JPH0583506U - ワイヤークランプ装置 - Google Patents

ワイヤークランプ装置

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JPH0583506U
JPH0583506U JP2374292U JP2374292U JPH0583506U JP H0583506 U JPH0583506 U JP H0583506U JP 2374292 U JP2374292 U JP 2374292U JP 2374292 U JP2374292 U JP 2374292U JP H0583506 U JPH0583506 U JP H0583506U
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wire clamp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ワイヤークランプ装置に対し、締め付けと
開放の過程において単位コレットとワイヤーロープとの
間の位置関係を変えることのないコレツトの締め付け手
段と、クランプの最中に加わる逆方向の荷重を受ける手
段とを具備せしめることにある。 【構成】 直列状に連結した2つのシリンダーチュー
ブ101,201に各々中空状ピストンロッド102,
202を挿着し、これらピストンロッド102,202
の内周に各々逆向きの円錐状テーパ面102b,202
bを形成すると共に、同ピストンロッド102,202
内に各々円錐状テーパ面102b,202bに合致する
円錐台形のコレツト103,203を挿入し、このコレ
ット103,203の各単位コレット103’203’
内周にはワイヤーロープaと合致する係合溝109,2
09を形成したものである。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
この考案はワイヤークランプ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のワイヤークランプ装置の中には特願昭60−299423号のクランプ 装置の基本構造を利用したものがある。 このワイヤークランプ装置は、シリンダチューブの中に筒状の収縮スリーブを内 嵌し、この収縮スリーブの内周にワイヤーロープを挿通させるコレットを挿着し て構成される。 上記した収縮スリーブは周囲の一箇所を軸方向に切り欠き、その切り欠き部の端 部同士を円周方向へスライド自在に重ね合わせることにより円周方向に収縮拡開 するように構成してある。また、収縮スリーブの内周に挿着するコレットは複数 の単位コレットに分割して拡開収縮可能に構成し、収縮時において該コレット内 に挿通させたワイヤーロープを外周から締め付けるように構成してある。 そして、収縮スリーブとシリンダチューブ内周との間に油圧をかけることにより 収縮スリーブを外周から圧縮させて、該スリーブ内のコレットを収縮させ、該コ レット内に挿通させたワイヤーロープをクランプするように構成してある。 また、上記コレットを構成する各単位コレットの内周には、ワイヤーロープの外 周に形成される撚り模様の凹凸と合致する螺旋状の係合溝が形成してあり、上記 したようにワイヤーロープを締め付ける際において、上記係合溝がワイヤーロー プの外形と合致してワイヤーロープのクランプを確実に行うような工夫がなされ ている。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
しかしながら、上記したうに構成されるワイヤークランプ装置は、無負荷状態 において分割される各単位コレットが回転するように構成される為に、各単位コ レットと挿通されるワイヤーロープとの間において円周方向の位置関係がずれて しまうことがある。したがって、次ぎのクランプ時に各単位コレットの内周面に 形成した係合溝とワイヤーロープ外周に形成される撚り模様の凹凸とが一致しな くなり、これにより確実なクランプが出来ずにワイヤーロープが滑ってしまうこ とがある。 また、上記したコレット及び該コレットを内嵌する収縮スリープはシリンダチュ ーブの油室内において自由に動き得るため、仮に収縮スリーブが定位置から移動 した場合はワイヤーロープを挿通させる軸芯部までもが変位してしまう問題があ った。
【0004】 一方、上記したワイヤークランプ装置を使用する作業として、図8にて示すよ うな挿入管の挿入作業が上げられる。 この作業は、大重量の挿入管501を一方向へ向けて挿入する作業であり、上記 挿入管501の後端をフレーム502により後押しするように支持し、該フレー ム502の両側部に各々中空状の押しシリンダ503と引きシリンダ504同芯 させて設置し、この両シリンダ503,504の内部に2本平行して張設したワ イヤー505を挿通してある。そして、上記した両シリンダ503,504の作 動端に取り付けた引き側ワイヤークランプ506と押し側ワイヤークランプ50 7の締付け力により反力bを受けながら押しシリンダ503及び引きシリンダ5 04を押し作動又は引き作動することによりフレーム502を前進させて挿入管 501を一方向へ向けて挿入する。
【0005】 上記した挿入管501の挿入時において両ワイヤークランプ506,507に 加わる反力bは通常の場合挿入管501の挿入方向と逆の方向に加わえられる。 ところが、挿入作業中においては、挿入管501がシリンダ503,504の押 し又は引き作動の速度よりも早い速度で挿入の進行を生じ、この為に両クランプ 506,507に加わる反力が上記反力bとは逆に加わることがある。この挿入 管501の進行速度とシリンダ503,504の作動速度との差は挿入管501 の慣性力によるものである。 即ち、ワイヤークランプ装置にあっては上記した挿入管の挿入作業の場合のよう に作業中にうける反力が正方向に限られる訳ではなく、一次的に逆方向から加え られる場合がある。従って、上記したような作業に用いるワイヤークランプ装置 にあっては、ワイヤークランプ時において加わる逆方向からの荷重に対応するこ とができる機能が必要である。
【0006】 本考案の目的は、ワイヤークランプ装置に対し、締め付けと開放の過程におい て単位コレットとワイヤーロープとの間の位置関係を変えることのないコレツト の締め付け手段と、クランプの最中に加わる逆方向の荷重を受ける手段とを具備 せしめることにより、前記した管の挿入作業ような場合においても滑べりや緩み の生じない強固なクランプを実現することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記した課題を解決する為に本考案のワイヤークランプ装置は、直列状に連結 した2つのシリンダーチューブに各々中空状ピストンロッドを挿着し、これらピ ストンロッドの内周に各々逆向きの円錐状テーパ面を形成すると共に、同ピスト ンロッド内に各々その円錐状テーパ面に合致し且つ複数の単位コレットに分割さ れて径方向に拡開収縮可能な円錐台形のコレツトを挿入し、このコレットの各単 位コレット内周にはワイヤーロープ外周に形成される撚り模様の外形と合致する 係合溝を形成したものである。
【0008】
【作用】
以上の手段によれば、直列される両シリンダチューブ内には各々中空状のピス トンロッドが挿着され、この両ピストンロッド内周にはそれぞれ円錐状テーパ面 が逆向きに形成される。この両円錐状テーパ面内には各々複数の単位コレットに 分割される円錐台形のコレットが合致した状態で挿入され、上記シリンダチュー ブ、両ピストンロッド、各々のコレツトの各軸芯が一致した状態で維持される。 尚、上記した一方のコレットをワイヤークランプ用、他方のコレットを緩み止め 用とすると、両コレットに挿通させるワイヤーロープはワイヤークランプ用コレ ットの小径側へ向けて引かれるように挿通する。
【0009】 ワイヤークランプ用のシリンダチューブ内の締め側に加わえられる油圧によっ てピストンロッドがコレット大径側へ向けて移動すると、該ピストンロッド内周 に形成した円錐状テーパ面の嵌合部内径が小径側へ向けて移行する。これにより 、ワイヤークランプ用のコレットが外周から圧縮されて各単位コレットが収縮し 、該コレットに挿通されるワイヤーロープが締め付けられてクランプされる。 上記した各単位コレットの内周面には係合溝が形成され、クランプ状態において 、その係合溝とコレットに挿通されるワイヤーロープ外周に形成される撚り模様 の外形とが合致した状態にてコレットによる締め付けが行われる。 反対に、シリンダチューブ内の戻し側に加えられる油圧によりピストンロッドが コレット小径側へ向けて移動すると、ピストンロッド内周の円錐状テーパ面の嵌 合部内径が大径側へ向けて移行して各単位コレットが拡開し、コレットによるワ イヤーロープの締め付けが解除される。
【0010】 また、緩み止め用のコレットは他方のシリンダチューブ内において上記したク ランプ用のコレットとは逆向きに装着されるが、他方のシリンダチューブの締め 側又は戻し側に油圧を加えると上記したクランプ用のコレットと同様に円錐状テ ーパ面に対する嵌合位置が移動してワイヤーロープの締め付け及び解除を行なう 。
【0011】 上記したワイヤークランプ用及び緩み止め用の両コレットは、各々のピストン ロッドの円錐状テーパ面内に合致した状態にて挿入されるので、ピストンロッド が移動する際にも円錐状テーパ面の移行に従って径方向に拡開収縮するだけであ り、コレットとワイヤーロープとの間の位置関係に変化を生じることがない。
【0012】 また、上記コレットの締め付けによりクランプされるワイヤーロープは、ワイ ヤークランプ装置に加えられる正方向の荷重、若しくはワイヤーロープ自らに加 わる正方向の荷重によって円錐状テーパ面の小径方向へ向けて引かれる。そして 、ワイヤークランプ装置若しくはワイヤーロープに対して上記したような正方向 の荷重が加わると、その荷重はクランプ状態にあるコレットを円錐状テーパ面の 小径側にくさびの如く喰い込ませるように作用するので、コレットによる締め付 け力は上記した正方向の荷重に比例して強められる。 従って、ワイヤークランプ用のコレットにおいては、ワイヤークランプ装置若し くはワイヤーロープ加わる正方向の荷重がその締め付け力を強める方向に作用し 、反対に緩み止め用のコレットに対してはくさびの喰い込みを緩めてワイヤーロ ープに対する締付け力を弱める方向に作用する。 また、ワイヤークランプ装置若しくはワイヤーロープに逆方向の荷重が加わった 場合、ワイヤークランプ用のコレットが円錐テーパ面の大径側に引かれてワイヤ ーロープの締め付けが緩むことになるが、これと同時に緩み止め用のコレットが 円錐テーパ面の小径側に喰い込んでワイヤーロープを締め付けるのでワイヤーロ ープのクランプは維持される。
【0013】
【考案の効果】
本考案は以上説明したように構成したものであるから、以下に列記する如き効 果を奏する。 1.ワイヤークランプ用及び緩み止め用のコレットは、ピストンロッドの油圧移 動により拡開、収縮が行なわれる際に回転することがないので、ワイヤーロープ のクランプと解除を繰り返す過程において各単位コレットとワイヤーロープとの 間の位置関係が変化するのを防止することができ、これにより単位コレット内周 の係合溝とワイヤーロープ外周に形成される撚り模様の外形との合致状態を常に 維持して滑べりのない確実なクランプを行うことができる。さらに、シリンダチ ューブ、ピストンロッド、コレットの3者の軸芯が必然的に一致する構造である から、コレットに挿通させるワイヤーロープを常時軸芯部にてクランプすること ができる。 2.ピストンロッド内周の円錐状テーパ面を介して行う締め付けは、くさび効果 によりコレットに対して効率的に大きな締め付け力を与えることができ、さらに 、ワイヤークランプ装置若しくはワイヤーロープに加わる正方向の荷重は、クラ ンプ状態においてワイヤークランプ用コレットの締め付け力を強める方向に作用 するので、大きな引っ張り荷重が加わる状態においてもクランプの緩みを確実に 防止することができる。 3.ワイヤークランプ用のコレットに対して緩み止め用のコレットを逆向きに設 けているので、クランプ状態においてワイヤークランプ装置若しくはワイヤーロ ープに逆方向の荷重加わることによりワイヤークランプ用コレットの締付けが緩 んだ場合においても、上記ワイヤークランプ用コレットに代わり緩み止め用のコ レットによる締め付けが強固に行なわれてクランプの緩みを確実に防止すること ができる。従って、上記したように円錐状テーパ面とコレットとによるくさび効 果を利用した締め付け構造を採用しても、クランプ状態において加わる逆方向の 荷重に対応することができるようになり、よって前記した挿入管の挿入作業等の ように逆方向の荷重が加わる作業にも有効に使用することができる。
【0014】
【実施例】
以下、本考案の一実施を図面に基づいて説明する。
【0015】 図1乃至図6は本考案を実施したワイヤークランプ装置を示している。このワ イヤークランプ装置は各々円錐台形のコレット103,203を備える2台のク ランプA1,A2を逆向きにして直列に連結した形で構成され、その一方のクラ ンプA1をワイヤークランプ用として、また他方のクランプA2を緩み止め用と して構成している。 上記ワイヤークランフ装置は、2つのシリンダチューブ101,201を直列状 に連結し、この両シリンダチューブ101,201の内部に各々油圧で往復動す る中空状のピストンロッド102,202を嵌挿し、さらにこれらピストンロッ ド102,202内にワイヤーロープaを締め付ける円錐台形のコレット103 ,203を各々逆向きに挿入することにより構成してある。
【0016】 上記した両クランプA1,A2は各々逆向きに設けられるが、その構造自体は 同じであり、まず一方のワイヤークランプ用のクランプA1から構成を説明する 。 クランプ装置A1のシリンダチューブ101は円筒状に形成し、その一端に接続 用の基板104aを有する受座104、また他端には緩み止め用のクランプA2 との連結部材ともなるベアリングカバー305をボルト止めにより結合すること により軸芯部が貫通する本体を構成している。 シリンダチューブ101の一端口内にはリング状のガイド101aを螺嵌してあ り、これにより同シリンダチューブ101の内部にピストンロッド102を摺動 自在に嵌挿させるガイド孔101bと、それよりも大径なシリンダ室101cと を形成してある。そして、シリンダチューブ101の外周部には各々油圧源(図 示せず)に連絡させる締め側ポート口110aと戻側ポート口110bとを穿設 し、これらをシリンダ室101cの一端と他端とに連通させてある。
【0017】 上記したシリンダチューブ101内に嵌挿されるピストンロッド102は中空 状に形成される。そして、シリンダチューブ101のガイド孔101bと嵌合さ せる外周部の略中央に一回り径の大きなピストン102aを形成し、このピスト ン102aをシリンダ室101c内に対して往復摺動自在に嵌挿する。尚、上記 したピストン2aの外週部とシリンダチューブ101のガイド孔101b内周と には各々Oリング111a,111bを弾装させてあり、該Oリング111a, 111bによりシリンダチューブ101内周とピストンロッド102外周との間 における摺動面の油密を保持している。 また、ピストンロッド102の一端部外周にはピン102cを突設し、このピン 102cを前記した受け座104の内周に沿って形成したガイド溝104c内に 係合させることにより、ピストンロッド102が往復動する際に生じる回転を抑 止している。
【0018】 ピストンロッド102の内周には一端から他端へ向けて拡開する円錐状に形成 したテーパ面102bを形成し、この内部にコレット103を挿着してある。 コレット103は上記したピストンロッド102内周の円錐状テーパ面102b と合致する円錐台径に形成され、その軸芯部にワイヤーロープaを挿通させる挿 通孔103aを穿設すると共に、図3及び図4にて示すように縦割り溝103b を十字状に入れることにより円周方向に等分される4個の単位コレット103’ に分割して構成してある。 各単位コレット103’相互は、図4及び図5にて示すように縦割り溝103b を挟んで対面する接合面間にわたって、固定ピン107とこのピン107の外周 に嵌合されるスプリング108とを嵌挿することにより連結し、この状態でシリ ンダチューブ101の円錐状テーパ面102b内に弾装状態で挿着させることに より、シリンダチューブ101内において径方向に拡開、収縮自在に保持される 。 上記したように構成したコレット103は、一端の軸支部103cを受座104 に一体嵌合させたベアリング保持カバー104bのベアリング116に対して遊 嵌状態で嵌挿させると共に、他端の軸支部103dをベアリングカバー305内 に設けたベアリング112に対して同様に嵌挿させることにより両端部における 径方向の保持が行われる。 これと同時に、コレット103は一端部の支持部103c端面を受座104の保 持カバー104b内に取り付けたスラストベアリング115に対して当接させる と共に、他端部の軸支部103d端面をベアリングカバー305内に設けた座金 113に当接させることにより、スラストベアリング15と座金113との間に 挟まれてスラスト方向の移動が禁止される。
【0019】 また、コレット103軸芯部に沿って穿設される挿通孔103aの内周面には 係合溝109が形成してある。係合溝109はワイヤーロープaの外周に現れる 撚り模様の外形と合致する螺旋状の溝であり、コレット103を締め付けた際に ワイヤーロープa外周の撚り模様の外形と合致することによりクランプ時におい てワイヤーロープaの滑べり止めが確実に行われる。
【0020】 一方、緩み止め用のクランプA2は上記したワイヤークランプ用のクランプA 1と同様に、ベアリングカバー305を介してクランプA1のシリンダチューブ 101と連結されるシリンダチューブ201の内部に中空状のピストンロッド2 02を挿着し、このピストンロッド202の内部に一端部へ向けて広がる円錐状 のテーパ面202bを形成し、このテーパ面202bに円錐台形のコレット20 3を嵌着して構成してある。 即ち、緩み止め用のクランプA2は前記したワイヤークランプ用のクランプA1 と基本的に構造を同じくするが、テーパ面202b及びコレット203が逆向き に設けられ、中央の連結部を挟んでクランプA1と対称的に構成される。また、 クランプA2はクランプA1よりも一回り小さく構成してある。
【0021】 上記した如く構成したワイヤークランプ装置は、単体で使用する場合や、前記 したような管の挿入作業に使用する場合があるが、何れの使用にしてもシリンダ チューブ101一端の基板104aを設置箇所に対してボルト止めして取り付け 固定し、さらにシリンダ101及び201の締め側ポート110a,210a戻 し側ポート110b,210bを各々油圧源(図示せず)に対して連絡する。 図1はシリンダBの先端に対してワイヤークランプ装置Aの一端を取付固定し、 このワイヤークランプ装置Aにワイヤーロープaを挿通させて張力を加えた例で あり、図8にて示した管の挿入作業に用いる押し側のワイヤークランプに相当す る。
【0022】 従って、上記したワイヤークランプ装置Aにあって、ワイヤークランプ用のク ランプA1の締め側ポート口110aから油圧を加えると、ピストンロッド10 2のピストン102aがシリンダ室101c一端側の油圧力によりコレット10 3の大径側、即ち他端側へ向けて移動し、該ピストンロッド102内周に形成し た円錐状テーパ面102bの嵌合部内径が小径側へ向けて移行する。これにより 、コレット103は外周から圧縮されて各単位コレット103’が収縮し、該コ レット103に挿通されるワイヤーロープaが締め付けられてクランプ状態とな る。 これと同時に、緩み止め用のクランプA2の締め側ポート口210a,210b に対しても油圧が加えられる。すると前記したと同様に、ピストンロッド202 のピストン202aがシリンダ室201c他端側の油圧力によりコレット203 の大径側、即ち一端側へ向けて移動し、これにより、コレット203が外周から 圧縮され、該コレット203に挿通されるワイヤーロープaが締め付けられてク ランプされる。 クランプ状態においては、ワイヤークランプ用及び緩み止め用の両クランプA1 ,A2の各単位コレット103’,203’の内周面に形成される係合溝109 ,209がコレット103,203に挿通されるワイヤーロープa外周に形成さ れる撚り模様の外形と各々に合致し、滑べりの無い締め付けがおこなわれる。
【0023】 反対に、両クランプA1,A2の戻し側ポート110b,210bからシリン ダ室101c,201c内の戻し側に加えられる油圧によりピストンロッド10 2,202がコレット103,203の小径側へ向けて移動すると、ピストンロ ッド102,202内周の円錐状テーパ面102b,202bの嵌合部内径が各 々大径側へ向けて移行して各単位コレット103’,203’が拡開し、両コレ ット103,203によって行われていたワイヤーロープaの締め付けが図2及 び図5にて示すように解除される。
【0024】 上記したようにワイヤークランプ用のクランプA1のピストンロッド102が 軸方向に往復移動した場合において、上記ピストンロッド102の円錐状テーパ 面102b内に合致した状態にて挿入されるコレット103は、円錐状テーパ面 102bの移行に従ってピストンロッド102と軸芯を一致させたまま径方向に 拡開収縮するだけである。従って、コレット103の軸芯が径方向にずれたり、 コレット103とワイヤーロープaとの間の位置関係が変化することはない。ま た、これは緩み止め用のクランプA2においても云えることである。 従って、コレット103,203による締め付けと解除を繰り返してもワイヤー ロープa外周の撚り模様の外形と各単位コレット103’,203’内周に形成 した係合溝109,209とを常に合致させることができ、これにより下方へ向 けて引かれるワイヤーロープaを確実に滑べり止めすることができる。 また、上記した両コレット103,203による締め付け力は円錐状テーパ面1 02b,202bの傾斜角度に逆比例して増減し、反対にコレット103,20 3からピストンロッド102,202に対して掛かるワイヤーロープaからの反 力は上記傾斜角度に比例して増減される。従って、上記した円錐状テーパ面10 2b,202bの傾斜角を十分に小さく設定することにより、一定の油圧力に対 して生じるコレット103,203の締め付け力を増大させることができ、逆に コレット103,203を介してピストンロッド102,202を戻すように作 用するワイヤーロープaからの反力は減少させることができる。
【0025】 ところで、上記したようにワイヤークランプ用のクランプA1は、通常時にお いてシリンダBからの押し力により図面右側へ向けて押される。この荷重はクラ ンプ状態にあるコレット103を円錐状テーパ面102bの小径側にくさびの如 く喰い込ませるように作用するので、コレット103によるクランプ力はシリン ダBからの押し力が大きくなるのに比例して合理的に強められる。 一方、一端へ向けて拡開する円錐状テーパ面202bを有する緩み止め用のクラ ンプA2は、上記したシリンダBからの押し力によりクランプ状態にあるコレッ ト203が円錐状テーパ面202bの大径側に移動されるのでれるのでコレット 203によるクランプが逆に弱めらることになる。
【0026】 また、上記したワイヤークランプ装置Aに対して逆方向、即ち図面左側へ向け て荷重が加わった場合、ワイヤークランプ用のクランプA1のコレット103が 円錐テーパ面102bの大径側に引かれてワイヤーロープaの締め付けが緩むこ とになる。しかし、これと同時に緩み止め用のクランプA2のコレット203が 円錐テーパ面202bの小径側に喰い込んでワイヤーロープaを締め付けるので ワイヤーロープaのクランプは維持される。
【0027】 而して、上記したワイヤークランプ装置Aによれば、ワイヤークランプ用のク ランプA1は円錐状テーパ面102bとコレット103との挿着関係はくさび式 の締め付け効果を発揮するゆえに、その締め付け力は極めて強固であると同時に 、高荷重に伴って増大し、また、ワイヤーロープa外形とコレット103内周の 係合溝109との合致と相俟って滑べりのない確実なクランプが可能となる。 また、ワイヤークランプ用のコレット103に対して緩み止め用のコレット20 3を逆向きに設けているので、上記したように円錐状テーパ面102b,202 bとコレット103,203とによるくさび効果を利用した締め付け構造を採用 しても、クランプ状態において加わる逆方向の荷重に対応してクランプを維持す ることができる。従って、図8にて示すような管の挿入作業のように逆方向の荷 重が加わる作業にも有効に使用することができる。
【0028】 図7にて示すワイヤークランプ装置A’はワイヤークランプ用のクランプA1 と緩み止め用のクランプA2の各々のピストンロッド102,202を円錐状テ ーパ面102b,202bの大径端が両端へ向くように配置し、その両円錐状テ ーパ面102b,202b内にコレット103,203を挿着して構成したもの である。 上記したように構成したワイヤークランプ装置A’によれば、締め側ポート11 0a,210aとから油圧を加えた際にピストンロッド102,202の移動す る方向が前記したワイヤークランプ装置Aと逆になると同時に、コレット103 ,203が円錐状テーパ面102b,202bに食い込む方向が逆になるが、そ の他は前記したワイヤークランプAと同様に作動する。 上記したワイヤークランプA’においては、クランプ103が円錐状テーパ面1 02b,202bに対して食い込む方向が逆になって前記したワイヤークランプ Aとは正方向の荷重が逆向きになることから、例えば図8にて示した管の挿入作 業に使用する引き側のワイヤークランプとして使用するのに適している。 尚、上記したワイヤークランプ装置A、A’は、前記した管の挿入作業の他に も通常のワイヤークランプと同様に使用できることは云うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本考案を実施したワイヤークランプ装置を
示す縦断面図。
【図2】 クランプを緩めた状態を示す縦断面図。
【図3】 図1におけるY−Y線断面図。
【図4】 図1におけるX−X線断面図。
【図5】 図2におけるZ−Z線断面図。
【図6】 コレットを示す拡大縦断面図。
【図7】 コレットの挿着方向を逆にしたワイヤーク
ランプを示す縦断面図。
【図8】 管の挿入作業を示す簡略図。
【符号の説明】
A,A’・・・ワイヤークランプ装置 A1・・・クランプ(ワイヤークランプ用) A2・・・クランプ(緩み止め用) a・・・ワイヤーロープ 101,201・・・シリンダチューブ 102,202・・・ピストンロッド 102b,202b・・・円錐状テーパ面 103,203・・・クランプ 103’,203’・・・単位クランプ 109,209・・・係合溝

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 直列状に連結した2つのシリンダーチ
    ューブに各々中空状ピストンロッドを挿着し、これらピ
    ストンロッドの内周に各々逆向きの円錐状テーパ面を形
    成すると共に、同ピストンロッド内に各々その円錐状テ
    ーパ面に合致し且つ複数の単位コレットに分割されて径
    方向に拡開収縮可能な円錐台形のコレツトを挿入し、こ
    のコレットの各単位コレット内周にはワイヤーロープ外
    周に形成される撚り模様の外形と合致する係合溝を形成
    したワイヤークランプ装置。
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