JPH0595642A - 二分割鉄心交流回転電機 - Google Patents

二分割鉄心交流回転電機

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JPH0595642A
JPH0595642A JP25159091A JP25159091A JPH0595642A JP H0595642 A JPH0595642 A JP H0595642A JP 25159091 A JP25159091 A JP 25159091A JP 25159091 A JP25159091 A JP 25159091A JP H0595642 A JPH0595642 A JP H0595642A
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Hitoshi Kanai
均 金井
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Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】各相の単巻きコイルのインピーダンスの不平衡
による電圧,電流の不平衡とトルクの脈動を減らした二
分割鉄心交流回転電機を得ること。 【構成】二分割固定子1のスロットを従来のスロットよ
りも深く形成して、磁性体8のスペーサや非磁性体9の
スペーサを入れて固定スロットの漏れパーミアンスを調
整する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、固定子鉄心が二分割さ
れた二分割鉄心交流回転電機に関する。
【0002】
【従来の技術】三相交流回転電機において、固定子鉄心
を二分割形にするためには、固定子巻線を単層巻きにす
る必要がある。この単層巻きでは、1条の固定子スロッ
トに1本の固定子巻線が挿入されているので、巻線数が
固定子スロット数の半数となり、また、スロット内に
は、1本の巻線が挿入されていることから、層間絶縁が
ないので導体の占積率を二層巻きより大きくとれる。
【0003】一方、二相巻きは、1条の固定子スロット
内に2本の固定子巻線を挿入する巻線法で、1種類の巻
線形状でよいが、二分割固定子鉄心の分割部で巻線が割
れないので、二分割固定子鉄心用には適していない。こ
れに対し、単層巻き巻線の場合は、極数を2,4,8,
16極と選択し、並列回路数を2、あるいは4とする
と、二分割固定子に対して鉄心の分割部で完全に割るこ
とができる。しかしながら、巻線エンド部の交差を避け
るために形状の異なる他種類の巻線が必要となる。特に
二分割の固定子鉄心に使用するときには、巻線エンド部
の形状によって、コイルエンド部のコイルエンド相互
間、相帯間漏れリアクタンスなどの不平衡が三相巻線間
に生じ、三相巻線のインピーダンスの不平衡が生ずる。
【0004】図6に、従来の交流回転電機のスロット部
分の断面の展開図を示す。図6において、二分割固定子
1に平行に形成されたスロット2には、外周に大地絶縁
6が施されたコイル3が挿着され、内側端には楔7が挿
入された後、エポキシ樹脂で真空含浸されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このインピーダンス不
平衡は、多相交流回転電機においては、電流、電圧の不
平衡が電源側に発生し、特に大容量の多相交流回転電機
の場合、電源系統に及ぼす影響が大きいだけでなく、電
動機の場合には、トルクが脈動する大きな要因となり、
もし、圧延工場の圧延ロールの駆動用に使われたときに
は、圧延材の表面に擦りきずが発生するときもある。そ
こで、本発明の目的は、インピーダンス不平衡により発
生する電流、電圧不平衡や、トルクリップルを減らすこ
とができる二分割鉄心交流回転電機を提供することであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、二分割形固定
子のスロットに、単層巻のコイルが組み込まれた二分割
鉄心交流回転電機において、磁性体又は及び非磁性体の
スペーサをスロットに挿着したことを特徴とする。
【0007】
【作用】周知のように、多相交流回転電機のインピーダ
ンスは、固定子スロット及び回転子スロットにおけるス
ロット漏れパーミアンス、じくざぐ漏れパーミアンス、
コイルエンド漏れパーミアンス、相帯間漏れパーミアン
スなどの大きさにより決まるリアクタンスと、電機子巻
線抵抗、回転子巻線抵抗により決まる抵抗分のベクトル
和により決まる。
【0008】本発明においては、主に、固定子スロット
漏れパーミアンスを調整できるようにしたものである。
すなわち、このスロット漏れパーミアンスは、スロット
の幅と、深さの寸法及び、そのスロットに挿入するコイ
ルの寸法により算定できる。このため、予め通常より深
くしておいたスロットの底に磁性体を挿入すると、その
スロットは磁気的にはスロット深さが浅くなったのと等
しくなる。すると、磁性体をスロット底に挿入したスロ
ットにおけるスロット漏れパーミアンスの値を小さくす
ることができる。また、予め通常より深くしておいたス
ロットの底に非磁性体を挿入すると、そのスロットは、
磁気的にはスロット深さが予め通常より深くしておいた
状態になり、スロットにおけるスロット漏れパーミアン
スの値は変わらず大きい状態にある。
【0009】さらに、磁性体だけをスロット底に挿入し
た場合と、非磁性体のみを挿入した場合とのスロット漏
れパーミアンスを、それぞれ、最小、最大とすると、磁
性体と非磁性体との組み合わせにより、スロット漏れパ
ーミアンスを最小、最大値の間で調整することができ、
このようなスロット群の組み合わせにより、各相毎にス
ロット漏れパーミアンス量を調整する。本発明では、固
定子鉄心のスロット深さを通常より深いスロットとし、
その底部に磁性体だけを挿入したり、磁性体と非磁性体
との組み合わせ、あるいは、非磁性体だけを挿入する。
【0010】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図1〜図3を参照
して説明する。交流回転電機の固定子鉄心1に形成され
た電機子巻線を納めるための複数のスロットは、図1に
示すように通常より深く構成されており、このスロット
2には、絶縁されたコイル3と楔7およびスロット底部
に磁性体8を挿入したり、この磁性体8と非磁性体9と
の組み合わせ、あるいは、非磁性体9だけを挿入するこ
とにより構成される。
【0011】尚、本実施例においては、固定子スロット
2は、平行スロットであり、磁性体8は図2に示すよう
な帯板状で、磁性材料、例えば、鉄粉と非磁性、非導電
性接着剤、例えば、エポキシ系樹脂とを混合して成形し
た帯板であり、非磁性体9は、図3に示すような帯板状
で、非導電性材料、例えば、ガラス・ポリエステル積層
板である。磁性体8、非磁性体9は、帯板状であるが、
スロットの底には、それぞれ、一体物でも帯板状の板を
重ねて挿入してもよい。又、磁性体8,非磁性体9のス
ロットの挿着後は、従来と同様にコイル3とともにエポ
キシ樹脂で真空含浸される。
【0012】本発明の二分割鉄心交流回転電機は、上述
したように、予めスロット2を深くしておき、スロット
漏れパーミアンスを前述のリアクタンスを構成するパー
ミアンス群の中で占める割合を大きくしておく。コイル
3を挿入し、接続を完了した後は、交流電圧を印加し、
各相のインピーダンスと各相の抵抗を測定し、この両者
から各相のリアクタンスを求め、リアクタンス不平衡の
値を算定する。尚、コイル3をスロット2に挿入する前
に、予め、リアクタンス不平衡量が分かっているとき
は、コイル3を挿入して前述のように、インピーダンス
測定を行う必要はない。リアクタンス不平衡量が解れ
ば、各相のスロット2に磁性体8、磁性体8及び非磁性
体9の組み合わせ、または、非磁性体9だけを挿入する
ことによって、上記作用により、スロット漏れパーミア
ンスを各相毎に調整することが可能となる。
【0013】本発明によると、スロット漏れパーミアン
スの占める割合は、リアクタンス構成要素の他のパーミ
アンス群より大きいので、リアクタンス全体に及ぼす影
響が大きいため、二分割された固定子1の単層巻線のコ
イル毎に異なる巻線エンド部形状によって生じるコイル
エンド部のコイルエンド相互間、相帯間漏れリアクタン
スなどの不平衡を緩和することができる。これにより、
電源系統に及ぼす電圧や電流の不平衡を緩和することが
できるだけでなく、回転電機が発生するトルクリップル
も減らすことができる。
【0014】図4は、本発明の二分割鉄心交流回転電機
の他の実施例を示し、構成は図1とほぼ同一であるが、
スロット底に挿入する磁性体が異なる。材料としては、
透磁率が高く、飽和磁束密度の高い金属板、例えば、鉄
板を用いる。非磁性体18の材料は、図3と同様であ
る。
【0015】この場合には、図2の磁性材料より、透磁
率が高いため、スロットが浅くなったのと等価になり、
スロット漏れパーミアンスの値をより小さくすることが
でき、リアクタンス不平衡の調整幅を図1のときより広
くとることができる。この場合においていは、リアクタ
ンスの不平衡が大きい回転電機の不平衡を緩和させるこ
とができ、電源系統に及ぼす電圧、電流の不平衡が緩和
されるだけでなく、回転電機が発生するトルクリップル
も減らすことができる。
【0016】尚、スロットの底に挿入する磁性材料は、
図2で示した磁性材料、例えば、鉄粉と非磁性、非導電
性接着剤、例えば、エポキシ系樹脂とを混合して成形し
た帯板と、本実施例で示した透磁率が高く、飽和磁束密
度の高い金属板、例えば、鉄板と組み合わせてもよい。
【0017】図5は、本発明の二分割鉄心交流回転電機
の異なる他の実施例を示す。図5においては、固定子ス
ロットは、コイル3、楔7を納める部分と、スロット漏
れパーミアンスを調整する材料を挿入するスロット11
とで構成している。この場合においては、コイル3、楔
7を納める部分とスロット漏れパーミアンスを調整する
材料を挿入するスロット11との境にあるチップ12の
厚さ13と開口部14の寸法により、図1,図4で示し
たスロット形状により決まるスロット漏れパーミアンス
より大きな値を得ることができる。これにより、パーミ
アンスの最大値を拡大することができ、リアクタンス不
平衡の調整幅を図1,図4のときより広くとることがで
きる。更に、スロットをコイル3、楔7を納める部分と
スロット漏れパーミアンスを調整する材料を挿入するス
ロット11とを分けたことにより、漏れを増やす相のス
ロット底部には、非磁性体19を挿入する必要がない。
【0018】磁性体18、磁性体18及び非磁性体19
の組み合わせたものを、スロット漏れパーミアンスを調
整するスロット11に挿入するときは、図1,図4で述
べたように行う。この場合においても、よりリアクタン
ス不平衡が大きい回転電機の不平衡を緩和することがで
き、電源系統に及ぼす電圧、電流の不平衡を緩和する。
【0019】
【発明の効果】以上、本発明によれば、二分割形固定子
のスロットに、単層巻きのコイルが組み込まれた二分割
鉄心交流回転電機において、磁性体又は及び非磁性体の
スペーサをスロットに挿着し、各コイルのリアクタンス
の不平衡を調整したので、電圧,電流の不平衡やトルク
の脈動を減らすことのできる二分割鉄心交流回転電機を
得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の二分割鉄心交流回転電機の一実施例を
示す部分断面図。
【図2】本発明の二分割鉄心交流回転電機のスロットに
挿着される磁性体のスペーサを示す斜視図。
【図3】本発明の二分割鉄心交流回転電機のスロットに
挿着される非磁性体のスペーサを示す斜視図。
【図4】本発明の二分割鉄心交流回転電機の他の実施を
示す部分断面図。
【図5】本発明の二分割鉄心交流回転電機の異なる他の
実施例を示す部分断面図。
【図6】従来の二分割鉄心交流回転電機の一例を示す部
分断面図。
【符号の説明】
1…二分割形固定子、2…スロット、3…コイル、4…
スペーサとしての磁性体、5…スペーサとしての非磁性
体、6…対地絶縁、7…楔。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 二分割形固定子のスロットに、単層巻き
    のコイルが組み込まれた二分割鉄心交流回転電機におい
    て、前記スロットに磁性体又は及び非磁性体のスペーサ
    を挿着したことを特徴とする二分割鉄心交流回転電機。
JP25159091A 1991-09-30 1991-09-30 二分割鉄心交流回転電機 Expired - Lifetime JP2939374B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP25159091A JP2939374B2 (ja) 1991-09-30 1991-09-30 二分割鉄心交流回転電機

Applications Claiming Priority (1)

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JP25159091A JP2939374B2 (ja) 1991-09-30 1991-09-30 二分割鉄心交流回転電機

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0595642A true JPH0595642A (ja) 1993-04-16
JP2939374B2 JP2939374B2 (ja) 1999-08-25

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ID=17225081

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10303017A (ja) * 1997-04-22 1998-11-13 Kanetetsuku Kk 磁気吸着保持装置
JP2006187092A (ja) * 2004-12-27 2006-07-13 Daikin Ind Ltd コア、電機子、モータ及び圧縮機並びにこれらの製造方法
JP2017073964A (ja) * 2015-10-05 2017-04-13 ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ 二相磁性材料を備えた発電機ステータ積層

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH10303017A (ja) * 1997-04-22 1998-11-13 Kanetetsuku Kk 磁気吸着保持装置
JP2006187092A (ja) * 2004-12-27 2006-07-13 Daikin Ind Ltd コア、電機子、モータ及び圧縮機並びにこれらの製造方法
JP2017073964A (ja) * 2015-10-05 2017-04-13 ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ 二相磁性材料を備えた発電機ステータ積層

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JP2939374B2 (ja) 1999-08-25

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