JPH0585366U - 理髪用鋏における枢着部の構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 理髪用鋏の開閉操作を軽快に行えるようにす
る。する。 【構成】 刃体１、２の枢着部である平部４、５を小間
隔19を存して枢軸３により回動自在に枢着すると共に、
一方の平部４上に配設した支持板片７の中央部に前記枢
軸３の上端部を回動自在に装着し、この支持板片７の一
端部を支軸８により平部４の枢着すると共に他端部に螺
通させた調整螺子９の先端を平部４上に当接させて、該
調整螺子９の回動操作により前記枢軸３を長さ方向に微
動させ、刃体１、２の平部４、５間の間隔を微調整可能
に構成している。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、理容店や美容店で使用される理髪用鋏の改良に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来の理髪用鋏は、図４に示すように、刃体Ａ、Ｂの基部に形成している平部 Ｃ、Ｄ同士を互いに接触した状態にして枢軸Ｅにより回動自在に枢着すると共に 該平部Ｃ、Ｄから先端に向かって刃体Ａ、Ｂを互いに接近する方向に撓ませて両 刃体Ａ、Ｂを閉止した状態においてはその先端部で互いに噛合Ｆさせ、該噛合部 Ｆから平部Ｃ、Ｄ間においては両刃体Ａ、Ｂの対向面間には僅かな隙間Ｇが存在 した状態となっている。そして、刃体Ａ、Ｂを開閉させてその噛合部Ｆを移動さ せながら該噛合部Ｆで頭髪の切断を行っている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、上記のような構造では、両刃体Ａ、Ｂの平部Ｃ、Ｄ同士が密接 しているために、開閉操作が重くなって疲労が増大し、長時間の理髪作業が行え なくなるものであり、さらに、頭髪を切断する上記噛合部Ｆの噛合圧力は両刃体 Ａ、Ｂの撓み量によって一定に設定されているため、使用者の癖や開閉力に対応 させることができず、使用者に適した理髪用鋏が得難いという問題点があった。 本考案はこのような問題点に鑑みてなされたもので、開閉操作が円滑に行えると 共に両刃体の噛合圧力を使用者に応じて調整可能にした理髪用鋏における枢着部 の構造を提供するものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために本考案の理髪用鋏の枢着部は、刃体１、２の基部に 形成している平部４、５を枢軸３によって回動自在に枢着してなる理髪用鋏にお いて、一方の刃体１の平部４上に支持板片７を重ね合わせてその一端部を支軸８ により平部４に枢着すると共にこの支持板片７の中央部から平部４を貫通して穿 設した中心孔15、16に軸筒10を嵌合させ、該軸筒10にベアリング17を介して前記 枢軸３を挿入してその枢軸３の先端螺子部3aを対向する刃体２の平部５に螺合さ せることにより、両刃体１、２をその平部４、５間に小間隙19を存した状態で枢 着し、さらに、支持板片７の他端に調節螺子９を螺入してその先端を一方の刃体 １の平部４上に押接させた構造を有する。

【０００５】

【作用】

両刃体１、２の平部４、５は、小間隙19を存した状態で枢軸３によって回動自 在に枢着されているので、開閉操作が軽快に行えて長時間の理髪作業においても 疲労が少なくなる。又、調節螺子９を回動させると、支持板片７は支軸８を支点 として刃体１の平部４表面に対して接離する方向に微動、変位し、該支持板片７ の中央部に挿着した軸筒10に装着している枢軸３がその変位量に応じて長さ方向 に移動してこの枢軸３の先端に固着している他方の刃体２が一方の刃体１に対し て接近或いは離間する。

【０００６】 従って、両刃体１、２が接近する方向に移動すると、噛合部６の噛合圧力が増 大し、離間する方向に移動すると、噛合部６の噛合圧力が減少することになり、 使用者に適した噛合圧力に調整できる。

【０００７】

【実施例】

次に、本考案の実施例を図面について説明すると、１、２は理髪鋏の刃体で、 その基部は枢軸３によって互いに回動自在に枢着された平部４、５に形成してあ り、該平部４、５から先端に向かって互いに接近する方向に僅かに撓ませること により、刃噛合部６を形成してある。さらに、平部４、５から夫々後方に向かっ て公知のように、親指輪11と指掛輪12を夫々延設してある。

【０００８】 ７は一方の刃体１の平部４上に配設した金属板よりなる支持板片で、その一端 部を皿螺子よりなる支軸８により平部４の後端部に枢着されていると共に他端部 に螺子孔13を設けて該螺子孔13に調節螺子９を螺通させ、その先端を平部４の前 端部表面に当接させてある。上記支軸８は平部４の後端部に表面から適宜深さま で螺入して前記支持板片７の一端を枢着していると共に、その頭部8aは支持板片 ７に凹設した頭部嵌合孔14に嵌入し、支持板片７がこの支軸８を中心として撓み 方向に起伏可能なように枢着してある。

【０００９】 10は支持板片７と平部４との中央部に互いに連通するようにして穿設した中心 孔15、16に嵌合してなる軸筒で、その外周面と平部４に設けた中心孔16の内周面 間には該軸筒10が前記支軸８を中心として上下方向に摺動可能なように僅かな間 隙を設けてあり、さらに、この軸筒10内にベアリング17を介して前記枢軸３を嵌 着させてある。又、この軸筒10の上端フランジ部20を支持板片７上に当接させて ある。

【００１０】 この枢軸３の下部は平部４から下方に突出してその突出部に螺子部3aを形成し てあり、該螺子部3aを対向する他方の刃体２の平部５の中央部に設けた螺子孔18 に螺合させることにより両刃体１、２をその平部３、４間に小間隙19を存した状 態で回動自在に枢着してある。又、枢軸３の円板状頭部3bは上記軸筒10上に重な るようにして配設され、その両側部に回動用工具の係合小孔21を穿設してある。 22は調節螺子９の頭部9aの下面と支持板片７の前端部上面間に介在させたスプリ ングで、調節螺子９を常時、上方に付勢しているものである。

【００１１】 以上のように構成した理髪用鋏は、組立時又は使用前に予め枢軸３を回動して 両刃体１、２の平部４、５間に適宜な小間隔19を設けておく。即ち、枢軸３を螺 進させると、一方の刃体１の平部４に対して他方の刃体２の平部５が引き寄せら れてその間隔が小さくなるものであり、螺退させるとその間隔が大きくなる。

【００１２】 このように、両刃体１、２の平部４、５間に小間隔19を設けた状態にして両刃 体１、２を開閉させると、平部４、５同士は摺接していないから摩擦抵抗が生じ ることがなく、従って、軽快な開閉が可能となる。

【００１３】 又、理髪時等において、調節螺子９を螺進させると、該調節螺子９の先端が一 方の刃体１の平部４上に当接しているので、この調節螺子９を螺通させている支 持板片７は支軸８を支点として上方に移動し、該支持板片７の中心孔15に嵌着し た軸筒10が刃体１の平部４から突出する方向に持ち上げられると共に、この軸筒 10に挿着している枢軸３も一体的に上動し、該枢軸３の先端に螺合している他方 の刃体２が引き寄せられて両刃体１、２の平部３、４間の小間隔部19間が狭くな る。

【００１４】 これに反して、調節螺子９を螺退させると、両刃体１、２の平部３、４間の小 間隔部19間の間隔が広くなるように調整される。従って、両刃体１、２が接近す る方向に移動すると、噛合部６の噛合圧力が増大し、離間する方向に移動すると 噛合部６の噛合圧力が減少することになり、使用者に適した噛合圧力に調整でき る。

【００１５】

【考案の効果】

以上のように本考案の理髪用鋏における枢着部の構造によれば、一方の刃体１ の平部４上に支持板片７を重ね合わせてその一端部を支軸８により平部４に枢着 すると共にこの支持板片７の中央部から平部４を貫通して穿設した中心孔15、16 に軸筒10を嵌合させ、該軸筒10にベアリング17を介して前記枢軸３を挿入してそ の枢軸３の先端螺子部3aを対向する刃体２の平部５に螺合させることにより、両 刃体１、２をその平部４、５間に小間隙19を存した状態で枢着しているので、従 来の理髪用鋏のように平部４、５同士が摺接していないから、軋みの発生をなく することができるばかりでなく、刃体１、２の開閉操作が軽快に行うことができ るものであり、従って、長時間の理髪作業においても疲労を軽減させることがで きる。

【００１６】 さらに、支持板片７の他端に調節螺子９を螺入してその先端を一方の刃体１の 平部４上に押接させているので、この調節螺子９を回動操作することにより、両 刃体１、２間の隙間を微妙に調整することができ、その調整により両刃体１、２ の噛合部６の噛合圧力を使用者に適した噛合圧力に正確に調整することができ、 理髪作業が能率よく行えるものである。

【提出日】平成４年３月９日

【手続補正２】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】０００４

【補正方法】変更

【補正内容】

【０００４】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために本考案の理髪用鋏の枢着部は、刃体１、２の基部に 形成している平部４、５を枢軸３によって回動自在に枢着してなる理髪用鋏にお いて、一方の刃体１の平部４上に支持板片７を重ね合わせてその一端部を枢軸８ により平部４に枢着すると共にこの支持板片７の中央部と両刃体１、２の平部４ 、５とを該平部４、５間に小間隔１９を存した状態にして前記枢軸３により 枢着 し、さらに、支持板片７の他端に調節螺子９を螺入してその先端を一方の刃体１ の平部４上に押接させた構造を有する。

【手続補正３】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】００１５

【補正方法】変更

【補正内容】

【００１５】

【考案の効果】

以上のように本考案の理髪用鋏における枢着部の構造によれば、一方の刃体１ の平部４上に支持板片７を重ね合わせてその一端部を枢軸８により平部４に枢着 すると共にこの支持板片７の中央部と両刃体１、２の平部４、５とを該平部４、 ５間に小間隔１９を存した状態にして前記枢軸３により 枢着しているので、従来 の理髪用鋏のように平部４、５同士が摺接していないから、靴みの発生をなくす ることができるばかりでなく、刃体１、２の開閉操作が軽快に行うことができる ものであり、従って、疲労を軽減して長時間の理髪作業が可能となるものである 。

【図面の簡単な説明】

【図１】両刃体の枢着部の拡大縦断側面図、

【図２】その枢着構造を設けた理髪用鋏の平面図、

【図３】その簡略側面図、

【図４】従来の理髪用鋏の簡略側面図。

【符号の説明】

１ 刃体 ２ 刃体 ３ 枢軸 ４ 平部 ５ 平部 ６ 噛合部 ７ 支持板片 ８ 支軸 ９ 調節螺子 10 軸筒 15 中心孔 16 中心孔 19 小間隔部

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【手続補正書】

【提出日】平成４年３月９日

【手続補正１】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】請求項１

【補正方法】変更

【補正内容】

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 刃体１、２の基部に形成している平部
   ４、５を枢軸３によって回動自在に枢着してなる理髪用
   鋏において、一方の刃体１の平部４上に支持板片７を重
   ね合わせてその一端部を支軸８により平部４に枢着する
   と共にこの支持板片７の中央部から平部４を貫通して穿
   設した中心孔15、16に軸筒10を嵌合させ、該軸筒10にベ
   アリング17を介して前記枢軸３を挿入してその枢軸３の
   先端螺子部3aを対向する刃体２の平部５に螺合させるこ
   とにより、両刃体１、２をその平部４、５間に小間隙19
   を存した状態で枢着し、さらに、支持板片７の他端に調
   節螺子９を螺入してその先端を一方の刃体１の平部４上
   に押接させてなる理髪用鋏における枢着部の構造。