JPH0596410U - オイルフィルタの取付構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 オイルフィルタの取り付けを簡単にし、エン
ジンの外部に新たに配管を追加しなくてもオイルフィル
タが取り付けられるようにする。 【構成】 オイルから固体異物を分離するための固体分
離ユニット６と、オイルから気体異物を分離するための
気体分離ユニット７とを一体の容器に内蔵し、外部から
前記容器に導入したオイルを前記固体分離ユニット６、
気体分離ユニット７の順に通過させ、固体異物の少ない
オイルの気体異物を多く含むオイルと気体異物の少ない
オイルとに別けて前記容器から導出するオイルフィルタ
１を、エンジン１のオイルパン３内のオイルポンプ４排
出側に取り付ける。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案はエンジンの潤滑系統等に付設されるオイルフィルタの取付構造に関 し、特にオイル中の気体異物（気泡）も除去できるようにしたオイルフィルタの 取付構造の改良に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、オイル、例えば潤滑油が循環使用されている車両の原動機や、油圧機器 を多く含む産業用工作機械、建設機械、運搬機械などにおいては、オイル中の固 体異物と気体異物の除去手段としてそれぞれ独立した装置を用いていたが、双方 の除去機能を兼用した小型の装置の開発が強く望まれていた。

【０００３】 そこで、先に本出願人らは、特願昭６３−２０２６８２号において、液体中の 固体異物と気体異物を同時に分離できるオイルフィルタを提案した。この一体形 のオイルフィルタは、圧送されてくる固体異物や気体異物を含む液体を濾過して 、固体異物を分離除去した後、比重差によって旋回流外縁部に集合する気体異物 の少ない液体と、旋回流中心軸部に集合する気体異物を多く含む液体とに別けて 、それぞれ別の配管で外部に導出するように構成していた。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

以上の構成を有するオイルフィルタのエンジンへの取り付けは、オイルポンプ からオイルフィルタの流入口へオイルの配管を行い、オイルフィルタの出口から エンジンの潤滑系統へ配管する従来のオイルフィルタの配管の他に、旋回流中心 軸部に集合する気体異物を多く含むオイルをエンジンのオイルパンへ戻す配管が 必要となり、エンジンの外部に新たに配管を追加しなければオイルフィルタを取 り付けることができないという問題があった。

【０００５】 この考案は以上の問題を解決するもので、その目的は、オイルフィルタの取り 付けを簡単にし、エンジンの外部に新たに配管を追加しなくてもオイルフィルタ が取り付けられるようにしたオイルフィルタの取付構造を提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

前記目的を達成するために、この考案は、オイルから固体異物を分離するため の固体分離ユニットと、オイルから気体異物を分離するための気体分離ユニット とを一体の容器に内蔵し、外部から前記容器に導入したオイルを前記固体分離ユ ニット、気体分離ユニットの順に通過させ、固体異物の少ないオイル中の気体異 物を多く含むオイルと気体異物の少ないオイルとに別けて前記容器から導出する オイルフィルタを、エンジンのオイルパン内のオイルポンプ排出側に取り付けた ことを特徴とする。

【０００７】

【作用】

以上の構成により本考案のオイルフィルタの取付構造にあっては、オイルフィ ルタがエンジンのオイルパン内のオイルポンプの排出側に取り付けられるので、 気体異物が多く含まれるオイルは直接エンジンのオイルパン内へ戻りオイルフィ ルタの取り付けが簡単になる。

【０００８】

【実施例】

図１はこの考案の一実施例にかかるオイルフィッルタの取付構造の説明図であ る。１はエンジン、２はオイルフィルタ、３はオイルパンを示している。オイル フィルタ２はオイルパン３内に取り付けられ、オイルがオイルポンプ４により、 配管５ａを通りオイルフィルタ１へ供給され、固体分離ユニット６で固体異物が 分離された後、気体分離ユニット７で気体異物が分離され、気体異物を多く含む オイルが中央管８からオイルパン３内に戻される一方、固体異物および気体異物 が除去されたオイルが配管５ｂを通りオイルギャラリへ供給される。

【０００９】 図２に示すオイルフィルタ１の容器は、円盤状のベ−スプレ−ト１１の上に円 筒カップ状のハウジング１２を逆さに被せ、これらを結合フランジ１３で一体化 したものである。ベ−スプレ−ト１１の中心には雌ネジを形成した筒状立上がり 部１４を有する中心開口部が形成されているとともに、その外周には複数のオイ ル導入口１５が形成され、取付けブロック１６にシ−ル用ガスケット１７を介し てネジ着することでこれに液密に結合される。

【００１０】 容器の内部にはオイルから固体異物を分離するための固体分離ユニット６と、 その内周に設けられオイルから気体を分離するための気体分離ユニット７とを備 えている。固体分離ユニット６は、筒状のフィルタエレメント１８を上部エンド プレ−ト１９と下部エンドプレ−ト１９とで挟んで一体化したものである。上部 エンドプレ−ト１８の中央には圧力制御弁２０が付設されており、またその上部 には押さえバネ２１が付設されている。下部エンドプレ−ト１９の中央部分は円 形に開口しており、その下面にはパッキン２３が取付けられている。固体分離ユ ニット６はハウジング１２内に同心状に収容され、ハウジング１２の天井部とベ −スプレ−ト１１との間に押さえバネ２１を圧縮した状態で挟持されている。

【００１１】 ポンプ５により取付けブロック１６に形成されたオイル通路２２から圧送され たオイルは、ベ−スプレ−ト１１のオイル導入口１５を通ってフィルタエレメン ト１８の外周から内周へと通過し、オイル中に分散浮遊した固形異物を濾過して 除去する。フィルタエレメント１８が目詰りを起こすと、圧力制御弁２０が開き 、オイルは容器の天井部分からこの圧力制御弁２０を通ってフィルタエレメント １８の内側へとバイパスする。

【００１２】 前記気体分離ユニット７は、フィルタエレメント１８の内周部分に同心状に配 置されている。この気体分離ユニット７は、逆さにした状態でベ−スプレ−ト１ １上に固定された円筒カップ状のケ−ス２４の内部にロ−ト状の隔壁２５によっ て区画される旋回室（サイクロン室）２６を形成したものである。隔壁２５の上 部外周はケ−ス２４の内側に固着されているとともに、この隔壁２５のロ−ト状 の底部中心には細管２７が一体に固着され、その上端を隔壁２５の上部にまで突 出させている。ケ−ス２４の上部には接線方向に複数のオイル入口２８が開口形 成され、また隔壁２５および細管２７の旋回流室内への突出端にはそれぞれ小孔 ２９、３０が多数開口形成されている。また、前記細管２７の下端は前記取付け ブロック１６の中心に形成されたオイル通路３０に接続され、このオイル通路３ ０からオイルパンへ排出される。さらに、ケ−ス２４の下部にあって、前記隔壁 ２５の外周空間の底部は取付けブロック１６の細管２７の外周に同心状に形成さ れたオイル通路３１に連通している。このオイル通路３１はオイルギャラリ側に 通ずる。

【００１３】 以上の構成において、オイルパン３内に取付けられたオイルフィルタ１におい て、フィルタエレメント１８の内側に流入したオイルはケ−ス２４のオイル入口 ２８よりその接線方向より旋回流室２６の内部に導入されることにより、隔壁２ ５の内周部に沿って旋回流を生じながら下方に螺旋状に流れる。この旋回流によ る遠心分離作用によって比重の軽い気体異物を多く含んだオイルは中心側に集ま り、細管２７の上部側に形成された小孔３０を伝って細管２７の内部に流入し、 オイルフィルタ１がオイルパン３内へ取り付けられているのでオイルは直接オイ ルパン内へ排出する。

【００１４】

【考案の効果】

以上実施例によって詳細に説明したように、この考案に係るオイルフィルタの 取付構造は、オイルフィルタがエンジンのオイルパン内のオイルポンプの排出側 に取り付けられるので、気体異物が多く含まれるオイルの配管の必要がなく直接 エンジンのオイルパン内へ戻るので既存のエンジンにも取り付けられオイルフィ ルタの取り付けが簡単になる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案によるオイルフィルタの取付構造の構
造図である。

【図２】図１のオイルフィルタを示した断面図である。

【符号の説明】

１ エンジン ２ オイルフィルタ ３ オイルパン ４ オイルポンプ ６ 固体分離ユニット ７ 気体分離ユニット

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 オイルから固体異物を分離するための固
   体分離ユニットと、オイルから気体異物を分離するため
   の気体分離ユニットとを一体の容器に内蔵し、外部から
   前記容器に導入したオイルを前記固体分離ユニット、気
   体分離ユニットの順に通過させ、固体異物の少ないオイ
   ル中の気体異物を多く含むオイルと気体異物の少ないオ
   イルとに別けて前記容器から導出するオイルフィルタ
   を、エンジンのオイルパン内のオイルポンプ排出側に取
   り付けたことを特徴とするオイルフィルタの取付構造。