JPH0590083U - 配管用クランプバンド - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ２本の配管をその端部に設けたフランジで互
いに接合するために使用する配管用クランプバンドにお
いて、フランジの間隔が開いていても固定が可能で、か
つパッキンの老化等による該パッキンの肉厚の変化にも
簡単に対応できるようにする。 【構成】 配管の端部に設けたフランジの円周のほぼ半
分に係合する円弧状部材を二つピンで回動自在に連結し
て、閉じた状態でフランジの全周を取り囲む環状体とな
るバンド状保持具とし、該保持具を間隔をおいて２組重
ね合わせて、それぞれの対応する自由端部同士を共通の
軸にスライド可能に取り付けるとともに、両側の自由端
部の軸同士を互いに連結固定することのできる固定手段
と、前記２組の保持具をその間隔が狭められる方向に締
めつけることのできる締め付け手段とを設けた。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、建屋の衛生施設等の配管を接続するために使用するに適した配管用 クランプバンドに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

流体の配管をつなぎ合わせる場合は、配管の端部に一体に設けたフランジ（ヘ ル−ル）同士をパッキンを挟んで突き合わせ、環状のクランプバンドで締め付け て接合している。この種のクランプバンドは、内側に溝状の凹部が形成された外 形が円弧状の部材を２個回動自在に連結したもので、フランジの接合部を内包さ せてその自由端部同士をネジで締め付けることにより、クランプバンドの円周を 小さくしてフランジ同士を固定するようになっている。

【０００３】 上記従来のクランプバンドは、接合部の厚みに制限があり、例えばフランジ同 士の間隔が２ｍｍ程度開くと取り付けが非常に困難となるという問題点があった 。また、フランジ間に入れるパッキンの老化等により液漏れが発生した場合、増 閉めを行うにも限界があり、液漏れを防止することができなくなることが多かっ た。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は、上記従来のクランプバンドの問題点を改良し、フランジの間隔が開 いていても固定が可能で、かつパッキンの老化等による該パッキンの肉厚の変化 にも簡単に対応できるようにすることを課題としている。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上記課題を解決するため、本考案は次のような構成を採用した。すなわち、本 考案にかかる配管用クランプバンドは、２本の配管をその端部に設けたフランジ で互いに接合するために使用する配管用クランプバンドであって、フランジの円 周のほぼ半分に係合する円弧状部材を二つピンで回動自在に連結して、閉じた状 態でフランジの全周を取り囲む環状体となるバンド状保持具とし、該保持具を間 隔をおいて２組重ね合わせて、それぞれの対応する自由端部同士を共通の軸にス ライド可能に取り付けるとともに、両側の自由端部の軸同士を互いに連結固定す ることのできる固定手段と、前記２組の保持具をその間隔が狭められる方向に締 めつけることのできる締め付け手段とを設けたことを特徴としている。

【０００６】

【作用】

２組のバンド状保持具を重ね合わせたものをフランジによる接合部を取り囲む ように配置して、その自由端部に設けた軸同士を連結固定することにより環状化 する。この状態で、締め付け手段で締め付けることにより両保持具の間隔を狭め ると、フランジ同士が互いに接近する方向に締め付けられる。

【０００７】

【実施例】

以下、図面に表された実施例について説明すると、この配管用クランプバンド １は、円弧状部材２を連結具３でつなぎ合わせたバンド状の保持具４を二組間隔 をおいて結合してなる。円弧状部材２は、図３に示すように断面カギ型に形成さ れ、両端部には突出片２ａ，２ｂが一体に形成されている。基部側の突出片２ｂ は、連結具３にピン５で回動自在に枢着されている。また、自由端側の突出片２ ａは、上下の保持具４，４に共通の軸７または９に枢着されている。

【０００８】 上記軸７の中間部には、大径の固定部１０が設けられ、これに直角方向に突出 する螺子軸１２が固着されている。この螺子軸には、ナット１３が螺着され、固 定手段を構成している。また、反対側の軸９の中間部には円弧状の切欠部１４が 設けられている。さらに、上記円弧部材２の外面には半径方向に張出する張出部 １５が設けられ、この部分に通孔１６が穿設されている。

【０００９】 上記間隔をおいて上下に重なり合う一対の円弧状部材２，２の通孔１６，１６ には、両円弧状部材を貫通する縦方向の螺子棒１７がそれぞれ挿通されている。 円弧状部材の重なり合いは左右に一組ずつあるので、螺子棒１７は２本設けられ ている。これら螺子棒１７の下端部にはフランジ状の抜け止め１７ａがそれぞれ 設けられ、上端部には締めつけナット１９が螺着されて、締め付け手段を構成し ている。

【００１０】 このクランプバンド１は、図４に示すような配管２０，２０のフランジ２１， ２１による接続部Ｃを包含するように取り付けられる。フランジ２１，２１の間 には、パッキン２２が介装される。クランプバンド１の取り付けは、締め付けナ ット１９を緩めて両保持具４，４の間隔Ｓを十分大きくした状態で接続部Ｃの回 りを取り囲むように左右の円弧状部材の対を連結具３のピン５を中心に回動させ 、両方の自由端を固定する。この固定は、螺子軸１２をピン９側に回動させて切 欠部１４に係合させ、ナット１３を締め付けることにより行われる。

【００１１】 この操作により、クランプバンド１が環状となって固定される。つぎに、締め 付けナット１９，１９を締め付けると、上下の保持具４，４が互いに接近する方 向にピン７，９に沿ってスライドし、両者の間隔が狭められる。このため、両フ ランジ２１，２１やパッキン２２の肉厚が変化しても効果的に締め付けることが できるのである。長時間の使用により、パッキンの肉厚が薄くなった場合は、ナ ット１９を増締めすることにより、液漏れを防ぐことができる。

【００１２】

【考案の効果】

以上の説明から明らかなように、本考案にかかるクランプバンドは、フランジ による配管の接合部を取り巻いて締め付け固定する固定手段と、その軸方向の間 隔を締め付けて調節する締め付け手段が設けられているので、寸法の異なるフラ ンジに対する適応性が向上するとともに、必要により適宜軸方向の締め付けを行 って、パッキンの寸法変化に対処することが可能となった。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を表す正面図である。

【図２】その下面図である。

【図３】図２におけるＸ−Ｘ断面図である。

【図４】配管接続部の説明図である。

【図５】閉じた状態を表す下面図である。

【符号の説明】

１ クランプバンド ２ 円弧状部材 ３ 連結具 ４ 保持具 ５ ピン ７ 軸 ９ 軸 １２ 螺子軸 １３ ナット １４ 切欠部 １７ 螺子棒 １９ ナット ２０ 配管 ２１ フランジ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ２本の配管をその端部に設けたフランジ
   で互いに接合するために使用する配管用クランプバンド
   であって、フランジの円周のほぼ半分に係合する円弧状
   部材を二つピンで回動自在に連結して、閉じた状態でフ
   ランジの全周を取り囲む環状体となるバンド状保持具と
   し、該保持具を間隔をおいて２組重ね合わせて、それぞ
   れの対応する自由端部同士を共通の軸にスライド可能に
   取り付けるとともに、両側の自由端部の軸同士を互いに
   連結固定することのできる固定手段と、前記２組の保持
   具をその間隔が狭められる方向に締めつけることのでき
   る締め付け手段とを設けたことを特徴とする配管用クラ
   ンプバンド。