JPH0584262A - 高吸収性・可撓性セルロースパルプ毛羽立ちシート - Google Patents

高吸収性・可撓性セルロースパルプ毛羽立ちシート

Info

Publication number
JPH0584262A
JPH0584262A JP3360316A JP36031691A JPH0584262A JP H0584262 A JPH0584262 A JP H0584262A JP 3360316 A JP3360316 A JP 3360316A JP 36031691 A JP36031691 A JP 36031691A JP H0584262 A JPH0584262 A JP H0584262A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sheet
pulp
cellulose pulp
fluid
absorbent
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP3360316A
Other languages
English (en)
Inventor
Mulegy Zulfiker
ツルフイカー・ミユルジー
Burizebowa Henry
ヘンリー・ブリゼボワ
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Johnson and Johnson Inc
Original Assignee
Johnson and Johnson Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority claimed from US07/637,407 external-priority patent/US5064799A/en
Application filed by Johnson and Johnson Inc filed Critical Johnson and Johnson Inc
Publication of JPH0584262A publication Critical patent/JPH0584262A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、流体吸収力と流体保持力にすぐ
れ、かつ可撓性に富むセルロースパルプ毛羽立ちシート
を提供することを目的とする。 【構成】 本発明のセルロースパルプ毛羽立ちシート
は、カレンダー処理と穿孔型付け処理をされるため、高
吸収性かつ高可撓性で、生理ナプキン、創傷包帯、バン
デージ、失禁パッド、使い捨ておむつなどに用いること
ができる。また本発明の方法は、この高吸収性・高可撓
性パルプ毛羽立ちシートの製造方法と使い捨て吸収製品
としての使用方法に関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、流体吸収用品、特に高
吸収性・可撓性パルプシートに関する。より詳しくは、
この高吸収性・可撓性シートは、高密度で機械的に加工
されたセルロースパルプ毛羽立ちシートである。このシ
ートは高い結着性を有し、また生理ナプキン、創傷包
帯、バンデージ、失禁パッド、使い捨ておむつ等の使い
捨て吸収用品に好適な、良好な流体吸い上げ特性を有す
る、柔らかくて薄い可撓性の流体吸収芯に供することが
できる。本発明はまた、このような高吸収性・可撓性セ
ルロースパルプ毛羽立ちシートの製造方法、および使い
捨て吸収用品に適用する場合の使用方法も提供する。
【0002】
【従来の技術】多くの使い捨て吸収用品は、吸収芯とし
てパルプ毛羽立ち材を使用している。このような吸収芯
は、一般的には、柔軟で可撓性を有し、かつ流体を吸収
するが、嵩張って厚くまた流体吸い上げ力に乏しいとい
う傾向がある。さらにパルプ毛羽立ち芯は、構造的な安
定性が弱く、湿潤時にはつぶれたりしがちである。
【0003】吸収材に流体吸い上げ力がないと、体液の
保持が適正に行われない可能性が増大する。体液は流体
吸い上げ力のない領域に留まると、その領域では流体の
飽和が生じるため、過剰な流体は吸収材の外表面からあ
ふれ出てしまう。そして、もしこのような流体のあふれ
出し(オーバーフロー)が起こると、使用者の衣服をし
みなどで汚したり、あるいは使用者の身体について不快
感を引き起こしたり、発疹の元になったりする。このた
め、使い捨て吸収用品用として、体液をその接触領域か
ら吸い上げて、表面全体に拡散できる吸収芯が望まれて
いる。もしこのように吸収芯の流体吸い上げ力が改善さ
れると、流体を毛管現象によって吸収芯の表面全体に移
動させることができるようになり、吸収芯を薄くでき
る。これは、そのような吸い上げ作用により、吸収芯表
面の体液吸収に利用できる領域が広がるためである。そ
して吸収芯が薄くなると、使用者に心地よさを与え、ま
た装着時に衣服の上から目立たなくなる。
【0004】ピートモス(泥炭こけ)と木材パルプの複
合材料からなる吸い上げ特性の高い吸収芯は、例えば米
国特許第4,170,515 号、第4,226,237 号、第4,215,692
号、第4,507,112 号、第4,676,871 号および第4,473,44
0 号に記載されている。これらの特許によれば、主な吸
収材としてピートモスを用いる吸収体は、繊維を乾燥も
しくは湿潤堆積してシートを形成し、ついでこのシート
をカレンダー処理して厚さが0.01ないし0.1イン
チの比較的薄くて、かつ密度が0.2ないし1.0g/cm
3 の比較的高いものにする。また、このようなピートモ
ス吸収シートは、可撓性を増加させるため、米国特許第
4,596,567 号に記載されている穿孔型付け処理や米国特
許第4,605,402 号に記載されている微細波形処理などの
機械的な柔軟仕上げに掛ける。
【0005】したがってピートモスシートは、極微小な
孔や毛管の割合が多くなり、多量の流体を吸収・保持す
る能力が高まる。このピートモスの穴は、流体を吸収す
るにつれて膨張するが、この膨張によってさらに流体を
吸収する容量が減少するようなことはない。それどころ
か、この膨張は、吸収体の結着性を維持しながら、シー
トの流体保持力を高める。
【0006】上述のピートモスシートの流体吸い上げ特
性は、このシートを高吸収性で薄いものにする。ピート
モスシートの可撓性は上記の穿孔型付け処理もしくは微
細波形処理によって改善できる。
【0007】このように、ピートモスシートは使い捨て
吸収用品用として高い吸収性と吸い上げ特性を有する吸
収芯を提供するものであるが、これには限界もある。ピ
ートモスシートは、重要な原材料、すなわち好ましい年
月を経、また適当な構造と湿分を有するピートモスある
いはミズゴケの少ない地方では容易に得ることができな
い。またピートモスは比較的暗い色をしているため、美
感の点からすべての吸収用品に使用できるわけではな
い。
【0008】したがって、上述したように、ピートモス
シートあるいはパルプ毛羽立ちシートにとって替わるこ
とのできる、使い捨て吸収用品用の薄くて吸収性と流体
吸い上げ力に富んだ吸収芯が求められている。
【0009】ところが、吸収芯としてクラフト木材パル
プ板などの他のセルロースパルプ材料を用いる試みは成
功しなかった。それは、これらセルロースパルプ材料が
ピートモス複合シートほど吸収力をもたないためでもあ
るが、もっと重要なのは、クラフト木材パルプ板が、吸
収芯としての使用目的に合致するような柔軟性を容易に
得られないためである。クラフト木材パルプ板の可撓性
その他の性質は穿孔型付け処理や微細波形処理によって
改善することができるが、たとえそうしても、吸収容
量、流体浸透性および吸い上げ速度と、特に生理ナプキ
ン等の使い捨て吸収用品として最も重要な十分な可撓性
の好ましい組み合わせを得ることはできない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、ピ
ートモスを用いなくても、吸収容量と吸い上げ特性に富
み、かつ流体の浸透時間が短くて、使い捨て吸収用品に
好適な可撓性を有するセルロースパルプ毛羽立ちシート
を提供することを目的とする。最適な可撓性とは、この
シートを用いた製品が使用者に心地よい柔軟性を与えな
がら、一方では乾燥状態および湿潤状態の両方で機械的
ストレスが加えられても皺が寄ったりこわれたりするこ
とのない剛性と強度を有するということである。
【0011】本発明の他の目的は、このようなセルロー
スパルプ毛羽立ちシートを製造するする方法を提供する
ことである。
【0012】本発明のさらに他の目的は、このようなセ
ルロールパルプ毛羽立ちシートを吸収芯として用いる使
い捨て吸収用品を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段および作用】本発明者ら
は、従来のセルロースパルプ毛羽立ち材料をカレンダー
処理やこれに続く型付け処理で機械的に圧縮され、高密
度化すると、きわめて良好な吸い上げ特性を有する、高
吸収性・可撓性のシートが得られることを発見した。吸
い上げ特性の改善は、セルロースパルプ毛羽立ちシート
を選択的に圧縮して高繊維密度領域と低繊維密度領域を
交互に分画する型付け(エンボス)処理から直接に得ら
れる。本明細書においては、「高繊維密度領域」と「低
繊維密度領域」という語は、絶対的な密度を指していう
ものではなく、ある領域が他の領域と比較してより高い
繊維密度であるかどうかという比較において使用され
る。高繊維密度領域は、そのすぐれた吸い上げ特性によ
り低繊維密度領域につながる毛管作用のチャネル網を形
成し、流体を吸収シート全表面に拡散させる役割を果
す。一方、低繊維密度領域は、流体を長期にわたって吸
収・保持する役目を果す。流体が本発明の吸収シートの
一箇所に流入してきたときは、その流体は直ちにそのす
ぐ下にある低繊維密度領域に浸透する。このとき、高繊
維密度領域はそのすぐれた吸い上げ特性によって、流体
を局所的に飽和した箇所からまだ飽和していない低繊維
密度領域に移動させる。その結果流体はより大きな吸収
容量を有する領域に拡散するため、飽和した箇所での局
所的な漏洩(オーバーフロー)は起こらない。
【0014】上記の作用に加えて、型付け処理は高密度
化されたパルプ毛羽立ち材料の可撓性を高めるのにも役
立つ。すなわち、このように選択的に稠密化すること
で、吸収シートをより曲げやすく、また適用部分に適合
しやすくするヒンジを形成できる。
【0015】型付け処理に先立って行われるセルロース
パルプ材料の稠密化処理は本発明の重要な部分である。
なぜなら、この処理は繊維状ウェブの凝集を高め、構造
的な安定性を増加させるためである。一方、流体の吸収
特性についていえば、この稠密化処理は、繊維性材料に
一旦吸収した流体をとり逃がすのを防止する力を与え
る。これとは対照的に、未処理のパルプ毛羽立ちシート
は繊維網に存在する大きな気泡のために吸収した流体を
保持する能力に欠け、流体の漏洩が起こる可能性があ
る。稠密化と型付け処理をした本発明のセルロースパル
プ毛羽立ちシートに流体が放出されると、流体は流体保
持力の高い低繊維密度領域に吸収されて十分長い時間保
持されるが、この流体はまた吸い上げ力の高い高繊維密
度領域に引っ張られて吸収シート全体に広がる。
【0016】これとは反対に、稠密化処理をすると、未
処理のパルプ毛羽立ち材料シートに比べ、流体の浸透に
かかる時間は長くなる。しかし流体保持力と構造的な安
定性が増すため、全体としては流体の吸収効率は増加す
る。
【0017】吸収用品の製造に携わる当業者にとってピ
ートモスにカレンダー処理と型付け処理を施すのはよく
知られているが、これら処理はただピートモスの構造を
選択的に破壊して、使用時の心地よさをつくり出すため
に行うものである。これに対し本発明者らは、この処理
のパルプ毛羽立ち処理に適用すると、流体吸収特性が著
しく改善されると同時に、パルプ毛羽立ちシートの構造
的な安定性も増すことを見出した。
【0018】好ましい態様においては、稠密化セルロー
スパルプ毛羽立ちシートの所望の繊維密度分布は、選択
的にパルプ毛羽立ちシートを穿孔して、可撓性を増加さ
せ、また流体のZ軸方向における吸収を促進する垂直チ
ャネルをつくり出す穿孔型付け処理によって得られる。
これは、単なる型付け処理に比べて利点が多い。
【0019】よって、本発明は、迅速な流体の浸透、高
吸収容量、すぐれた吸い上げ特性、乾燥力および構造的
な安定性を兼ね備えるロースパルプ毛羽立ち吸収シート
を提供する。このとき、良好な吸い上げ特性は毛管現象
により流体を吸収シートの表面全体に移動させ、シート
の流体吸収表面を有効に利用することを可能にする。
【0020】本発明に係る稠密化処理と型付け処理をし
たセルロースパルプ毛羽立ちシートは、生理ナプキン、
創傷包帯、バンデージ、失禁パッド、使い捨ておむつな
どの使い捨て吸収用品用の吸収芯に適している。例えば
生理ナプキンに用いたときは心地よく装着でき、同時に
乾燥または湿潤状態において機械的ストレスを掛けたと
きでも皺や形崩れを起こさないすぐれた構造的結着性を
示す。
【0021】本発明の好ましい態様においては、稠密化
処理と型付け処理を経たセルロースパルプ毛羽立ちシー
トの乾燥状態おける厚さは、0.05psi の圧力下で測
定したときに0.075 ないし0.20インチが望ましい。より
好ましくは、0.09ないし0.15インチである。このセルロ
ースパルプ毛羽立ちシートの乾燥状態における引張り強
度は、機械押し出し方向において少なくとも1ポンド/
インチ、より好ましくは2ポンド/インチである。また
このシートの密度は0.1〜0.3g/cm3 、より好まし
くは0.2 〜0.25g/cm3 、さらに吸収容量は少なくとも4
cm3 /g、より好ましくは約6cm3 /gである。
【0022】本発明のセルロースパルプ毛羽立ちシート
の好ましい出発物質は、硫酸塩パルプ、亜硫酸塩パルプ
もしくはクラフト木材パルプであるが、例えば剥離パル
プ、未漂白木材パルプ、塩素もしくは過酸化水素で漂白
した木材パルプ、あるいは熱・機械・化学パルプなどの
他のセルロースパルプも使用することができる。
【0023】本明細書で詳述するように、本発明はさら
に、可撓性で吸収性に富む稠密化と型付け処理をしたセ
ルロースパルプ毛羽立ちシートから製造した良好な吸い
上げ特性と吸収特性を有する吸収芯を備えた使い捨て吸
収用品をも含む。このシートは曲げやすく、吸収用品の
使用者に心地よい使用感を与える。本発明の好ましい態
様においては、使い捨て吸収用品とは、生理ナプキン、
失禁パッド、オムツおよび創傷包帯である。本発明によ
る、より好ましい吸収用品とは、カレンダー処理と穿孔
型付け処理を経たセルロースパルプ毛羽立ちシートから
得た吸収芯を備えた、薄くて吸収性と可撓性に富んだ生
理ナプキンである。最も好ましいのは、使用者にとって
心地よい最適な可撓性を有し、一方で使用時あるいは湿
潤状態にあっても実質的にその原形をとどめる十分な剛
性を有する吸収芯である。
【0024】この明細書で説明するように、本発明はさ
らに、上記高吸収性・可撓性セルロースパルプ毛羽立ち
シートを製造する方法をも包含する。この方法は、 a)セルロースパルプ毛羽立ち材料を機械的に圧縮して
稠密化パルプ毛羽立ちシートを形成する工程と、 b)工程a)で得られた稠密化パルプ毛羽立ちシートを
高密度領域と低密度領域に区画しながら、パルプ毛羽立
ちシートの剛性を和らげる多数のヒンジを形成する型付
け処理工程を含む。
【0025】好ましい態様においては、工程a)で機械
圧縮されたセルロースパルプ毛羽立ちシートの密度は、
0.25〜0.55g/cm3 、より好ましくは0.35〜0.50g/cm3
また乾燥状態おける厚さは、0.05psi の圧力下で測
定したときに0.03ないし0.07インチが望ましい。より好
ましくは、0.04ないし0.06インチである。
【0026】また本明細書で詳しく説明するように、本
発明は、生理ナプキンに稠密化・型付けされたセルロー
スパルプ毛羽立ちシートでできた吸収芯を組み込み、薄
くて心地よい生理ナプキンにおいて良好な流体の吸収を
得る方法を提供する。好ましい態様においては、吸収芯
は、乾燥状態での厚さが0.05psiの圧力下で0.075 ない
し0.2 インチが望ましい。より好ましくは、0.09ないし
0.15インチである。また吸収容量は、少なくとも4cm3
/g、より好ましくは約6cm3 /g、密度は0.1〜0.3
g/cm3 、より好ましくは0.2 〜0.25g/cm3 、乾燥状態に
おける垂直方向の可撓性は700〜1700g、好まし
くは1100〜1400g、さらに湿潤状態における垂
直方向の可撓性は550〜950gである。そして乾燥
状態での機械押し出し方向における引張り強度は、少な
くとも1ポンド/インチであり、好ましくは2ポンド/
インチである。
【0027】
【実施例】以下、本発明の好ましい態様を詳細に説明す
る。ピートモス(泥炭ごけ)複合シートまたは未処理セ
ルロースパルプ毛羽立ちシートに代わる、高吸収性・可
撓性で、かつ機械的強度の高い芯を有する、経済的な使
い捨て吸収材を実現するという本発明の目的において、
本発明者らは、セルロースパルプ毛羽立ちシート、特に
木材パルプ毛羽立ちシートは、カレンダー処理時に機械
圧縮で稠密にされ、つづいて交互に繰り返す繊維密度の
高い部分と低い部分を識別するため、例えば穿孔型付け
によって型付け処理されると、可撓性・高吸収性で、か
つ機械的強度の大きい芯を有するようになるという予測
しがたい発見をした。
【0028】図1は、本発明に係る高吸収性・可撓性の
型付け処理されたセルロースパルプ毛羽立ちシートの製
造方法を示す図である。市販の連続パルプ紙10の繊維
を粉砕ミル12内で機械的に離解し、パルプ毛羽立ちウ
ェブ14を得る。この工程は、パルプ毛羽立ち材(パル
プ毛羽立ちウェブ)の製造方法が流体吸収体の製造技術
においては周知のものであるため、本発明にとって本質
的なものではない。さらに、パルプの毛羽立ち材は市販
もされているため、あえてこれを製造する必要はない。
【0029】パルプ毛羽立ちウェブ14は、つづく各種
の処理において、機械的な圧縮が加えられてもバラバラ
にならないような良好な耐性を示し、最終製品において
高い構造的な安定性を有するランダム配列の繊維網を形
成するよう、ウェブを均一に圧縮し稠密化する2段階の
カレンダー処理を行う。さらに、繊維の離解は、後述す
る繊維間距離の減少によって、繊維網における流体保持
能力を高める。
【0030】カレンダー工程の第1段階においては、圧
縮ロール対16,18の間にパルプ毛羽立ちウェブ14
を通し、ニップを形成する。この第1段階のカレンダー
処理は重要なものではない。なぜなら、この段階の目的
はウェブの厚さを揃えることであって、ウェブの正確な
繊維密度を定めるものではないからである。したがっ
て、この段階では、最終製品の性質に影響を与えない範
囲で広範囲の圧力を加えることができるが、実際的には
10〜50ポンド/インチ(約1.78〜8.92g/cm)の比較
的低いカレンダー圧力が加えられる。これは、この段階
では、低圧力しか出せない低容量の安価なカレンダー装
置で十分だからである。
【0031】カレンダー工程の第1段階でわずかに稠密
化されたパルプ毛羽立ちウェブ20は、第2段階では、
第1段階で用いたのと実質的に同じカレンダー装置を用
いながら、しかし第1段階よりはかなり高いカレンダー
圧力、約200〜1300ポンド/インチ(約36〜232g
/cm)を加える。この場合、カレンダー圧力の好ましい範
囲は300〜800ポンド/インチ(約53〜143g/cm)で
あり、最も好ましくは400〜500ポンド/インチ
(約71〜89g/cm) である。この結果、第2段階を経たパ
ルプ毛羽立ちウェブ20の厚さは2倍になり、坪量も増
える。二層ウェブは、パルプ毛羽立ちウェブ20と同時
に、同じ性質のウェブ20’をカレンダー装置に送り込
むことで得られる。
【0032】このような多段階のカレンダー工程を用
い、かつ各段階で処理されたパルプ毛羽立ちウェブの厚
みを増していくことにより、比較的高坪量の材料が、高
圧力で作動する大容量のカレンダー装置を用いなくても
得ることができる。この場合、要求される高いカレンダ
ー圧力に対応して単一段階のカレンダー工程を用いるこ
とも考えられるが、パルプ毛羽立ちウェブ14の坪量と
容積がともに増すため、取扱いが難しくなる。
【0033】カレンダー工程を終えた二層圧縮パルプ毛
羽立ちウェブは穿孔型付け装置22に送られる。穿孔型
付け工程では、最初に高密度のパルプ毛羽立ちウェブを
穿孔し、ついでその穿孔されたウェブをX方向(押し出
し機方向)とY方向(クロス方向;押し出し機方向と垂
直方向)に型付けする。
【0034】第1段階の穿孔は、図2,3,4および5
に説明するが、ウェブを、互いに接触せずにかみ合う歯
28を備えたロール対24,26の間に通すことにより
行う。すなわち、ウェブに対し、そのセルロース材料に
穿孔してその剛性を和らげながら、他方孔以外の部分は
稠密にする剪断処理を施す。
【0035】図3,4および5は、歯28間の相互作用
により行われるパルプ毛羽立ちウェブの選択的な圧縮処
理を示す。対になるロール24,26の歯28は、軸方
向に隣接して配列される歯24bおよび24cに形成さ
れる歯間空間の中心からは外れるように、上方ロール2
4に配置される。剪断作用は、実際には、かみ合う際繊
維状ウェブ20に局所的に穿孔する歯28aと28cの
間で行われる。
【0036】ウェブ20を局所的に剪断するロール2
4,26は、またパルプ毛羽立ち材料をいくらか圧縮
し、さらに稠密にする。このような圧縮は、各歯28の
平らな頂面と、この歯28に対向するロールの弧状の面
29との間で、歯のかみ合い中に起こる。このような選
択的な圧縮は、最終製品の性質には実質的な変更を与え
ない。もしこのような圧縮を加えたくないならば、歯た
けを高くしてロール24と26間の距離を広げ、剪断時
に上記のような圧縮が生じないようにすればよい。
【0037】上記処理の結果は、穿孔ロール24,26
を通過した後のパルプ毛羽立ちウェブの構造を観察すれ
ばよく分る。歯28の跡は、歯を示す参照符号の後
に「’」を付けた参照符号で表す。歯跡28a’,28
c’は、歯28a,28cの剪断作用を経たパルプ毛羽
立ちウェブを貫通するスリット31によって、互いに分
け隔てられる。
【0038】好ましくは、穿孔ロール24と26におけ
る歯28間の重なりは、ほぼ35ミル(1000分の35イン
チ;8.9mm)にするとよい。ただし、この重なりは、ウェ
ブの厚さ、湿度等により変わり得る。
【0039】穿孔型付け工程の第2段階においては、穿
孔したパルプ毛羽立ちウェブを、ロール軸方向に延びて
かみ合う溝34を有するロール対30,32に通してク
ロス方向に型付けする。図6と7は、パルプ毛羽立ちウ
ェブとともに、クロス方向の型付けロール30,32の
3次元構造を示す。溝34は、繊維材料を機械的に圧縮
して局所的に稠密化することにより、パルプ毛羽立ちウ
ェブの両面にライン35を刻み込む。
【0040】クロス方向の型付けロールは、次の2つの
点でパルプ毛羽立ちウェブの構造を変化させる。一つ
は、ライン35は、パルプ毛羽立ちウェブの長手方向の
可撓性を増加させながら、ウェブを横切って延びる小さ
なヒンジを形成する。第二に、型付けに伴う機械的な充
填作用のため、ライン35の近傍では繊維密度が増加す
る。その結果、ロールの押し出し方向に沿って、繊維密
度の大きい領域と小さい領域を識別する明瞭な繊維密度
のプロフィール(輪郭)が、パルプ毛羽立ちウェブに交
互に刻み付けられる。こうして連続的に繊維密度を異な
らせていくと、後に詳述するように、パルプ毛羽立ちウ
ェブを横切る方向に流体を吸い上げる作用が生まれ、互
いに分け隔てられた、高密度で比較的流体吸収力の弱い
領域が生じ、パルプ毛羽立ちウェブの流体吸収特性に選
択的な変化が与えられる。
【0041】ロール30,32の溝34同士の重なり
は、好ましくは約5ミル(1000分の5インチ;1.3mm)で
ある。ただし、この重なり量は、装置の作動条件によっ
て変わり得る。
【0042】穿孔型付け工程の最後の段階(第3段階)
においては、得られたパルプ毛羽立ちウェブを、図8と
図9に示すような周方向に延びてかみ合う溝40を有す
る平行ロール36,38に通して、押し出し方向に型付
けする。この型付けは、第2段階における型付け作業と
は垂直方向に行われる。すなわち、ウェブ長手方向のラ
イン41は、長手方向のヒンジラインになるとともに、
パルプ毛羽立ちウェブの短手方向に交互に現れる高繊維
密度領域と低繊維密度領域を識別する。
【0043】この機械押し出し方向の型付けロール36
と38の重なりは、好ましくは5ミル(1000分の5 イン
チ;1.3mm)程度がよい。ただし、この重なり量は、装置
の作動条件によって変わり得る。
【0044】上述の穿孔型付け処理は、パルプ毛羽立ち
ウェブの寸法を、クロス方向に約5〜7%増加させる。
【0045】カレンダー処理と穿孔型付け処理を施した
後のセルロースパルプ毛羽立ちシートの最終製品を図1
0に示す。パルプ毛羽立ちシートの表面一帯には、長手
方向のライン41と短手方向のライン35で互いに仕切
られた矩形の低繊維密度領域43のパターンが見られ
る。穿孔型つけ処理の第1段階で形成されたスリット3
1は、パルプ毛羽立ちシート全体に均一に分散してい
る。
【0046】この構造は、流体吸収の観点からはきわめ
て都合がよい。これは、すぐれた流体吸い上げ力、高吸
収性、高い流体吸収速度等の好ましい特性を兼ね備えて
いるからである。パルプ毛羽立ちシートに放出される流
体は、その流体放出口のすぐ下にある低繊維密度領域4
3に染み込み、局所的な飽和を引き起こす。しかし、こ
のような局所的な飽和が起こっても、カレンダー処理に
よる繊維網の稠密化のおかげで流体が漏れることはな
い。この繊維網の稠密化処理はすぐれた流体保持力を与
えるため、吸収された流体はセルロースパルプ毛羽立ち
シート内で毛管現象によって高繊維密度領域に分散・引
き寄せられ、十分長い時間シート内に保持される。繊維
網の稠密化処理を施さずに型付け処理したパルプ毛羽立
ち材料は、同じような条件でも、このように流体を保持
はしない。それは、低繊維密度領域の吸収した流体を保
持する能力が限られているためであり、毛管現象によっ
て分散する前に、流体の漏れを生じるおそれがある。
【0047】スリット31はシートのZ軸に流体の吸収
を促進するチャネルを形成するため、パルプ毛羽立ちシ
ートへの流体の浸透量を増加させる。
【0048】また、セルロースパルプ毛羽立ちシート
は、先の穿孔型付け処理のおかげで、製品に心地よい手
ざわりを与える可撓性を付与される。スリット31は、
所定の位置で繊維構造に穴を開けるため、局所的に繊維
の結合を断ち切ることになり、シートをより可撓性に富
むものにする。ライン35と41は、セルロースパルプ
毛羽立ちシートの表面全体に広がる小型のヒンジを形成
し、シートを長手方向と短手方向に位置合わせする。
【0049】セルロースパルプ毛羽立ちシートの穿孔型
付け処理によって付与される可撓性は、例えば生理ナプ
キンにおいて使用者に心地よさを与え、また種々の体
型、使用中の動きにも対応できる吸収芯を形成するのに
重要である。本発明においては、吸収シートに最適な可
撓性が与えられるため、使用時の心地よさの基準を満た
す柔軟性と、使用時あるいは湿潤時に製品に襞が生じた
り、変形を生じたりするのを防止する剛性が付与され
る。このような最適な可撓性と強度は、製品使用時ある
いは湿潤時における流体の漏洩と製品の形崩れを防止す
る。
【0050】また、カレンダー処理と穿孔型付け処理の
両方を施したセルロースパルプ毛羽立ちシートは、これ
らの処理を施さないセルロースパルプ毛羽立ちシートお
よび柔軟性を付与したピートモスシートに比べ、芯が結
着性と高い引張り強度を有し、使用時もしくは湿潤時に
も品質の劣化を生じない。本発明によって得られる吸収
芯は、機械の押し出し方向において、乾燥時に好ましく
は1〜3ポンド/インチ(0.18〜0.54g/cm)程度の引張
り強度を有する。さらに、本発明の流体吸収材は、柔軟
性を付与したピートモスシートおよび非結合性パルプに
比べ、流体浸透性がよく、また未処理パルプ毛羽立ち材
および柔軟性を付与した剥離性パルプに比べ、吸収容
量、流体吸上げ力および乾燥力のいずれにもおいてもす
ぐれるという長所を有する。
【0051】本発明に係る吸収芯は吸収性、可撓性およ
び吸上げ力にすぐれているため、経血や他の体液を迅速
かつ効率的に吸収し、またその吸収した流体を漏洩なく
保持する生理ナプキンを得ることができる。本発明に係
る吸収芯を用いた生理ナプキンは、可撓性に富んで心地
よく、かつ使用中に皺やねじれ、その他の品質の低下を
招かない。本発明に係る吸収芯は、生理ナプキンの挿入
物あるいは二層の表材として使用することができる。本
発明に係る吸収材は、例えば流体保持層もしくは表材と
流体移動層に挟まれる挿入物、もしくはその流体浸透の
迅速性に鑑み、表材隣接層としても用いられる。この場
合、本発明に係る吸収芯は流体移動層と流体保持層の両
方の役割を果す。
【0052】本発明に係る高密度化・型付けセルロース
パルプ毛羽立ちシートは、生理ナプキンの他に、おし
め、失禁シート、創傷用包帯、バンデージ、あるいは輸
送・保管時における湿気除去のための充填用乾燥剤等の
他の吸収用品としても使用できる。
【0053】本発明に係る高密度化・型付けセルロース
パルプ毛羽立ちシートは、グリセリン、ラノリン、その
他の軟化剤で処理することもできる。また軟化剤の他
に、繊維あるいは超吸収性ポリマーなどの他の吸収材
を、吸収芯の母材のスペースに組み入れることもでき
る。このような繊維やポリマーは、例えば米国特許第4,
559,050 号に開示されている。さらに、本発明のカレン
ダー処理と穿孔型付け処理をされたセルロースパルプ毛
羽立ち材料と組み合わせて超吸収性のラミネートを用い
ることもできる。この場合は失禁シートにおけるような
きわめて高い吸収容量を実現できる。
【0054】以下に本発明を実施例に即して説明する。
以下の実施例は本発明の範囲を狭めるためのものではな
く、上述の詳細かつ一般的な記述との関連で読まれるこ
とを意図したものである。各実施例は本発明の理解をさ
らに深めるためのものであり、カレンダー処理と穿孔型
付け処理を施したセルロースパルプシートを吸収芯とす
る生理ナプキンの製造方法についてその外観を提供す
る。
【0055】実施例1と2に係る材料を処理する種々の
試験処理は、下記表4に続いて「・試験手順」という表
題をつけたセクションで説明する。
【0056】〈実施例1,2〉カレンダー処理と穿孔型付け処理をした高吸収性・可撓
性セルロースパルプ毛羽 立ちシートの準備 先の図1に示した処理の出発物質となる木材パルプ板と
して、以下のものを購入した。実施例1 レイフロック(Rayfloc) ;ITT Rayonierの
商標実施例2 スーパーソフト(Supersoft) ;インターナ
ショナル・ペーパー・カンパニーの商標 これら木材パルプ板の性質は下記表1に示す。
【0057】
【表1】
【0058】実施例1,2のパルプ板は機械的に粉砕
し、つぎの表2に示す性質を有する木材パルプ毛羽立ち
ウェブを得た。
【0059】
【表2】
【0060】実施例1,2の木材パルプ毛羽立ちウェブ
は、図1のカレンダー処理で機械的に圧縮した。実施例
1,2のカレンダー処理された二層ウェブは下記表3の
性質を備えていた。
【0061】
【表3】
【0062】上述の手順に従ってカレンダー処理した実
施例1,2のウェブは、この明細書で説明した穿孔型付
け処理にかける。その結果得られたセルロースパルプ毛
羽立ちシートは下記表4の性質を有していた。
【0063】
【表4】
【0064】試験手順の説明
A)坪量 ・目的 吸収材の坪量を測定する。・試験手順 1平方フート(約900cm2)の試料を量りに載せ、その坪
量をg/m2単位で測定した。
【0065】B)厚さ・目的 吸収材の厚さを測定する。・試験手順 1)木材パルプ板:板材の厚さは、直径5/8 インチの足を
有するTMI厚さゲージ(TAPPI スタンダードT411 OS-
76)により圧力7psi 下(0.49kg/cm2)で測定した。 2)毛羽立ち処理、カレンダー処理および穿孔型付け処理
をした木材パルプ:この試料の厚さは、直径2インチの
足を有する圧縮計(ASTM D-1777)により圧力0.05psi 下
で測定した。
【0066】C)密度・目的 吸収材の密度を所定の圧力下で測定する。・試験手順 1)木材パルプ板:板材の密度は、1平方フート(約900c
m2)の試料の重量を測り、この重量をその試料の体積
(厚さ×面積)で除すことにより測定した。 2)毛羽立ち処理、カレンダー処理および穿孔型付け処理
をした木材パルプ:この材料の密度は、2インチ×3イ
ンチの試料の重量を測り、この重量をその試料の体積
(厚さ×面積)で除すことにより求めた。
【0067】D)引張り強度・目的 試料を破断するのに必要な力を測定して、この材料の機
械強度を決定する。・試験手順 試料を互いに3インチ離れた2つの掴み具で保持し、一
定の速度で引き離す。そしてこの試料を破断するのに必
要な力をもってこの試料の引張り強度とした。
【0068】E)浸透時間・目的 所定量の流体を完全に吸収するのに必要な時間を測定し
て、吸収材の浸透時間を決定する。・試験手順 図12に示すように、2インチ×8インチの試料60を
プレクシガラス板61で被覆することにより、試料60
に0.04psi の圧力を加える。そして5cm3 の試験用流体
をプレクシガラス板61の楕円形の穴62(長軸3/2
インチ、短軸3/4インチ)を通して供給した。ここで
試料61は、剛性または弾性のいずれかの台63で支持
することができるが、特に弾性の台が好ましい。これ
は、吸収体が膨潤する際、弾性の台はクッションとして
働くからである。穴62に面した試料の表面からすべて
の流体が消失するまでの時間をもって浸透時間とした。・試験用流体 合成経血
【0069】F)45°衝撃に対する耐性・目的 傾斜板上で所定量の流体について吸収・保持力を測定す
ることにより、吸収材の流体保持容量を決定する。・試験手順 図13に示すように、2インチ×10インチの試料65
を45°の傾斜板66に立て掛ける。そして、この試料
65に25cm3 の試験用流体を上方ビュレット67から
注ぎ、この試料65が保持する流体の重量をもって、吸
収材の45°衝撃に対する耐性とした。ここで、ビュレ
ット67は、試料65からは最大でも2インチ離す程度
にする。・試験用流体 合成経血
【0070】G)飽和流体保持力と流体飽和時における
体積変化・目的 所定圧力下での吸収材の最大流体保持量を測定すること
により、吸収材の飽和流体保持力を決定する。さらに飽
和時の吸収体の体積変化(つぶれまたは膨張)の程度も
測定した。・試験手順 図14に示すように、予め重量を測っておいた4インチ
×4インチの試料70を自由に移動可能なプレクシガラ
ス板71で被覆することにより、0.05psi の圧力をかけ
る。そして、この試料70を飽和させるのに必要な流体
を測定して、吸収材の飽和流体保持力とした。ここで流
体は、プレクシガラス板71の中央に設けた直径1/8
インチの小穴72から供給される。符号73は支持台で
ある。そして試料70の厚さの変化も測定した。すなわ
ち、試料70の乾燥時と湿潤時の厚さの変化量を測定
し、膨張またはつぶれのパーセンテージを求めた。・試験用流体 合成経血
【0071】H)流体吸い上げ力・目的 傾斜面における流体の吸い上げ量と吸い上げに伴う流体
の移動距離を時間の関数として求め、吸収材の毛管作用
による流体吸い上げ力を決定した。・試験手順 図15に示すように、2インチ×10インチの試料75
を傾斜45°のプレクシガラス板76に立て掛ける。こ
の際試料75の下端は流体路につながる溝777に挿入
する。そして、自動液面制御装置78によって制御され
たマイクロメーター・ソレノイド操作式バルブを介して
測定量の流体を供給し、溝77における液面を一定に保
つ。試料を上昇する液面の溝77からの高さおよび移動
距離を、所定の時間間隔で測定し、吸収材の流体吸い上
げ力とした。・試験用流体 1%のNaCl溶液
【0072】I)反対面への液体移動防止(ウェットバ
ック)力・目的 吸収材の反対面(裏面)への流体の移動を防止しながら
所定圧力下で流体を吸収・保持する能力を求めた。・試験手順 予め重量を測っておいた2インチ×8インチの試料に、
最初に0.04psiの圧力下で楕円形の穴を通して2cc/gの
合成経血を供給する。3分後流体が試料に吸収・拡散さ
れたら、今度は2インチ×6インチ、10層のヌグアゼ
(NuGuaze;商標)基板を試料の上に載せ、さらに0.25ps
i のクッション圧力を加えた。そして3分後に基板に達
した流体量をg単位で測定した。・試験用流体 合成経血
【0073】J)垂直方向への可撓性と安定性・目的 薄い吸収シートの試料に側方から圧力を加え、吸収シー
トの垂直方向の可撓性と安定性を測定した。・試験手順 図16に示すように、17/8インチ×65/8インチ(両
端はともに丸く象ってある)の試料80を2つのプレク
シガラス・カーブ台(生理ナプキン使用者の内股の形状
に合わせた)81,82の間に配置する。すなわち、一
方の固定カーブ台81はインストロン装置の圧縮ロード
セル83に取り付けられ、他方移動カーブ台82は50
0mm/minの速度で固定カーブ台81に向かって移動す
る。試料80は、固定カーブ台81から延びて移動カー
ブ台82上でスライドする3本の金属支持棒84a,8
4b,84cにより、2つのカーブ台81,82の間に
挟み付けられる。ついで、移動カーブ台82を固定カー
ブ台81方向にスライドさせ、この試料80を1インチ
だけ圧縮させる力を加える。その後試料80に2cc/gの
流体を吸収させ、同様にして垂直方向への圧縮を加え
た。・試験用流体 合成経血
【0074】つぎに、本発明の理解のため、表2,4と
図17,18に示した試験結果を説明する。まず、未処
理の木材パルプ毛羽立ち材料と本発明のカレンダー処理
と穿孔型付け処理を施した木材パルプ毛羽立ち材料は、
後者が前者の未処理パルプ毛羽立ち材料を直接代替する
ものであるため、両者を直接比較してみる。表1と3
は、成形加工の中間状態における生成物に関するもので
あるため、ここでは取り上げない。ここでのデータは、
カレンダー処理と穿孔型付け処理の種々の工程が繊維材
料にどのような影響を及ぼすかを述べている。
【0075】本発明のカレンダー処理と穿孔型付け処理
を加えた木材パルプ毛羽立ちシートは、これらの処理を
施さない(未処理の)木材パルプ毛羽立ちシートに比
べ、構造的な結着性が著しく改善されている。未処理の
木材パルプ毛羽立ちシートは実質的に乾燥状態での引張
り強度を有さないのに対し、本発明のシートは、平均で
1.8ポンド/インチもの乾燥状態での引張り強度を有
する。この値は、製品に用いた場合、吸収芯に使用時で
も形状を保持するのに十分な機械強度を与えるものであ
り、実用に際しても満足できるものである。
【0076】一方、未処理の木材パルプ毛羽立ちシート
は、本発明のシートに比べ、浸透時間、45°衝撃に対
する耐性および吸収容量においてすぐれる。これらの差
異は本発明のカレンダー処理と穿孔型付け処理をしたシ
ートの繊維網密度が高いことによるものであるが、これ
は本発明に係るシートの効率的に流体を吸収する能力に
ついて何ら影響を及ぼすものではない。本発明のシート
の主な改良点は、繊維状ウェブの流体吸い上げ力であ
る。図17によれば、未処理のシートは流体吸い上げ力
がきわめて限られていることが分る。未処理のシートに
おいては、10分経過しても液面は5cm上昇するだけで
ある。これに対し、図18に示す本発明のカレンダー処
理と穿孔型付け処理をしたシートは、同じ時間で27cm
近くも液面が上昇し、ほぼ5倍の吸い上げ力を有するこ
とが分る。
【0077】本発明のシートにおいては吸い上げ力が改
善されて、多量の流体を繊維網中に拡散できるため、未
処理シートに比べて劣る吸収容量を十分に補償する。こ
れは図17と18から分るように、本発明シートの流体
の吸い上げ量が、未処理シートのそれとほとんど変わら
ないということにも反映されている。確かに未処理のシ
ートは本発明のシートに比べてはるかに多い吸収容量を
有し、理論的にも前者の吸収可能な流体量は、後者のそ
れを上回る。しかし、現実には流体は局所的に留まって
飽和を引き起こすため、その吸収容量一杯を利用するの
はきわめて困難である。本発明のカレンダー処理と穿孔
型付け処理は、種々の性質の中で、ひとつを他の犠牲の
下で改善したりしながら、性質全体のバランスをとり、
全体として流体の吸収効率の改良を図っている。
【0078】さらに、本発明のシートは、未処理のシー
トに比べ、吸収した流体を保持する能力(乾燥力)にま
さる。したがって、本発明のシートは、未処理のシート
に比べ、吸収材と接触する表材を湿潤させるおそれが少
ない。 〈実施例3〉吸収性・可撓性の、カレンダー処理と穿孔型付け処理を
施したセルロースパルプ 毛羽立ちシートを吸収芯とした
生理ナプキン 図11に示す生理ナプキン42は、先の実施例1によっ
て製造した吸収芯44を有する。吸収芯44は、その表
面全体に、先の穿孔型付け処理における穿孔段階で形成
した穿孔31と、型付け段階で形成した長手方向と短手
方向のライン41,35を有する。吸収芯44の幅は、
十分な流体吸収特性を達成すると同時に、使用時の心地
よさと安定性のために重要である。吸収芯44が狭くな
ればなるほど、その使用時の心地よさは高まる。しか
し、その反面、流体吸収に係る表面積が減少するため、
吸収芯は不安定になり、吸収特性も低下するおそれがあ
る。したがって、両者間のバランスをとらねばならな
い。本発明においては、7/4〜9/8インチならば、
両者のどちらも満足し、特に17/8インチのときに最
も好ましいことが分った。吸収芯44の厚さは0.05psi
の圧力下で約0.1インチ、長さは約8インチである。
【0079】吸収芯44の垂直方向の可撓性も、心地よ
さのためには重要である。乾燥状態での垂直方向の可撓
性は、700〜1700gが適当であることが分った。
最も好ましいのは、1100〜1400gである。一方、湿潤状
態における垂直可撓性は、550〜950gが適当であ
る。
【0080】この生理ナプキン42は、他に吸収芯44
に経血を浸透させる流体透過材46と剥離片52で覆わ
れた接着バンド50を備えた流体非透過材48からなる
表材を有する。接着バンド50は、この生理ナプキン4
2を使用者の下ばきに接着させるのに用いる。
【0081】実施例3の生理ナプキンは、未処理のセル
ロースパルプ毛羽立ちシートを用いた吸収芯を有する生
理ナプキンより、すぐれた吸い上げ力を有することが分
った。なお、本発明の生理ナプキンは、ピートモスの複
合吸収芯を有する生理ナプキンより可撓性は低かった
が、これは使用者の心地よさに影響を与える程度のもの
ではない。また本発明に係る生理ナプキンは、未処理の
セルロースパルプ毛羽立ち材料から得た吸収芯を有する
生理ナプキンより、皺や形崩れに対する抵抗性があった
が、これは製品形状の保持と吸収流体の漏洩防止という
全般的な性質の改善につながるものである。
【0082】本発明の範囲は、実施例や本明細書におい
て示唆した用法に限定されるものではない。本発明の範
囲を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であろう。例え
ば、本発明のシートに美感的あるいは機能的観点からさ
らに型付けパターンを付すこともできる。本発明の吸収
芯は、失禁パッド、オムツやタンポンの挿入物としての
吸収芯、あるいは品物の輸送や保管時における充填乾燥
材として使用することができる。
【0083】本発明の製品および方法は、現在あるいは
将来にわたって当業者に知られ得る衛生、失禁、医療お
よび吸収材に関する方法と技術を利用して適用すること
ができる。すなわち、本発明は、本発明の請求の範囲に
含まれる変形例にもおよぶものである。
【0084】この発明の具体的な実施態様は次の通りで
ある。 1)カレンダ−処理を施されたセルロースパルプ毛羽立
ちシートを含む請求項1記載の薄い高吸収性体。 2)カレンダー処理と穿孔型付け処理を施されたセルロ
ースパルプ毛羽立ちシートを含む請求項1記載の薄い高
吸収性体。 3)前記セルロースパルプ毛羽立ちシートは約0.1な
いし0.3g/cm3 の密度を有する請求項1記載の薄い高吸
収性体。 4)前記セルロースパルプ毛羽立ちシートは約0.2な
いし0.25g/cm3 の密度を有する請求項1記載の薄い高吸
収性体。 5)前記セルロースパルプ毛羽立ちシートは、少なくと
も約4cm3/g の吸収容量を有する請求項1記載の薄い高
吸収性体。 6)前記セルロースパルプ毛羽立ちシートは、少なくと
も約6cm3/g の吸収容量を有する請求項1記載の薄い高
吸収性体。 7)前記セルロースパルプ毛羽立ちシートは、0.05psi
の圧力下で約0.075 ないし0.2 インチの厚さを有する請
求項1記載の薄い高吸収性体。 8)前記セルロースパルプ毛羽立ちシートは、0.05psi
の圧力下で約0.09ないし0.15インチの厚さを有する請求
項1記載の薄い高吸収性体。 9)前記セルロースパルプ毛羽立ちシートは、乾燥状態
で、機械押し出し方向に少なくとも約1ポンド/インチ
の引張り強度を有する請求項1記載の薄い高吸収性体。 10)前記セルロースパルプ毛羽立ちシートは、乾燥状
態で、機械押し出し方向に少なくとも約2ポンド/イン
チの引張り強度を有する請求項1記載の薄い高吸収性
体。 11)前記セルロースパルプ毛羽立ちシートは、乾燥状
態で、機械押し出し方向に少なくとも約1ポンド/イン
チの引張り強度を有する請求項3記載の薄い高吸収性
体。 12)前記セルロースパルプ毛羽立ちシートは、乾燥状
態で、機械押し出し方向に少なくとも約2ポンド/イン
チの引張り強度を有する請求項3記載の薄い高吸収性
体。 13)前記セルロースパルプ毛羽立ちシートは、0.05ps
i の圧力下で約0.075 ないし0.2 インチの厚さを有する
請求項3記載の薄い高吸収性体。 14)前記セルロースパルプ毛羽立ちシートは、0.05ps
i の圧力下で約0.09ないし0.15インチの厚さを有する請
求項3記載の薄い高吸収性体。 15)前記セルロースパルプ毛羽立ちシートは、少なく
とも約4cm3/g の吸収容量を有する請求項3記載の薄い
高吸収性体。 16)前記セルロースパルプ毛羽立ちシートは、少なく
とも約6cm3/g の吸収容量を有する請求項3記載の薄い
高吸収性体。 17)前記セルロースパルプ毛羽立ちシートは約0.1
ないし0.3g/cm3 の密度を有する請求項3記載の薄い高
吸収性体。 18)前記セルロースパルプ毛羽立ちシートは約0.2
ないし0.25g/cm3 の密度を有する請求項3記載の薄い高
吸収性体。 19)カレンダ−処理を施されたセルロースパルプ毛羽
立ちシートを含む請求項4記載の薄い高吸収性体。 20)カレンダー処理と穿孔型付け処理を施されたセル
ロースパルプ毛羽立ちシートを含む請求項4記載の薄い
高吸収性体。 21)前記セルロースパルプ毛羽立ちシートは約0.1
ないし0.3g/cm3 の密度を有する請求項4記載の薄い高
吸収性体。 22)前記セルロースパルプ毛羽立ちシートは約0.2
ないし0.25g/cm3 の密度を有する請求項4記載の薄い高
吸収性体。 23)前記セルロースパルプ毛羽立ちシートは、少なく
とも約4cm3/g の吸収容量を有する請求項4記載の薄い
高吸収性体。 24)前記セルロースパルプ毛羽立ちシートは、少なく
とも約6cm3/g の吸収容量を有する請求項4記載の薄い
高吸収性体。 25)前記セルロースパルプ毛羽立ちシートは、0.05ps
i の圧力下で約0.075 ないし0.2 インチの厚さを有する
請求項4記載の薄い高吸収性体。 26)前記セルロースパルプ毛羽立ちシートは、0.05ps
i の圧力下で約0.09ないし0.15インチの厚さを有する請
求項4記載の薄い高吸収性体。 27)前記セルロースパルプ毛羽立ちシートは、乾燥状
態で、機械押し出し方向に少なくとも約1ポンド/イン
チの引張り強度を有する請求項4記載の薄い高吸収性
体。 28)前記セルロースパルプ毛羽立ちシートは、乾燥状
態で、機械押し出し方向に少なくとも約2ポンド/イン
チの引張り強度を有する請求項4記載の薄い高吸収性
体。 29)前記吸収層が約7/4ないし5/2インチの幅を
有する請求項7記載の生理ナプキン。 30)前記パルプ毛羽立ちシートは装着者に心地よさを
与えるのに十分な可撓性と使用時もしくは湿潤後にも形
状を保持するのに十分な剛性を備えた最適な可撓性を有
する請求項7記載の生理ナプキン。 31)前記吸収層は乾燥状態で約700〜1700gの
垂直方向の可撓性を有する請求項7記載の生理ナプキ
ン。 32)前記吸収層は乾燥状態で約1100〜1400g
の垂直方向の可撓性を有する請求項7記載の生理ナプキ
ン。 33)前記吸収層は乾燥状態で約550〜950gの垂
直方向の可撓性を有する請求項7記載の生理ナプキン。 34)前記工程a)で得られた稠密化パルプ毛羽立ちシ
ートは約0.25ないし0.55g/cm3 の密度を有する請求項8
記載の高吸収性・可撓性体の製造方法。 35)前記工程a)で得られた稠密化パルプ毛羽立ちシ
ートは約0.35ないし0.5g/cm3の密度を有する請求項8記
載の高吸収性・可撓性体の製造方法。 36)前記工程a)で得られた稠密化パルプ毛羽立ちシ
ートは乾燥状態で約0.03ないし0.07インチの厚さを有す
る請求項8記載の高吸収性・可撓性体の製造方法。 37)前記工程a)で得られた稠密化パルプ毛羽立ちシ
ートは乾燥状態で約0.04ないし0.06インチの厚さを有す
る請求項8記載の高吸収性・可撓性体の製造方法。 38)さらにセルロースパルプ毛羽立ち材をカレンダー
処理して稠密化する工程を含む請求項8記載の高吸収性
・可撓性体の製造方法。 39)前記カレンダー処理する工程におけるカレンダー
圧力は約200〜1300ポンド/インチである上記実
施態様38)に記載の方法。 40)前記カレンダー処理する工程におけるカレンダー
圧力は約300〜800ポンド/インチである上記実施
態様38)に記載の方法。 41)前記カレンダー処理する工程におけるカレンダー
圧力は約400〜500ポンド/インチである上記実施
態様38)に記載の方法。 42)さらにセルロースパルプ毛羽立ち材を多段階カレ
ンダー処理して稠密化する工程を含む請求項8記載の高
吸収性・可撓性体の製造方法。 43)前記多段階カレンダー処理においてはカレンダー
圧力を各段階で徐々に増加させていく上記実施態様4
2)に記載の方法。 44)前記多段階カレンダー処理の各段階においてセル
ロースパルプ毛羽立ち材の厚さを徐々に増加させていく
上記実施態様42)に記載の方法。 45)a)セルロースパルプ毛羽立ち材を比較的低圧力
でカレンダー処理してセルロースパルプ毛羽立ち材の厚
さを一定にする工程と、 b)工程a)で得られた一定の厚さのパルプ毛羽立ちシ
ートを、工程a)よりも十分高い圧力でカレンダー処理
して、稠密化されたセルロースパルプ毛羽立ちシートを
形成する工程を含む、請求項8に記載の高吸収性・可撓
性体の製造方法。 46)前記稠密化されたセルロースパルプ毛羽立ちシー
トをさらに穿孔型付け処理にかけ、稠密化されたセルロ
ースパルプ毛羽立ちシートを選択的に穿孔・圧縮する工
程をを含む、請求項8に記載の高吸収性・可撓性体の製
造方法。 47)前記稠密化されたセルロースパルプ毛羽立ちシー
トにさらに、相交わるヒンジラインを形成する工程を含
む、請求項8に記載の高吸収性・可撓性体の製造方法。 48)前記セルロースパルプ毛羽立ちシートに軟化材と
吸収材の少なくとも一方を組み入れる工程を含む、請求
項8に記載の高吸収性・可撓性体の製造方法。 49)前記パルプ毛羽立ちシートは装着者に心地よさを
与えるのに十分な可撓性と使用時もしくは湿潤後にも形
状を保持するのに十分な剛性を備えた最適な可撓性を有
する請求項10記載の生理ナプキン。 50)前記セルロースパルプ毛羽立ちシートは乾燥状態
で約700〜1700gの垂直方向の可撓性を有する請
求項10記載の方法。 51)前記セルロースパルプ毛羽立ちシートは乾燥状態
で約1100〜1400gの垂直方向の可撓性を有する
請求項10記載の方法。 52)前記セルロースパルプ毛羽立ちシートは乾燥状態
で約550〜950gの垂直方向の可撓性を有する請求
項10記載の方法。 53)前記セルロースパルプ毛羽立ちシートは機械押し
出し方向において少なくとも約1ポンド/インチの引張
り理強度を有する請求項10記載の方法。 54)前記セルロースパルプ毛羽立ちシートに軟化材と
吸収材の少なくとも一方を組み入れる工程を含む、請求
項10記載の方法。 55)前記セルロースパルプ毛羽立ちシートを、亜硫酸
木材パルプ板、硫酸木材パルプ板、剥離木材パルプ板、
漂白木材パルプ板、未漂白木材パルプ板、クラフト木材
パルプ板、化学・熱・機械パルプ、塩素で漂白された木
材パルプおよび過酸化水素で漂白された木材パルプから
なる群より選ばれる少なくとも一種から選択する工程を
含む請求項10記載の方法。
【0085】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
吸収容量と流体吸い上げ特性に富み、かつ流体の浸透時
間が短くて、使い捨て吸収用品に好適な可撓性を有する
セルロースパルプ毛羽立ちシートが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明により高密度・穿孔型付けセルロースパ
ルプ毛羽立ちシートを製造する工程の説明図である。
【図2】穿孔型付け処理の第1段階で用いる穿孔ロール
の垂直断面図である。
【図3】図2の穿孔ロールの断片的正面図である(この
ロールで処理される高密度化セルロースパルプ毛羽立ち
材は両ロールの穿孔歯間の相互関係を説明するため省略
してある)。
【図4】図2と図3の穿孔ロールで処理された高密度化
セルロースパルプ毛羽立ちウェブの拡大上面図である
(穿孔歯の相互作用から生じるウェブの形状を説明す
る)。
【図5】図4の5−5線に沿った断面図である。
【図6】穿孔型付け処理の第2段階で用いるクロス方向
型付けロールの垂直断面図である。
【図7】一方のクロス方向型付けロールの頂面図である
(このロールから得られるセルロースパルプ毛羽立ちウ
ェブの型付けパターンも示す)。
【図8】穿孔型付け処理の第3段階で用いる機械押し出
し方向型付けロールの垂直断面図である。
【図9】一方の機械押し出し方向型付けロールの頂面図
である(このロールから得られるセルロースパルプ毛羽
立ちウェブの型付けパターンも示す)。
【図10】穿孔型付け処理されたセルロースパルプ毛羽
立ちシートの拡大斜視図である。
【図11】本発明の生理ナプキンの吸収芯を一部露出さ
せた切欠斜視図である。
【図12】流体浸透時間試験を行う装置の斜視図であ
る。
【図13】45°の衝撃に対する耐性を試験する装置の
斜視図である。
【図14】流体吸収容量と体積変化量を測定する装置の
斜視図である。
【図15】傾斜面における流体吸い上げ特性を試験する
装置の斜視図である。
【図16】垂直可撓性と安定性を試験する装置の斜視図
である。
【図17】未処理セルロースパルプ毛羽立ちシートの流
体吸い上げ力の時間に対する関係を示すグラフである。
【図18】本発明のカレンダー処理と穿孔型付け処理を
施したセルロースパルプ毛羽立ちシートの流体吸い上げ
力の時間に対する関係を示すグラフである。
【符号の説明】
35 短手方向ライン 41 長手方向ライン 42 生理ナプキン 44 吸収芯 46 流体透過材 48 流体非透過材 50 接着バンド 52 剥離片
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ヘンリー・ブリゼボワ カナダ国、ケベツク ジエイ6ダブリユー 5エル7、ラシエネー、フローレント 2129

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 低繊維密度領域と毛管現象によってセル
    ロースパルプ毛羽立ちシート内で流体を拡散させる高繊
    維密度領域が交互に繰り返され、さらにセルロースパル
    プ毛羽立ちシートの可撓性を増すヒンジ領域を含む繊維
    密度プロフィールを形成する稠密化処理と型付け処理を
    施されたセルロースパルプ毛羽立ちシートを含む薄い高
    吸収性体。
  2. 【請求項2】 約0.1ないし0.3g/cm3 の密度と、
    少なくとも約4cm3/gの吸収容量と、0.05psi の圧力下
    で約0.075 ないし0.2 インチの厚さを有するようにする
    稠密化処理と型付け処理を施されたセルロースパルプ毛
    羽立ちシートを含む薄い高吸収性体。
  3. 【請求項3】 稠密化処理と型付け処理を施されたセル
    ロースパルプ毛羽立ちシートを含む、良好な流体吸い上
    げ特性を有する薄い高吸収性体。
  4. 【請求項4】 低繊維密度領域と毛管現象によってセル
    ロースパルプ毛羽立ちシート内で流体を拡散させる高繊
    維密度領域が交互に繰り返され、さらにセルロースパル
    プ毛羽立ちシートの可撓性を増すヒンジ領域を含む繊維
    密度プロフィールを示すようにする稠密化処理と型付け
    処理を施されたセルロースパルプ毛羽立ちシートを含
    む、生理ナプキン、失禁用品、オムツおよび創傷包帯か
    らなる群より選ばれる使い捨て吸収用品。
  5. 【請求項5】 低繊維密度領域と毛管現象によってセル
    ロースパルプ毛羽立ちシート内で流体を拡散させる高繊
    維密度領域が交互に繰り返され、さらにセルロースパル
    プ毛羽立ちシートの可撓性を増すヒンジ領域を含む繊維
    密度プロフィールを示すようにする稠密化処理と型付け
    処理を施されたセルロースパルプ毛羽立ちシートを包含
    する吸収芯を含む充填材。
  6. 【請求項6】 カレンダー処理と穿孔型付け処理を施さ
    れたセルロースパルプ毛羽立ちシートを包含する吸収芯
    を含む充填材。
  7. 【請求項7】 装着者に心地よさを与える十分な可撓性
    を有する、カレンダー処理と穿孔型付け処理を施された
    セルロースパルプ毛羽立ちシートを包含する吸収層を備
    えた、薄くて、吸収性・可撓性を有する生理ナプキン。
  8. 【請求項8】 a)セルロースパルプ毛羽立ち材料を機
    械的に圧縮して均一に稠密化する工程と、 b)工程a)で得られた稠密化パルプ毛羽立ちシートを
    交互に繰り返す高密度領域と低密度領域に区画しなが
    ら、パルプ毛羽立ちシートの剛性を和らげる複数のヒン
    ジを形成する型付け処理工程を含む、高吸収性・可撓性
    体の製造方法。
  9. 【請求項9】 a)セルロースパルプ毛羽立ち材料を機
    械的に圧縮して均一に稠密化する工程と、 b)工程a)で得られた稠密化パルプ毛羽立ちシートを
    交互に繰り返す高密度領域と低密度領域に区画しなが
    ら、パルプ毛羽立ちシートの剛性を和らげる複数のヒン
    ジを形成する選択的圧縮工程を含む、高吸収性・可撓性
    体の製造方法。
  10. 【請求項10】 生理ナプキン中の吸収・吸い上げ芯と
    して、約0.1ないし0.3g/cm3 の密度と、少なくと
    も約4cm3 /gの吸収容量と、0.05psi の圧力下で約0.07
    5 ないし0.2 インチの厚さを有するようにする稠密化処
    理と型付け処理を施されたセルロースパルプ毛羽立ちシ
    ートを組み入れる工程を含む、薄くて心地よい生理ナプ
    キンに良好な吸収特性を与える方法。
JP3360316A 1991-01-04 1991-12-28 高吸収性・可撓性セルロースパルプ毛羽立ちシート Pending JPH0584262A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US07/637,407 US5064799A (en) 1990-01-10 1991-01-04 Components and catalysts for the polymerization of olefins
US637407 2004-12-17

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0584262A true JPH0584262A (ja) 1993-04-06

Family

ID=24555791

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3360316A Pending JPH0584262A (ja) 1991-01-04 1991-12-28 高吸収性・可撓性セルロースパルプ毛羽立ちシート

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0584262A (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007014635A (ja) * 2005-07-08 2007-01-25 Kao Corp 吸収性物品
JP2014516299A (ja) * 2011-04-26 2014-07-10 ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー 歪められた密度プロファイルを有する吸収性部材を作製する方法
JP2014516298A (ja) * 2011-04-26 2014-07-10 ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー 密度プロファイルを有する吸収性部材
JP2014516300A (ja) * 2011-04-26 2014-07-10 ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー 密度プロファイルを有する吸収性部材を作製する方法
US9439815B2 (en) 2011-04-26 2016-09-13 The Procter & Gamble Company Absorbent members having skewed density profile
US9452089B2 (en) 2011-04-26 2016-09-27 The Procter & Gamble Company Methods of making absorbent members having density profile
US9452094B2 (en) 2011-04-26 2016-09-27 The Procter & Gamble Company Absorbent members having density profile
US10011953B2 (en) 2011-04-26 2018-07-03 The Procter & Gamble Company Bulked absorbent members

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS497507A (ja) * 1972-03-30 1974-01-23
JPS49143589U (ja) * 1973-04-02 1974-12-11
JPS52126695U (ja) * 1976-03-23 1977-09-27
JPS5359596U (ja) * 1976-06-01 1978-05-20
JPS57205503A (en) * 1981-06-11 1982-12-16 Johnson & Johnson Baby Prod Absorbing body
JPS5865003A (ja) * 1981-09-22 1983-04-18 コルゲ−ト・パ−モリブ・カンパニ− 吸収性製品
JPS6185944A (ja) * 1984-08-17 1986-05-01 パ−ソナル・プロダクツ・カンパニ− パ−フエンボシングされた吸収構造体

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS497507A (ja) * 1972-03-30 1974-01-23
JPS49143589U (ja) * 1973-04-02 1974-12-11
JPS52126695U (ja) * 1976-03-23 1977-09-27
JPS5359596U (ja) * 1976-06-01 1978-05-20
JPS57205503A (en) * 1981-06-11 1982-12-16 Johnson & Johnson Baby Prod Absorbing body
JPS5865003A (ja) * 1981-09-22 1983-04-18 コルゲ−ト・パ−モリブ・カンパニ− 吸収性製品
JPS6185944A (ja) * 1984-08-17 1986-05-01 パ−ソナル・プロダクツ・カンパニ− パ−フエンボシングされた吸収構造体

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007014635A (ja) * 2005-07-08 2007-01-25 Kao Corp 吸収性物品
JP2014516299A (ja) * 2011-04-26 2014-07-10 ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー 歪められた密度プロファイルを有する吸収性部材を作製する方法
JP2014516298A (ja) * 2011-04-26 2014-07-10 ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー 密度プロファイルを有する吸収性部材
JP2014516300A (ja) * 2011-04-26 2014-07-10 ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー 密度プロファイルを有する吸収性部材を作製する方法
US9439815B2 (en) 2011-04-26 2016-09-13 The Procter & Gamble Company Absorbent members having skewed density profile
US9452093B2 (en) 2011-04-26 2016-09-27 The Procter & Gamble Company Absorbent members having density profile
US9452089B2 (en) 2011-04-26 2016-09-27 The Procter & Gamble Company Methods of making absorbent members having density profile
US9452094B2 (en) 2011-04-26 2016-09-27 The Procter & Gamble Company Absorbent members having density profile
US9534325B2 (en) 2011-04-26 2017-01-03 The Procter & Gamble Company Methods of making absorbent members having skewed density profile
US10011953B2 (en) 2011-04-26 2018-07-03 The Procter & Gamble Company Bulked absorbent members

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5242435A (en) Highly absorbent and flexible cellulosic pulp fluff sheet
JP3315115B2 (ja) 柔軟性吸収性シート
CA2397938C (en) Absorbent products with improved vertical wicking and rewet capability
US20030208175A1 (en) Absorbent products with improved vertical wicking and rewet capability
EP0719530A1 (en) Absorbent sheet and process for producing the same
AU646255B2 (en) Absorbent perf-embossed debonded pulp board
JPH10179636A (ja) ミズゴケ物質を含む液体吸収性物体、その製造方法及びそれを用いた積層液体吸収性製品
EP0595927B1 (en) Method for co-forming an absorbent structure having a transfer layer and a reservoir layer
JPH0584262A (ja) 高吸収性・可撓性セルロースパルプ毛羽立ちシート
JP3552336B2 (ja) 吸収性物品
CA2321418C (en) Highly absorbent and flexible cellulosic pulp fluff sheet
JPH08164163A (ja) 使いすておむつ