合成実験を行った。基板4上に成
膜された酸化物膜は、3.0ミクロンの膜厚であり、X
線回折によりC軸配向が確認され、四端子法による超電
導臨界温度を測定したところ、88Kであった。
【0037】上記実施例6および比較例4の結果から明
らかなように、上記実施例6による原料容器によれば、
従来の原料容器に比べ膜の合成速度が2倍速くなり、し
かも、良好な特性の超電導膜を合成することができた。
さらに、上記実施例6では、キャリアガスとしてArガ
スに代わって有機溶剤蒸気であるテトラヒドロフランの
蒸気を用いているので、MO原料6の気化効率が高めら
れ、合成速度の高速化が図られている。
【0038】ここで、上記実施例5、6では、不活性固
体充填物14として筒状のテフロンビーズ、ステンレス
スチールのビーズを用いているが、この発明はこれらに
限定されるものではなく、充填物は常温時および加熱状
態時でMO原料6と反応せず、300℃以上の耐熱性を
有するものであればよい。特に、熱的に安定なテフロ
ン、ポリイミド等のプラスチックス、セラミックス、ガ
ラス質、金属、焼結金属、金属繊維、無機繊維、無機繊
維強化金属等が適している。
【0039】また、不活性固体充填物14は、充填物内
部をキャリアガスが通過してキャリアガスとMO原料6
との接触面積を増大させ、MO原料6の気化効率を一層
高めるために、多孔質体で形成してもよい。
【0040】なお、上記各実施例では、MO原料6とし
て、Y、Ba、Cuのヘキサフルオロアセチルアセトン
誘導体およびジピバロイルメタン誘導体を用いて説明し
ているが、金属のアセチルアセトネート、ジピバロイル
メタネート、アルコキシド、ヘキサフルオロアセチルア
セトネート、ペンタフルオロプロパノイルピバロイルメ
タネート、シクロペンタジエニルおよびそれらの誘導
体、ならびに他の有機金属錯体をも使用することができ
る。
【0041】なおまた、上記各比較例では、基板4上に
成膜された酸化物膜の特性が大きくばらついているが、
このことは、従来の原料容器1がMO原料6を容器本体
7内に充填し単に加熱しているので、MO原料6が難気
化性であるうえに、加熱状態で軟化融着し、MO原料6
の気化効率が大きく変動し、反応炉3へのMO原料ガス
の供給量が制御しきれず、膜組成が不均一となることに
起因するものと推測される。
【0042】一方、上記各実施例では、原料容器1がM
O原料6とキャリアガスとの接触を促進してMO原料6
の気化効率を高めているので、反応炉3へのMO原料ガ
スの供給量を制御でき、MOCVD法により良好な特性
を有する酸化物超電導膜を再現性よく合成することがで
きる。
【0043】
【発明の効果】この発明は、以上説明したように構成さ
れているので、以下に記載されるような効果を奏する。
【0044】この発明の請求項1に係るMOCVD用原
料容器によれば、MO原料を載置する蒸発皿を金属製多
孔質体で構成しているので、MO原料とキャリアガスと
の接触が促進され、MO原料の気化効率が高められる。
【0045】この発明の請求項2に係るMOCVD用原
料容器によれば、蒸発皿を構成する金属多孔質体が三次
元網目状構造を有しているので、MO原料とキャリアガ
スとの接触が一層促進され、MO原料の気化効率がさら
に高められる。
【0046】この発明の請求項3に係るMOCVD用原
料容器によれば、容器本体内に不活性固体充填物が配置
されているので、MO原料とキャリアガスとの接触が促
進され、MO原料の気化効率が高められる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例1を示すMOCVD用原料容
器の断面図である。
【図2】図1における蒸発皿の要部拡大断面図である。
【図3】この発明の実施例3を示すMOCVD用原料容
器の断面図である。
【図4】この発明の実施例4を示すMOCVD用原料容
器の断面図である。
【図5】この発明の実施例5を示すMOCVD用原料容
器の断面図である。
【図6】図5における不活性固体充填物の要部拡大断面
図である。
【図7】従来のMOCVD法を模式的に示す構成図であ
る。
【図8】従来のMOCVD用原料容器の一例を示す断面
図である。
【符号の説明】
1 原料容器 6 MO原料 7 容器本体 8 キャリアガス流入口 9 ガス流出口 10 加熱ヒータ(加熱機構) 11 蒸発皿 14 不活性固体充填物
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01B 13/00 565 D 8936−5G (72)発明者 河又 巌 尼崎市塚口本町8丁目1番1号 三菱電機 株式会社材料研究所内 (72)発明者 宇都宮 真 尼崎市塚口本町8丁目1番1号 三菱電機 株式会社材料研究所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 キャリアガス流入口、ガス流出口および
    加熱機構を有する容器本体内に、原料を載置する多孔質
    体からなる蒸発皿を設けたことを特徴とする有機金属化
    学気相蒸着用原料容器。
  2. 【請求項2】 前記多孔質体が三次元網目状構造を有す
    ることを特徴とする請求項1記載の有機金属化学気相蒸
    着用原料容器。
  3. 【請求項3】 キャリアガス流入口、ガス流出口および
    加熱機構を有する容器本体内に、不活性固体充填物を配
    置したことを特徴とする有機金属化学気相蒸着用原料容
    器。
JP3165835A 1991-07-05 1991-07-05 有機金属化学気相蒸着用原料容器 Pending JPH0598445A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3165835A JPH0598445A (ja) 1991-07-05 1991-07-05 有機金属化学気相蒸着用原料容器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3165835A JPH0598445A (ja) 1991-07-05 1991-07-05 有機金属化学気相蒸着用原料容器

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JPH0598445A true JPH0598445A (ja) 1993-04-20

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ID=15819908

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