JPH0595989A - 固体培養装置の洗浄・殺菌方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 固体培養装置の多孔板の孔等の洗浄が困難な
場所では、付着した汚れが落ち難く、洗浄が充分でない
場合も多く、同時に殺菌も充分でなく、新たに盛込んだ
培養物中に雑菌が繁殖する点を解決する。 【構成】 固体培養装置の洗浄に際して、洗剤又は薬品
を含んだ洗浄水を噴霧する工程と、温水又は常温水を噴
霧して洗い流す工程と、蒸気を吹き込む加熱殺菌工程
と、熱風を吹き込む乾燥工程とを順次行なうことを特徴
とする固体培養装置の洗浄・殺菌方法である。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、固体培養装置、例えば
製麹装置、酵素培養装置等の洗浄・殺菌方法に関するも
のである。

【０００２】

【従来の技術】従来の固体培養装置の洗浄方法として
は、単に水を噴霧して洗浄し、その後熱風により乾燥さ
せる方法、あるいは上記の方法に加えて蒸気による加熱
殺菌工程を加えた方法等があった。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】これら従来の方法で
は、固体培養装置の洗浄が困難な場所、例えば側壁と多
孔板の接触部、多孔板の孔、あるいは手入機や排出コン
ベアなどの複雑な構造部などに付着した汚れが落ち難
く、洗浄が充分でない場合も多く、同時に殺菌も充分で
なく、新たに盛込んだ培養物中に雑菌が繁殖する要因と
なっていた。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明は以上のような欠
点を排除する洗浄・殺菌方法であって、固体培養装置の
洗浄に際して、洗剤又は薬品を含んだ洗浄水を噴霧する
工程と、温水又は常温水を噴霧して洗い流す工程と、蒸
気を吹き込む加熱殺菌工程と、熱風を吹き込む乾燥工程
とを順次行なうことによって課題を解決した。洗剤又は
薬品を含んだ洗浄水を噴霧する工程で用いる洗剤は、逆
性石けんのほか工業用各種石けん、界面活性剤が使用で
き、薬品としては食品添加用殺菌剤が好ましく、例え
ば、次亜塩素酸ソーダ(濃度約５％)、高度サラシ粉、過
酸化水素(約35％)などのほか、ヨード液(0.1〜0.5％)も
使用される。

【０００５】

【作用】このような本発明の方法によると、固体培養装
置内の隅々まで完全な洗浄、殺菌が行なえ、雑菌汚染が
防止できる。特に洗剤又は他の薬品が残存すると好まし
くないので、従来は全く使用されていなかったのである
が、洗浄水の噴霧工程を行なうために、次の温水又は常
温水による洗い流し工程を初めから行なうのに比べて残
留物の除去が容易となる。

【０００６】

【実施例】以下図面を参照して本発明の実施例について
説明する。図１は本発明を実施するための回転円盤型固
体培養装置の断面図である。この固体培養装置は、下室
３においては回転円盤型固体培養装置に設けられている
回転円盤１の回転軸４を利用して下室移動装置６を設
け、また、上室２においては天井付近の回転軸８を利用
して上室移動装置７を設け、これらによって噴射角可変
型ノズル５を移動させるようにしている。噴射角可変型
ノズル５とは洗浄水等の噴射方向を支持部に対して自在
に変えることのできるノズルである。

【０００７】洗浄にはこの噴射角可変ノズル５を用い、
まず、逆性石けん水を噴霧して洗浄を行なう。逆性石け
ん水が装置内全体へ噴霧されると、次に常温水を噴霧し
て洗い流す。必要に応じてこの工程を複数回繰返して洗
浄工程を終える。洗浄完了後、蒸気吹込口９より蒸気を
吹き込んで加熱殺菌を行なう。固体培養室内の加熱殺菌
が完了すると、最後に熱風を吹き込んで乾燥を行なう。
以上の工程により、円盤型固体培養装置の洗浄・殺菌を
行なうのである。

【０００８】

【発明の効果】本発明の洗浄・殺菌方法により、固体培
養装置内に雑菌の繁殖がなくなり、高品質の固体培養物
が得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】回転円盤型固体培養装置の断面図である。

【符号の説明】

１ 回転円盤 ２ 上室 ３ 下室 ４ 回転軸 ５ 噴射角可変型ノズル ６ 下室移動装置 ７ 上室移動装置 ８ 回転軸 ９ 蒸気吹込口

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 固体培養装置の洗浄に際して、洗剤又は
   薬品を含んだ洗浄水を噴霧する工程と、温水又は常温水
   を噴霧して洗い流す工程と、蒸気を吹き込む加熱殺菌工
   程と、熱風を吹き込む乾燥工程とを順次行なうことを特
   徴とする固体培養装置の洗浄・殺菌方法。