JPH059430U - 酒類の収納容器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 容器に入れた酒類を燗酒或いは冷酒として、
持続してその温度を維持する酒類の収納容器を提供す
る。 【構成】 酒類を入れる容器本体２内に熱伝導性の金属
材料からなる内容器６を装着し、内容器６内に発熱物質
又は蓄冷物質を入れて蓋体９で容器本体２の注入口５を
閉止し、前記発熱物質で燗酒としたり、蓄冷物質で冷酒
とするものである。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、卓上で用いる酒器として特に有用な酒類の収納容器に関するもので ある。

【０００２】

【従来の技術】

日本酒のための酒器として、徳利や銚子が古くから用いられており、卓上用と して汎用されている。 これらの酒器はその中に酒を入れ、これを湯の中に入れて直接燗をするか、ア ルミニウムなどの熱伝導性のよい容器に酒を入れて湯で燗をした後、改めて酒器 に移すようにしている。 又、冷酒の場合もほゞ同様に、酒を入れた酒器を冷蔵庫に入れて冷すか、周囲 を氷や冷水と接触させて冷すことが行なわれている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

このような手段による酒の加温或は冷却は、煩瑣で手間がかかる上、時間の経 過に対して酒の温度を常に所定の温度に保持することが困難である。

【０００４】 本考案は燗酒、或は冷酒として酒を飲む場合の上述の問題に鑑み、容易に燗酒 、冷酒とすることができると共に、所定温度の状態を持続することができる酒類 の収納容器を提供せんとするものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

即ち、本考案は、外周の一部に注出口を有し、上部に注入口を形成してなる容 器本体と、上部が開口した熱伝導性の金属からなる内容器と、容器本体の前記注 入口を開閉する蓋体とから構成され、内容器の上部開口部を容器本体の注入口の 内周に一致させて、該内容器を容器本体内に着脱自在に装着し、容器本体と内容 器の間の空間を酒類の収納部とし、内容器の内部を発熱物質又は蓄冷物質の収納 部としてなることを特徴とする酒類の収納容器である。

【０００６】 上記の本考案の収納容器において、内容器に収納する発熱物質としては、使い 捨てカイロなどとして知られている鉄粉と食塩水とからなる化学発熱剤が、又蓄 冷物質としては、氷や、ゲル状のポリアクリル酸ソ−ダなどの蓄冷剤が好適に用 いられ、上記の蓄冷剤は予め冷蔵庫などで冷熱を保有させておくものである。

【０００７】

【作用】

容器本体と、これに内装する熱伝導性の良好な内容器と、蓋体とからなる本考 案に係わる酒類の収納容器は、容器本体の注入口から酒類を入れ、この容器本体 に内容器を装着し、酒類を燗酒とする場合には内容器内に発熱物質を、冷酒とす る場合には予め冷熱を保有させた蓄冷物質を入れ、内容器を介して上記発熱物質 の発生熱を酒に与えて燗酒とし、又、蓄冷物質の保有する冷熱により冷酒とする ほか、所望温度に達した酒をこれによって、長時間に亘って所定の温度に保持し て気持よく酒を味わうことができるものである。

【０００８】 特に、内容器を熱伝導の良好な金属材料によって構成したので、迅速かつ確実 に所定の燗酒又冷酒とすることができ、これによって一々酒を温めたり、冷した りする必要がなく、酒席の途中で燗酒が冷えたり、冷酒が温まることがなく、温 め直しや、冷し直しの手間を完全に省くことができるものである。

【０００９】

【実施例】

以下に図面を引用して本考案をより具体的に説明する。

【００１０】 図１において、酒類の収納容器１は、容器本体２と、内容器６及び蓋体９によ って構成されている。 容器本体２は、通常の容器と同様に、上部の開口部を酒の注入口５とし、外側 の一部に注出口３と、その反対側に把手４を具備している。

【００１１】 内容器６は、上部が開口した有底の筒状体からなり、その開口部７は、容器本 体２の注入口５の内周に合致し、周縁を外方に張出して形成した鍔部８によって 容器本体２の注入口５に着脱可能に装着され、この開口部７を含めて注入口５を 蓋体９によって閉止することができる。10は蓋体９に形成した摘みである。

【００１２】 図示しないが、上記内容器６は、鍔部８を設けることなく、容器本体２の注入 口内周と、内容器６の開口部外周との間に刻設した雌雄のねじにより着脱自在に 螺着する構造としてもよく、又蓋体９に対して内容器６をねじなどによって着脱 自在とし、蓋体９で内容器６を容器本体内に支持するようにしてもよい。

【００１３】 容器本体２及び蓋体９はステンレススチ−ル、アルミニウム、等の金属、陶磁 器などの材料で作られ、その素材について特別な制限はないが、内容器６は熱伝 導のよい金属、例えば銅、錫、アルミニウム及びこれらを複合したメッキ物など が好ましく、特に銅製の内容器の外側を錫メッキしたものが好適に用いられる。

【００１４】 この考案の酒類の収納容器１は、容器本体２と、その内部に装着した内容器６ との間に酒を入れ、内容器６の内部には、燗酒とする場合にはいわゆる使い捨て カイロとして知られている鉄粉と食塩水との反応によって発熱する化学発熱剤な どからなる加熱物質を、又冷酒とする場合には、氷、或は予め冷蔵庫などで冷却 した蓄冷剤（例えばゲル状のポリアクリル酸ソ−ダなど）などからなる蓄冷物質 を入れ、これらの発熱物質又は蓄冷物質によって燗酒又は冷酒とするものである 。

【００１５】

【考案の効果】

以上述べた通り、本考案の酒類の収納容器は、容器本体と、これに内装させる 熱伝導の良好な内容器と蓋体という頗る簡単な構成からなり、内容器に収納した 発熱物質又は蓄冷物質によって酒類を容易に燗酒としたり、冷酒としたりするこ とができ、しかも持続して所定の温度に維持できる点で優れたものである。

【００１６】 この酒類の収納容器は、酒を温めたり、冷したりする手間がなく、又一旦所定 の温度となった酒類が冷えたり、温まったりすることがないので、温め直しや冷 し直しの手間も完全に省くことができ、パ−ティ−などの席上できわめて重宝に 使用することができる。 なお、内容器はこれを容器本体より容易に取外すことができるので、容器本体 を蓋体と共に通常の液体収納容器として利用できる利点を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の酒類の収納容器の一例を示す縦断面図
である。

【符号の説明】

１ 酒類の収納容器 ２ 容器本体 ３ 注出口 ４ 把手 ５ 注入口 ６ 内容器 ７ 開口部 ８ 鍔部 ９ 蓋体 10 摘み

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 外周の一部に注出口を有し、上部に注入
   口を形成してなる容器本体と、上部が開口した熱伝導性
   の金属からなる内容器と、容器本体の前記注入口を開閉
   する蓋体とから構成され、内容器の上部開口部を容器本
   体の注入口の内周に一致させて該内容器を容器本体内に
   着脱自在に装着し、容器本体と内容器の間の空間を酒類
   の収納部とし、内容器の内部を発熱物質又は蓄冷物質の
   収納部としてなることを特徴とする酒類の収納容器。
2. 【請求項２】 前記内容器は銅又は銅を主体とする材料
   からなるものであることを特徴とする請求項１記載の酒
   類の収納容器。