JPH059188Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はタイプライターに関する。

従来、一般にタイプライターのハウジングの上
壁は、該ハウジングの水平な底壁に対し、それぞ
れ異なる角度で傾斜する複数の傾斜面あるいは複
数の傾斜面と水平面とからなつている。

例えば、上壁のキーを設けた前側部分は緩やか
な傾斜面をなし、マージンスケール等を設けた中
央部分は直立状態に近い急傾斜面をなし、プラテ
ンを設けた後側部はほぼ水平面をなしていて、タ
イピストの視界に傾斜角度の異なる複数の面が混
在することによりある種の違和感を与え、ひいて
は見にくいものにしているため作業能率の低下を
来すおそれがあつた。

本考案の目的は、ハウジングの上壁を構成する
前、後板等を所定角度の均一な傾斜面にして、上
記従来の欠点を解消することにある。

本考案の他の目的は、上記上壁を複数の別々の
部材で構成すること等によつて該上壁に段落をつ
けその意匠的効果の向上を図ることにある。

本考案のその他の目的は以下に詳述する実施例
から自ずと理解できるところである。

以下には図示した花弁形プリントホイールを備
えたシングルエレメント型タイプライターの実施
例について詳しく説明する。

１は合成樹脂製のハウジングで、それは前壁３
と、それより高い後壁４と、これら前、後壁３，
４の高さに対応させて上縁を前端より後端に向か
い高くなる傾斜縁とした左、右壁５，６とを底壁
２の周囲に設立してなる。

このハウジング１の上面開口は上壁７によつて
閉じられているものであり、該上壁７は横長矩形
の前板８及び後板９とからなる。

すなわち、上面開口は、その前側に前板８を、
後側に後板９を、またこれら前、後板８，９の間
にマージンスケール１０を、それぞれの前側より
後側が高くなる同じ傾斜角にして乗載固定して閉
じられているものである。

マージンスケール１０は合成樹脂製の細長板状
をなし、その前側長辺縁部を、前板８の後側辺縁
部の下面に、また後側長辺縁部を、後板９の前側
辺縁部の下面にそれぞれ固着して、前板８の後側
辺縁と後板９の前側辺縁との間のスリツト２２に
位置させてある。該マージンスケール１０は、中
央部の全長が上側に台形に折曲隆起している。

そして、これら前板８、後板９及びマージンス
ケール１０は水平な底壁２に対してほぼ15°の傾
斜角度で、前側が低く後側が高い同じ傾斜面をな
しているものである。

１２は、前板８の中央部分に開設した横長矩形
の窓孔１１の内方に架設したキーボードで、それ
は底壁２に対して12°の傾斜角度で前下がりに装
架されている。

キーボード１２の各キー１３は、その頂部を窓
孔１１を通じその外方に突出させている。

１５は後板９の内方に架設したプラテンで、そ
の後板９はプラテン１５の上方部位に横長矩形の
窓孔１４を開設している。

１６は、上記窓孔１４の後側部分に回動自在に
軸支した合成樹脂製の透明蓋板で、上記前板８等
と同じ傾斜角において該窓孔１４を閉じるととも
に、その窓孔１４の後方に所要の後傾状態になる
範囲で回動できるように、該透明蓋板１６の後端
部を軸支している。

ただし、透明蓋板１６は窓孔１４を閉じたと
き、その上面が後板９の上面より極く僅かに下方
に位置する関係になつている。

１８は、花弁型のプリントホイール１９を備え
た印字装置キヤリジで、それは、前、後側部を軸
２０，２１により軸支し、プリントホイール１９
を前記プラテン１５に対向させて、それと平行に
左右に走行するものであつて、かつその所要部分
すなわち指標となる部分が上記マージンスケール
１０の下方を走行するようにしてある。

なお、上記実施例では、花弁形のプリントホイ
ールを備えた型式のタイプライターについて説明
したが、本考案はこれに限らずボール形タイプエ
レメント型式等適宜のタイプライターでもよい。

また、前板８と後板９とからなる上壁７の水平
面に対する傾斜角度は上記の15°に限るものでは
なく、ハウジング１の形状及びプラテン等の構成
部材の配置関係等を考慮して他の適宜の角度を選
定できるもので、例えばキーボード１２と同じ
12°とするのも望ましい。

このように、本考案は、ハウジングが、前壁
と、それより高い後壁と、これら前、後壁の高さ
に対応させて上縁を前端より後端に向かい高くな
る傾斜縁とした左、右壁とを底壁の周囲に設立し
てなり、このハウジングの上面開口を、前板と後
板と、これら前、後板の間のマージンスケールと
により、それらを前側より後側が高い同じ傾斜角
にして乗載固定して閉じているので、タイピスト
にその均一な傾斜面による統一感ないし調和感を
与えることになり、従来の傾斜角の異なる複数の
面が混在する場合のように違和感を与えるとか、
それによつて作業能率を低下させるという欠点が
ない。

また、上壁を構成する前板、後板及びマージン
スケールが個別になつているので、該上壁に所要
の段落を生じ、かつ前板に開設した窓孔の内方に
架設したキーボードの各キーの頂部を該窓孔を通
じその外方に突出させ、全体の意匠的効果も斬新
である。

さらに、本考案は、マージンスケールを、前、
後板の間であつてかつ上記印字装置キヤリジの所
要部分が通過する上方に架設し、しかもマージン
スケールの中央部の全長が上側に台形に折曲隆起
させているので、マージンスケールは前板と後板
との間で視覚的に浮き上がつた状態に見え、その
所要部分すなわち指標が見易いという効果を奏す
る。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示し、第１図は透明蓋
板を取り外して示した斜視図、第２図は中央縦断
面図である。 １……ハウジング、３……前壁、４……後壁、
５……左壁、６……右壁、２……底壁、８……前
板、９……後板、１０……マージンスケール、１
１，１４……窓孔、１２……キーボード、１３…
…キー、１５……プラテン、１８……印字装置キ
ヤリジ、２２……スリツト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ハウジングが、前壁と、それよりも高い後壁
   と、これら前、後壁の高さに対応させて上縁を前
   端より後端に向かい高くなる一連の傾斜縁とした
   左、右壁とを底壁の周囲に設立してなり、その
   左、右壁上に、キーボードの各キーの頂部を突出
   させる窓孔を開設した前板と、プラテンに対応さ
   せた窓孔を開設した後板とを、それぞれの前側よ
   り後側が高くなる同じ傾斜角にして、かつそれら
   の間にスリツトが形成されるように離して乗載固
   定し、また細長板であるマージンスケールの前側
   長辺縁部を、前板の後側辺縁部の下面に、また後
   側長辺縁部を、後板の前側辺縁部の下面にそれぞ
   れ固着して、上記スリツトを前、後板と同じ傾斜
   角でしかも印字装置キヤリジの上方において閉
   じ、該マージンスケール中央部の全長を上側に台
   形に折曲隆起させてなることを特徴とするタイプ
   ライター。