JPH0595826U - 包装容器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 キャスター付きの製品を容易に降ろし易くし
た包装容器を提供することである。 【構成】 底箱１内に、滑り促進部材９を介して、滑り
動く緩衝体５，６を設け、緩衝体保持部材１０を抜き出
し、製品７をＦ方向に押すことで、滑り促進部材９を介
して、緩衝体６を緩衝体５に対して滑らせ、キャスター
８を底箱１の底板部４Ａ上に着地させる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、キャスターを備えた製品の底部側を収納する底箱に、前記製品が底 箱とで覆われるように、外箱を被せるようにした包装容器に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

各種の機器装置は、製品として工場などから出荷されるが、この種のものは、 通常、所定の包装容器に梱包されている。特に、振動などを嫌うものでは、その 梱包を堅固なものにしているが、従来においては、包装容器に関して、そのよう な振動や製品落下等から、製品を保護したり、その位置決めを適確に行ったりす ることなどに、包装容器の仕様上の主眼点が置かれていた。

【０００３】 この種の製品で、特に、重量の重いものは、その製品を包装容器の底箱から降 ろす作業が中々容易ではなく、製品を開梱してこれを降ろす際、所定の荷役機器 を用いて製品を持ち上げながら降ろし作業を行っていた。また製品の搬入先にお いてこのような荷役機器の無い場合は、その製品の降ろしに人出をかけざるを得 ず、かかる作業時に、作業者の腰痛や怪我などを生じ易く、又、製品にダメージ を与えたりするおそれがあった。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

本考案の目的は、キャスター付きの製品を降ろし易くした包装容器を提供する ことである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案は上記目的を達成するため、キャスターを備えた製品の底部側を収納す る底箱に、前記製品が底箱とで覆われるように、外箱を被せるようにした包装容 器において、底箱の底板部上に、包装時には製品の重量を受け、製品を降ろす際 に、キャスターを底板部上に着地させるべく、互いに滑り摺動する対をなした緩 衝体を設置した包装容器を提案するものである。

【０００６】 なお、底箱を、パレット機能付きの底箱とすると、効果的である。

【０００７】

【実施例】

以下、本考案の実施例を図面に従って、詳細に説明する。

【０００８】 図１は、本考案一実施例の包装容器の底箱に、キャスター付きの製品の底部側 を収納した状態を示す図である。

【０００９】 底箱１は、床面２などに置かれる例えば木製のデッキボード３と、これに固定 的に接着された、例えば段ボールより成る底箱体４とを有している。底箱体４の 底板部４Ａ上には例えば、発泡スチロールより成る対をなした緩衝体５，６が２ 組設置されている。

【００１０】 製品７は、この底部側の４隅に、キャスター８を付設したものとなっていて、 図示手前側の各キャスター８と、奥側の各キャスター（不図示）との間に対をな した２組の緩衝体５，６がそれぞれ設けられ、緩衝体５，６にキャスター８が干 渉しないようになっている。互いに対をなした緩衝体５，６は、製品７の降ろし 時、互いに滑り摺動するようになっているのであるが、その滑り摺動を良くする ために、本例では、各組の緩衝体５，６に、一枚の段ボールより成る滑り促進部 材９がそれぞれ巻き付けられている。各滑り促進部材９も、手前側の各キャスタ ー８と奥側の各キャスターの間に位置し、底箱体４とは別体の製品載置ボード１ １に貼り付けられている。

【００１１】 底箱体４の内部には、各組の緩衝体５，６の相互のズレを防止するための緩衝 体保持部材１０が挿入され、この緩衝体保持部材１０は、滑り促進部材９，９の 互いに向き合う内側面部９ａ，９ａを受けている。なお、緩衝体保持部材１０は 、例えば、段ボールより成っている。このようにして上側の緩衝体５，５が下側 の緩衝体６，６の上に、ずれることなく乗った状態に保たれる。

【００１２】 かような状態で、各対の緩衝体５，６は、製品載置ボード１１上に載せられた 製品７の重量を受けている。図１に示した底箱１には、図３に示すような段ボー ルより成る外箱（外装段ボール箱）１２が被せられ、これと、底箱とで、製品７ が覆われる。かような製品の包装時には、左右の一対の緩衝体５，６は、製品７ の重量を受け、製品を保護している。

【００１３】 製品７を降ろす際には、先ず、前述の外箱１２を外した状態で、図１に示す緩 衝体保持部材１０を手前に抜き出す。これによって、保持力を解放された外箱体 ４の四辺の立上り部は、図２のように倒れて開く。或いは手作業でこれらの立上 り部を倒して開くようにしてもよい。次に、製品７をＦ方向に軽く押す。すると 、上側の、断面が三角形状の緩衝体６に接し、且つ、下の緩衝体５の傾斜面に接 している滑り促進部材９の部分９ｂが、その緩衝体５に対し滑り摺動し、キャス ター８が底箱体４の底板部４Ａ上に図２に示す如く着地する。緩衝体５，６自体 が滑り易い材質のものであれば、滑り促進部材９を必ずしも介する必要はなく、 この場合には、緩衝体５，６同士が直接滑り摺動し、キャスター８が着地するこ ととなる。

【００１４】 これに対し、緩衝体５，６を発泡スチロールなどの材種のものとした場合には 、その摩擦係数が大きくなるため、緩衝体５，６は互いに滑りにくくなる。段ボ ールのような滑り促進部材９を介することで、その滑りにくさを補完することが でき、キャスター８を着地させ易くすることができるのである。

【００１５】 キャスター８が底板部４Ａ上に着地した状態で、キャスター８を転動させつつ 、製品７を移動させ、これを床面２上に降ろす。このように、上側の緩衝体６が 滑り動くことで、全体の緩衝体の高さが漸次、低くなるので、キャスター８を容 易に降ろすことができ、フォークリフトなどの荷役機器の無い場所でも、製品を 開梱した後の、その降ろし作業を容易に行うことができ、場合によっては、１人 又は２人でもこの種の作業が可能になる。

【００１６】 なお、デッキボード３は必ずしも必要としないが、底箱に、かようなデッキボ ード３を付設し、且つ、底箱１（図１）内に入る緩衝体保持部材１０内に、図３ に示すようにフォークリフトなどの荷役機器の爪１３が入るように構成しておく と、底箱自体を、パレット機能付きのものとすることができる。

【００１７】 従来は、別の専用のパレット台の上に、製品を格納した包装容器を置いて、フ ォークリフトなどの荷役機器でパレット台毎、製品を運ぶようにしていたのであ るが、底箱自体に、パレット機能を持たせるようにしてしまうと、そのようなパ レット台が不要になる。

【００１８】 又、専用のパレット台を用いる場合、荷役運搬時の荷役物全体の高さは、その パレット台の高さに、緩衝体の高さを加え、更に、製品の高さを加えたものとな るので、荷役物の高さが非常に大きくなり、保管や輸送効率などが悪くなる。底 箱に、パレット機能を持たせることにより、パレット台を不要なものとすること ができるので、荷役物の高さを例えば１２０mm／台程低くすることができ、輸送 時の２段積みが可能となり、保管効率や輸送効率などを高めることができるので ある。

【００１９】 なお、図３に示すように外箱１２と、底箱１とを所定の締結具１４にて互いに 固定状態にし、且つ、緩衝体保持部材１０内に、紐等の結合部材１５を通しつつ 、外箱１２にそれを掛け渡して、緩衝体保持部材１０を外箱１２に固定すること で、外箱１２と底箱１と緩衝体保持部材１０とは一体化されるようになり、パレ ット機能が更に強化され、荷役運搬を、より安全にしかも、製品にダメージを与 えることなく、行うことができる。

【００２０】 対をなした緩衝体５，６を、上記実施例のように２組設けるほか、製品７の形 態に応じて、これを１組、又は３組以上設けることもできる。

【００２１】

【考案の効果】

請求項１に記載の構成によれば、対をなした緩衝体を横に滑らせるだけで、容 易に、キャスターを底箱の底板部上に降ろすことができるので、この種の製品の 床面までの降ろし作業を省力化することができ、又、製品にダメージを与えるよ うなこともなくなる。

【００２２】 請求項２に記載の構成によれば、製品の保管効率や輸送効率などを高めること ができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案一実施例の包装容器の底箱に、キャスタ
ー付きの製品の底部側を収容した状態を示す図である。

【図２】製品を、底箱の底板部上に降ろした状態を示す
図である。

【図３】パレット機能を持たせた包装容器の全体の構成
斜視図である。

【符号の説明】

１ 底箱 ４Ａ 底板部 ５ 緩衝体 ６ 緩衝体 ７ 製品 ８ キャスター １２ 外箱

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 キャスターを備えた製品の底部側を収納
   する底箱に、前記製品が底箱とで覆われるように、外箱
   を被せるようにした包装容器において、底箱の底板部上
   に、包装時には製品の重量を受け、製品を降ろす際に、
   キャスターを底板部上に着地させるべく、互いに滑り摺
   動する対をなした緩衝体を設置したことを特徴とする包
   装容器。
2. 【請求項２】 底箱を、パレット機能付きの底箱とした
   請求項１に記載の包装容器。