JPH0580021A - 炭酸ガス検知センサ - Google Patents

炭酸ガス検知センサ

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JPH0580021A
JPH0580021A JP3035082A JP3508291A JPH0580021A JP H0580021 A JPH0580021 A JP H0580021A JP 3035082 A JP3035082 A JP 3035082A JP 3508291 A JP3508291 A JP 3508291A JP H0580021 A JPH0580021 A JP H0580021A
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dioxide gas
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穂積 二田
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隆之 鈴木
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博憲 波多野
Noboru Yamazoe
▲のぼる▼ 山添
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、固体電解質型炭酸ガスセンサに関
し、その湿度特性を改良して高精度で炭酸ガス濃度の測
定ができる炭酸ガス検知センサを提供することを目的と
する。 【構成】イオン伝導体を挟んで検知電極と基準電極とを
対設してなる炭酸ガスセンサにおいて、検知電極の検知
材料としてアルカリ土類金属炭酸塩とアルカリ金属炭酸
塩との固溶体であってアルカリ金属炭酸塩の結晶を含ま
ないものを用いる。これにより被検ガス中の炭酸ガスの
濃度を湿度の影響を受けることなく正確に検出すること
ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、固体電解質炭酸ガスセ
ンサに関し、特に、検知電極の耐湿度特性の向上に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】現在開発されている固体電解質センサ
は、イオン伝導体である固体電解質の両側に検知電極と
基準電極とを設けて構成されるのが普通である。一般に
固体電解質センサを用いて雰囲気中に存在するガス成分
を検出する場合には、固体電解質として用いる特定のイ
オン導電体と組合せて、その特定のイオンと目的のガス
成分とを含む化合物をたとえば白金等の電極に対する被
覆材料として用いるようにしている。
【0003】このような原理に基づく炭酸ガスセンサと
しては、ナトリウムイオン導電体、たとえばβアルミナ
(一般式Na2 O ・nAl 2O 3 ,n=5〜11)やNASICON
(一般式Na1-x Zr2 P 3-x Six O 12) 等を用いた例があ
り、この場合、検知電極には金と炭酸ナトリウムとを組
み合わせたものが用いられている。また基準電極として
は、金や白金を単独であるいはこれに炭酸ナトリウム等
を被覆したうえ、これを空気または炭酸ガスの中に密封
したものが標準的である。従って、被測定ガスとしての
炭酸ガスは上記の検知電極には接触できるが、反対側の
基準電極には接触できない状態に置かれることになる。
【0004】このセンサ部は、作動時には通常400 ℃〜
600 ℃程度の一定温度に加熱されていて、検知電極と接
触する被検ガス中の炭酸ガスの分圧に対応して検知電極
にナトリウムイオンの起電力が生じ、両電極間の起電力
の差に比例したナトリウムイオンがイオン導電体中を伝
導するから、この起電力を測定することによって炭酸ガ
ス濃度が検出できるものである。
【0005】ところが、上記のように検知電極には炭酸
ナトリウムを被覆し、イオン伝導体にはNASICON を使用
した従来例の炭酸ガスセンサの場合には、その起電力特
性は被検ガス中の水分によって大きく影響を受けるもの
であった。すなわち、素子温度を550 ℃としたときの、
湿度20%、湿度75%及び乾燥したそれぞれの空気中
における炭酸ガスの濃度変化に対する起電力特性は、図
3に示すように、20%でも湿度があれば炭酸ガスの濃
度変化に対する起電力が小さくなって十分な検知ができ
ないばかりでなく、炭酸ガスの濃度変化であるか湿度の
変化であるかの区別が困難であるという問題点があっ
た。
【0006】そこで検知電極部を、炭酸ガスは透過する
が水分は透過しないようなガス透過膜で覆う等の改良方
法が提案されているが、この公知技術においては透過膜
の作成方法が非常に面倒であって、実用化することは難
しいものであった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の従来
技術における問題点の解消を図ったもので、固体電解質
を用いた炭酸ガス検知センサの湿度特性を改良して高精
度で炭酸ガス濃度の測定ができる炭酸ガス検知センサを
提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の炭酸ガス検知センサは、イオン伝導体を
挟んで検知電極と基準電極とを対設してなる炭酸ガスセ
ンサにおいて、検知電極の被覆材料としてアルカリ土類
金属炭酸塩とアルカリ金属炭酸塩との固溶体であってア
ルカリ金属炭酸塩の結晶を含まないものを用いた。
【0009】すなわち本発明の炭酸ガス検知センサにお
いては、検知電極としてたとえば白金黒を付着した白金
網等で形成したものが用いられ、その上にアルカリ土類
金属炭酸塩とアルカリ金属炭酸塩との固溶体であってア
ルカリ金属炭酸塩の結晶を含まないもので被覆されてい
る。かかる固溶体を構成するアルカリ土類金属炭酸塩と
しては、炭酸カルシウム、炭酸ストロンチウム及び炭酸
バリウムなどが好ましく用いられ、これらは一種のみな
らず二種以上を用いてもよい。そして更に、固溶体を構
成するアルカリ金属炭酸塩としては、炭酸リチウム、炭
酸ナトリウム及び炭酸カリウムが好ましく用いられ、こ
れらは一種のみならず二種以上を用いてもよい。
【0010】前記のアルカリ土類金属炭酸塩とアルカリ
金属炭酸塩との固溶体は、その中にアルカリ金属炭酸塩
の結晶を含まないものである。すなわち、固溶体中のア
ルカリ土類金属炭酸塩とアルカリ金属炭酸塩との配合比
が小さいものであるときはアルカリ金属炭酸塩の単独の
結晶が生じやすいので、アルカリ金属炭酸塩の配合量が
多いことは望ましくない。逆にアルカリ金属炭酸塩の配
合量が少ないときはアルカリ金属炭酸塩の単独の結晶が
生じ難いので好ましいが、固溶体の融点が高くなり検知
電極を形成するに際しての作業条件が厳しくなるという
不利がある。
【0011】このようなアルカリ土類金属炭酸塩とアル
カリ金属炭酸塩との配合比は、それぞれ組み合わせるア
ルカリ土類金属炭酸塩とアルカリ金属炭酸塩との種類に
よって異なるが、一般には多量のアルカリ土類金属炭酸
塩と少量のアルカリ金属炭酸塩とを組み合わせて用いる
のが好ましい。
【0012】固体電解質としては、たとえばβアルミ
ナ、NASICON の焼結体等の他、適宜のナトリウムイオン
伝導体を用いることができる。また基準電極には、たと
えば白金黒を付着した白金網等で形成したものが用いら
れ、場合によっては検知電極と同様にアルカリ土類金属
炭酸塩とアルカリ金属炭酸塩との固溶体で被覆されてい
てもよい。このような基準電極は、カバーで覆って被検
ガス中の炭酸ガスの濃度の影響を受けないようにするこ
とが好ましい。
【0013】
【作用】以上のように構成された炭酸ガス検知センサ
は、400℃から600℃に加温され、検知電極と接触
する被検ガス中の炭酸ガスの分圧に対応して検知電極と
基準電極との間に発生する起電力を測定することによ
り、被検ガス中の炭酸ガスの濃度を湿度の影響を受ける
ことなく正確に検出することができる。
【0014】
【実施例】次に、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図1に本発明の炭酸ガス検知センサの構造を示
す。同図において、1は炭酸ガス検知センサ、2は検知
電極である。この検知電極2は、例えば白金黒を付着し
た白金網上にアルカリ土類金属炭酸塩とアルカリ金属炭
酸塩との固溶体の検知材料層3を被覆したものである。
4はナトリウムイオン伝導体であり、また5は基準電極
であって例えば白金黒を付着した白金網で形成され、被
検ガスから遮蔽するためにガラス等からなるカバー8で
覆って封止してある。なお、6はセラミック基板であ
り、7は基板の裏面に設けられた白金膜からなるヒータ
である。
【0015】炭酸ガス検知センサ1は、図2の測定装置
のチャンバ10の中に設置し、ヒータ7によって加熱す
る。空気、酸素及び炭酸ガスを流量計11、12及び1
3を通して所定の濃度となるよう混合してチャンバ10
に供給し、検知電極2と基準電極5との間の起電力を電
圧計9で測定する。なお、14は被検ガスに水分を付加
するための水槽で、16は逆流防止用のトラップ、15
は排気口である。
【0016】(第1実施例)この実施例においては、ナ
トリウムイオン伝導体4としてNASICON を用い、また白
金黒を付着した白金網で形成された検知電極2を被覆す
る検知材料層3のアルカリ土類金属炭酸塩とアルカリ金
属炭酸塩との固溶体として、炭酸バリウムと炭酸ナトリ
ウムをモル比で1.7:1となるよう固溶したものを用
いており、その他は前述のように構成されている。
【0017】この本発明の第1実施例の炭酸ガス検知セ
ンサAを、図2の測定装置により素子温度550 ℃となる
ようヒータ7で加熱し、100 〜2000ppm の濃度の炭酸ガ
スに対する起電力特性を湿り空気中および乾燥空気中で
測定した。その結果を図4に示すが、湿度20%および
湿度75%の湿り空気中においても乾燥空気中とほぼ同
一の特性を示していることがわかる。
【0018】(第1比較例)炭酸バリウムと炭酸ナトリ
ウムをモル比で1.7:1とする代わりに、1:1とし
た固溶体を用いて検知電極を被覆した他は第1実施例と
全く同様に構成した炭酸ガス検知センサaについて、第
1実施例と同様にして炭酸ガスに対する起電力特性を湿
度50%の湿り空気中および乾燥空気中で測定した。そ
の結果を図5に示すが、第1比較例の炭酸ガス検知セン
サaは、被検ガス中の水分により出力が大幅に変化する
ことがわかる。
【0019】(第1参考例)第1実施例で用いた炭酸バ
リウムと炭酸ナトリウムとのモル比が1.7:1の固溶
体と、第1比較例で用いた同じくモル比が1:1の固溶
体とをX線回折によって結晶構造の分析を行った。図1
4及び図15にそのチャートを示すが、参考のための図
24の炭酸バリウムのチャート並びに図27の炭酸ナト
リウムのチャートと対比すると、モル比が1:1の固溶
体には炭酸ナトリウムの結晶に特有のピークが見られる
のに対し、モル比が1.7:1の固溶体にはこれが無
く、炭酸ナトリウムの結晶が含まれていないことがわか
る。
【0020】(第2実施例)この実施例は、炭酸バリウ
ムと炭酸ナトリウムのモル比が1.7:1である固溶体
を用いる代わりに、炭酸バリウムと炭酸リチウムのモル
比が2.5:1である固溶体を用いて検知電極を被覆し
た他は、第1実施例と全く同様に構成された炭酸ガス検
知センサである。
【0021】この本発明の第2実施例の炭酸ガス検知セ
ンサBを、第1実施例と同様に素子温度550 ℃となるよ
う加熱して、炭酸ガスに対する起電力特性を湿度50%
の湿り空気中および乾燥空気中で測定した。その結果を
図6に示すが、湿り空気中においても乾燥空気中とほぼ
同一の特性を示していることがわかる。
【0022】(第2比較例)炭酸バリウムと炭酸リチウ
ムのモル比を2.5:1とする代わりに、2:1とした
固溶体を用いて検知電極を被覆した他は第2実施例と全
く同様に構成した炭酸ガス検知センサbについて、第2
実施例と同様にして炭酸ガスに対する起電力特性を湿り
空気中および乾燥空気中で測定した。その結果を図7に
示すが、第2比較例の炭酸ガス検知センサbは、被検ガ
ス中の水分により出力が変化することがわかる。
【0023】(第2参考例)第2実施例で用いた炭酸バ
リウムと炭酸リチウムとのモル比が2.5:1の固溶体
と、第2比較例で用いた同じくモル比が2:1の固溶体
とをX線回折によって結晶構造の分析を行った。図16
及び図17にそのチャートを示すが、参考のための図2
4の炭酸バリウムのチャート並びに図28の炭酸リチウ
ムのチャートと対比すると、モル比が2:1の固溶体に
は炭酸リチウムの結晶に特有のピークが見られるのに対
し、モル比が2.5:1の固溶体にはこれが無く、炭酸
リチウムの結晶が含まれていないことがわかる。
【0024】(第3実施例)この実施例は、炭酸バリウ
ムと炭酸ナトリウムのモル比が1.7:1である固溶体
を用いる代わりに、炭酸バリウムと炭酸カリウムのモル
比が3:1である固溶体を用いて検知電極を被覆した他
は、第1実施例と全く同様に構成された炭酸ガス検知セ
ンサである。
【0025】この本発明の第3実施例の炭酸ガス検知セ
ンサCを、第2実施例と同様に素子温度550 ℃となるよ
う加熱して、炭酸ガスに対する起電力特性を湿り空気中
および乾燥空気中で測定した。その結果を図8に示す
が、湿り空気中においても乾燥空気中とほぼ同一の特性
を示していることがわかる。
【0026】(第3比較例)炭酸バリウムと炭酸カリウ
ムのモル比を3:1とする代わりに、1:1とした固溶
体を用いて検知電極を被覆した他は第3実施例と全く同
様に構成した炭酸ガス検知センサcについて、第2実施
例と同様にして炭酸ガスに対する起電力特性を湿り空気
中および乾燥空気中で測定した。その結果を図9に示す
が、第3比較例の炭酸ガス検知センサcは、被検ガス中
の水分により出力が変化することがわかる。
【0027】(第3参考例)第3実施例で用いた炭酸バ
リウムと炭酸カリウムとのモル比が3:1の固溶体と、
第3比較例で用いた同じくモル比が1:1の固溶体とを
X線回折によって結晶構造の分析を行った。図18及び
図19にそのチャートを示すが、参考のための図24の
炭酸バリウムのチャート並びに図29の炭酸カリウムの
チャートと対比すると、モル比が1:1の固溶体には炭
酸カリウムの結晶に特有のピークが見られるのに対し、
モル比が3:1の固溶体にはこれが無く、炭酸カリウム
の結晶が含まれていないことがわかる。
【0028】(第4実施例)この実施例は、炭酸バリウ
ムと炭酸ナトリウムのモル比が1.7:1である固溶体
を用いる代わりに、炭酸ストロンチウムと炭酸ナトリウ
ムのモル比が2.0:1である固溶体を用いて検知電極
を被覆した他は、第1実施例と全く同様に構成された炭
酸ガス検知センサである。
【0029】この本発明の第4実施例の炭酸ガス検知セ
ンサDを、第2実施例と同様に素子温度550 ℃となるよ
う加熱して、炭酸ガスに対する起電力特性を湿り空気中
および乾燥空気中で測定した。その結果を図10に示す
が、湿り空気中においても乾燥空気中とほぼ同一の特性
を示していることがわかる。
【0030】(第4比較例)炭酸ストロンチウムと炭酸
ナトリウムのモル比を2:1とする代わりに、1.5:
1とした固溶体を用いて検知電極を被覆した他は第4実
施例と全く同様に構成した炭酸ガス検知センサdについ
て、第2実施例と同様にして炭酸ガスに対する起電力特
性を湿り空気中および乾燥空気中で測定した。その結果
を図11に示すが、第4比較例の炭酸ガス検知センサd
は、被検ガス中の水分により出力が変化することがわか
る。
【0031】(第4参考例)第4実施例で用いた炭酸ス
トロンチウムと炭酸ナトリウムとのモル比が2:1の固
溶体と、第4比較例で用いた同じくモル比が1.5:1
の固溶体とをX線回折によって結晶構造の分析を行っ
た。図20及び図21にそのチャートを示すが、参考の
ための図25の炭酸ストロンチウムのチャート並びに図
27の炭酸ナトリウムのチャートと対比すると、モル比
が1.5:1の固溶体には炭酸ナトリウムの結晶に特有
のピークが見られるのに対し、モル比が2:1の固溶体
にはこれが無く、炭酸ナトリウムの結晶が含まれていな
いことがわかる。
【0032】(第5実施例)この実施例は、炭酸バリウ
ムと炭酸ナトリウムのモル比が1.7:1である固溶体
を用いる代わりに、炭酸カルシウムと炭酸リチウムのモ
ル比が3:1である固溶体を用いて検知電極を被覆した
他は、第1実施例と全く同様に構成された炭酸ガス検知
センサである。
【0033】この本発明の第5実施例の炭酸ガス検知セ
ンサEを、第2実施例と同様に素子温度550 ℃となるよ
う加熱して、炭酸ガスに対する起電力特性を湿り空気中
および乾燥空気中で測定した。その結果を図12に示す
が、湿り空気中においても乾燥空気中とほぼ同一の特性
を示していることがわかる。
【0034】(第5比較例)炭酸カルシウムと炭酸リチ
ウムのモル比を3:1とする代わりに、2:1とした固
溶体を用いて検知電極を被覆した他は第5実施例と全く
同様に構成した炭酸ガス検知センサeについて、第2実
施例と同様にして炭酸ガスに対する起電力特性を湿り空
気中および乾燥空気中で測定した。その結果を図13に
示すが、第5比較例の炭酸ガス検知センサeは、被検ガ
ス中の水分により出力が変化することがわかる。
【0035】(第5参考例)第5実施例で用いた炭酸カ
ルシウムと炭酸リチウムとのモル比が3:1の固溶体
と、第5比較例で用いた同じくモル比が2:1の固溶体
とをX線回折によって結晶構造の分析を行った。図22
及び図23にそのチャートを示すが、参考のための図2
6の炭酸カルシウムのチャート並びに図28の炭酸リチ
ウムのチャートと対比すると、モル比が2:1の固溶体
には炭酸リチウムの結晶に特有のピークが見られるのに
対し、モル比が3:1の固溶体にはこれが無く、炭酸リ
チウムの結晶が含まれていないことがわかる。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、検
知電極をアルカリ土類金属炭酸塩とアルカリ金属炭酸塩
との固溶体、特にアルカリ金属炭酸塩の結晶を含まない
固溶体で被覆したから、炭酸ガスに対する起電力特性が
被検ガス中の水分の影響を受けにくく、しかも高い感度
を持つ炭酸ガス検知センサが得られたものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の炭酸ガス検知センサの構成図である。
【図2】炭酸ガス検知センサの炭酸ガスに対する起電力
特性を測定する装置の構成図である。
【図3】従来例の炭酸ガス検知センサの、湿り空気中お
よび乾燥空気中の炭酸ガスの検出特性図である。
【図4】本発明の第1実施例の炭酸ガス検知センサA
の、湿り空気中および乾燥空気中の炭酸ガスの検出特性
図である。
【図5】第1比較例の炭酸ガス検知センサaの、湿り空
気中および乾燥空気中の炭酸ガスの検出特性図である。
【図6】本発明の第2実施例の炭酸ガス検知センサB
の、湿り空気中および乾燥空気中の炭酸ガスの検出特性
図である。
【図7】第2比較例の炭酸ガス検知センサbの、湿り空
気中および乾燥空気中の炭酸ガスの検出特性図である。
【図8】本発明の第3実施例の炭酸ガス検知センサC
の、湿り空気中および乾燥空気中の炭酸ガスの検出特性
図である。
【図9】第3比較例の炭酸ガス検知センサcの、湿り空
気中および乾燥空気中の炭酸ガスの検出特性図である。
【図10】本発明の第4実施例の炭酸ガス検知センサD
の、湿り空気中および乾燥空気中の炭酸ガスの検出特性
図である。
【図11】第4比較例の炭酸ガス検知センサdの、湿り
空気中および乾燥空気中の炭酸ガスの検出特性図であ
る。
【図12】本発明の第5実施例の炭酸ガス検知センサE
の、湿り空気中および乾燥空気中の炭酸ガスの検出特性
図である。
【図13】第5比較例の炭酸ガス検知センサeの、湿り
空気中および乾燥空気中の炭酸ガスの検出特性図であ
る。
【図14】炭酸バリウムと炭酸ナトリウムとのモル比が
1.7:1の固溶体のX線回折チャートである。
【図15】炭酸バリウムと炭酸ナトリウムとのモル比が
1:1の固溶体のX線回折チャートである。
【図16】炭酸バリウムと炭酸リチウムとのモル比が
2.5:1の固溶体のX線回折チャートである。
【図17】炭酸バリウムと炭酸リチウムとのモル比が
2:1の固溶体のX線回折チャートである。
【図18】炭酸バリウムと炭酸カリウムとのモル比が
3:1の固溶体のX線回折チャートである。
【図19】炭酸バリウムと炭酸カリウムとのモル比が
1:1の固溶体のX線回折チャートである。
【図20】炭酸ストロンチウムと炭酸ナトリウムとのモ
ル比が2:1の固溶体のX線回折チャートである。
【図21】炭酸ストロンチウムと炭酸ナトリウムとのモ
ル比が1:1の固溶体のX線回折チャートである。
【図22】炭酸カルシウムと炭酸リチウムとのモル比が
3:1の固溶体のX線回折チャートである。
【図23】炭酸カルシウムと炭酸リチウムとのモル比が
2:1の固溶体のX線回折チャートである。
【図24】炭酸バリウムのX線回折チャートである。
【図25】炭酸ストロンチウムのX線回折チャートであ
る。
【図26】炭酸カルシウムのX線回折チャートである。
【図27】炭酸ナトリウムのX線回折チャートである。
【図28】炭酸リチウムのX線回折チャートである。
【図29】炭酸カリウムのX線回折チャートである。
【符号の説明】
1 炭酸ガス検知センサ 2 検知電極 3 検知材料層 4 ナトリウムイオン伝導体 5 基準電極 6 セラミック基板 7 ヒータ 8 カバー 9 電圧計 10 チャンバ 11 流量計 12 流量計 13 流量計 14 水槽 15 排気口 16 トラップ
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成3年3月27日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正内容】
【0014】
【実施例】次に、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図1に本発明の炭酸ガス検知センサの構造を示
す。同図において、1は炭酸ガス検知センサ、2は検知
電極である。この検知電極2は、例えば白金黒を付着し
た白金網2a上にアルカリ土類金属炭酸塩とアルカリ金
属炭酸塩との固溶体の検知材料層3を被覆したものであ
る。4はナトリウムイオン伝導体であり、また5は基準
電極であって例えば白金黒を付着した白金網で形成さ
れ、被検ガスから遮蔽するためにガラス等からなるカバ
ー6で覆って封止してある。なお、7はセラミック基板
であり、8は基板の裏面に設けられた白金膜からなるヒ
ータである。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正内容】
【0015】炭酸ガス検知センサ1は、図2の測定装置
のチャンバ10の中に設置し、ヒータ8によって加熱す
る。空気、酸素及び炭酸ガスを流量計11、12及び1
3を通して所定の濃度となるよう混合してチャンバ10
に供給し、検知電極2と基準電極5との間の起電力を電
圧計9で測定する。なお、14は被検ガスに水分を付加
するための水槽で、16は逆流防止用のトラップ、15
は排気口である。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正内容】
【0017】この本発明の第1実施例の炭酸ガス検知セ
ンサAを、図2の測定装置により素子温度550 ℃となる
ようヒータ8で加熱し、100 〜2000ppm の濃度の炭酸ガ
スに対する起電力特性を湿り空気中および乾燥空気中で
測定した。その結果を図4に示すが、湿度20%および
湿度75%の湿り空気中においても乾燥空気中とほぼ同
一の特性を示していることがわかる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】符号の説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【符号の説明】 1 炭酸ガス検知センサ 2 検知電極 2a 白金網 3 検知材料層 4 ナトリウムイオン伝導体 5 基準電極 6 カバー 7 セラミック基板 8 ヒータ 9 電圧計 10 チャンバ 11 流量計 12 流量計 13 流量計 14水槽 15 排気口 16 トラップ ─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成3年3月27日
【手続補正5】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図1
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0002
【補正方法】変更
【補正内容】
【0036】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、検
知材料としてアルカリ土類金属炭酸塩とアルカリ金属炭
酸塩との固溶体、特にアルカリ金属炭酸塩の結晶を含ま
ない固溶体を用いたから、炭酸ガスに対する起電力特性
が被検ガス中の水分の影響を受けにくく、しかも高い感
度を持つ炭酸ガス検知センサが得られたものである。
フロントページの続き (72)発明者 山添 ▲のぼる▼ 福岡県春日市松ケ丘4−32 (72)発明者 三浦 則雄 福岡県福岡市中央区平尾3−17−5−301

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 イオン伝導体を挟んで検知電極と基準電
    極とを対設してなる炭酸ガスセンサにおいて、検知電極
    の被覆材料としてアルカリ土類金属炭酸塩とアルカリ金
    属炭酸塩との固溶体であってアルカリ金属炭酸塩の結晶
    を含まないものを用いたことを特徴とする炭酸ガス検知
    センサ。
  2. 【請求項2】 アルカリ土類金属炭酸塩がカルシウム、
    ストロンチウム又はバリウムのいずれか一つ以上の炭酸
    塩であることを特徴とする請求項1記載の炭酸ガス検知
    センサ。
  3. 【請求項3】 アルカリ金属炭酸塩がリチウム、ナトリ
    ウム又はカリウムのいずれか一つ以上の炭酸塩であるこ
    とを特徴とする請求項1または2記載の炭酸ガス検知セ
    ンサ。
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