JPH0580859A - 流体制御システムおよび制御弁コントローラ - Google Patents

流体制御システムおよび制御弁コントローラ

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JPH0580859A
JPH0580859A JP4021491A JP4021491A JPH0580859A JP H0580859 A JPH0580859 A JP H0580859A JP 4021491 A JP4021491 A JP 4021491A JP 4021491 A JP4021491 A JP 4021491A JP H0580859 A JPH0580859 A JP H0580859A
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JP
Japan
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control valve
fluid
pressure
operation signal
flow rate
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JP4021491A
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English (en)
Inventor
Shinjiro Takizawa
真治郎 滝沢
Tetsuo Ueno
哲夫 植野
Takeshi Kimura
猛 木村
Masamitsu Uzawa
正光 鵜沢
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Tokimec Inc
Original Assignee
Tokimec Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】操作量と制御状態量との関係が、非線型で、か
つ流体の状態を示すパラメータが変化に伴って変化する
ような場合でも、オーバーシュート等が生じことがな
く、応答特性を良くする。 【構成】操作信号uvに応じて油の圧力を制御する比例
制御弁20と、油の流量Qを計測する流量計測器40
と、油の圧力yを計測する圧力計側器30と、予め指定
された流量に関して、予め計測された、比例制御弁20
の動作範囲内の複数点における操作信号に対する油の圧
力の静特性を記憶するEEPROM54と、計測された
油の圧力yと目標の圧力rとの偏差から操作信号uva
生成する手段50a,50b,50cと、計測された油
の流量Qと前記静特性とに基づいて該操作信号uvaを補
正し、これを比例制御弁20に出力する操作信号補正手
段50dとを備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電磁式の比例制御弁を
用いて、流体の圧力や流量をフィードバック制御する流
体制御システムおよび制御弁コントローラに関する。
【0002】
【従来の技術】流体制御システムの一例として、油圧ラ
インの油圧を比例圧力制御弁を用いてフィードバック制
御を行なうものについて説明する。図11に示すよう
に、このシステムは、油圧ラインの圧力を圧力計測器5
で計測して、計測した圧力と目標の圧力との偏差をコン
トローラ1内の比例器2、積分器3および微分器4で増
幅して、操作信号uiを生成し、この操作信号uiで比例
圧力制御弁を駆動させて、油圧ラインの圧力を制御する
というものである。
【0003】比例圧力制御弁としては、例えば、油圧の
制御に用いられるものとして、パイロットリーフ弁があ
る。このパイロットリリーフ弁は、油圧機構部分と、直
流ソレノイド部分とからなる。直流ソレノイド部分は、
コイルと、固定鉄心と、可動鉄心とを備え、コイルに供
給される直流電流に応じて生ずる電磁力により、可動鉄
心が固定鉄心に吸引される構成となっている。一方、油
圧機構部分は、前記可動鉄心と連係して動作する弁を備
える。このような構成によって、パイロットリリーフ弁
は、コイルに供給される直流電流の大きさに応じて弁の
開度を変化させることができるので、油圧を用いる被制
御系において、直流電流の大きさに応じた油圧を得るこ
とができる。また、このようなパイロットリリーフ弁
は、他の弁、例えば、バランスピストン型の主弁を組み
合わせて、より大きな流量を扱うことができる。
【0004】一般的に、このような電磁式の比例圧力制
御弁は、操作信号である入力電流uiと、この入力電流
iにより制御弁が駆動した結果、得られる油圧ライン
の圧力との関係は、図12に示すような関係がある。こ
の関係は、入力電流uiと定常圧力yとの関係は線型性
がなく非線型で、かつ制御弁への油の流入量Qによって
も変化するというものである。具体的には、例えば、定
常圧力y1を得ようとした場合、制御弁への油流入量Q
が、Qmax、Qmid、Qminのときに、入力電流uiとして
は、それぞれu1、u2、u3が考えられ、油流入量
max,Qmid,Qminに応じた入力電流u1,u2,u3
存在する。これを逆に考えると、ある入力電流uiに対
して、油流入量Qに応じた定常圧力yが存在することを
意味する。
【0005】ところで、コントローラ1から見た制御対
象6(油圧ラインの他に制御弁も含む。)の動特性は、
数1に示すような伝達関数で表現できる。
【0006】
【数1】
【0007】なお、数1中、Sはラプラス演算子、tm
は時定数、ζは減衰係数、Kuは直流ゲイン、αはパラ
メータである。図13は、制御対象6の伝達関数が数1
で表される場合に、入力電流uiのステップ変化(0→
1)に対する圧力yの時間応答特性を示すものである
が、同図によれば、同一の入力電流に対して、油流入量
max,Qmid,Qminに応じて異なる最終圧力定常値、
つまり直流ゲインKu1,Ku2,Ku3が存在する。
【0008】こうした制御対象6を図11に示すような
閉ループで制御する場合、制御対象6の直流ゲインKu
が入力電流uiや油流入量Qで変化することによって生
じる設定圧力との最終誤差は、積分制御によって補正さ
れることになる。しかしながら、一般的に積分制御は、
低周波応答や定常値補正にしか効果がないため、この最
終誤差補正は、閉ループ圧力動特性に悪影響を与える。
すなわち、図14に示すように、例えば、油流入量Q
midで最適調整されたもので、言い換えると、油流入量
midで最終積分量が最小になるよう調整されていたも
ので、油流入量Qmax時の圧力制御を行なおうとする
と、制御対象6の直流ゲインKuが油流入量Qmidのとき
と油流入量Qmaxのときとで異なっているため、積分制
御で補正すべき量が増え、同図中の一点鎖線のように、
オーバーシュートを生じることになる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、従来の
流量制御システムでは、入力電流uiと定常圧力y、つ
まり操作量と制御状態量との関係が非線型で、かつ制御
弁への油の流入量によっても変化するような場合、コン
トローラ内の積分器が、最終定常値との偏差を埋めよう
として大きく作用し、結果としてオーバーシュートや立
上りに段差が生じるといった応答特性が良くないという
問題点がある。
【0010】本発明は、このような従来の問題点につい
て着目してなされたもので、流体の圧力や流量等をフィ
ードバック制御するものに関して、オーバーシュートや
立上り段差を生じるといった応答特性を改善することが
できる流量制御システム、制御弁コントローラ、比例制
御弁装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
制御弁コントローラは、流体の状態を示す予め指定され
たパラメータに対して、予め計測された、比例制御弁の
動作範囲内の複数点における操作信号と流体の制御状態
量との対応関係を記憶する記憶手段と、前記流体の目標
の状態量と計測で得られる前記流体の制御状態量との偏
差から操作信号を生成し、計測で得られる前記パラメー
タと前記対応関係とに基づいて該操作信号を補正し、こ
れを前記比例制御弁に出力する操作信号生成手段とを備
えていることを特徴とするものである。
【0012】なお、前記制御弁コントローラには、さら
に、前記比例制御弁の動作範囲の複数点における模擬の
操作信号を生成する模擬操作信号生成手段と、前記流体
が前記予め指定されたパラメータの示す状態に設定され
るたびに、前記比例制御弁が前記模擬の操作信号に応じ
て駆動した結果、前記流体の計測で得られる前記流体の
制御状態量を複数の前記模擬の操作信号に対応させて、
前記予め指定されたパラメータごとに前記記憶手段に記
憶させる模擬試験結果処理手段とが設けられていること
が好ましい。
【0013】また、前記目的を達成するための流体制御
システムは、前記制御弁コントローラと、該制御弁コン
トローラからの操作信号に応じて駆動する比例制御弁
と、前記流体ラインの流体の状態を示すパラメータを計
測し、この値を前記制御弁コントローラに出力する第1
の計測手段と、前記流体ラインの流体の制御状態量を計
測し、この値を前記制御弁コントローラに出力する第2
の計測手段とを備えていることを特徴とするものであ
る。
【0014】
【作用】本発明は、油圧ライン等の流体ラインに、操作
信号に応じて流体の状態を制御する比例制御弁を設け、
この比例制御弁の開度を制御することにより、流体の状
態、例えば、流体圧力を目標の圧力に設定するシステム
に適用することができる。 流体の制御に際して、比例
制御弁の動作範囲の複数点における操作信号と流体の制
御状態量、例えば、流体圧力との対応関係を、予め指定
された流体ラインの流体の状態を示すパラメータ(例え
ば、流体圧力を制御する場合には、流量)について予め
計測した結果を、記憶手段に記憶させておく。
【0015】流体を制御するときには、前記パラメータ
が第1の計測手段により計測され、制御状態量が第2の
計測手段で計測される。そして、操作信号作成手段によ
り、この計測された制御状態量と目標の状態量との偏差
とから、仮の操作信号が作成され、この仮の操作信号
が、さらに、記憶手段に記憶されている、予め指定され
たパラメータごとの操作信号と流体の制御状態量との対
応関係、および第1の計測手段で計測されたパラメータ
に基づいて補正されて、比例制御弁に出力される。 比
例制御弁は、この補正された操作信号に応じて、直ちに
駆動して流体を目的の状態に制御する。
【0016】以上の動作により、操作量、ここでは操作
信号と制御状態量との関係が、非線型で、かつ流体の状
態を示すパラメータが変化に伴って変化するような場合
でも、パラメータごとに、予め測定されている操作信号
と制御状態量との対応関係に基づいて、正確な操作量が
求められる。したがって、例えば、コントローラ内の積
分器が、最終定常値との偏差を埋めようとして大きく作
用しオーバーシュート等を起すことがなくなり、応答特
性を良くすることができる。
【0017】なお、予め測定されて記憶手段に格納され
る測定点は、有限個である。このため、実際の制御の際
には、それらの測定点のデータについて、例えば、1次
補間を行なって、求める量を得るようにすればよい。
【0018】
【実施例】以下、本発明の一実施例について、図面を参
照して説明する。図1は、本発明の流体制御システムの
一実施例の構成を示す系統図である。本実施例の流体制
御システムは、被制御系である油圧ライン10と、この
油圧ライン10の油圧を制御する比例制御弁である圧力
制御弁20と、油圧ライン10の油圧を計測する圧力計
測器30と、油圧ライン10の流量を計測する流量計測
器40と、圧力制御弁20の弁開閉動作を制御するコン
トローラ50とを備える。
【0019】油圧ライン10は、油圧源12と、タンク
14と、これらを結ぶ配管16と、該配管16に接続さ
れた圧力計18とを備える。本実施例で用いられる圧力
制御弁20は、パイロットリリーフ弁21と、バランス
ピストン型の主弁22とを組み合わせて構成されるもの
である。パイロットリリーフ弁21は、公知のものを用
いることができ、例えば、油圧機構部分と、直流ソレノ
イド部分とからなる。圧力計測器30は、油圧ライン1
0の圧力を計測して、電気信号として出力する油圧セン
サが用いられる。この圧力計測器30の出力信号は、コ
ントローラ50に送られる。
【0020】流量計測器40は、油圧ライン10の流量
を計測して、電気信号として出力する流量センサが用い
られる。この流量計測器40の出力信号は、流量指令Q
としてコントローラ50に入力される。なお、流量計測
器40は、流量センサに限られない。例えば、流量の検
知および演算ができる比例式電磁流量調整弁を用いて、
その入力値から流量を求めることができる。また、油圧
源が定量型多段ポンプの組み合わせの場合には、オンロ
ードされているポンプから流量値を求めることができ
る。さらに、1の定量ポンプを油圧源とする油圧ライン
が、本実施例において用いられている圧力制御弁20と
他の駆動のための流量調整弁とに分岐されている場合に
は、“ポンプ流量(既知)−流量調整弁流量(入力電流
値)”から、圧力制御弁20の流量を求める。
【0021】コントローラ50は、例えば、図3に示す
ように、コンピュータシステムにより構成される。この
システムは、圧力計測器30からの圧力信号y、流量計
測器40からの流量指令Qおよび目標圧力rの各々につ
いて、アナログ/ディジタル変換するA/D変換器51
と、コントローラ50として行なうべき制御動作を実行
する中央処理装置(CPU)52と、CPU52が実行
するプログラムを格納するリードオンリメモリ(RO
M)53と、操作信号に対する制御圧力量の静特性を記
憶保持する書き換え可能不揮発メモリ(EEPROM)
54と、演算等のワークエリアとなるランダムアクセス
メモリ(RAM)55と、CPU52に対して、外部か
ら指示や、パラメータ等の設定を行なう操作入力部58
と、CPU52の制御演算によって得られる操作信号を
アナログ電圧に変換するD/A変換器56と、変換され
たアナログ電圧を電流に変換するV/I変換器57とを
備えて構成される。
【0022】ROM53には、CPU52が実行するプ
ログラムであって、操作信号に対する制御圧力量の静特
性を実際の圧力制御弁20について計測するための手順
が書き込まれているプログラムと、目標圧力と制御圧力
量との偏差から、積分量、比例量および微分量を演算し
て操作量を算出するための手順が書き込まれているプロ
グラムと、得られた静特性に基づいて、目標圧力に対応
する操作量を得るための手順が書き込まれているプログ
ラムと、コントローラ50自体を制御するためのプログ
ラムが格納されている。
【0023】なお、コントローラ50は、最終的な操作
信号uiを算出するための構成を、機能的に把握する
と、図1に示すように、制御圧力量yと目標圧力rとの
偏差から、積分量I、比例量Pおよび微分量Dを演算し
操作量uvaを算出する積分器50b、比例器50a、微
分器50cと、計測された流量Qと静特性とから操作量
vaを補正する補正手段50dと、最終的に算出された
操作量uvを電流に変換して操作信号uiとして圧力制御
弁20に出力するV/I変換器57とから構成されてい
ることになる。
【0024】本実施例の作用について、操作信号に対す
る制御圧力量の静特性を実際の圧力制御弁20について
計測するための手順と、得られた静特性に基づいて実際
に流体制御システムが目標圧力を得るための手順とに分
けて説明する。操作信号に対する制御圧力量の静特性を
実際の圧力制御弁20について計測するための手順につ
いて、図4および図5に示すフローチャートに従って説
明する。 まず、圧力制御弁20の通常の使用範囲にお
いて、流量を大流量および小流量のように、必要に応じ
て区分する。この実施例では、大、中、小の3区分とす
る。そして、大流量時の流量信号をQmax、中流量時の
流量信号をQmid、小流量時の流量信号をQminとする。
【0025】流量の設定は、操作入力部58から行なう
ことができる。また、この計測処理の起動も、操作入力
部58から行なうことができる。CPU52は、操作入
力部58からの指示により起動され、ROM53から操
作信号に対する制御圧力量の静特性を実際の圧力制御弁
20について計測するための手順を記述するプログラム
を読み出して、順次実行する。
【0026】まず、油圧ライン10の流量を油圧源12
を調整して小流量に設定すると共に、操作入力部58を
操作して小流量の模擬試験の実行をCPU52に認識さ
せる。(ステップ401)。CPU52は、これを受け
付けて、小流量の模擬試験を実行する(ステップ40
2)。これが終了すると、CPU52は、同様にして、
中流量、大流量の順に処理を実行する(ステップ403
から406)。
【0027】模擬試験402は、図5のフローチャート
に示すように、まず、操作量uvを0にセットする(ス
テップ411)。この操作量uvは、D/A変換器56
でアナログ電圧に変換され、さらに、V/I変換器57
で電流に変換されて、操作信号uiとして圧力制御弁2
0に出力される(ステップ412)。これによって、圧
力制御弁20の弁の開度が変化し、油圧ライン10の圧
力が変化する。なお、操作量uvも操作信号の1つであ
るが、説明の都合上、操作量を電圧で表すものを操作量
vとし、操作量を電流で表すものを操作信号uiとす
る。この圧力ライン10の圧力変化は、圧力計測器30
により計測される。計測された制御圧力量yは、予め定
められたサンプリング間隔で取り込まれ、A/D変換器
51によりディジタル信号に変換される。そして、CP
U52により取り込まれて、EEPROM54に格納さ
れる(ステップ413)。
【0028】次に、CPU52は、今回の操作量uv0
ついて、“uv=uv+Δuv”なる演算を実行し、次に
測定すべき操作量uv1を決定する(ステップ414)。
ここで、操作量のサンプリング数Nは、EEPROM5
4の記憶容量に限りがあるので、EEPROM54の記
憶容量から、1つのカーブについての測定点数を予め決
めておく。また、図6に示すように、操作量のサンプリ
ング間隔Δuvは、最大操作量uvmax(=uv(N-1))を
サンプリング数Nから1を引いた値(N−1)で割った
もの、つまり、uvmax/(N−1)を用いる。そして、
この操作量uvがuvmaxを超えるまで、ステップ412
から414までのステップを繰返し、操作量uvがu
vmaxを超えると、設定された流量についての測定を終了
する(ステップ415)。
【0029】このようにして、大、中、小の各流量につ
いて、図6に示すような、操作量uvに対する制御圧力
量yの静特性が、それぞれEEPROM54に格納さ
れ、テーブル化される。図7に、この種のテーブルのフ
ォーマットの一例を示す。もちろん、テーブルフォーマ
ットは、これに限られない。
【0030】なお、この模擬試験中は、油圧ライン10
は、設定された流量の範囲に保持されているものとす
る。また、模擬試験は、流体制御システムの設置時に一
度行なえばよい。もっとも、環境の変化に応じて、適宜
実行することができることはいうまでもない。
【0031】次に、コントローラ50に目標圧力rが入
力されて、流体制御システムが実際に目標圧力rを得る
動作について、図8および図9に示すフローチャートに
従って説明する。
【0032】まず、操作入力部58からの指示を受け付
けて、CPU52が起動され、目標圧力rと制御圧力量
yとの偏差から、積分量、比例量および微分量を演算し
て操作量uvを算出するための手順が書き込まれている
プログラムと、得られた静特性に基づいて、目標圧力r
に対応する操作量uvを得るための手順が書き込まれて
いるプログラムとがROM53から読み出される。CP
U52は、まず、目標圧力rをA/D変換器51でディ
ジタル信号に変換して、これを取り込む(ステップ80
1)。そして、圧力計側器30により計測された制御圧
力量yをA/D変換器51でディジタル信号に変換し、
これを取り込む(ステップ802)。取り込んだ目標圧
力rと制御圧力量yとの偏差から積分量I、比例量Pお
よび微分量Dを計算し操作量uvaを算出する(ステップ
803からステップ806)。 次に、流量計測器40
からの流量指令QをA/D変換器51でディジタル信号
に変換し、これを取り込む(ステップ807)。そし
て、この流量指令Qが示す流量が、大流量Qmax、中流
量Qmid、小流量Qminのいずれの間に入っているかを判
別する(ステップ808)。今、仮りに、ステップ80
8で判別された流量Qが、図10に示すように、大流量
maxと中流量Qmidの間であったとすると、この二つの
流量Qmax,Qmidの各々について、目標圧力rk(∝u
va)に対する操作量uvr1,uvr2を求める(ステップ8
09)。そして、その二つの操作量uvr1,uvr2につい
て流量方向に1次補間し、最終的な操作量uvrを求める
(ステップ810)。得られた操作量uvrは、D/A変
換器56によりアナログ電圧に変換され、さらにV/I
変換器57で電流に変換されて、操作信号uiとして圧
力制御弁20に出力される(ステップ811)。
【0033】ここで、1次補間について、図10を参照
して詳細に説明する。まず、算出された操作量uvaに定
数kを掛けて求められた目標圧力rkを縦軸y上にと
り、この目標圧力rkを通りuv軸に平行な直線を考え、
この直線が大流量Qmaxの静特性カーブと交差する点の
v座標(uvr1)を求める。このuvr1を求めるため、
CPU52には、大流量Qmaxの静特性カーブから、目
標圧力rkがどの測定点の間に入っているかを調べる。
今、その測定点が(uv2,y2)、(uv3,y3)である
とする。uvr1は、この2点間を次式の1次補間で求め
る。 uvr1=uv2+(rk−y2)(uv3−uv2)/(y3−y2) 同様にして、目標圧力rkを通りuv軸に平行な直線と中
流量Qmidの静特性カーブと交差する点のuv座標(u
vr2)を、次式により求める。 uvr2=uv5+(rk−y5)(uv6−uv5)/(y6−y5) さらに、実際の流量Qは大流量Qmaxと中流量Qmidの間
であるので、uvr1とuvr2を実際の流量Qに関して、次
式により1次補間して、最終的な操作量uvrを求める。 uvr=uvr1+(uvr2−uvr1)(Q−Qmax)/(Qmid−Qmax) 以上の操作により、油圧ライン10に流量変化が生じて
も、各種流量に対して、予め測定されている操作量uv
に対する制御圧力量yの静特性基づいて、正確なな操作
量uvが求められる。これを言い換えると、流量等によ
って変化する前述した直流ゲインKuが、以上の操作
で、1/Kuで相殺されたことになり、積分制御が最終
的に負担する最終積分量が常に一定になるということで
ある。したがって、コントローラ50内の積分器50b
が、最終定常値との偏差を埋めようとして大きく作用し
オーバーシュート等を起すことがなくなり、応答特性を
良くすることができる。また、本実施例では、コントロ
ーラ50自身が制御する実際の圧力制御弁20の静特性
を計測することができるので、圧力制御弁20の機差も
含めて、より高精度の制御が可能となる。
【0034】なお、本実施例では、操作量uvに対する
制御圧力量yの静特性を求めるため、コントローラ50
自身が内部に格納されているプログラムに基づいて模擬
試験を行なうものであるが、手動で模擬試験を行ない、
その結果を操作入力部58を操作してEEPROM54
に書き込むようにしてもよい。また、本実施例では、比
例量、積分量および微分量を演算して仮の操作量を算出
してから、これを補正したが、目標圧力と制御圧力量と
の偏差を先に補正してから比例量等を求めるようにして
も良い。さらに、本実施例は、パイロットリリーフ弁と
バランスピストン型の主弁とを組み合わせた例である
が、本発明はこれに限定されない。他の型式の弁につい
ても適用可能である。また、本実施例では、油圧システ
ムに適用した例を示したが、本発明はこれに限定される
ものではない。また、本発明は、PID制御に限定され
るものではなく、例えば、PI制御やEMM(Exact Mo
del Matching)制御などに適用しても良い。
【0035】
【発明の効果】本発明によれば、操作量と制御状態量と
の関係が、非線型で、かつ流体の状態を示すパラメータ
が変化に伴って変化するような場合でも、正確な操作量
を算出することができるので、オーバーシュートや立上
り段差等を解消することができ、応答特性を良くするこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の流体制御システムの一実施例の構成を
示す制御ブロック図である。
【図2】本発明の流体制御システムの一実施例の構成を
示す系統図である。
【図3】本発明の流体制御システムにおいて用いられる
コントローラの一実施例のハードウエアシステム構成を
示すブロック図である。
【図4】本発明の一実施例における圧力制御弁の静特性
を計測するための手順を示すフローチャートである。
【図5】図4のフローチャートにおける模擬試験の手順
の詳細を示すフローチャートである。
【図6】模擬試験の際のサンプル操作量とこれに対応す
る制御圧力量との関係を示すグラフである。
【図7】模擬試験の際のサンプル操作量とこれに対応す
る制御圧力量とが書き込まれているテーブルを示す説明
図である。
【図8】
【図9】本発明の一実施例において目標圧力を得るため
の手順を示すフローチャートである。
【図10】計測された流量と予め測定された静特性とか
ら正確な操作量を算出する手順を説明するための説明図
である。
【図11】従来の流体制御システムの制御ブロック図で
ある。
【図12】比例制御弁の入出力特性を示すグラフであ
る。
【図13】コントローラから見た制御対象の動特性を示
すグラフである。。
【図14】制御対象を閉ループで制御する場合の制御対
象の動特性を示すグラフである。
【符号の説明】
10…油圧ライン、12…油圧源、14…タンク、16
…配管、20…圧力制御弁、21…パイロットリリーフ
弁、22…主弁、30…圧力計測器、40…流量計測
器、50…コントローラ、50a…比例器、50b…積
分器、50c…微分器、50d…補正手段、52…CP
U、53…ROM、54…EEPROM、55…RA
M。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年10月2日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】明細書
【発明の名称】 流体制御システムおよび制御弁コント
ローラ
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電磁式の比例制御弁を
用いて、流体の圧力や流量をフィードバック制御する流
体制御システムおよび制御弁コントローラに関する。
【0002】
【従来の技術】流体制御システムの一例として、油圧ラ
インの油圧を比例圧力制御弁を用いてフィードバック制
御を行なうものについて説明する。図11に示すよう
に、このシステムは、油圧ラインの圧力を圧力計測器5
で計測して、計測した圧力と目標の圧力との偏差をコン
トローラ1内の比例器2、積分器3および微分器4で増
幅して、操作信号uiを生成し、この操作信号uiで比例
圧力制御弁を駆動させて、油圧ラインの圧力を制御する
というものである。
【0003】比例圧力制御弁としては、例えば、油圧の
制御に用いられるものとして、パイロットリーフ弁があ
る。このパイロットリリーフ弁は、油圧機構部分と、直
流ソレノイド部分とからなる。直流ソレノイド部分は、
コイルと、固定鉄心と、可動鉄心とを備え、コイルに供
給される直流電流に応じて生ずる電磁力により、可動鉄
心が固定鉄心に吸引される構成となっている。一方、油
圧機構部分は、前記可動鉄心と連係して動作する弁を備
える。このような構成によって、パイロットリリーフ弁
は、コイルに供給される直流電流の大きさに応じて弁の
開度を変化させることができるので、油圧を用いる被制
御系において、直流電流の大きさに応じた油圧を得るこ
とができる。また、このようなパイロットリリーフ弁
は、他の弁、例えば、バランスピストン型の主弁を組み
合わせて、より大きな流量を扱うことができる。
【0004】一般的に、このような電磁式の比例圧力制
御弁は、操作信号である入力電流uiと、この入力電流
iにより制御弁が駆動した結果、得られる油圧ライン
の圧力との関係は、図12に示すような関係がある。こ
の関係は、入力電流uiと定常圧力yとの関係は線型性
がなく非線型で、かつ制御弁への油の流入量Qによって
も変化するというものである。具体的には、例えば、定
常圧力y1を得ようとした場合、制御弁への油流入量Q
が、Qmax、Qmid、Qminのときに、入力電流uiとして
は、それぞれu1、u2、u3が考えられ、油流入量
max,Qmid,Qminに応じた入力電流u1,u2,u3
存在する。これを逆に考えると、ある入力電流uiに対
して、油流入量Qに応じた定常圧力yが存在することを
意味する。
【0005】ところで、コントローラ1から見た制御対
象6(油圧ラインの他に制御弁も含む。)の動特性は、
数1に示すような伝達関数で表現できる。
【0006】
【数1】
【0007】なお、数1中、Sはラプラス演算子、tm
は時定数、ζは減衰係数、Kuは直流ゲイン、αはパラ
メータである。図13は、制御対象6の伝達関数が数1
で表される場合に、入力電流uiのステップ変化(0→
1)に対する圧力yの時間応答特性を示すものである
が、同図によれば、同一の入力電流に対して、油流入量
max,Qmid,Qminに応じて異なる最終圧力定常値、
つまり直流ゲインKu1,Ku2,Ku3が存在する。
【0008】こうした制御対象6を図11に示すような
閉ループで制御する場合、制御対象6の直流ゲインKu
が入力電流uiや油流入量Qで変化することによって生
じる設定圧力との最終誤差は、積分制御によって補正さ
れることになる。しかしながら、一般的に積分制御は、
低周波応答や定常値補正にしか効果がないため、この最
終誤差補正は、閉ループ圧力動特性に悪影響を与える。
すなわち、図14に示すように、例えば、油流入量Q
midで最適調整されたもので、言い換えると、油流入量
midで最終積分量が最小になるよう調整されていたも
ので、油流入量Qmax時の圧力制御を行なおうとする
と、制御対象6の直流ゲインKuが油流入量Qmidのとき
と油流入量Qmaxのときとで異なっているため、積分制
御で補正すべき量が増え、同図中の一点鎖線のように、
オーバーシュートを生じることになる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、従来の
流量制御システムでは、入力電流uiと定常圧力y、つ
まり操作量と制御状態量との関係が非線型で、かつ制御
弁への油の流入量によっても変化するような場合、コン
トローラ内の積分器が、最終定常値との偏差を埋めよう
として大きく作用し、結果としてオーバーシュートや立
上りに段差が生じるといった応答特性が良くないという
問題点がある。
【0010】本発明は、このような従来の問題点につい
て着目してなされたもので、流体の圧力や流量等をフィ
ードバック制御するものに関して、オーバーシュートや
立上り段差を生じるといった応答特性を改善することが
できる流量制御システム、制御弁コントローラ、比例制
御弁装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
制御弁コントローラは、流体の状態を示す予め指定され
たパラメータに対して、予め計測された、比例制御弁の
動作範囲内の複数点における操作信号と流体の制御状態
量との対応関係を記憶する記憶手段と、前記流体の目標
の状態量と計測で得られる前記流体の制御状態量との偏
差から操作信号を生成し、計測で得られる前記パラメー
タと前記対応関係とに基づいて該操作信号を補正し、こ
れを前記比例制御弁に出力する操作信号生成手段とを備
えていることを特徴とするものである。
【0012】なお、前記制御弁コントローラには、さら
に、前記比例制御弁の動作範囲の複数点における模擬の
操作信号を生成する模擬操作信号生成手段と、前記流体
が前記予め指定されたパラメータの示す状態に設定され
るたびに、前記比例制御弁が前記模擬の操作信号に応じ
て駆動した結果、前記流体の計測で得られる前記流体の
制御状態量を複数の前記模擬の操作信号に対応させて、
前記予め指定されたパラメータごとに前記記憶手段に記
憶させる模擬試験結果処理手段とが設けられていること
が好ましい。
【0013】また、前記目的を達成するための流体制御
システムは、前記制御弁コントローラと、該制御弁コン
トローラからの操作信号に応じて駆動する比例制御弁
と、前記流体ラインの流体の状態を示すパラメータを計
測し、この値を前記制御弁コントローラに出力する第1
の計測手段と、前記流体ラインの流体の制御状態量を計
測し、この値を前記制御弁コントローラに出力する第2
の計測手段とを備えていることを特徴とするものであ
る。
【0014】
【作用】本発明は、油圧ライン等の流体ラインに、操作
信号に応じて流体の状態を制御する比例制御弁を設け、
この比例制御弁の開度を制御することにより、流体の状
態、例えば、流体圧力を目標の圧力に設定するシステム
に適用することができる。 流体の制御に際して、比例
制御弁の動作範囲の複数点における操作信号と流体の制
御状態量、例えば、流体圧力との対応関係を、予め指定
された流体ラインの流体の状態を示すパラメータ(例え
ば、流体圧力を制御する場合には、流量)について予め
計測した結果を、記憶手段に記憶させておく。
【0015】流体を制御するときには、前記パラメータ
が第1の計測手段により計測され、制御状態量が第2の
計測手段で計測される。そして、操作信号作成手段によ
り、この計測された制御状態量と目標の状態量との偏差
とから、仮の操作信号が作成され、この仮の操作信号
が、さらに、記憶手段に記憶されている、予め指定され
たパラメータごとの操作信号と流体の制御状態量との対
応関係、および第1の計測手段で計測されたパラメータ
に基づいて補正されて、比例制御弁に出力される。 比
例制御弁は、この補正された操作信号に応じて、直ちに
駆動して流体を目的の状態に制御する。
【0016】以上の動作により、操作量、ここでは操作
信号と制御状態量との関係が、非線型で、かつ流体の状
態を示すパラメータが変化に伴って変化するような場合
でも、パラメータごとに、予め測定されている操作信号
と制御状態量との対応関係に基づいて、正確な操作量が
求められる。したがって、例えば、コントローラ内の積
分器が、最終定常値との偏差を埋めようとして大きく作
用しオーバーシュート等を起すことがなくなり、応答特
性を良くすることができる。
【0017】なお、予め測定されて記憶手段に格納され
る測定点は、有限個である。このため、実際の制御の際
には、それらの測定点のデータについて、例えば、1次
補間を行なって、求める量を得るようにすればよい。
【0018】
【実施例】以下、本発明の一実施例について、図面を参
照して説明する。図1は、本発明の流体制御システムの
一実施例の構成を示す系統図である。本実施例の流体制
御システムは、被制御系である油圧ライン10と、この
油圧ライン10の油圧を制御する比例制御弁である圧力
制御弁20と、油圧ライン10の油圧を計測する圧力計
測器30と、油圧ライン10の流量を計測する流量計測
器40と、圧力制御弁20の弁開閉動作を制御するコン
トローラ50とを備える。
【0019】油圧ライン10は、油圧源12と、タンク
14と、これらを結ぶ配管16と、該配管16に接続さ
れた圧力計18とを備える。本実施例で用いられる圧力
制御弁20は、パイロットリリーフ弁21と、バランス
ピストン型の主弁22とを組み合わせて構成されるもの
である。パイロットリリーフ弁21は、公知のものを用
いることができ、例えば、油圧機構部分と、直流ソレノ
イド部分とからなる。圧力計測器30は、油圧ライン1
0の圧力を計測して、電気信号として出力する油圧セン
サが用いられる。この圧力計測器30の出力信号は、コ
ントローラ50に送られる。
【0020】流量計測器40は、油圧ライン10の流量
を計測して、電気信号として出力する流量センサが用い
られる。この流量計測器40の出力信号は、流量指令Q
としてコントローラ50に入力される。なお、流量計測
器40は、流量センサに限られない。例えば、流量の検
知および演算ができる比例式電磁流量調整弁を用いて、
その入力値から流量を求めることができる。また、油圧
源が定量型多段ポンプの組み合わせの場合には、オンロ
ードされているポンプから流量値を求めることができ
る。さらに、1の定量ポンプを油圧源とする油圧ライン
が、本実施例において用いられている圧力制御弁20と
他の駆動のための流量調整弁とに分岐されている場合に
は、“ポンプ流量(既知)−流量調整弁流量(入力電流
値)”から、圧力制御弁20の流量を求める。
【0021】コントローラ50は、例えば、図3に示す
ように、コンピュータシステムにより構成される。この
システムは、圧力計測器30からの圧力信号y、流量計
測器40からの流量指令Qおよび目標圧力rの各々につ
いて、アナログ/ディジタル変換するA/D変換器51
と、コントローラ50として行なうべき制御動作を実行
する中央処理装置(CPU)52と、CPU52が実行
するプログラムを格納するリードオンリメモリ(RO
M)53と、操作信号に対する制御圧力量の静特性を記
憶保持する書き換え可能不揮発メモリ(EEPROM)
54と、演算等のワークエリアとなるランダムアクセス
メモリ(RAM)55と、CPU52に対して、外部か
ら指示や、パラメータ等の設定を行なう操作入力部58
と、CPU52の制御演算によって得られる操作信号を
アナログ電圧に変換するD/A変換器56と、変換され
たアナログ電圧を電流に変換するV/I変換器57とを
備えて構成される。
【0022】ROM53には、CPU52が実行するプ
ログラムであって、操作信号に対する制御圧力量の静特
性を実際の圧力制御弁20について計測するための手順
が書き込まれているプログラムと、目標圧力と制御圧力
量との偏差から、積分量、比例量および微分量を演算し
て操作量を算出するための手順が書き込まれているプロ
グラムと、得られた静特性に基づいて、目標圧力に対応
する操作量を得るための手順が書き込まれているプログ
ラムと、コントローラ50自体を制御するためのプログ
ラムが格納されている。
【0023】なお、コントローラ50は、最終的な操作
信号uiを算出するための構成を、機能的に把握する
と、図1に示すように、制御圧力量yと目標圧力rとの
偏差から、積分量I、比例量Pおよび微分量Dを演算し
操作量uvaを算出する積分器50b、比例器50a、微
分器50cと、計測された流量Qと静特性とから操作量
vaを補正する補正手段50dと、最終的に算出された
操作量uvを電流に変換して操作信号uiとして圧力制御
弁20に出力するV/I変換器57とから構成されてい
ることになる。
【0024】本実施例の作用について、操作信号に対す
る制御圧力量の静特性を実際の圧力制御弁20について
計測するための手順と、得られた静特性に基づいて実際
に流体制御システムが目標圧力を得るための手順とに分
けて説明する。操作信号に対する制御圧力量の静特性を
実際の圧力制御弁20について計測するための手順につ
いて、図4および図5に示すフローチャートに従って説
明する。 まず、圧力制御弁20の通常の使用範囲にお
いて、流量を大流量および小流量のように、必要に応じ
て区分する。この実施例では、大、中、小の3区分とす
る。そして、大流量時の流量信号をQmax、中流量時の
流量信号をQmid、小流量時の流量信号をQminとする。
【0025】流量の設定は、操作入力部58から行なう
ことができる。また、この計測処理の起動も、操作入力
部58から行なうことができる。CPU52は、操作入
力部58からの指示により起動され、ROM53から操
作信号に対する制御圧力量の静特性を実際の圧力制御弁
20について計測するための手順を記述するプログラム
を読み出して、順次実行する。
【0026】まず、油圧ライン10の流量を油圧源12
を調整して小流量に設定すると共に、操作入力部58を
操作して小流量の模擬試験の実行をCPU52に認識さ
せる。(ステップ401)。CPU52は、これを受け
付けて、小流量の模擬試験を実行する(ステップ40
2)。これが終了すると、CPU52は、同様にして、
中流量、大流量の順に処理を実行する(ステップ403
から406)。
【0027】模擬試験402は、図5のフローチャート
に示すように、まず、操作量uvを0にセットする(ス
テップ411)。この操作量uvは、D/A変換器56
でアナログ電圧に変換され、さらに、V/I変換器57
で電流に変換されて、操作信号uiとして圧力制御弁2
0に出力される(ステップ412)。これによって、圧
力制御弁20の弁の開度が変化し、油圧ライン10の圧
力が変化する。なお、操作量uvも操作信号の1つであ
るが、説明の都合上、操作量を電圧で表すものを操作量
vとし、操作量を電流で表すものを操作信号uiとす
る。この圧力ライン10の圧力変化は、圧力計測器30
により計測される。計測された制御圧力量yは、予め定
められたサンプリング間隔で取り込まれ、A/D変換器
51によりディジタル信号に変換される。そして、CP
U52により取り込まれて、EEPROM54に格納さ
れる(ステップ413)。
【0028】次に、CPU52は、今回の操作量uv0
ついて、“uv=uv+Δuv”なる演算を実行し、次に
測定すべき操作量uv1を決定する(ステップ414)。
ここで、操作量のサンプリング数Nは、EEPROM5
4の記憶容量に限りがあるので、EEPROM54の記
憶容量から、1つのカーブについての測定点数を予め決
めておく。また、図6に示すように、操作量のサンプリ
ング間隔Δuvは、最大操作量uvmax(=uv(N-1))を
サンプリング数Nから1を引いた値(N−1)で割った
もの、つまり、uvmax/(N−1)を用いる。そして、
この操作量uvがuvmaxを超えるまで、ステップ412
から414までのステップを繰返し、操作量uvがu
vmaxを超えると、設定された流量についての測定を終了
する(ステップ415)。
【0029】このようにして、大、中、小の各流量につ
いて、図6に示すような、操作量uvに対する制御圧力
量yの静特性が、それぞれEEPROM54に格納さ
れ、テーブル化される。図7に、この種のテーブルのフ
ォーマットの一例を示す。もちろん、テーブルフォーマ
ットは、これに限られない。
【0030】なお、この模擬試験中は、油圧ライン10
は、設定された流量の範囲に保持されているものとす
る。また、模擬試験は、流体制御システムの設置時に一
度行なえばよい。もっとも、環境の変化に応じて、適宜
実行することができることはいうまでもない。
【0031】次に、コントローラ50に目標圧力rが入
力されて、流体制御システムが実際に目標圧力rを得る
動作について、図8および図9に示すフローチャートに
従って説明する。
【0032】まず、操作入力部58からの指示を受け付
けて、CPU52が起動され、目標圧力rと制御圧力量
yとの偏差から、積分量、比例量および微分量を演算し
て操作量uvを算出するための手順が書き込まれている
プログラムと、得られた静特性に基づいて、目標圧力r
に対応する操作量uvを得るための手順が書き込まれて
いるプログラムとがROM53から読み出される。CP
U52は、まず、目標圧力rをA/D変換器51でディ
ジタル信号に変換して、これを取り込む(ステップ80
1)。そして、圧力計側器30により計測された制御圧
力量yをA/D変換器51でディジタル信号に変換し、
これを取り込む(ステップ802)。取り込んだ目標圧
力rと制御圧力量yとの偏差から積分量I、比例量Pお
よび微分量Dを計算し操作量uvaを算出する(ステップ
803からステップ806)。 次に、流量計測器40
からの流量指令QをA/D変換器51でディジタル信号
に変換し、これを取り込む(ステップ807)。そし
て、この流量指令Qが示す流量が、大流量Qmax、中流
量Qmid、小流量Qminのいずれの間に入っているかを判
別する(ステップ808)。今、仮りに、ステップ80
8で判別された流量Qが、図10に示すように、大流量
maxと中流量Qmidの間であったとすると、この二つの
流量Qmax,Qmidの各々について、目標圧力rk(∝u
va)に対する操作量uvr1,uvr2を求める(ステップ8
09)。そして、その二つの操作量uvr1,uvr2につい
て流量方向に1次補間し、最終的な操作量uvrを求める
(ステップ810)。得られた操作量uvrは、D/A変
換器56によりアナログ電圧に変換され、さらにV/I
変換器57で電流に変換されて、操作信号uiとして圧
力制御弁20に出力される(ステップ811)。
【0033】ここで、1次補間について、図10を参照
して詳細に説明する。まず、算出された操作量uvaに定
数kを掛けて求められた目標圧力rkを縦軸y上にと
り、この目標圧力rkを通りuv軸に平行な直線を考え、
この直線が大流量Qmaxの静特性カーブと交差する点の
v座標(uvr1)を求める。このuvr1を求めるため、
CPU52には、大流量Qmaxの静特性カーブから、目
標圧力rkがどの測定点の間に入っているかを調べる。
今、その測定点が(uv2,y2)、(uv3,y3)である
とする。uvr1は、この2点間を次式の1次補間で求め
る。 uvr1=uv2+(rk−y2)(uv3−uv2)/(y3−y2) 同様にして、目標圧力rkを通りuv軸に平行な直線と中
流量Qmidの静特性カーブと交差する点のuv座標(u
vr2)を、次式により求める。 uvr2=uv5+(rk−y5)(uv6−uv5)/(y6−y5) さらに、実際の流量Qは大流量Qmaxと中流量Qmidの間
であるので、uvr1とuvr2を実際の流量Qに関して、次
式により1次補間して、最終的な操作量uvrを求め
る。 uvr=uvr1+(uvr2−uvr1)(Q−Qmax)/(Qmid−Qmax) 以上の操作により、油圧ライン10に流量変化が生じて
も、各種流量に対して、予め測定されている操作量uv
に対する制御圧力量yの静特性基づいて、正確なな操作
量uvが求められる。これを言い換えると、流量等によ
って変化する前述した直流ゲインKuが、以上の操作
で、1/Kuで相殺されたことになり、積分制御が最終
的に負担する最終積分量が常に一定になるということで
ある。したがって、コントローラ50内の積分器50b
が、最終定常値との偏差を埋めようとして大きく作用し
オーバーシュート等を起すことがなくなり、応答特性を
良くすることができる。また、本実施例では、コントロ
ーラ50自身が制御する実際の圧力制御弁20の静特性
を計測することができるので、圧力制御弁20の機差も
含めて、より高精度の制御が可能となる。
【0034】なお、本実施例では、操作量uvに対する
制御圧力量yの静特性を求めるため、コントローラ50
自身が内部に格納されているプログラムに基づいて模擬
試験を行なうものであるが、手動で模擬試験を行ない、
その結果を操作入力部58を操作してEEPROM54
に書き込むようにしてもよい。また、本実施例では、比
例量、積分量および微分量を演算して仮の操作量を算出
してから、これを補正したが、目標圧力と制御圧力量と
の偏差を先に補正してから比例量等を求めるようにして
も良い。さらに、本実施例は、パイロットリリーフ弁と
バランスピストン型の主弁とを組み合わせた例である
が、本発明はこれに限定されない。他の型式の弁につい
ても適用可能である。また、本実施例では、油圧システ
ムに適用した例を示したが、本発明はこれに限定される
ものではない。また、本発明は、PID制御に限定され
るものではなく、例えば、PI制御やEMM(Exact Mo
del Matching)制御などに適用しても良い。
【0035】
【発明の効果】本発明によれば、操作量と制御状態量と
の関係が、非線型で、かつ流体の状態を示すパラメータ
が変化に伴って変化するような場合でも、正確な操作量
を算出することができるので、オーバーシュートや立上
り段差等を解消することができ、応答特性を良くするこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の流体制御システムの一実施例の構成を
示す制御ブロック図である。
【図2】本発明の流体制御システムの一実施例の構成を
示す系統図である。
【図3】本発明の流体制御システムにおいて用いられる
コントローラの一実施例のハードウエアシステム構成を
示すブロック図である。
【図4】本発明の一実施例における圧力制御弁の静特性
を計測するための手順を示すフローチャートである。
【図5】図4のフローチャートにおける模擬試験の手順
の詳細を示すフローチャートである。
【図6】模擬試験の際のサンプル操作量とこれに対応す
る制御圧力量との関係を示すグラフである。
【図7】模擬試験の際のサンプル操作量とこれに対応す
る制御圧力量とが書き込まれているテーブルを示す説明
図である。
【図8】本発明の一実施例において目標圧力を得るため
の手順を示すフローチャートである。
【図9】本発明の一実施例において目標圧力を得るため
の手順を示すフローチャートである。
【図10】計測された流量と予め測定された静特性とか
ら正確な操作量を算出する手順を説明するための説明図
である。
【図11】従来の流体制御システムの制御ブロック図で
ある。
【図12】比例制御弁の入出力特性を示すグラフであ
る。
【図13】コントローラから見た制御対象の動特性を示
すグラフである。。
【図14】制御対象を閉ループで制御する場合の制御対
象の動特性を示すグラフである。
【符号の説明】 10…油圧ライン、12…油圧源、14…タンク、16
…配管、20…圧力制御弁、21…パイロットリリーフ
弁、22…主弁、30…圧力計測器、40…流量計測
器、50…コントローラ、50a…比例器、50b…積
分器、50c…微分器、50d…補正手段、52…CP
U、53…ROM、54…EEPROM、55…RA
M。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鵜沢 正光 東京都大田区南蒲田2丁目16番46号 株式 会社トキメツク内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】流体ラインの流体を目標の状態に制御する
    流体制御システムにおいて、 操作信号に応じて流体の状態に制御する比例制御弁と、 前記流体ラインの流体の状態を示すパラメータを計測す
    る第1の計測手段と、 前記流体ラインの流体の制御状態量を計測する第2の計
    測手段と、 予め指定された前記パラメータに対して、予め計測され
    た、前記比例制御弁の動作範囲内の複数点における操作
    信号と流体の制御状態量との対応関係を記憶する記憶手
    段と、 計測された前記流体の制御状態量と目標の状態量との偏
    差から操作信号を生成し、計測された前記パラメータと
    前記対応関係とに基づいて該操作信号を補正し、これを
    前記比例制御弁に出力する操作信号生成手段とを備えて
    いることを特徴とする流体制御システム。
  2. 【請求項2】前記比例制御弁の動作範囲の複数点におけ
    る模擬の操作信号を生成する模擬操作信号生成手段と、 前記流体が前記予め指定されたパラメータの示す状態に
    設定されるたびに、前記比例制御弁が前記模擬の操作信
    号に応じて駆動した結果、前記第2の計測手段で計測さ
    れる前記流体の制御状態量を複数の前記模擬の操作信号
    に対応させて、前記予め指定されたパラメータごとに前
    記記憶手段に記憶させる模擬試験結果処理手段とを備え
    ていることを特徴とする請求項1記載の流体制御システ
    ム。
  3. 【請求項3】流体ラインの流体の状態を制御する比例制
    御弁に対して、操作信号を出力する制御弁コントローラ
    において、 前記流体の状態を示す予め指定されたパラメータに対し
    て、予め計測された、前記比例制御弁の動作範囲内の複
    数点における操作信号と流体の制御状態量との対応関係
    を記憶する記憶手段と、 前記流体の目標の状態量と計測で得られる前記流体の制
    御状態量との偏差から操作信号を生成し、前記流体の計
    測で得られる前記パラメータと前記対応関係とに基づい
    て該操作信号を補正し、これを前記比例制御弁に出力す
    る操作信号生成手段とを備えていることを特徴とする制
    御弁コントローラ。
  4. 【請求項4】前記比例制御弁の動作範囲の複数点におけ
    る模擬の操作信号を生成する模擬操作信号生成手段と、 前記流体が前記予め指定されたパラメータの示す状態に
    設定されるたびに、前記比例制御弁が前記模擬の操作信
    号に応じて駆動した結果、計測で得られる前記流体の制
    御状態量を複数の前記模擬の操作信号に対応させて、前
    記予め指定されたパラメータごとに前記記憶手段に記憶
    させる模擬試験結果処理手段とを備えていることを特徴
    とする請求項3記載の制御弁コントローラ。
  5. 【請求項5】前記パラメータは前記流体の流量で、前記
    制御状態量は流体の圧力であることを特徴とする請求項
    3または4記載の制御弁コントローラ。
  6. 【請求項6】操作信号の出力対象である前記比例制御弁
    が油圧制御弁であることを特徴とする請求項3、4また
    は5記載の制御弁コントローラ。
  7. 【請求項7】請求項3、4、5または6記載の制御弁コ
    ントローラと、 前記制御弁コントローラからの操作信号に応じて駆動す
    る比例制御弁とを備えている比例制御弁装置。
  8. 【請求項8】請求項3、4、5または6記載の制御弁コ
    ントローラと、 前記制御弁コントローラからの操作信号に応じて駆動す
    る比例制御弁と、 前記流体ラインの流体の状態を示すパラメータを計測
    し、この値を前記制御弁コントローラに出力する第1の
    計測手段と、 前記流体ラインの流体の制御状態量を計測し、この値を
    前記制御弁コントローラに出力する第2の計測手段とを
    備えていることを特徴とする流体制御システム。
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