JPH0592720U

JPH0592720U - 布帛の吸水性測定装置

Info

Publication number: JPH0592720U
Application number: JP038992U
Authority: JP
Inventors: 敏光広瀬; 雅子波多野
Original assignee: 鐘紡株式会社
Priority date: 1992-05-13
Filing date: 1992-05-13
Publication date: 1993-12-17

Abstract

(57)【要約】【目的】織物，編物，不織布等の布帛における吸水性
を正確に測定できるようにすると共に、その経時的変化
も正確に測定できるようにする。【構成】試験する布帛（１）を保持する保持部材（１
０）と、この保持部材（１０）に保持された布帛（１）
に水を供給する水供給手段（２０）と、この水供給手段
（２０）によって水が供給された布帛（１）の水の拡散
領域を測定する測定手段（３０）とを有することを特徴
とする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、織物，編物，不織布等の布帛の吸水性を測定する布帛の吸水性測定装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

織物，編物，不織布等の布帛について新たな素材を開発したり、またこのような布帛を用いた衣類等の製品を開発したりする場合において、上記のような布帛について、その吸水性を測定することが必要となった。

【０００３】ここで、従来においては、布帛における吸水性を調べる方法として、日本工業規格のＪＩＳＬ−１０９６及びＪＩＳＬ−１０１８に布帛の吸水性に関する測定方法が規定されている。

【０００４】そして、日本工業規格のＪＩＳＬ−１０９６やＪＩＳＬ−１０１８に規定される布帛の吸水性の測定方法としては、試験片を金属性リングに取り付け、ビュレット（１mlを２５±３滴に分割できるもの）の先端が試験片の表面から１ｃｍの高さになるようにして水滴（２０±２℃）を１滴落下させ、水滴が試験片に達した時から水滴が特別な反射をしなくなるまでの時間を測定するＡ法（滴下法）、試料を２０±２℃の水に入れた水槽上の一定の高さに支えた水平棒上にピンで止め、試験片の下端がちょうど水につかるようにして１０分間の毛細管現象による水の上昇した高さ（ｍｍ）を測定するＢ法（バイレックス法）、２０±２℃ の水を入れた水槽中に試験片を浮かべ、試験片が湿潤して水中に沈降し始めるまでの時間を測定するＣ法（沈降法）等が規定されている。

【０００５】しかし、日本工業規格に規定される測定方法においては、布帛が水を吸収する際における経時的な変化を正確に把握することができず、更にパンティストッキング等の布帛においては、試料がカールするため吸水性を正確に測定することができない等の欠点があった。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】

この考案は、織物，編物，不織布等の布帛における吸水性を測定する場合における上記のような問題を解決することを課題とするものである。

【０００７】すなわち、この考案においては、上記のような布帛における吸水性を正確に測定できるようにすると共に、布帛が水分を吸収する際における経時的な変化を正確に測定できるようにすることを課題とするものである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

この考案においては、上記のような課題を解決するため、試験する布帛（１）を保持する保持部材（１０）と、この保持部材（１０）に保持された布帛（１）に水を供給する水供給手段（２０）と、この水供給手段（２０）によって水が供給された布帛（１）の水の拡散領域を測定する測定手段（３０）を設けるようにしたのである。

【０００９】ここで、試験する布帛（１）を保持部材（１０）に保持する場合には、伸縮自在の同心円枠や、たて及びよこ方向に伸縮自在の伸縮自在枠を用い、通常たて及びよこ方向に１〜５０％伸長した状態で保持するようにし、この布帛（１）を保持した保持部材（１０）を水供給手段（２０）の上に設置し、この水供給手段（２０）から水を接触により布帛（１）に供給する場合には、保持部材（１０）の荷重を調整可能に構成するようにしておくことが望ましい。

【００１０】また、布帛（１）を保持した保持部材（１０）を水供給手段（２０）の上に設置し、この水供給手段（２０）から水を接触により布帛（１）に供給する場合には、水供給手段（２０）の水圧を調整可能に構成しておくことが望ましい。更に、水を布帛（１）に接触させる場合には、人工皮膚，ガラスフィルター，細孔等を介して接触させるようにしても良い。

【００１１】水供給手段（２０）によって水が供給された布帛（１）の水の拡散領域を測定する測定手段（３０）は特に限定されないが、通常は中間赤外部の赤外線エネルギを検知して対象物の温度計測を行うサーモカメラと、このサーモカメラで測定された水が供給されて低温になっている部位の面積を計算するデータ処理装置を用いるようにする。勿論、水に色をつけておき、水の拡散領域を測定するテレビカメラと、このテレビカメラで測定された水が供給されて変色している部位の面積を計算するデータ処理装置を用いるようにしても良い。

【００１２】

【作用】

この考案における布帛の吸水性測定装置においては、試験を行う布帛（１）を保持部材（１０）に保持させ、このように保持部材（１０）に保持させた布帛（１）に、水供給手段（２０）により水を供給し、このように水が供給された場合における布帛（１）の水の拡散領域を測定手段（３０）によって測定するようになっている。

【００１３】このように、保持部材（１０）に保持させた布帛（１）に水を供給するようにしているので、パンティストッキング等試料がカールする場合にも正確に吸水性を測定できるようになる。また、水が供給された場合における布帛（１）の水の拡散領域を測定手段（３０）によって測定するようにしているので、布帛（１）が水を吸収する際における経時的な変化を正確に把握できるようになる。

【００１４】

【実施例】

以下、この考案の一実施例に係る布帛の吸水性測定装置を添付図面に基づいて具体的に説明する。

【００１５】この実施例のものにおいては、図１に示すように試験する布帛（１）を伸縮自在の同心円枠からなる保持部材（１０）に取りつけて、この保持部材（１０）に保持させるようにした。そしてこの保持部材（１０）に適宜の荷重（１１）を置き、保持部材（１０）に保持した布帛（１）に荷重をかけるようにした。

【００１６】また、このように保持部材（１０）に保持された布帛（１）に対して水供給手段（２０）によって水を供給するにあたり、この実施例においては、上記の保持部材（１０）に取り付けた布帛（１）を支持するように水供給口（２１）を設け、この水供給口（２１）に水を貯留する水タンク（２２）を接続させ、更にこの水タンク（２２）に連通管（２３）及び流量計（２４）を介して補助タンク（２５）を接続させ、この補助タンク（２５）をモータ（２６）によりワイヤ（２７）を介して上昇させることにより、上記水供給口（２１）より水を一定圧力でしかもオーバーフローすることなく保持部材（１０）に保持された布帛（１）に供給するようにした。

【００１７】また、上記の水供給手段（２０）により、保持部材（１０）に保持された布帛（１）に水を供給した場合において、この布帛（１）の水の拡散領域を測定する測定手段（３０）として、保持部材（１０）に保持された布帛（１）の上方に中間赤外部の赤外線エネルギを検知して対象物の温度計測を行うサーモカメラ（３１）と、このサーモカメラ（３１）で測定された低温部位（水が供給された部位）の面積を計算するデータ処理装置（３２）と、上記サーモカメラ（３１）で測定された温度分布と上記データ処理装置（３２）で計算された水拡散領域の面積を表示するディスプレイ装置（３３）を設けるようにした。

【００１８】そして、上記のように保持部材（１０）に保持された布帛（１）に、補助タンク（２５）をモータ（２６）により上昇させることにより水供給口（２１）より水を供給し、保持部材（１０）に保持された布帛（１）の水の拡散領域を測定するにあたっては、例えば一定時間ごとにサーモカメラ（３１）、データ処理装置（３２）及びディスプレイ装置（３３）を作動させて、一定時間ごとの水の拡散領域を測定するようにする。また、流量計（２４）により布帛（１）に供給した水の重量も補助的に測定するようにする。

【００１９】なお、試験する布帛（１）を保持部材（１０）に保持させるときのたて及びよこ方向の伸長率、布帛（１）を保持する保持部材（１０）に対する荷重（１１）の重さ、水供給手段（２０）の補助タンク（２５）の上昇速度等は、その布帛（１）をどのような用途に用いた場合における吸水性を調べるかによって適宜変更させて試験を行うようにする。

【００２０】

【考案の効果】

以上詳述したように、この考案の布帛の吸水性測定装置においては、試験を行う布帛を保持部材に保持させ、このように保持させた布帛に、水供給手段により水を供給し、このように水が供給された場合における布帛の水の拡散領域を測定手段によって測定するようにしているため、布帛の吸水性及びこれらの経時的な変化を正確に測定できるようになった。

【００２１】この結果、この考案の布帛の吸水性測定装置を使用すると、吸水性特性を正確に測定することができるようになり、更に保持部材に保持させる時のたて及びよこ方向の伸長を変えることにより着用状態での吸水性特性を測定することができるようになり、布帛について新たな素材を開発したり、またこのような布帛を用いた衣類等の製品を開発したりするのに役立つデーターが得られるようになった。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の一実施例に係る布帛の吸水性測定装
置を示した概略図である。

【符号の説明】

１布帛１０保持部材２０水供給手段３０測定手段

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】試験する布帛（１）を保持する保持部材
（１０）と、この保持部材（１０）に保持された布帛
（１）に水を供給する水供給手段（２０）と、この水供
給手段（２０）によって水が供給された布帛（１）の水
の拡散領域を測定する測定手段（３０）とを有すること
を特徴とする布帛の吸水性測定装置。