JPH0581194U

JPH0581194U - デュアルスクリュージャッキ

Info

Publication number: JPH0581194U
Application number: JP2911392U
Authority: JP
Inventors: 澄雄天野
Original assignee: 日本ギア工業株式会社
Priority date: 1992-04-06
Filing date: 1992-04-06
Publication date: 1993-11-02

Abstract

(57)【要約】【目的】ジャッキのねじ軸の回転の係止を、被昇降物
によることもなく、またキー溝によることもなく行わせ
る。【構成】水平のウォームシャフト２の両側に、それぞ
れ内孔７、８に、ピッチが等しく、ねじれ方向を異にす
るめねじ９、10が切られた水平のウォームホイール５、
６を、それぞれ噛合し、前記めねじ９、10に、それぞ
れ、ねじれ方向を異にする垂直のねじ軸11、12を貫通螺
合するとともに、両ねじ軸11、12の端部同士を、係止金
具13、14をもって結合する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、重量物の昇降に用いられるスクリュージャッキに関する。

【０００２】

【従来の技術】

スクリュージャッキにおいて、ねじ軸を昇降させるためには、ねじ軸の回転を係止する必要がある。もし係止しなければ、ウォームホイールが回転しても、ねじ軸も一体となって回転するだけであり、昇降することはない。

【０００３】ねじ軸の回転を係止する方法には、大別して２種類がある。一つは、被昇降物によって回転を係止する方法であり、もう一つは、ねじ軸にキー溝を設け、ハウジング側に固定されたキーによって係止する方法である。

【０００４】前者による方法には、なんら問題はない。しかし、すべての場合において、前者の方法が採用できるというものではない。被昇降物側に回転係止能力がない場合も多いからである。そこで、止むを得ず、キーを用いた係止方法が、広く採用されている。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

キーを用いたねじ軸の係止方法には、問題点が多い。たとえば、長大なねじ軸に、切削加工によりキー溝を加工すると、各ねじ山ごとに切削によるバリやカエリが発生し、その除去のために、各ねじ山ごとにバリ取り作業を行う必要がある。また、バリ取り作業を行っても、バリを完全に除去できるとは限らず、もし不完全な状態のまま組み立てると、軟質材料からなるウォームホイール側の内ねじの寿命に悪影響を及ぼすこともある。また、キーの摺動による機械効率の低下も無視し得ない。

【０００６】そこで、本考案は、ジャッキのねじ軸の回転の係止を、被昇降物によることもなく、またキーやキー溝によることもない、新規な係止手段をもって行なうようにしたデュアルスクリュージャッキを提供することを目的とするものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するため、本考案のデュアルスクリュージャッキは、水平の１本のウォームシャフトの両側に、内孔に、ピッチが等しく、ねじれ方向を異にするめねじが切られた水平のウォームホイールを、それぞれ噛合し、かつ各ウォームホイールのめねじに、それぞれ、ねじれ方向を異にする垂直のねじ軸を貫通螺合するとともに、両ねじ軸の端部同士を、互いに結合したことを特徴としている。

【０００８】

【作用】

１本のウォームシャフトで、２個のウォームホイールを駆動すると、２個のウォームホイールは、互いに反対方向に回転し、各ウォームホイールに貫通螺合した各ねじ軸も、互いに反対方向の反力を受ける。しかして、２本のねじ軸端は結合されているから、両ねじ軸は、同一方向に同期して昇降する。

【０００９】

【実施例】

以下、本考案の実施例を、図面に基づいて説明する。図１は、本考案の一実施例であるデュアルスクリュージャッキの正面図、図２は、その左側面図、図３は、図１のＡ−Ａ線拡大横断面図である。

【００１０】図３に示すように、ハウジング(１)内には、前後方向を向くウォームシャフト (２)が、軸受(３)(４)によって回転自在に枢支されている。ウォームシャフト( ２)の両側には、外周に同一諸元を有する水平のウォームホイール(５)(６)が、それぞれ噛合している。

【００１１】各ウォームホイール(５)(６)はリング形状を呈しており、その内孔(７)(８)には、互いに捩れ方向を異にし、かつ同一ピッチを有する台形のめねじ(９)(10)が刻設されている。なお、図示はされていないが、各ウォームホイール(５)(６)は、軸受によってハウジング(１)内に回転自在に枢支されている。

【００１２】各ウォームホイール(５)(６)のめねじ(９)(10)には、それぞれ垂直のねじ軸(1 1)(12)が貫通螺合している。すなわち、ねじ軸(11)(12)は、互いに捩れ方向を異にする以外は同一諸元を有するものである。

【００１３】両ねじ軸(11)(12)の上端同士、および下端同士は、それぞれ係止金具(13)(14) によって結合されている。

【００１４】上記構成の本考案のデュアルスクリュージャッキにおいて、ウォームシャフト (２)を回転させると、ウォームホイール(５)(６)は互いに反対方向に回転し、ねじ軸(11)(12)も、互いに逆方向に回転しようとするトルクを受けることになる。しかし、ねじ軸(11)(12)の上下両端同士は係止金具(13)(14)によって結合されているため、各ねじ軸(11)(12)に作用する回転トルクは互いに打消し合い、両ねじ軸(11)(12)とも回転することはない。その結果、ウォームシャフト(２)の回転により、２本のねじ軸(11)(12)は、同期して昇降することが可能になる。

【００１５】なお、上記実施例においては、ねじ軸(11)(12)の上下両端ともに、係止金具(1 3)(14)を用いて結合してあるが、上下いずれか一端同士のみを、係止金具をもって結合してもよいことは、言うまでもない。係止金具の役割は、各ねじ軸の回転トルクを相殺することができれば十分であるからである。

【００１６】

【考案の効果】

本考案によると、つぎのような効果を奏しうる。 (ａ) ねじ軸が、被昇降物による回転反力を受けることはなく、また、ねじ軸にキー溝を要することもなく、ジャッキ単体で昇降動作をさせることができる。 (ｂ) 荷重を２本のねじ軸で負担するため、同一寸法のねじ軸で、２倍の容量を有するジャッキを実現することができる。因みに、１本のねじ軸で大容量のジャッキを実現するには、それ相当の大型の設備を必要とするが、本考案によれば、ねじ軸は、小寸の２本に分けられているから、関連部分も小寸となり、より小型の設備機械によっても製作することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係るデュアルスクリュージャッキの一
実施例の正面図である。

【図２】同じく左側面図である。

【図３】図１のＡ−Ａ線拡大横断面図である。

【符号の説明】

(１)ハウジング (２)ウォームシャ
フト (３)(４)軸受 (５)(６)ウォーム
ホイール (７)(８)内孔 (９)(10)めねじ (11)(12)ねじ軸 (13)(14)係止金具

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】水平の１本のウォームシャフトの両側
に、内孔に、ピッチが等しく、ねじれ方向を異にするめ
ねじが切られた水平のウォームホイールを、それぞれ噛
合し、かつ各ウォームホイールのめねじに、それぞれ、
ねじれ方向を異にする垂直のねじ軸を貫通螺合するとと
もに、両ねじ軸の端部同士を、互いに結合したことを特
徴とするデュアルスクリュージャッキ。