JPH0584018B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、投写型ビデオプロジエクターの陰極
線管アノード部に対するＸ線シールド装置に関す
るものである。

従来の技術 近年、投写型ビデオプロジエクターにおいて、
高輝度の画面を得るため、陰極線管のアノード部
（以下「アノード部」と記す）に印加する電圧、
すなわちアノード電圧を高くするようになり、そ
のため陰極線管（以下CRT」と記す）より放射
されるＸ線量が増大し、Ｘ線シールドが必要とな
り、種々のＸ線シールド対策が施されている。こ
のような従来のＸ線シールド装置の一例について
第３図〜第５図を用いて説明する。第３図におい
て、１はCRTのアノードコンタクト部、２は
CRTコーン部、３はアノードキヤツプ、４は鉛
テープからなりＸ線シールド部材、５はシリコン
ボンド等の絶縁性接着剤であり、この絶縁性接着
剤５はCRTアノード電圧のＸ線シールド部材４
への高圧リーク電流を遮断するためのものであ
る。６はCRTフエースである。

上記Ｘ線シールド装置においては、Ｘ線シール
ド部材４をCRTの外側周囲に貼付するため。上
述したように、アノードコンタクト部１において
は高圧リークが発生するため、Ｘ線シールド部材
４の貼付ができず、アノードキヤツプ３の周辺は
Ｘ線シールドが施されなかつた。アノード電圧が
まだそれ程高くない間は、従来の構成で充分Ｘ線
の放射量を規定値以下にすることができ、かつ、
CRTに鉛テープ等のＸ線シールド部材４を貼付
することのみであるからCRT準備工程で作業も
簡単に行なうことができ、効果的な対策であつ
た。然るに、アノード電圧が、高輝度画面の要請
によりますます高くなるにつれて、アノードキヤ
ツプ部からのＸ線放射量が増大してきたため、上
記従来の構成では規定値以下にすることができな
くなつてきた。

そのため、第４図のように、アノードキヤツプ
３を包むようにＸ線シールドケース７を設け、
CRTの周囲全体をシールドする構成や、第５図
のように、Ｒ，Ｇ，B3本のCRTを鉄ケース８内
に格納する構成のＸ線シールド装置によつて、Ｘ
線放射量を規定値以下にするような対策がなされ
ている。なお第４図において、９はアノードリー
ド、１０はCRT取付金具、１１，１２は半田付
部であり、第５図において、１３はCRTネツク
部用孔、１４はアノードキヤツプ部Ｘ線シールド
鉄カバーである。

発明が解決しようとする問題点 しかしながら、上記のような第４図及び第５図
の構成では、アノードキヤツプ３を取り付けてか
らＸ線シールド装置を取り付けなければならない
ため、CRT準備工程でＸ線対策を完了すること
ができず、組立工程において行なうことが必要と
なるため、非常に作業効率が低下し、更に第４図
の方法では、CRTをＸ線シールド部材４で包ん
だ後に半田付けをする等、工数的にも能率が悪く
なる。一方第３図の構成では、CRTの準備工程
でＸ線対策を完了でき、作業性はよいのである
が、CRTアノード部からのＸ線対策が不完全で
あるので、充分なＸ線対策が施せないという問題
点を有していた。

本発明は上記問題点を解消するもので、CRT
準備工程でＸ線対策を完了できる作業性のよい、
かつアノード部に対するＸ線シールドも充分に行
なえるようなＸ線シールド装置を提供することを
目的とする。

問題点を解決するための手段 上記問題点を解決するため、本発明のＸ線シー
ルド装置は、陰極線管のアノードコンタクト部に
対応する開孔部を中心部に有しかつ外周部に環状
突出部を有する絶縁シートと、この絶縁シート上
でかつ前記環状突出部に囲まれた部分に貼着され
た環状のＸ線シールド部材とを備えた構成とした
ものである。

作 用 上記構成によれば、アノード電圧が高くなつて
も、Ｘ線放射量を規定値以下に抑え、かつCRT
準備段階でＸ線対策を完了することができること
からきわめて作業効率がよい。

実施例 以下、本発明の一実施例を第１図に基づいて説
明する。

第１図Ａは本発明の一実施例におけるＸ線シー
ルド装置をCRTアノード部に貼付した状態の断
面図、同図Ｂは同Ｘ線シールド装置の断面図で、
第１図において、２０はCRTのアノードコンタ
クト部、２１はCRTコーン部、２２はアノード
キヤツプ、２３はシリコンなどからなる合成樹脂
製の円環状の絶縁シート、２４は鉛テープなどか
らなるＸ線シールド部材、２５はシリコンボンド
などからなる絶縁性接着剤、２６は２６は開孔
部、２７は絶縁シート２３の外周部に形成された
環状突出部である。絶縁シート２３上に貼付され
た鉛テープなどのＸ線シールド部材２４は、環状
突出部２７を隔壁として、その内側の円環状のＸ
線シールド部材２４ａと外側の円環状のＸ線シー
ルド部材２４ｂとに分離されている。

以下、上記構成における作用について説明す
る。上記Ｘ線シールド装置は、アノードコンタク
ト部２０に、アノードコンタクト部２０と開口部
２６とを対応させて貼付するので、環状突出部２
７により分離されたＸ線シールド部材２４ａ，２
４ｂによる高圧リークは防止され、かつCRT準
備工程でアノードコンタクト部２０にＸ線シール
ドを施すことができる。

このように本実施例によれば、外周部に環状突
出部２７を形成した絶縁シート２３に、鉛テープ
などからなる環状のＸ線シールド部材２４ａ，２
４ｂを貼付してアノードコンタクト部のＸ線シー
ルド装置を構成しているので、シリコンボンド等
の絶縁性接着剤の塗布を施さなくとも完全な高圧
リーク防止ができる。

第２図は別の実施例を示しており、環状突出部
２８を断面逆三角形に形成して、高圧リークをよ
り完全に防止するようにしたものである。

また図示しないが、CRTの曲面に貼付しやす
いように、絶縁シート２３及びＸ線シールド部材
２４ａ，２４ｂに、開孔部２６の中心を頂点とす
る三角形状の切欠きを形成することにより鋭角の
切れ目を設ければ、作業性をさらに向上させるこ
とができる。

発明の効果 以上述べたごとく本発明によれば、アノードコ
ンタクト部に対応した開孔部を有しかつ外周部に
環状突出部を有する絶縁シート上にＸ線シールド
部材を貼着し、これによりアノードコンタクト部
のＸ線シールドを行なうようにしたので、Ｘ線放
射量を規定値以下に抑えることができると同時
に、作業性を大幅に向上させることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図Ａは本発明の一実施例におけるＸ線シー
ルド装置をCRTアノード部に貼付した状態の断
面図、同図Ｂは同Ｘ線シールド装置の断面図、第
２図は別の実施例におけるＸ線シールド装置の絶
縁シートの断面図、第３図は従来のＸ線シールド
装置を装着したCRTの概略平面図、第４図Ａは
別の従来のＸ線シールド装置を装着したCRTの
側面図、同図Ｂは同外観斜視図、第５図はさらに
別の従来のＸ線シールド装置の外観斜視図であ
る。 ２０……アノードコンタクト部、２３……絶縁
シート、２４，２４ａ，２４ｂ……Ｘ線シールド
部材、２６……開孔部、２７……環状突出部。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 陰極線管のアノードコンタクト部に対応する
   開孔部を中心部に有しかつ外周部に環状突出部を
   有する絶縁シートと、この絶縁シート上でかつ前
   記環状突出部に囲まれた部分に貼着された環状の
   Ｘ線シールド部材とを備えたＸ線シールド装置。 ２ 絶縁シート及びＸ線シールド部材は、開孔部
   の中心を頂点とする鋭角の切れ目を有する構成と
   した特許請求の範囲第１項記載のＸ線シールド装
   置。