JPH0591703U - 放射線治療装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】予め設定した照射野（設定照射野）と実際に設
定された照射野（実照射野）との間に相違（位置エラ
ー）があるときに、放射線を照射停止あるいは照射不能
とする位置比較手段１６を備えた放射線治療装置におい
て、位置エラー時の安全性をより向上する。 【構成】実照射野を測定するのに従来から備わる位置測
定器（第１の位置測定手段）１５に加えて、これとは測
定源の異なる第２の位置測定手段（１２，１３，１４）
を設け、第１の位置測定手段１５が故障していても位置
エラーが生じたときには放射線を照射停止あるいは照射
不能とするようにした。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、予め設定した照射野（設定照射野）と実際に設定された照射野（実 照射野）との間に相違（位置エラー）があるときに、放射線を照射停止あるいは 照射不能として異常照射を防止する放射線治療装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

被治療体に放射線を照射して治療を行う放射線治療装置の概略を図３に示す。 図３において、１は放射線を照射する照射ヘッド２を備えた架台、３は被治療体 ４を寝載する治療台、５はアイソセンタで、照射ヘッド２から被治療体４に放射 線、例えばＸ線を照射してガンなどの治療を行うものである。

【０００３】 このような放射線治療装置において、放射線の照射野の設定は、手動で、ある いは制御卓からの操作により自動で、コリメータ（図示せず）を動かして行うが 、その位置（設定照射野）の監視は、一般に前記コリメータに連動するポテンシ ョメータからの位置信号（実照射野を表わす）を用いて行う。 すなわち、ポテンショメータからの位置信号に対してＡ／Ｄ変換などの処理を 行い、その位置信号、換言すれば実照射野と、前記設定照射野とを常時比較し、 位置エラー時（設定照射野と実照射野との間に相違がある時）、放射線照射中で あれば照射停止、放射線照射前であれば照射不能として異常照射を防止し、被治 療体４の安全を図っている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

上記従来技術では、ポテンショメータの位置ずれ、破損あるいはコリメータと の連結の不調などの故障が生じ、位置信号に誤差が生じた場合、安全性が確保で きないという問題点があった。

【０００５】 本考案の目的は、コリメータに連結して直接実照射野の位置信号を出力するポ テンショメータなどの位置測定器に故障が生じ、位置信号に誤差が生じた場合で も安全性が確保できる放射線治療装置を提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

上記目的は、予め設定した照射野（設定照射野）と実際に設定された照射野（ 実照射野）との間に相違（位置エラー）があるときに、放射線を照射停止あるい は照射不能とする位置比較手段を備え、前記実照射野の測定手段として、放射線 の照射野を設定するコリメータに連動する位置測定器を備えた放射線治療装置に おいて、前記実照射野の測定手段として、前記コリメータによる放射線の照射野 の変化に応じて変化する光照射野を得る光源、シート及びそのシートに映し出さ れた光照射野を写すＴＶカメラを備えてなる第２の位置測定手段を備え、前記位 置比較手段は、前記位置測定器による実照射野を設定照射野と比較したとき位置 エラーが生じていなくても、前記第２の位置測定手段による実照射野を設定照射 野と比較したとき位置エラーが生じているときには放射線を照射停止あるいは照 射不能とすることにより達成される。

【０００７】

【作用】

実照射野の測定手段として、従来からのコリメータ連動の位置測定器に加えて 、これとは測定源の異なる第２の位置測定手段を備え、前記位置測定器による実 照射野を設定照射野と比較したとき位置エラーが生じていなくても第２の位置測 定手段による実照射野を設定照射野と比較したとき位置エラーが生じているとき には、放射線を照射停止あるいは照射不能とするようにした。

【０００８】 これにより２重の安全機能をもつことになり、安全性がより向上する。特に、 コリメータ連動の位置測定器は故障が少なくないものであり、したがってこの位 置測定器に故障が生じ、位置信号に誤差が生じた場合でも安全性が確保できるこ とは極めて有用である。

【０００９】

【実施例】 以下、図面を参照して本考案の実施例を説明する。 図１は、本考案による放射線治療装置の一実施例の要部を示す構成図である。 この図１において、１及び５は図３と同様である。 １１は放射線の照射野を設定するコリメータ、１２は小型ＴＶカメラ、１３は フィールドライト、１４はシートで、これらは照射ヘッド２に設けられている。 この場合、フィールドライト１３はコリメータ１１で制限された光照射野（放 射線の照射野に相当する）をシート１４に映し出すためのものである。また、Ｔ Ｖカメラ１２は前記光照射野が最大のとき（放射線の照射野が最大に設定された とき）でもその視野内に収まるべく位置に設けられている。

【００１０】 なお前記シート１４は、使用する放射線をあまり減衰させずに通し、かつ、そ の放射線による劣化が少なく、また、フィールドライト１３による光照射野がＴ Ｖカメラ１２で判別できる程度に遮光性をもつ材質が選定される。また、照射ヘ ッド２のシート１４セット部は、Ｘ線用アプリケータ（図示せず）の装着の有無 に拘らずシート１４をセット可能な構成とされている。 １５は前記コリメータ１１に連動し、コリメータ１１の位置から前記実照射野 を測定，監視するポテンショメータ（第１の位置測定手段）で、従来から備わる ものである。 １６は位置比較回路で、実照射野と前記設定照射野とを常時比較し、位置エラ ー時（設定照射野と実照射野との間に相違がある時）、照射制御装置１７に信号 を与え、その際、放射線照射中であれば照射停止、放射線照射前であれば照射不 能とするものである。 なお、前記ＴＶカメラ１２、フィールドライト１３及びシート１４は、実照射 野の第２の測定手段（第２の位置測定手段）を構成するものである。

【００１１】 本考案では、実照射野を表わす信号はポテンショメータ１５からの位置信号Ｓ １のみならず、ＴＶカメラ１２からのビデオ信号Ｓ２をも含む。設定照射野を表 わす信号（設定照射野信号Ｓ３）は従来と同様であり、手動で、あるいは制御卓 （図示せず）からの操作により自動で、コリメータ１１を動かすことにより設定 された照射野に応じて一義的に出力されるものである。

【００１２】 すなわち位置比較回路１６は、常時、ポテンショメータ１５からの位置信号Ｓ １及びＴＶカメラ１２からのビデオ信号（位置信号）Ｓ２を、設定照射野信号Ｓ ３と共に受けており、信号Ｓ１，信号Ｓ２を信号Ｓ３と常時比較（実照射野と設 定照射野とを常時比較）し、位置エラー時、それが照射前であるならば照射不能 信号Ｓ４を、照射中であるならば照射停止信号Ｓ５を、照射制御装置１７に送っ て放射線の照射を不能とし、あるいは停止させる。

【００１３】 ここで本考案では、前述のように実照射野の位置信号としてポテンショメータ １５からの位置信号Ｓ１及びＴＶカメラ１２からのビデオ信号Ｓ２がある。そし て、ポテンショメータ１５からの位置信号Ｓ１を設定照射野信号Ｓ３と比較した とき位置エラーが生じていなくても、ＴＶカメラ１２からのビデオ信号Ｓ２を設 定照射野信号Ｓ３と比較したとき位置エラーが生じていれば照射不能信号Ｓ４又 は照射停止信号Ｓ５を照射制御装置１７に送って放射線の照射を不能とし、ある いは停止させるので、ポテンショメータ１５に故障が生じ、位置信号Ｓ１に誤差 が生じた場合でも安全性が確保される。

【００１４】 図２は、前記位置比較回路１６の具体的構成例を示すブロック図である。この 図２において、前記ビデオ信号Ｓ２はビデオ信号処理回路１６ａによりＡ／Ｄ変 換などの処理によりデジタル画像データからなる実照射野位置信号Ｓ２ｄに変換 され、ＣＰＵなどからなる位置エラー検出回路１６ｂに与えられる。

【００１５】 位置エラー検出回路１６ｂには前記ポテンショメータ１５からの位置信号Ｓ１ 及び設定照射野信号Ｓ３も与えられており、ポテンショメータ１５からの位置信 号Ｓ１及びＴＶカメラ１２からのビデオ信号Ｓ２を、設定照射野信号Ｓ３と常時 比較している。そして、位置エラー時、それが照射前であるならば照射不能信号 Ｓ４を、照射中であるならば照射停止信号Ｓ５を、Ｉ／Ｏポート１６ｃを介して 照射制御装置１７に送り、放射線の照射を不能とし、あるいは停止させる。

【００１６】 ここで、前記ポテンショメータ１５からの位置信号Ｓ１を設定照射野信号Ｓ３ と比較したとき位置エラーが生じていなくても、ＴＶカメラ１２からのビデオ信 号Ｓ２を設定照射野信号Ｓ３と比較したとき位置エラーが生じていれば照射不能 信号Ｓ４又は照射停止信号Ｓ５を照射制御装置１７に送ることは上述した通りで ある。

【００１７】 なお上述実施例において、照射ヘッド２のシートセット部にシート１４をセッ トしない限り放射線の照射を不能とすれば、安全性がより高められる。

【００１８】

【考案の効果】

以上説明したように本考案によれば、従来から備わる位置測定器（第１の位置 測定手段）に加えて第２の位置測定手段を付加し、第１の位置測定手段による実 照射野を設定照射野と比較したとき位置エラーが生じていなくても第２の位置測 定手段による実照射野を設定照射野と比較したとき位置エラーが生じているとき には、放射線を照射停止あるいは照射不能とするようにしたので、安全性がより 向上するという効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案装置の一実施例の要部を示す構成図であ
る。

【図２】図１中の位置比較回路の具体的構成例を示すブ
ロック図である。

【図３】放射線治療装置の概略構成を示す図である。

【符号の説明】

１ コリメータ ２ 照射ヘッド ５ アイソセンタ １２ ＴＶカメラ １３ フィールドライト １４ シート １５ ポテンショメータ １６ 位置比較回路 １７ 照射制御装置 Ｓ１ ポテンショメータからの位置信号 Ｓ２ ＴＶカメラからのビデオ信号（位置信号） Ｓ３ 設定照射野信号 Ｓ４ 照射不能信号 Ｓ５ 照射停止信号 １６ａ ビデオ信号処理回路 １６ｂ 位置エラー検出回路 １６ｃ Ｉ／Ｏポート

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】予め設定した照射野（設定照射野）と実際
   に設定された照射野（実照射野）との間に相違（位置エ
   ラー）があるときに、放射線を照射停止あるいは照射不
   能とする位置比較手段を備え、前記実照射野の測定手段
   として、放射線の照射野を設定するコリメータに連動す
   る位置測定器を備えた放射線治療装置において、前記実
   照射野の測定手段として、前記コリメータによる放射線
   の照射野の変化に応じて変化する光照射野を得る光源、
   シート及びそのシートに映し出された光照射野を写すＴ
   Ｖカメラを備えてなる第２の位置測定手段を備え、前記
   位置比較手段は、前記位置測定器による実照射野を設定
   照射野と比較したとき位置エラーが生じていなくても、
   前記第２の位置測定手段による実照射野を設定照射野と
   比較したとき位置エラーが生じているときには放射線を
   照射停止あるいは照射不能とすることを特徴とする放射
   線治療装置。