JPH0584989U - サインバルーン - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】サインバルーンを、安全で誰にでも簡便に取扱
いすることができるようにし、また広告媒体としての汎
用性を高める。 【構成】サインバルーン１を、底面を開口した袋状のバ
ルーン２と、該バルーン２の表面に面ファスナ７ａ，７
ｂにて着脱可能に貼着される広告シート３と、バルーン
２の底面開口部を閉塞して設けられる底板５と、該底板
５上に設置されるブロア６とで構成する。ブロア６の外
気取入れ口６ａを、バルーン２から外部に臨ませる。ブ
ロア６を運転し、外気取入れ口６ａから取入れられた外
気で、バルーン２を所定形状に膨らませる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、気体で膨らませたバルーンの表面に各種広告を表示して、屋外広告 として用いられるサインバルーンに係り、特に広告媒体としての汎用性が広く、 また安全性の高いサインバルーンを提供しようとするものである。

【０００２】

【従来の技術】

屋外での広告媒体として用いられるサインバルーンには、水素ガスやヘリウム ガス等を封入して浮力を持たせたバルーンの下にネットを吊り下げ、このネット に商品名やイベント名等を表示して建屋等に係留するアドバルーンがあり、広く は軽気球や熱気球等のバルーン表面に、各種の広告を記載して飛行させるものが 知られている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

このような構成にあっては、バルーンにガス類を充填したりバーナ等で熱気を 送給することから、未経験者では取扱うことができなかった。このため、バルー ンの取扱いは、許認可を受けた経験者や専門の業者が行なうが、これら作業や運 転は、複数の人員が時間をかけながら慎重に行なわなければならず、特に火災に 対しては細心の注意を払う必要がある。バルーンが従来広告媒体としてあまり普 及してこなかった理由として、取扱いがこのように繁雑で安全性が低く、また取 扱える者が少なかったり、宣伝費が割高であったことが大きいと思われる。

【０００４】 また、アドバルーンでは、ネットが縦長で広告面が裏表二面のみであるため、 汎用性が低く、更に軽気球や熱気球においても、広告をバルーンの表面に直書き することから、応用が図れなかった。

【０００５】 本考案は、このような実情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは 、安全で誰にでも簡便に取扱いすることができ、しかも広告媒体としての汎用性 が高いサインバルーンを提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

上述の目的に従い、本考案は、バルーンの表面に各種広告を表示して用いるサ インバルーンであって、前記バルーンの底面開口部を底板で閉塞し、該底板にバ ルーン内部へ外気を導入するブロアを取付け、該ブロアの外気取入れ口をバルー ンに開口させると共に、該バルーンの表面に、広告を表示した広告シートを面フ ァスナにて着脱可能に設けたことを特徴とするものである。

【０００７】

【作用】

上述のように構成されるサインバルーンは、デパートやスーパマーケット等の 建屋、或いはイベント地に設置される簡易店舗等の屋上のほか、地上面や地上に 据え置かれた台座等に据え置いて用いられる。この取付けでは、バルーンの底部 に内蔵されたブロアがバルーンの重垂を兼ねるので安定性があるが、好ましくは 、係留ロープを併用することにより、より安定性が向上する。

【０００８】 また、ブロアが運転されると、外気取入れ口から外気がバルーン内部へ導入さ れて行き、大気圧よりもやや高い設定の気圧によって、バルーンが所定形状に膨 らむ。バルーンは、ブロアの連続運転によって膨らみ形状が維持される。バルー ン自体には広告を記載せず、広告シートを異なるものと交換して、各種の宣伝に 用いられる。

【０００９】

【実施例】

以下、本考案の一実施例を図面に基づいて説明する。

【００１０】 サインバルーン１は、底面を開口した袋状のバルーン２と、該バルーン２の表 面に着脱可能に貼着される広告シート３，４と、バルーン２の底面開口部を閉塞 する底板５と、該底板５上に設置されるブロア６とからなっている。

【００１１】 上記バルーン２には、気密性が高く、耐水性のある合成樹脂シートや不織布， 織布が用いられ、また大気よりもやや高い圧力にも充分に堪える強度を備えてい る。バルーン２の表面略中央には、面ファスナ７ａを矩形に囲繞して形成される ２つの大きな取付け面２ａ，２ｂが反対方向に設けられており、取付け面２ａ， ２ｂと同形に形成される上述の広告シート３，４は、裏面外周に設けた面ファス ナ７ｂを、取付け面２ａ，２ｂの面ファスナ７ａに接合して、バルーン２に取付 けられる。

【００１２】 ２つの取付け面２ａ，２ｂの間には、４つの掛け輪８が等間隔に設けられてお り、これら掛け輪８には、それぞれ係留ロープ９のフックが掛け止めされる。各 掛け輪８は、バルーン２の内部でほぐされた端部８ａを、バルーン２の内面で全 周へ放射状に散らし、該端部８ａをバルーン２と接合シート１０との間に挟んで 、接着や縫い合わせで固定することにより、過大な外力にも耐えるようになって いる。また、バルーン２の頂部と中央部側面と下部側面とには、排気用ファスナ ２ｃ，２ｄ，２ｅが設けられていて、膨らみ状態のバルーン２を窄ませて畳む際 に、内部の空気を速やかに排出できるようにしている。

【００１３】 前記ブロア６は、底板５の上面にボルト等の固定手段によって固定される。こ のブロア６には、外気取入れ口６ａと電源コード６ｂとが設けられていて、外気 取入れ口６ａはバルーン２の下部から外部に開口して取付けられ、また電源コー ド６ｂはバルーン２または底板５から外部へ引出される。

【００１４】 このように構成される本実施例のサインバルーン１は、デパートやスーパマー ケット等の建屋のほか、遊園地や運動会，祭り行事を始めとするイベント地で、 簡易店舗１１の屋上等に設置される。このサインバルーン１は、バルーン２を膨 らます前に、予め簡易店舗１１に応じた広告シート３，４を、取付け面２ａ，２ ｂに貼り付けておく。例えば、簡易店舗１１がアイスクリームショップであれば 広告シート３を、またハンバーガーショップであれば、広告シート４を貼り付け る。また、掛け輪８にはそれぞれ係留ロープ９をつなぎ、排気用ファスナ２ｃ， ２ｄ，２ｅは閉じておく。

【００１５】 このような状態からブロア６を運転すると、バルーン２は、外気取入れ口６ａ から導入される外気によって徐々に膨らんで行き、大気よりもやや高い設定気圧 で所定形状に膨らむ。次に、それぞれの係留ロープ９を地上等につないで取付け を完了する（図４参照）。ブロア６は、このようにしてサインバルーン１が設置 された後も、バルーン２の膨らみ形状を維持するために連続運転されるが、バル ーン２内はブロア６の能力以上の気圧にはならない。

【００１６】 また、このような設置状態からサインバルーン１をしまう場合には、まずブロ ア６の運転を停止して、手の届く下位の排気用ファスナ２ｅを開けて開口する。 バルーン２内の空気は、この排気用ファスナ２ｅと外気取入れ口６ａとから排出 されて行き、バルーン２が徐々に下降して来た段階で、排気用ファスナ２ｄ，２ ｃの順に開口して空気抜きする。そして、バルーン２内の空気が完全に抜けてか ら係留ロープ９を取外し、簡易店舗１１の屋上から撤去する。

【００１７】 本実施例は以上説明したように、広告シート３，４を付したバルーン２を、ブ ロア６の運転で取込まれた空気で膨らませるので、ガスや火器を用いた従来のア ドバルーンや軽気球，熱気球に較べると安全であり、また取扱いに資格や経験が なくとも、誰にでも簡単に取扱うことができる。更に、ガスや火器がないから、 アドバルーンや熱気球のように地上から遠く離す必要がなく、地上に接近した簡 易店舗１１の屋上にも安心して設置することができる。

【００１８】 また、バルーン２の表面を利用して広告を表示することから、アドバルーンの ように空高く上げる必要はなく、しかも広告シート３，４を面ファスナ７ａ，７ ｂによって着脱できるようにしたから、これら広告シート３，４を他のものと交 換することにより、様々な広告の表示に応用できて汎用性が高まる。

【００１９】 また、構造が簡単で安価に制作することができ、更にランニングコストも僅か な電気代で済む。また、サインバルーン１の使用中は、バルーン２の内部にブロ ア６が内蔵され、外からはブロア６が見えないから美的効果が高く、しかもこの ブロア６がバルーン２の重垂も兼ねるから、風を殆ど受けないイベント地では、 係留ローフ９を省略することも可能である。

【００２０】 尚、上述の実施例では、バルーンに広告シートの取付け面を２つ設けて説明し たが、本考案は、バルーンのあらゆる表面を取付け面として活用することが可能 である。

【００２１】

【考案の効果】

本考案は、バルーンの底面開口部を底板で閉塞し、該底板にバルーン内部へ外 気を導入するブロアを設置し、該ブロアの外気取入れ口をバルーンに開口させて 、ブロアの運転で取込まれた空気でバルーンを膨らませるので、ガスや火器を用 いた従来のアドバルーンや軽気球，熱気球に較べると安全であり、また取扱いに 資格や経験がなくとも、誰にでも簡単に取扱うことができる。更に、ガスや火器 がないから、アドバルーンや熱気球のように地上から遠く離す必要がなく、地上 面や地上に据え置かれた台座、或いは地上に接近した簡易店舗の屋上にも安心し て設置することができる。

【００２２】 また、このバルーンの表面に広告シートを面ファスナによって着脱できるよう にしたから、しかも広告シートを交換することにより、様々な広告の表示に応用 できるので汎用性が高く、更にバルーンの表面を広く活用することができる。ま た安全性のために、空高く上げる必要はなく、地上に近接して設けることができ るので、取扱いに優れている。

【００２３】 更に、構造が簡単で安価に制作することができると共に、ランニングコストも 僅かな電気代で済む。また、バルーンの内部にブロアが内蔵され、外からはブロ アが見えないから美的効果が高く、しかもこのブロアがバルーンの重垂も兼ねる から、風を殆ど受けないイベント地では、係留ロープを省略することも可能であ る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示すサインバルーンの一部
断面正面図

【図２】サインバルーンの平面図

【図３】サインバルーンの側面図

【図４】設置状態を示すサインバルーンの側面図

【図５】掛け輪の部分の詳細断面図

【符号の説明】

１…サインバルーン ２…バルーン ２ａ，２ｂ…広告シート３，４が貼り付けされる取付け
面 ２ｃ，２ｄ，２ｅ…排気用ファスナ ３，４…広告シート ５…底板 ６…ブロア ６ａ…外気取入れ口 ７ａ，７ｂ…面ファスナ ８…係留ロープ９が掛け止めされる掛け輪 １１…簡易店舗

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 バルーンの表面に各種広告を表示して用
   いるサインバルーンであって、前記バルーンの底面開口
   部を底板で閉塞し、該底板にバルーン内部へ外気を導入
   するブロアを設置し、該ブロアの外気取入れ口をバルー
   ンに開口させると共に、該バルーンの表面に、広告を表
   示した広告シートを面ファスナにて着脱可能に設けたこ
   とを特徴とするサインバルーン。