JPH0590459U - 光量制御装置 - Google Patents
光量制御装置Info
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- JPH0590459U JPH0590459U JP3366092U JP3366092U JPH0590459U JP H0590459 U JPH0590459 U JP H0590459U JP 3366092 U JP3366092 U JP 3366092U JP 3366092 U JP3366092 U JP 3366092U JP H0590459 U JPH0590459 U JP H0590459U
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Abstract
(57)【要約】
【目的】一様な力量で滑らかな絞り羽根の変位が行われ
得、ひいては光量制御装置としての光学的な機能を損な
うことない光量制御装置を提供することを目的とする。 【構成】少なくとも、部分的に重畳するようにして所定
の相対変位が可能なように設けられた複数の遮光羽根
2,4と、この複数の遮光羽根2と4との間の上記重畳
する部分に介挿するようにして設けられた自己の表面が
上記遮光羽根2,4よりも滑らかなスペーサ部材3とを
具備する。
得、ひいては光量制御装置としての光学的な機能を損な
うことない光量制御装置を提供することを目的とする。 【構成】少なくとも、部分的に重畳するようにして所定
の相対変位が可能なように設けられた複数の遮光羽根
2,4と、この複数の遮光羽根2と4との間の上記重畳
する部分に介挿するようにして設けられた自己の表面が
上記遮光羽根2,4よりも滑らかなスペーサ部材3とを
具備する。
Description
【0001】
本考案は、光量制御装置、詳しくは、カメラ,ビデオカメラ等に用いられ、絞 り羽根同士の接触による負荷変動を防止できる光量制御装置に関する。
【0002】
近年、カメラ,ビデオカメラ等に用いられる光量制御装置は、コスト低減や小 型化のために2枚の絞り羽根を用いて絞り開口を調整して光量制御を行う方式が 一般化している。
【0003】 図4は、従来のビデオカメラにおける光量制御装置たる虹彩絞りの分解斜視図 である。図5は、上記図4の従来の虹彩絞りを被写体側より見たときの正面図を 示す。
【0004】 図4に示すように、地板104の撮像面側(P方向)下部にはモータ105が 配設され、また、該地板104の下部に形成された凹部には上記モータ105の ロータに一体的に取り付けられた駆動レバー125が、コイルばね124により 所定方向に付勢された状態で収納されている。絞り羽根103は上記地板104 の被写体側に形成された、適宜な深さを有する凹部104aにて突出したリブ群 117であるリブ117a,リブ117b,リブ117cと、押さえ板101の 撮像面側にて突出したリブ群107であるリブ107a,リブ107b,リブ1 07cとにより、光軸Oに対して適切な位置に配置されるように摺動自在に保持 されている。
【0005】 同様に絞り羽根102も、上記地板104の上記凹部104aにて突出したリ ブ群118であるリブ118a,リブ118b,リブ118cと、押さえ板10 1の撮像面側に突出したリブ群108であるリブ108a,リブ108b,リブ 108cとにより、光軸Oに対して適切な位置に配置されるように摺動自在に保 持されている。また、上記絞り羽根103,絞り羽根102のそれぞれに設けら れたガイド孔115,ガイド孔112には上記地板104より突出したピン11 9,ピン120がそれぞれ係合し、一方で、上記絞り羽根103の軸孔116, 上記絞り羽根102の軸孔111には、それぞれ上記駆動レバー125に設けら れたピン122,ピン123が嵌挿している。これにより、上記モータ105の ロータに連動して駆動する上記駆動レバー125の回動により、上記絞り羽根1 03,絞り羽根102は、光軸Oに対して垂直な面内においてそれぞれ対向上下 方向に摺動し、該絞り羽根103の開口調整部113と、該絞り羽根102の開 口調整部109とにより所望の絞り開口を実現することが可能となっている。
【0006】 次に、図6に、ビデオカメラにおける虹彩絞りを電気的に制御するシステムの ブロック図を示す。レンズ151を透過した被写体光は各絞り羽根の開口調整部 で形成された虹彩絞り開口部152を通り撮像素子153へと導かれる。該撮像 素子153からの出力信号は輝度検出回路154に入力されるとともに、図示し ない撮像系にも送られ信号処理される。
【0007】 上記輝度検出回路154で検出された輝度信号Sig1は誤差増幅回路155 に入力され絞り基準信号との差が増幅される。そして、該誤差増幅回路155の 出力信号に基づき、駆動回路156から駆動信号が出力することにより虹彩絞り のモータ157が駆動されて虹彩絞りの開口が制御される。
【0008】 すなわち、絞り開口は上記絞り基準信号=輝度信号Sig1となるように、つ まり上記撮像素子153への入射光量が一定値になるように絞り開口が閉ループ 制御される。
【0009】 ところで、このような虹彩絞り絞り装置に関し、実開平1−73833号公報 ,実開平2−48929号公報等には、絞り羽根同士の不要な緩衝を避ける提案 がなされている。
【0010】 上記実開平1−73833号公報における技術手段は、図5に示すように、虹 彩絞りの開口部が開く方向に駆動された際、絞り羽根103(図5中、2点鎖線 で示す)の縁部113aと、絞り羽根102(図5中、点線で示す)の縁部10 2aとが図面に対して前後方向で干渉し、動作不良を起こすため該絞り羽根10 2に傾斜部132と突出部131とを設けるとともに(図5中、斜線で示された 部分を追加)、絞り羽根103に膨出部130を設け(図5中、網線で示された 部分を削除)、それぞれの絞り羽根が干渉し、食いつきを起こさないよう構成さ れている。
【0011】 しかし、上記絞り羽根102,103の表面は光の反射防止のため、ミクロ的 に見ると凹凸形状に形成されている。上記実開平1−73833号公報のおける 技術手段においては、絞り羽根同士が常に接触する構成を有しているので、該絞 り羽根表面の凹凸面同士の干渉が同絞り羽根駆動中に発生して負荷の変動が起こ り、スムーズな開口制御が行えなくなっている。
【0012】 上記実開平2−48929号公報には、上述したような絞り羽根同士の接触を 防ぐ技術手段が開示されている。すなわち、上記図4にて示した各絞り羽根を保 持するためのリブの高さを工夫することにより、各絞り羽根が接触しないよう構 成されている。
【0013】 絞り羽根103の被写体側方向(Q方向)への位置他規制はリブ群107によ り行われている。一方、絞り羽根102の撮像面側方向への位置規制は、リブ群 118により行われている。このとき、絞り羽根同士が接触しないように上記地 板104より突出したリブ群118の高さと、押さえ板101より突出したリブ 群107の高さとの和が、該押さえ板101と該地板104との絞り羽根収納部 の間隔より大きくなるように構成してある。さらに、絞り羽根103はリブ群1 07とリブ群117との、絞り羽根102はリブ群118とリブ群108との間 隔内でそれぞの羽根が駆動されるようになっているため、上記リブ群107とリ ブ群117,およびリブ群118とリブ群108との間隔は、絞り羽根の厚みに 対してクリアランスを設け設定してある。
【0014】 このことを図7を用いて説明する。図7は、図5におけるB−B部の断面図を 示す。
【0015】 このとき、図7において、押さえ板101と地板104との取り付け基準面1 21(図4参照)からのリブ107a,107bの頂点までの距離をh1と、同 様にリブ117a,117bまでの距離をh2とする。また、絞り羽根の厚さを tとし、リブ117a,リブ117bとリブ107a,107bとの各頂点間の 差をt´としたとき、これら、絞り羽根厚さtと各頂点間の差t´との差をsと する。
【0016】 通常のh1の部分の寸法公差D1は、上記押さえ板101が金属製のプレス部 品であることが一般的なことから±0.05mmほどである。一方、h2の部分 の寸法公差D2は、通常、上記地板104が樹脂製のモールド成型部品であるこ とから、同様に±0.03mm程度である。
【0017】 ここで、上記リブ各頂点間の差t´の寸法のばらつき、公差D3を求めてみる と t´の寸法のばらつき=公差D3 =公差D2−公差D1 =(±0.03)−(±0.05) =±0.08(mm) 程になる。
【0018】 ところで、絞り羽根の厚みの寸法公差D4は、精度が良く、一般的に、±0. 005mm程度のものが使われる。したがって、絞り羽根厚さtと各頂点間の差 t´との差sの寸法のばらつきは、 sの寸法のばらつき=公差D3−公差D4 =(±0.08)−(±0.005) =±0.085(mm) 程となっている。
【0019】 つまり、sの寸法のばらつきは、各リブの高さと絞り羽根の厚さのばらつきに より、各絞り羽根の位置が光軸方向に±0.085mm程ばらつくことを示して いる。
【0020】 以上、説明したのは、上記絞り羽根103に関してであるが、同様なことが上 記絞り羽根102についてもいえる。
【0021】 ところで、光学的な見地に立ち、絞り羽根の位置を考えた場合、これらの間隔 は少ない方がよいのは言うまでもない。
【0022】 したがって、このことを考慮して各絞り羽根がそれぞれ接触しないように、上 記絞り羽根同士の間隔を公差を考慮しない称呼寸法で0.2mm程度になるよう に、リブ群118とリブ群107の各突出高さを設定している。こうすることに より、sの寸法ばらつきから絞り羽根同士の間隔は、最小0.03mm〜最大0 .37mmの間にくるようになる。
【0023】 ところで、絞り羽根は通常ポリエステルなどの樹脂フィルムで作成され、その 厚さが0.05mm〜0.15mm程度で非常に薄く弾性変形しやすい。また、 それぞれの絞り羽根を接触しないよう突出させた各リブも、リブ群118は駆動 部材たる絞り羽根103と、また、リブ群107も同様に絞り羽根102と干渉 しない位置に設置する必要があるため、リブを突出すべき位置の規制を受けるこ ととなる。さらに、前述したようにsの寸法ばらつきがレンジで0.17も発生 することになる。これらのことから、各絞り羽根は図7に2点鎖線で示すように 変形、あるいは、ねじれ等が生じて上述したように必ずしも2枚の絞り羽根間に クリアランスが生じるとは限らない。したがって、このような虹彩絞りが搭載さ れたビデオカメラにおいては、使用者がパンニングしたり、移動しながら撮影す るといった場合、絞り羽根自身に外力によるモーメント(図7中、符号Mで示す )が発生して該絞り羽根自身にねじれ,弾性変形等が発生し、虹彩絞りの作動中 に該絞り羽根同士が接触する虞が多分にある。
【0024】 したがって、絞り羽根同士の接触回避には該絞り羽根の間隔を、たとえば0. 2mm以上に設定しなくてはならない。しかしながら、上記寸法に設定すると光 学的には必要以上に絞り羽根の間隔が離れ、レンズ内の結像位置におかれた撮像 部の画面周辺部に入る光線をけってしまい結果的に虹彩絞りではなく視野絞りと なり、必要以外の機能を有することになる。
【0025】
以上のことを整理すると、従来においては、 1.絞り羽根同士を接触するよう保持すると、絞り羽根の表面は光の反射防止の ため、ミクロ的に見ると凸凹形状に形成されているので、絞り羽根表面の凹凸面 同士の干渉が絞り羽根の駆動中に発生して負荷の変動が起こり、スムーズな開口 制御が行えなくなる。
【0026】 2.絞り羽根同士の接触を回避しようとして、地板、および押さえ板よりリブを 突出させた場合、絞り羽根の材質および各絞り羽根を保持する各リブ群の突出位 置の制限を受けるため、使用状態によっては接触が避けられず負荷変動が起こる 。
【0027】 3.完全な接触回避には、各絞り羽根の間隔を必要以上に離さなくてはならず、 虹彩絞りとしての光学的機能を損なう。
【0028】 等の問題点がある。
【0029】 補足までに、負荷変動がおよぼす影響について以下に説明する。
【0030】 結果的には、虹彩絞りの動作中に発生する一時的な負荷変動は、発生したとき にはそれに打ち勝つように図6で示した駆動信号が瞬間的に大きくなるので、次 の瞬間、該負荷変動がなくなると上記駆動信号は通常の負荷発生に見合った信号 量より大きくなり、絞り羽根としては目標の開口に対して行き過ぎた位置まで移 動されることになる。そしてその後、目標の絞り開口に制御される。
【0031】 したがって、撮像素子153(図6参照)へ入射する被写体光量の変化が生じ たときに一定なレベルに達するまで長い時間を要したり、また、絞り羽根の動作 中に負荷変動が多数回生じるとハンチングを起こして正常な被写体記録がなされ なかったり、適切な露光量が得られなくなるという重大な問題点が発生する虞が ある。
【0032】 本考案はかかる問題点に鑑みてなされたものであり、一様な力量で滑らかな絞 り羽根の変位が行われ得、ひいては光量制御装置としての光学的な機能を損なう ことない光量制御装置を提供することを目的とする。
【0033】
上記の目的を達成するために本考案による光量制御装置は、少なくとも、部分 的に重畳するようにして所定の相対変位が可能なように設けられた複数の遮光羽 根と、この複数の遮光羽根間の上記重畳する部分に介挿するようにして設けられ た自己の表面が上記遮光羽根よりも滑らかなスペーサ部材とを具備する。
【0034】
本考案においては、滑らかなスペーサ部材を複数の遮光羽根間の上記重畳する 部分に介挿するため、重畳する遮光羽根相互間の相対変位が滑らかに行われる。
【0035】
以下、図面を参照して本考案の実施例を説明する。
【0036】 図1は、本考案の第1実施例の光量制御装置を示す要部分解斜視図である。
【0037】 この第1実施例は、基本的な構成は前記従来例に準じており、該従来例にはな かったスペーサ3を絞り羽根2と絞り羽根4との間に介在して具備していること を特徴としている。
【0038】 図に示すように、撮像面側(図中、P方向)に配設された地板5の被写体側( 図中、Q方向)の面には、該地板5の側壁部38により適宜な深さを有する凹部 37が形成されている。この凹部37の中央部に円形状の開口部26が形成され ているとともに、該開口部26の下方両側部には2つの支持ピン28,29が突 設している。また、上記側壁部38の上部中央および下方両側部には、該側壁部 38の深さより若干短い深さを有する切欠27,30,31が設けられている。 なお、該凹部37には、後述するようにスペーサ3が配設されている。
【0039】 一方、該地板5の下部撮影画面側にはモータ6が配設され、また、上記凹部3 7のさらに下方に形成された凹部には該モータ6のロータに軸支されて回動する 駆動レバー7が配設されている。該駆動レバー7の一端には駆動ピン34が、ま た、他端には駆動ピン36がそれぞれ被写体側に向けて突設されている。さらに 、該駆動レバー7の軸部にはコイル状のばね35が配設されていて、上記駆動ピ ン34が下方となるよう方向に付勢されている。なお、上記駆動ピン34は、後 述する絞り羽根4の軸孔24に嵌挿し、また、上記駆動ピン36は、後述する絞 り羽根2の軸孔15に嵌挿している。
【0040】 上記スペーサ3は図2(a)の正面図に示すように、中央部の、上記地板5の 開口部26に対向する位置に開放開口決定部16が形成されている、極薄の板状 部材であり、その外形状は該地板5の凹部37に挿入されるように上記側壁部3 8の内壁面38aに干渉しない形状となっている。該スペーサ3の上部半円弧上 の中央部および下部両側縁部には、上記側壁部38の切欠27,30,31と係 合するストッパー17,18,19がそれぞれ突設して形成されており、これに より該スペーサ3は上記凹部37に若干の隙間を持って配設されているとともに 、接着等で該地板5に対して固定される。また、上記開放開口決定部16の下方 両側縁寄りには2つの係合孔20,21が穿設されていて、それぞれ上記地板5 の支持ピン28,29が嵌入することにより、該スペーサ3の光軸に対して垂直 な面内においての位置決めが行われている。
【0041】 上記スペーサ3と上記地板5の凹部37との間には、従来例と同様の形状,機 能を有する絞り羽根4が摺動自在に配設されている。該絞り羽根4には従来例と 同様な、小絞り調整部25を有する開口調整部22が形成されている。また、該 開口調整部22の一側方寄りには上下方向に縦長のガイド孔23が穿設されてい るともに、該絞り羽根4の下部突設部先端には軸孔24が穿設されている。該軸 孔24には上記駆動レバー7の一端に突設された駆動ピン34が挿通していると ともに、上記ガイド孔23には上記地板5の支持ピン28が挿通している。これ により、該絞り羽根4は上記モータ6の回動による該駆動ピン34の上下方向の スイング動作に連動して、光軸Oに対して垂直な面内において上下方向に摺動す るようになっている。そして、該絞り羽根4が上方に移動した際に、上記開口調 整部22が上記地板5の開口部26に対向する位置に配置されるようになってい る。
【0042】 一方、上記スペーサ3と後述する押さえ板1との間には、従来例と同様の形状 ,機能を有する絞り羽根2が摺動自在に配設されている。該絞り羽根2の上部に は、従来例と同様な小絞り調整部13を有する、半円形状の開口調整部12が形 成されている。また、該開口調整部12の他側方寄りには上下方向に縦長のガイ ド孔14が穿設されているともに、該絞り羽根2の下部突設部先端には軸孔15 が穿設されている。そして、該軸孔15には上記駆動レバー7の他端に突設され た駆動ピン36が挿通しているとともに、上記ガイド孔14には上記地板5の支 持ピン29が挿通している。これにより、該絞り羽根2は上記モータ6の回動に よる該駆動ピン36の上下方向のスイング動作に連動して、該ガイド孔14によ って上下方向に摺動するようになっている。そして、該絞り羽根2が下方に移動 した際に、上記開口調整部12が上記地板5の開口部26に対向する位置に配置 されるようになっている。なお、上記駆動レバー7の回動動作により、該絞り羽 根2と絞り羽根4とは互いに対向する方向に上下移動するようになっている。ま た、該絞り羽根2と上記絞り羽根4とは上記上下移動の際に、部分的に重畳、す なわち、場所的な意味による重畳、もしくは時間的な意味による重畳がなされる ようになっている。
【0043】 上記押さえ板1は、該地板5の端面38bに当接し、両側縁中央に設けられた 係合部8,9が、上記地板5の両側縁の該係合部8,9に対向する位置に設けら れた係合部32,33にスナップフィットするようになっており、該地板5の凹 部37との間で所定空間を形成する構造となっている。また、該押さえ板1中央 部の、上記地板5の開口部26に対向する位置には開口部11が形成されている 。さらに、該開口部11の下方両側部には、上記駆動レバー7の駆動ピン34, 36の回動円弧の部分形状を有するカム溝1a,1bが互いに対向する位置に穿 設されている。そして、該溝1aには上記駆動ピン36が、また、該カム溝1b には上記駆動ピン34が接触することにより、これらの支持ピンのスイング動作 を妨げないよう構成されている。
【0044】 ここで、上記スペーサ3の詳細を説明する。
【0045】 上記従来例の説明において述べたように、2つの絞り羽根は、その間の隙間が 称呼寸法で0.2mm程度、現実には、0.03〜0.37mm程度にばらつい て配置されている。したがって、上記スペーサ3の厚さも0.2mm程度であれ ば光学的に実用上問題は生じない。また、該スペーサ3の材質としては、金属で あれば上述した0.2mm程度の薄さを実現するのは容易であるため採用しても 何等支障は来さないであろう。また、樹脂素材であっても適切な強度が確保でき るものであれば使用可能である。
【0046】 なお、上記地板5,押さえ板1の材質は金属材料であってもよく、また、樹脂 であってもよい。さらに、上記絞り羽根の材質は、従来例と同様にポリエステル で成形されるのが望ましいが金属材料であってもよい。
【0047】 次に、本考案の第2実施例について説明する。
【0048】 図3は、上記第2実施例の光量制御装置を示す要部分解斜視図である。
【0049】 この第2実施例は、各部材の配置構成は上記第1実施例と同様であるが、該各 部の形状が上記第1実施例と異なっている。
【0050】 図に示すように、撮像面P方向側に配設された地板45は、被写体Q方向側に 側壁部72により適宜な深さを有する凹部78が形成された短円筒形状の部材で ある。該凹部78の中央部には突状切欠部67を有する円形状の開口部66が形 成されているとともに、該開口部66の下方両側部には2つの支持ピン69,7 0が突設している。なお、該凹部78には、後述するようにスペーサ43が配設 されている。
【0051】 一方、該地板45の下部撮像面P方向側にはモータ46が配設されている。該 モータ46は、該モータ46と一体に形成されたフランジ75の先端部において ビス76により上記地板45に固定されている。また、該モータ46の先端部に は該モータ46に軸支され、該モータ46の回動に連動して回動する駆動アーム 77が配設されている。さらに、該駆動アーム77の先端部にはQ方向に向けて 突出している駆動ピン74が突設されている。なお、該駆動ピン74のスイング 動作は上記突状切欠部67内においてなされるようになっている。そして、該駆 動ピン74は、後述する絞り羽根44に配設されているガイド孔64に嵌挿され 、スペーサ43に配設されている溝60を介して、さらに押さえ板41に配設さ れているガイド孔56に嵌挿している。一方、図示はしてないが、上記駆動ピン 74にも上記第1実施例におけるばね35と同様な働きをするばねにより付勢力 がかけられていてもよい。
【0052】 上記スペーサ43は、中央部の、上記地板45の開口部66に対向する位置に 開放開口決定部58が形成されている極薄の円盤状部材であり、その外径は該地 板45の凹部78に嵌合するように上記側壁部72の内壁面73に沿うような形 状となっている。なお、該スペーサ43は、接着,溶着等により上記凹部78と の間で、所定空間を設けるように固着されている。また、上記開放開口決定58 の下方一側方には円状の係合孔61が、また他側方には長孔状のガイド孔59が それぞれ穿設されていて、それぞれ上記地板45の支持ピン69,70が嵌入し ている。また、上記開口部58の下方には、上記駆動ピン74の回動円弧の部分 円弧形状を有する溝60が配設されていて該駆動ピン74が挿通している。
【0053】 上記スペーサ43と上記地板45の凹部78との間には、絞り羽根44が摺動 自在に配設されている。該絞り羽根44は、先端が略半円弧形状であって基端に 設けられた軸孔65に嵌挿された上記地板45の支持ピン69を軸に回動する。 該先端部の半円弧の内径面は小絞り調整部63を有する開口調整部62が形成さ れている。また、該開口調整部62より該アームの基端側には縦長のガイド孔6 4が穿設されていて、上記駆動ピン74が嵌挿している。これにより、該絞り羽 根44は上記モータ46の回動による上記駆動ピン74の上下方向のスイング動 作に連動して、光軸Oに対して垂直な面内において軸孔65を軸に図中、矢印R 方向に摺動するようになっている。
【0054】 一方、上記スペーサ43と後述する押さえ板41との間には、絞り羽根42が 摺動自在に配設されている。該絞り羽根42は上記絞り羽根44と同様な、先端 が略半円弧形状であって基端に設けられた軸孔57に挿入された上記地板45の 支持ピン70を軸に回動する。該先端部の半円弧の内径面は小絞り調整部55を 有する開口調整部54が形成されている。また、該開口調整部54より該アーム の基端側には縦長のガイド孔56が穿設されていて、上記駆動ピン74が嵌挿し ている。これにより、該絞り羽根42は上記モータ46の回動による上記駆動ピ ン74の上下方向のスイング動作に連動して、光軸Oに対して垂直な面内におい て軸孔57を軸に図中、矢印U方向に摺動するようになっている。なお、上記駆 動アーム77の回動動作により、該絞り羽根42と絞り羽根44とは互いに対向 する方向に回動移動するようになっている。
【0055】 上記押さえ板41は中央部に開口部51を有する円盤形状の部材であって、一 側縁に設けられた位置決め孔53と他側縁に設けられた長孔52とが、上記地板 45の側壁部72の、該孔53,52に対向する位置に設けられた係合部71, 68に係合して固定している。
【0056】 上記第1実施例および第2実施例にて示した虹彩絞りにおいては、それぞれの 絞り羽根を所定位置に摺動保持するために、押さえ板の撮像素子側の面とスペー ス板の光軸に対し垂直な両面、および地板の被写体側の面で絞り羽根と面接触す るので、絞り羽根への負荷は大きい。
【0057】 しかし、絞り羽根駆動中に作用する負荷である摩擦は、絞り羽根表面の反射防 止の凹凸面と干渉しないよう絞り羽根と接触する上述の各面の加工を施すことに より、常に一定レベルで作用する。そこで、駆動源であるモータのトルク定数( 単位電流当りの発生トルク:g.mm/A)を適切に選定することなどにより、 円滑に駆動することができる。
【0058】 また、上記摩擦を減らすには、押さえ板,および地板より絞り羽根に向かって リブなどを突出させて絞り羽根との接触面積を減らすことでも実現できる。さら に、上記リブの代わりにスペース板にエッチング,塗装、もしくは、プレス加工 等により、絞り羽根との接触面側に突起部を形成しても良い。以下、該突起部に ついて説明する。
【0059】 図2(a)は上記スペーサ3を被写体側からみた正面図であり、同図(b)は 、該スペーサ3を下方よりみた断面の一部を拡大した要部拡大断面図である。
【0060】 この図2(b)からもわかるように、該スペーサ3の表裏面にはエッチング, 塗装等により凸条が連設されて凹凸面が形成されていて、上記従来例におけるリ ブの役目を果たしている。すなわち、該凸条により上記絞り羽根2,4が光軸に 対して適切な位置に配置されるように保持されるようになっている。
【0061】 同図2(c)は、プレス加工により突部を形成した例を示した断面図であり、 上記エッチング,塗装による突部と同様な役目を果たす。
【0062】 さて、一般的に絞りを絞り込むと、レンズ枠内で乱反射した光線をカットでき ること、被写体深度が上がることなどから、レンズ性能(収差、解像度)は良く なることが知られている。
【0063】 そこで、レンズ設計においては、最小Fno.時のレンズ性能を上げることに 重点を置き設計をすることが多い。この際、設計時の諸計算の簡略化のため絞り の形状は円形として設計が進められることが一般的である。
【0064】 ところで、通常、各絞り羽根の半円形状をした開口調整部には、小絞り時(F no.が大きい)に、大絞り時(Fno.が小さい)と比較してFno.の変化 率が極端に大きくならないよう膨出部(小絞り調整部)が設けてある。
【0065】 したがって、絞り羽根の開口調整部にて最小Fno.時の開口径(以下、開放 径)の決定を行う構成をとると、レンズ設計時には考慮されていなかった光線が この部分を通ることになりレンズ性能の劣化につながる。
【0066】 しかしながら、本第1実施例,第2実施例の何れの場合においても、スペーサ にて開放径の決定を行うよう構成したので、絞り開放径を完全な円形状にて実現 ができ、レンズ設計時に考慮されていない不要な光線の入射を遮ることが可能と なる。
【0067】 なお、上記第1,第2実施例で示すスペーサは、2つ以上の絞り羽根を有する 機構であれば、上述したビデオカメラの虹彩絞りに限らず、この他の光量制御手 段、シャッター等にも適用できる。また、上記第1,第2実施例では省略してい るが、小絞り時の回折現象の回避のため、絞り羽根にNDフィルターを貼布して も良い。
【0068】 このように、上記第1,第2実施例によると、前記従来例にて解説したように 、従来の絞り羽根同士の光軸方向の間隔は0.03mm〜0.37mmにばらつ くことから、それを保てるような板部材を2枚の絞り羽根の間に介在させたので 、光量制御装置の光学的な機能を損なうことなく絞り羽根同士の接触を完全に回 避でき、絞り羽根駆動中に負荷変動が発生することがない。したがって、被写体 光の変化に対し、適切に追従し、ハンチングを起こして被写体がちらついたり、 適切な露光量を得るまで、長い時間がかかったりといったことが生じない光量制 御装置が実現できる。
【0069】
以上説明したように本考案によれば、一様な力量で滑らかな絞り羽根の変位が 行われ得、ひいては光量制御装置としての光学的な機能を損なうことない光量制 御装置を提供できるという効果がある。
【図1】本考案の第1実施例の光量制御装置を示す要部
分解斜視図。
分解斜視図。
【図2】(a)は上記第1実施例におけるスペーサを被
写体側からみた正面図、(b)は該スペーサを下方より
みた断面の一部を拡大した要部拡大断面図、(c)は上
記スペーサの突部形成の別の例を示した要部拡大断面
図。
写体側からみた正面図、(b)は該スペーサを下方より
みた断面の一部を拡大した要部拡大断面図、(c)は上
記スペーサの突部形成の別の例を示した要部拡大断面
図。
【図3】本考案の第2実施例の光量制御装置を示す要部
分解斜視図。
分解斜視図。
【図4】従来のビデオカメラにおける光量制御装置たる
虹彩絞りの分解斜視図。
虹彩絞りの分解斜視図。
【図5】上記図4の従来の虹彩絞りを被写体側より見た
ときの正面図。
ときの正面図。
【図6】従来のビデオカメラにおける虹彩絞りを電気的
に制御するシステムのブロック図。
に制御するシステムのブロック図。
【図7】上記図5におけるB−B部の断面図。
1…押さえ板 2,4…絞り羽根 3…スペーサ 5…地板 6…モータ 7…駆動レバー
Claims (1)
- 【請求項1】少なくとも、部分的に重畳するようにして
所定の相対変位が可能なように設けられた複数の遮光羽
根と、 この複数の遮光羽根間の上記重畳する部分に介挿するよ
うにして設けられた自己の表面が上記遮光羽根よりも滑
らかなスペーサ部材と、 を具備したことを特徴とする光量制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3366092U JPH0590459U (ja) | 1992-05-21 | 1992-05-21 | 光量制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3366092U JPH0590459U (ja) | 1992-05-21 | 1992-05-21 | 光量制御装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0590459U true JPH0590459U (ja) | 1993-12-10 |
Family
ID=12392609
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3366092U Withdrawn JPH0590459U (ja) | 1992-05-21 | 1992-05-21 | 光量制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0590459U (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009014849A (ja) * | 2007-07-02 | 2009-01-22 | Nidec Copal Corp | 絞り装置 |
JP2010204693A (ja) * | 2010-06-21 | 2010-09-16 | Sony Corp | 光量調整装置 |
JP2015102589A (ja) * | 2013-11-21 | 2015-06-04 | リコーイメージング株式会社 | 絞り羽根及びそれを備える絞り機構 |
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EP4283398A1 (en) * | 2022-05-26 | 2023-11-29 | Largan Precision Co. Ltd. | Light pass aperture module, camera module and electronic device |
-
1992
- 1992-05-21 JP JP3366092U patent/JPH0590459U/ja not_active Withdrawn
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