JPH0585758B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、施工されるタイルやレンガの目地に
モルタルを充填する場合等に用いるモルタルポン
プの構成に関する。

［従来の技術］ タイルやレンガの施工を行つた場合は、モルタ
ルやセメント等をその目地に充填しなければなら
ない。

この様な目地は、細く長い溝状に形成されるた
め、ほとんどが手作業であり、また、熟練者でな
いと美しい仕上りが期待できなかつた。

このため、壁や床等の大きな面積に対して目地
充填の作業は、施工上の最大の難点であつた。

この様な作業を容易にするため、ポンプ等の機
械を用いてモルタル等の材料を移送することが試
みられており、連続的に大量の材料が任意の場所
に移送でき、そのまま目地にモルタルなどを充填
することで美しい仕上りが期待できるものが試み
られている。

しかしながら、作業が断続することになると、
モルタルやセメントは、短時間の内に硬化する性
質があり、ポンプ等の停止の後に硬化して次の使
用を不可能にするといつた問題点があつた。

［発明が解決しようとする課題］ 本発明は、このような事情に鑑みてなされたも
のであり、使用、中止を繰り返した場合にも確実
な動作が期待できるモルタルポンプを提供するこ
とを目的としている。

［課題を解決するための手段］ 本発明は、モルタルホツパーからスクイズ式ポ
ンプを介してノズルを備え、前記ポンプの動力を
回転制御可能な電動機で構成し、この回転制御を
起動時に高速回転させると共に停止時に短い時間
の間逆転させるよう構成し、前記ポンプの逆転と
高速回転の回転角度をほぼ同じにしたことによつ
て問題点を解決している。

［作用］ モルタルの移送を中止した際、ポンプを駆動し
ている電動機の回転を逆転し、モルタルに発生し
ている移送のための圧力を解除する。

これにより、モルタルの保存を低圧力にして硬
化を遅らせて次の使用までに硬化することを少な
くする。

そして、次の使用に際して、電動機の起動時に
回転を高速にしてモルタルの移送速度を上げて若
干硬化したモルタルの移送を容易にすると共に停
止時の逆転によつて発生している空間の解消を促
進する。

［実施例］ 本発明を図面に示された一実施例に基づいて説
明すると、第１図は、本発明によるモルタルポン
プの要部を示した正面図であり、第２図は、その
構成を示す図である。

第１図において、スクイズ式ポンプ１の吸込み
側にモルタル等の目地に充填される材料が収容さ
れるモルタルホツパー２が備えられている。

そして、吐出側には、ホース３を介してノズル
４が設けられており、モルタルホツパー２に収容
されるモルタル等の材料がノズル４から排出され
るように構成されている。

さらに、スクイズ式ポンプ１は、ポンプ用のホ
ース５に３個のローラ６が設けられており、電動
機７によつて回転するよう構成されている。

第２図において、スクイズ式ポンプ１は、電動
機７が設けられており、電動機７には、回転数を
制御する制御機８が設けられている。

制御機８は、電動機７の起動時に回転数が高く
なり、停止時には短い一定時間の間だけ逆転をす
るように構成されており、電動機７あるいはスク
イズ式ポンプ１の回転角度が起動時の高速回転と
停止時の逆転とで同じになるように構成されるも
のである。

このような構成において、モルタルポンプは、
モルタルホツパー２に目地充填用のモルタルある
いはセメント等の材料を収める。

そして、電動機７を駆動すると、電動機７が回
転してモルタルホツパー２のモルタルをスクイズ
式ポンプ１によつて吸込み、ホース３を介してノ
ズル４に移送する。

さらに、電動機７は、一定時間高速回転すると
普通速度により回転し、ノズル４から定量のモル
タルを吐出するように動作する。

モルタルの目地に対する充填は、ノズル４から
吐出されるモルタルを目地に当てがい、目地にモ
ルタルを充填しながら、できれば充填されたモル
タルをノズル４の先端等によつて目地に押し込
み、露出面が滑かになるように仕上げる。

そして、充填が終了し、あるいは、作業を中断
する場合は、電動機７を停止する。

電動機７は、停止されると制御機８によつて逆
転を行いノズル４に対して圧力を加えていたスク
イズ式ポンプ１の吐出圧力が解除されてホース３
等の内部に残留するモルタルは圧力を受けないで
滞留することになる。

したがつて、モルタルやセメントの性質上、圧
力を受けないで滞留すると硬化する時間が促進さ
れることなく、暫くは、柔かい状態でホース３等
の内部に滞留して残ることになる。

このため、一定時間作業を中止するのに際して
ホース３等の内部の清掃を行う必要がなく、また
起動時に高速で運転されるため、多少モルタルが
硬化しても移送障害を発生することがなく、さら
に、逆転によつて生じるノズル４からの空気吸込
み等に対応して初期の移送速度が上げられるた
め、作業に対応しやすく、作業上の都合が極めて
良好になる。

この様な停止時の逆転量については、スクイズ
式ポンプ１の回転角度を検出して制御機８に電動
機７を制御させるか、あるいは、電動機７等の回
転数量を記憶させておき、逆転と同じ量を高速回
転させることによつてスクイズ式ポンプ１の正転
と逆転との回転角度を同じにすることができ、容
易に実現することができる。

また、電動機７の制御を行うには、電動機７の
回転制御に関してタイマーを用いる方法、あるい
は、スクイズ式ポンプ１の回転角度の検出等種々
方法が考えられるが、ホース３の長さあるいはホ
ース３の弾力性等の条件によつては逆転より起動
時の高速回転の時間を長くする場合が好ましいと
いつたことも起こり得る。

そして、停止時と起動時の時間あるいは回転角
度の設定は、実験的に求めるのが結果的に好まし
いようであり、電動機７の種類によつても慣性に
よる回転が見込まれるものでは、その回転を考慮
して逆転および高速回転を設定する必要がある。

［発明の効果］ 本発明によれば、モルタルの性質上圧力が加わ
つている場合、僅かな停止時間において硬化が開
始されるのをスクイズ式ポンプの停止時の逆転
と、起動時の高速回転とによつて問題を解消し、
作業性が良好になる外、一定時間の作業の中断が
可能になり、確実な目地の充填が行えるといつた
大きな効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明によるモルタルポンプの要部
を示した正面図であり、第２図は、その構成を示
す図である。 １…スクイズ式ポンプ、２…モルタルホツパ
ー、４…ノズル、７…電動機、８…制御機。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ スクイズ式ポンプを用いてモルタルを移送す
   るモルタルポンプにおいて、モルタルホツパーか
   らスクイズ式ポンプを介してノズルを備え、前記
   ポンプの動力を回転制御可能な電動機で構成し、
   この回転制御を起動時に高速回転させると共に停
   止時に短い時間の間逆転させるよう構成し、前記
   ポンプの逆転と高速回転の回転角度をほぼ同じに
   したことを特徴とするモルタルポンプ。