JPH0584476B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、原子炉燃料集合体の燃料棒の試験装
置に関し、特に燃料棒間の隙間と、あるいは破損
燃料棒の検査を迅速に、かつ正確に行なうための
原子炉燃料集合体の燃料棒の試験装置に関する。

〔従来技術と問題点〕

原子炉燃料要素は通常各々が細長い棒状をして
おり、このような複数の細長い燃料棒を平行に間
隔を置いて、列状に配列して燃料棒による四角形
断面の集合体としている。燃料要素はある一定期
間の間原子炉の中に露呈された後には、それらを
取り出し各種検査をする必要がある。例えば、燃
料棒は原子炉に露呈されているとしばしば成長し
たり湾曲したりするので、間隙の検査がなされ
る。また、例えば超音波技術により、破壊した燃
料棒を検査することも必要である。こうした検査
やその他の検査には燃料要素列の間に探査具を挿
入する必要がある。照射した燃料要素は高い放射
能があるため、検査で働いている人達を放射能か
ら保護することと共に、核分裂生成物の自然崩壊
により発生する熱を取り除くために、この検査は
水の中でなされる必要がある。

原子炉燃料集合体の燃料棒試験用装置であつ
て、燃料棒が平行な列をなして配列され、共通の
運搬台上に担持された多数のフインガを具備し、
各フインガが探査具を担持する原子炉燃料集合体
の燃料棒試験用装置が公知である（特開昭58−
214888号公報参照）。この燃料棒試験用装置では、
燃料棒の列数に対応する個数のフインガが設けら
れ、これらのフインガは燃料棒の隣接する列間の
間隔に等しい距離だけ互いに間隔を隔てて配置さ
れ、試験時に各フインガが燃料棒の対応する隣接
した二つの列間に同時に挿入されるようになつて
いる。

しかしながら、この燃料棒試験用装置では、燃
料棒の列数に対応した個数の探査具を設ける必要
があるので、試験用装置全体のコストが増大して
しまうという問題がある。また、各フインガの長
さがかなり長いので、各フインガの先端部に固定
された各探査具間の良好な位置精度を確保するこ
とが困難であり、従つて燃料棒の正確な試験が行
えないという問題を生じる。更に、燃料棒の列数
または列間隔が異なる燃料集合体を試験するとき
には試験用装置全体の構成を設定し直す必要があ
り、従つてこの燃料棒試験用装置は各種燃料集合
体を試験するための汎用性がないという問題があ
る。

従つて本発明の目的は、一つの探査具と割出板
とを用いて、遠隔操作状態のもとで燃料集合体の
一連の燃料要素列の間に迅速にかつ正確に探査具
を挿入する安価で汎用性のある装置を提供するこ
とにある。周辺の燃料棒を検査するには、各種の
他の計器を用いて行うこともできる。

〔解決手段と作用〕

本発明に依れば、計器を燃料要素列に平行に動
かす往復運動手段を提供する。該往復手段に連結
しているのは溝付板である。この溝は一端で開口
しており、そらせ板に面している。探査具の運搬
台上に配設されたピンはこれらの溝の中で動く。
圧力手段は運搬台やピンに一定の側面圧力を加え
る。各行程の終端で、この圧力はピンと一緒に運
搬台を運びながらそのピンを隣りの溝に移動させ
る。全部の溝を横切つた時、操作者は圧力手段に
より加えられる圧力の方向を逆にし、ピンをその
元の位置に戻させる。こうすると探査具が燃料集
合体のすべての燃料要素列を迅速に、かつ正確に
横切ることが可能である。

〔実施例〕

本装置を、共願中に開示した超音波検査装置に
関連づけて以下に詳述する。

第１図から第３図は探査具がそれにより燃料集
合体に挿入される操作手段を示す。取り付け体１
０は運搬台１６の上に載置され、該運搬台１６は
レール１８，１８′の上に乗つて、長手方向に動
くようになつている。またレール２０上に乗つて
横方向に動くようになつている。案内ピン２２は
割出板２６の溝２４中で滑動する。該溝２４は第
１図と第２図との中に左端として示される一端が
開口しており、多数の偏向面３０を有し、かつ
各々の面３０が溝２４の１つずつと向かい合つて
いるそらせ部材２８と対面している。第１図に示
されていないアクチユエータ手段は第２図に略示
的に示されている。往復運動用油圧シリンダ３２
は運搬台１６と探査具２とを、該探査具２の自由
端の変換器が燃料集合体３６の燃料棒３４の列に
沿つて動くように、該探査具２の長手方向に移動
させる。それと同時に、空圧シリンダ３８は横方
向に連続して圧力を加える。これらのシリンダの
作用下で、ピン２２は溝２４に沿い長手方向、つ
まり第１図の右手方向に動き、それから元の方向
へ戻る。ピン２２が溝２４の左端に達したとき、
圧力シリンダ３８の力により、第３図に最もよく
示されるように、それは偏向面３０に沿い次の溝
２４に向かい横方向に駆動される。これらの溝２
４は燃料要素３４の列間と同じ距離の間隔がとら
れている。それ故に変換器は燃料集合体３６の燃
料要素列に沿つてうまく通り抜ける。ピン２２が
最後の溝２４（２４′として示している。）に沿つ
て両方向に移動した後、操作者は圧力シリンダ３
８により加えられる圧力の方向を逆向きにする。
ピン２２はそれから割出板２６の端にある溝４０
に沿い、運搬台１６と探査具２とを共に運びなが
ら、出発点へと逆戻りする。

割出板２６は交換することによつて異なる数の
燃料棒列及び又は種々異なる列間隔を有する他の
燃料集合体に対して割出を行うことも可能であ
る。

〔発明の効果〕

以上の説明から明らかなように、本発明によれ
ば、原子炉燃料集合体の燃料棒の試験装置におい
て、遠隔操作により燃料集合体の一連の燃料要素
列の間に迅速にかつ正確に探査具を挿入し、各種
検査を可能ならしめる前記試験装置が提供される
のである。また、本燃料棒試験用装置では、探査
具を一つだけ具備すればよいので燃料棒試験用装
置のコストを低減することができ、また割出板の
溝および偏向面によつて定められる予め定められ
たパターンに従つて探査具を燃料棒の隣接する列
間に順次正確かつ迅速に案内することができる。
更に、割出板のみを交換することによつて燃料棒
の列数または列間隔が異なる種々の燃料集合体を
同様に試験することができるという汎用性が得ら
れる。

【図面の簡単な説明】

第１図は試験される燃料集合体と関連させた本
発明装置の斜視図、第２図は第１図の装置の作動
を示す略示図、第３図はピン２２の動きを示す板
２６の角部の拡大図。 ２……探査具、１６……運搬台、１８，１８′，
２０……レール、２２……ピン、２４……溝、２
４′……最後の溝、２６……割出板、２８……そ
らせ部材、３０……偏向面、３２……油圧シリン
ダ、３４……燃料要素（燃料棒）、３６……燃料
集合体、３８……空圧シリンダ、４０……溝。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 原子炉燃料集合体の燃料棒試験用装置であつ
   て、前記棒は平行な列をなして配列され、一つの
   探査具２と、該探査具を案内かつ移動させるため
   の運搬台１６と、該運搬台を前記列に平行に移動
   させるための往復運動手段３２と、各サイクルの
   終端で前記運搬台を前記列に対して垂直に移動さ
   せて前記探査具を燃料棒の一つの列から他の列へ
   移動させるようにするための手段３８と、前記列
   に平行な直線状をなしかつ前記燃料棒３４の軸線
   に直角をなす予め定められたパターンに従つて前
   記運搬台および前記探査具を案内かつ移動させる
   ための案内移動手段２６とを具備する、原子炉燃
   料集合体の燃料棒試験用装置において、前記案内
   移動手段は、その上面に平行な溝２４を有するほ
   ぼ水平な静止した割出板２６を有し、該溝は夫々
   一端で開口しており、前記案内移動手段は更に、
   前記溝内に係合可能に前記運搬台上に設けられた
   手段２２を有し、前記割出板は更に、前記各溝の
   開口端に対面しかつ隣接する各対をなす溝間を延
   びる偏向面３０を有して前記運搬台を一つの溝か
   ら次の溝へ順次案内するようにしたことを特徴と
   する、原子炉燃料集合体の燃料棒試験用装置。 ２ 前記溝２４内に係合可能な前記手段が前記割
   出板にほぼ垂直をなすピン２２である、請求項１
   に記載の原子炉燃料集合体の燃料棒試験用装置。 ３ 前記割出板は、二つの両端の溝以外の前記平
   行な溝の開口端から分離されかつ該二つの両端の
   溝に連結された戻り溝を有し、それにより前記運
   搬台を前記列に対して垂直に移動させるための手
   段３８によつて前記運搬台上に及ぼされる圧力が
   逆転されたときに前記溝内に係合可能な前記手段
   ２２、運搬台、および探査具がそれらの出発位置
   に戻るようにした、請求項１に記載の原子炉燃料
   集合体の燃料棒試験用装置。