JPH0596464U - 火花点火機関 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 比較的安価で、しかも持運びが容易な軽油燃
焼式の火花点火機関を提供する。 【構成】 遮断装置１０を介設した始動用燃料の供給系
路５と、燃料ポンプ１２を介設した連続運転用燃料の供
給系路７とが接続され、かつ各供給系路５，７から供給
される燃料を気化できるキャブレター３を吸気管９に設
けると共に、前記連続運転用燃料の供給系路７と前記キ
ャブレター３とに加熱装置１１を配設したことを特徴と
する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、主として軽油を連続運転用燃料として燃焼させる火花点火機関に関 するものである。

【０００２】

【従来の技術】

現在、本邦の特殊艦艇、その他の船舶に搭載されている非常用消火ポンプの動 力としては、主としてガソリン燃焼の機関が採用されているが、着火の良いガソ リンは、安全性に難があるばかりでなく、運転コストも高いという問題があった 。

【０００３】 そこで、ガソリンより安全な軽油を燃料とした軽油燃焼機関を使用することが 要望されている。これを受けて、例えば超音波燃料霧化装置など種々の手段を用 いて軽油を燃焼できる機関の検討がなされているが、超音波燃料霧化装置などを 採用することによりコストが嵩むと共に、機関のコンパクト化及び軽量化に反す ることになり、持運びが難かしくなるという問題があった。

【０００４】 上記の問題点を解決するため、各気筒にそれぞれキャブレターを装備して、軽 油を燃焼させる方法が見出されている（特願平３−２４９４６９号）。 本考案は、上記特許（２サイクル火花点火式エンジンの燃料供給装置）の内容 に、更に、検討・改良を加えたもので、具体的には各気筒に１個のキャブレター から混合気を供給し、始動用ガソリンを始動後完全に遮断するための弁を設ける 等の項目を追加している。

【０００５】

【考案の解決しようとする課題】

本考案は、係る従来の問題を解消するためになされたものであり、その目的は 、比較的安価で、しかも持運びが容易な軽油燃焼式の火花点火機関を提供するこ とにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

上記の目的を達成し得る本考案の火花点火機関は、遮断装置を介設した始動用 燃料の供給系路と、燃料ポンプを介設した連続運転用燃料の供給系路とが接続さ れ、かつ各供給系路から供給される燃料を気化できるキャブレターを吸気管に設 けると共に、前記連続運転用燃料の供給系路と前記キャブレターとに加熱装置を 配設したことを特徴とする。

【０００７】 このように遮断装置を介設した始動用燃料の供給系路と、燃料ポンプを介設し た連続運転用燃料の供給系路とが接続され、かつ各供給系路から供給される燃料 をそれぞれ気化できるキャブレターを吸気管に設けると共に、前記連続運転用燃 料の供給系路と前記キャブレターとに加熱装置を配設したことにより、始動用燃 料で始動した後、流動性の悪い軽油燃料などでも連続運転することができる。ま た、比較的安価で、しかも持運びが容易である。

【０００８】

【実施例】

以下、図面により本考案の実施例を説明する。 図１において、１は火花点火機関であり、この火花点火機関１は、各種船舶に 搭載する非常用消火ポンプ２を駆動するための２気筒２サイクルの機関である。 この実施例のように、２気筒の場合は気化燃料を各気筒に均等に吸入させるため 各シリンダー１Ａを竪型に並列させ、クランク軸１Ｂを水平に配置することが望 ましい。

【０００９】 また、従来使用されている灯油燃焼機関と同様に、機関のノッキングを起さな いために圧縮比を、例えば５〜６程度に下げることが望ましい。 この火花点火機関１は、始動用燃料としてガソリンをキャブレター３に供給す るためのガソリンタンク４を接続した始動用燃料の供給系路５と、連続運転時に 使用する連続運転用燃料、例えば軽油を上記と同じキャブレター３に供給するた めの燃料タンク６を接続した連続運転用燃料の供給系路７とを設けている。

【００１０】 上記のキャブレター３は、前記供給系路５からの始動用燃料と供給系路７から の連続運転用燃料との２系統の燃料を気化できるものであり、また、このキャブ レター３は火花点火機関１の吸気管９に設けられている。従来使用されている灯 油燃焼機関では、各気筒にそれぞれキャブレターを装備していたが、細かく霧化 するキャブレターならば、各気筒にバランスよく供気することにより１個のキャ ブレターでよいことが実験の結果明確になった。１個にすることにより、軽量化 、取付けスペースの縮小化、システムの簡略化などのメリットがある。

【００１１】 一方、この火花点火機関１では、連続運転時に始動用燃料がキャブレター３に 全く入らないように、供給系路５に開閉自在な遮断装置１０を介設している。こ の装置により、再起動に必要な始動燃料を確保できるようにしている。 また、寒冷地又は寒冷時において燃料の流動性を良くするため、連続運動用燃 料の供給系路７に燃料加熱装置１１を取り付け、これら燃料加熱装置１１の機能 が悪い状態又は燃料の流動性が悪い状態でもキャブレター３に燃料を供給できる ように燃料ポンプ１２を上記供給系路７に介設している。 さらに、この燃料加熱装置１１は、上記燃料タンク６及び供給系路７に取付け るだけでなく、キャブレター３にも取付けることにより、キャブレター３におい て連続運転用燃料を加熱できるようにしている。

【００１２】

【考案の効果】

上記のように、本考案の火花点火機関によれば、寒冷地又は寒冷時においても 軽油を用いて容易に連続運転することができ経済的である。 また、超音波燃料霧化装置などを用いた従来の軽油機関に比べ、本考案の機関 は、現在使用されている機器の組合せに最小限の改造を加えるだけで軽油などを 連続運転用燃料として使用できるので、コストも安価である。しかも、コンパク ト、かつ軽量で持ち運びが容易である。 特に、本考案では、寒冷地や寒冷時において、流動性の悪い状態の連続運転用 燃料でも、その燃料をキャブレターに容易に供給して気化できるという利点があ る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る火花点火機関の概略燃料系統図で
ある。

【符号の説明】 １ 火花点火機関 ３ キャブレター ４ ガソリンタンク ５ 始動用燃料の供給系路 ６ 燃料タンク ７ 連続運転用燃料の供給系路 ９ 吸気管 １０ 遮断装置 １１ 燃料加熱装置 １２ 燃料ポンプ

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁵ 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 Ｆ０２Ｍ 31/125 Ｆ０２Ｍ 31/12 ３２１ Ｆ (72)考案者 鶴谷 和司 東京都千代田区一ツ橋一丁目１番１号 東 燃株式会社内

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 遮断装置を介設した始動用燃料の供給系
   路と、燃料ポンプを介設した連続運転用燃料の供給系路
   とが接続され、かつ各供給系路から供給される燃料を気
   化できるキャブレターを吸気管に設けると共に、前記連
   続運転用燃料の供給系路と前記キャブレターとに加熱装
   置を配設した火花点火機関。