JPH0578256A - インターロイキン−2と5’−デオキシ−5−フルオロウリジンとを含有してなる免疫増強剤 - Google Patents

インターロイキン−2と5’−デオキシ−5−フルオロウリジンとを含有してなる免疫増強剤

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JPH0578256A
JPH0578256A JP3312965A JP31296591A JPH0578256A JP H0578256 A JPH0578256 A JP H0578256A JP 3312965 A JP3312965 A JP 3312965A JP 31296591 A JP31296591 A JP 31296591A JP H0578256 A JPH0578256 A JP H0578256A
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dfur
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Abstract

(57)【要約】 【目的】インターロイキン−2と5'-デオキシ-5-フルオ
ロウリジンとを併用してなる、癌等の治療剤および治療
方法を提供する。 【構成】インターロイキン−2と5'-デオキシ-5-フルオ
ロウリジンとを組み合わせてなる、あるいは更に他の化
学療法剤および/または他の免疫療法剤を含有してなる
免疫増強剤であり、このものは抗腫瘍剤あるいは抗各種
ウィルス感染症剤として臨床適用することのできるもの
である。 【効果】IL−2と5'−DFURとを組み合せてなる
免疫増強剤は、それぞれの単独使用では得ることができ
ない強い免疫増強作用を奏し、抗腫瘍剤等として有効で
ある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は各薬剤のもつ特徴を生か
し、生体への副作用を回避させ、且つ、単剤では引き出
せない新しい薬効を発揮する薬物を投与する免疫増強に
よる病気の治療方法そのための剤を提供するものであ
り、更に詳しくは、インターロイキン−2(以下、「イ
ンターロイキン−2」を「IL−2」と略記することが
ある。)と5'-デオキシ-5-フルオロウリジン(5'-deoxy
-5-fluorouridine)(一般名 doxifluridine、以下5’
−DFURと略称することもある)とを含有してなる、
臨床適用することのできる癌、各種ウィルス感染症等の
治療薬及び治療方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、免疫増強剤および各種ウィルス感
染症治療薬として、IL−2のようなリンホカインを免
疫応答性を強める薬剤として用いる試みが為されている
〔ジャーナル・オブ・イムノロジー(J. Immunol.), 12
5, 1904 (1980)〕。また、IL−2として、近年、遺伝
子工学的に得られたIL−2が知られている(特開昭6
0−115528、同61−78799号)。一方、5'
-デオキシ-5-フルオロウリジンは1979年に合成され
たが、臨床試験での有効性が見出された〔癌と化学療
法,12(1),2044, 1985〕ことから、近年、抗悪性腫瘍
剤として上市された。今日、癌の治療は、手術療法や放
射線療法やホルモン療法による治療が試みられ、早期の
癌については有効な治療法となっているが、転移した癌
ならびに発見の遅れた癌については薬物治療を期待せざ
るを得ない。しかしながら、現在使用可能の制癌剤は、
有用な薬効を示すものの、なお生体に及ぼす副作用も強
く、患者にとって満足すべき治療法として完成されては
いない。近年、インターロイキン2などのいわゆるリン
ホカインを抗腫瘍剤として用い、ヒトの悪性腫瘍を治療
する試みが行われ〔癌と化学療法,13., 977(198
6)〕、その治療効果も報告されている〔ニューイングラ
ンド・ジャーナル・オブ・メデシン(New England J. Me
d.),316, 889 (1987)〕。
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明者らは悪性新生物
に対する免疫刺激作用による治療効果を高めるため、従
来から免疫療法剤ならびに癌の化学療法剤と「IL−
2」との併用投与による治療法について種々検討してき
た。その結果、種々の組み合せのうち、とりわけ5'-D
FURと「IL−2」を組み合せて担癌動物に投与する
と、それぞれのもつ作用が相乗して発揮され、強い治療
効果が得られることを見出し、本発明を完成した。すな
わち、本発明は、有効量のインターロイキン−2と5'-
DFURあるいはその塩とを組み合せてなる免疫増強
剤、上記免疫増強剤を動物に投与することからなる病気
の治療方法、およびインターロイキン−2製剤と5'-D
FUR製剤を含有するキットを提供するものである。上
記インターロイキン−2としては、IL−2活性、すな
わちT細胞をその機能を維持したまま継代維持しうる作
用を有する物質であればいずれでもよい。例えば動物体
内や動物細胞で産生される天然のIL−2や遺伝子組み
換え技術で生産されるIL−2やこれらの関連物質が挙
げられる。上記IL−2やこれらの関連物質は蛋白質で
ある場合、糖鎖を有していてもよくまた有さなくてもよ
い。具体的には、例えば図1(配列番号:1)で示され
るアミノ酸配列を有するポリペプチド(I)(ヒトIL
−2)や、その生物学的もしくは免疫学的活性に必要な
一部分のアミノ酸配列からなるフラグメントでもよい。
上記フラグメントとしては、例えばポリペプチド(I)
のアミノ末端から1個のアミノ酸(EPC公開9153
9号公報)または4個のアミノ酸を欠くフラグメント
(特開昭60−126088号公報)やカルボキシル末
端部の数個のアミノ酸を欠くフラグメント(特開昭60
−126088号公報)などが挙げられる。さらに、図
1に示すアミノ酸配列を有するポリペプチド(I)の構
成アミノ酸の一部が欠損しているか他のアミノ酸に置換
されたもの、例えば、125位のシステイン残基がセリ
ン残基に置換されたもの(特開昭59−93093号公
報)でもよい。
【0004】また、前記IL−2はポリエチレングリコ
ール誘導体等で化学修飾されたものでもよい(例えば特
開昭60−226821号公報)。とりわけ、本発明に
おいては遺伝子組み換え技術で製造され、図1で示され
るアミノ酸配列を有するヒトIL−2を用いるのが好ま
しく、この場合、そのアミノ末端にさらにメチオニン残
基(Met)を有するものと有さないものとの混合物(特
開昭60−115528号公報、特開昭61−7879
9号公報)であってもよく、また、アミノ末端にMetを
有さずアラニン(Ala)で始まるもの(特開昭61−7
8799号公報)でもよい。また、糖鎖を有しているも
のであってもよい。 5'-DFURは公知の化合物であ
り、例えばジャーナル・オブ・メデシナル ケミストリ
ー(J.Med. Chem.), 第22巻,11号,1330-1335頁,197
9年に記載されており、その方法と同様の5−フルオロ
ウリジンを出発原料とする方法で製造される。5'-DF
URは動物に対する毒性も低く、特に、免疫臓器に及ぼ
す影響が少ないことが知られている(癌と化学療法,15
巻,第5号,1747-1754頁、1988年)。インターロイキ
ン−2はリンパ球系細胞の反応力を増強させることで、
その生物活性を発揮することから、制癌剤の中でも免疫
抑制作用の少ない薬物との組み合せが望まれ、5'-DF
URはその目的に合った薬物であった。
【0005】本発明に用いるIL−2は低毒性である。
例えば、IL−2について、図1に示されるアミノ酸配
列を有するヒトIL−2のアミノ末端にさらにMetを有
するものと有さないものとの混合物を、特開昭61−7
8799号公報に記載の方法と同様の等電点分画法で分
離した図1に示されるアミノ酸配列を有するヒトIL−
2をマウスやラットの静脈内に10mg/kg(1mg
=3.5×104ユニット)投与しても毒性によって死亡
するものはみられない。本発明に用いる5'-DFURは
他の既知の化学療法剤に比較して毒性が低く、例えば、
マウスに投与した場合、2000mg/kgの経口投与
または500mg/kg腹腔内投与でも死亡するものは
みられない。また、生体に投与してもナチュラル・キラ
ー細胞の活性を抑制することなく、この活性を抑制させ
ない化合物はIL−2との併用投与に非常に適してい
る。
【0006】かくして、本発明の免疫増強剤は、通常、
これらの有効成分を薬理学的に許容されうる担体もしく
は賦形剤と混合してなる医薬組成物として経口または非
経口的に用いられる。例えば、各有効成分をあらかじめ
水溶液としたもの、各有効成分を凍結乾燥することによ
って固型状の混合物としたもの、それぞれの水溶液とし
たものを凍結乾燥することによってそれぞれの固型状の
ものとしたもの、いずれかが水溶液で別の有効成分が凍
結乾燥することによって固型状のもの、各有効成分を別
個に製剤としたキットなどの形態が挙げられる。本発明
の免疫増強剤は、これらの有効成分を、公知の製剤学的
製造法に準じ、所望により製剤学的に許容され得る希釈
剤、賦形剤などを用い、混合して一剤として投与でき
る。また、それぞれの有効成分を別途、所望により製剤
学的に許容され得る希釈剤、賦形剤などを用い、製剤化
し、用時希釈剤等を用いて一剤として投与することがで
きる。さらに、前記したようにそれぞれ別途製剤化した
ものをキットとしておき、これらを別個に、同時に、ま
たは時間差をおいて、同一対象に対して同一経路または
異なった経路で投与する剤形とすることもできる。
【0007】本発明の免疫増強剤が溶液である場合は、
水性溶剤(例えば、蒸留水)、水溶性溶剤(例えば、生理
的食塩水、リンゲル液)、油性溶剤(例えば、ゴマ油、オ
リーブ油)等の溶剤を用いて、常套手段により製造され
る。この際、所望により溶解補助剤(例えば、サリチル
酸ナトリウム、酢酸ナトリウム)、緩衝剤(例えば、クエ
ン酸ナトリウム、グリセリン)、等張化剤(例えば、ブド
ウ糖、転化糖)、安定剤(例えば、ヒト血清アルブミン、
ポリエチレングリコール)、保存剤(例えば、ベンジルア
ルコール、フェノール)、無痛化剤(例えば、塩化ベンザ
ルコニウム、塩酸プロカイン)等の添加剤を用いること
もできる。溶液におけるIL−2の濃度は、好ましくは
約3〜500mg/mlである。溶液における5'-DF
URの濃度は、好ましくは約10〜500mg/mlで
ある。経口投与のための組成物としてはさらに、錠剤、
丸剤、顆粒剤、散剤、カプセル剤、シロップ剤、乳剤、
懸濁剤などが挙げられる。かかる組成物は自体公知の方
法によって製造され、担体もしくは賦形剤として、乳
糖、でんぷん、ショ糖、ステアリン酸マグネシウムなど
が用いられる。非経口投与のためには、例えば、注射
剤、坐剤などとすることができ、注射剤としてはたとえ
ば静脈注射剤、皮下注射剤、皮内注射剤、筋肉内注射
剤、点滴注射剤などとして用いられる。注射液は通常適
当なアンプルに充填されて提供される。直腸投与に用い
られる坐剤は自体公知の方法で調製される。本発明の免
疫増強剤の製剤化にあたっては、IL−2の活性の低下
を防ぐために特開昭62−228026号公報で示され
た方法の如く、たとえば各製剤用材料を混合したものを
注射用蒸留水もしくは生理食塩水に溶解した場合、ヒト
血清アルブミン(HSA)を約0.5〜1%添加すること
が望ましい。
【0008】本発明の免疫増強剤は哺乳動物(例、マウ
ス、ネコ、イヌ、牛、馬、羊、山羊、家兎、ヒト)の免
疫増強作用活性を有し、マクロファージ活性化により各
種ウィルス感染症や腫瘍の治療または予防に有用であ
り、例えば腫瘍を保持する哺乳動物の延命に著効を奏す
る。かかる対象疾患としては各種白血病、悪性リンパ
腫、骨肉腫、悪性黒色腫、悪性絨毛上皮、筋肉腫、卵巣
癌、子宮癌、前立腺癌、膵癌、胃ならびに腸などの消化
器癌、肺癌、食道癌、頚頭部腫瘍、脳腫瘍、肝癌などの
ウィルス性腫瘍などが挙げられる。本発明の免疫増強剤
を投与するには、該組成物が水溶液のものである場合に
は、そのまま注射用溶解液として用いる。該組成物が凍
結乾燥により固型状のものである場合には、蒸留水もし
くは生理的食塩水などを用いて溶解し注射用溶解液とし
て用いる。なお、所望により前記したと同様の単糖類、
糖アルコール類、アミノ酸等を含有し、前記と同様にp
H調整された溶解液で溶解後使用することも出来る。本
発明の免疫増強剤の投与に際して、IL−2と5'-DF
URとの使用量は、その使用方法、対象とする腫瘍など
により異なるが、IL−2のタンパク質量10μg〔I
L−2活性として350ユニット(U)、なおIL−2活
性の測定方法に関しては特開昭60−115528号公
報に示された如く、IL−2濃度に依存して増殖するマ
ウス細胞株を用いて行なった。〕に対し、5'-DFUR
約0.1〜100mgの割合で用いることが望ましく、
とりわけ約1〜50mgを用いるのがより好ましい。本
発明の免疫増強剤は、ヒトを含む哺乳動物に経口的また
は非経口的に投与することが出来る。また、本発明の免
疫増強剤の投与量は、使用するIL−2の種類によって
異なるが、たとえば、マウスではIL−2のタンパク量
を基準として、注射剤として投与する際には、マウスに
は約0.1〜500μg、マウス以外の哺乳動物には約0.001
〜4μgが、坐剤として投与する際には約0.01〜20μ/
kgが、点滴剤として投与する際には約0.001〜2μg
/kgが、経口吸収剤として投与する際には、約0.2〜
4μg/kgが、それぞれ好ましい。一方5'-DFUR
の投与量(mg)を基準として、注射剤として投与する
際には、マウスには、例えば、1日当り約1〜500mg
/kgが好ましく、マウス以外の哺乳動物には約1〜10
0mg/kgが好ましい。本発明の免疫増強剤におい
て、IL−2と5'-DFURとが別途製剤化したものを
同時に同一対象に投与することができ、また、時間差を
おいて同一対象に投与することができる。この場合の時
間差としては、たとえば、約12時間から24時間間隔
でもよいが、好ましくは約3時間から9時間間隔、さら
に望ましくは約2時間以内が良い。
【0009】本発明の免疫増強剤は他の化学療法剤およ
び/または他の免疫療法剤を更に含有することができ、
他の化学療法剤としては、マイトマイシン、アドリアマ
イシン、シスプラチン、ビンデシン、ビンクリスチン、
サイクロフォスファミド、イフォマファミド、ブレオマ
イシン、ペプレオマイシンもしくはエトポシドのような
制癌剤が挙げられる。また免疫療法剤としては、微生物
もしくは細菌細胞壁骨核成分;免疫活性多糖天然型もし
くは遺伝子工学手法で得られるサイトカイン;またはコ
ロニー刺戟因子のようなものが挙げられ、上記免疫活性
多糖としてはレンチナンもしくはシゾフィラン等が、細
菌細胞壁骨核成分としてはムラミルジペプチド誘導体等
が、微生物としては乳酸菌等が、また天然型もしくは遺
伝子工学手法で得られるサイトカインとしてはインター
フェロン等が挙げられる。他の化学療法剤および/また
は他の免疫療法剤を更に含有させる場合の量としては、
治療に常用されている量が用いられる。
【0010】
【作用】IL−2と免疫抑制作用の少ない5’−DFU
Rとの組合せで、相乗効果を有すると共に副作用の少な
い免疫増強剤が得られる。IL−2と5’−DFURと
を含有する本発明の剤は抗腫瘍活性やマクロファージ活
性化活性のような顕著な免疫増強作用活性を示し、これ
はIL−2、5’−DFUR単独使用では得ることので
きない効果である。本発明の免疫増強剤は少なくとも一
種の腫瘍をもつ哺乳動物の治療に用いると有効である。
【0011】
【実施例】以下に実験例および実施例を示し、本発明を
具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるもの
ではない。なお、実験例または実施例で用いたIL−2
は、図1に示すアミノ酸配列を有するヒトIL−2すな
わちアミノ末端がアラニンで始まるIL−2である。該
IL−2は、形質転換体エシェリヒア・コリ(Escheric
hia coli) N4830/pTB285を用い、特開昭6
1−78799号公報に記載の方法と同様の方法で培養
し、特開昭60−115528号公報に記載された方法
と同様の方法で高度に精製され、特開昭61−7879
9号公報に記載の方法と同様の等電点分画により分離さ
れ、製造されたものであり、その比活性は約3.5×1
4単位/mgである。前記形質転換体エシェリヒア・
コリN4830/pTB285は、昭和60年4月25
日から財団法人発酵研究所(IFO)に、受託番号IF
O14437として寄託され、また昭和60年4月30
日から通商産業省工業技術院微生物工業技術研究所(F
RI)に、受託番号FERM P−8199として寄託
され、該寄託はブダペスト条約に基づく寄託に切換えら
れて、受託番号FERMBP−852として同研究所
(FRI)に保管されている。
【0012】
【実験例1】 皮下移植腫瘍に対する5'-DFURとI
L−2の抗腫瘍作用についての比較実験 体重約25gの雄のBALB/cマウスの後肢ふくらは
ぎ部皮下にマウスのcolon carcinsna26(結腸癌No.2
6)の組織粥(ホモゲナイザーで腫瘍をすりつぶし懸濁
状態とした腫瘍細胞)を注射筒を用いて移植し、腫瘍移
植後12日目に腫瘍が一定の大きさに達したものを選び
群分けを行い薬物投与を開始した。IL−2投与は腫瘍
移植後肢とは反対側の側腹部の皮下に1日1回連続14
日間行った。IL−2は正常マウス血清を5%添加した
生理食塩水(溶解液)に溶解し、投与液量として0.1
ml/20gマウス体重となるよう調製した。5'-DF
URはIL−2投与の第1日目から14日間1日1回ず
つ経口的に投与した。5'-DFURは生理食塩水に懸濁
させ、投与液量として0.2ml/20gマウス体重と
なるよう調製した。抗腫瘍効果の評価は腫瘍移植後28
日目の腫瘍重量を測定し、各実験群の平均腫瘍重量を求
め、薬物投与群(T、一群5匹)と薬物無処理対照群
(C、一群10匹)との腫瘍重量比(T/C%)を求め
て行った。なお、薬物の1日当りの投与量はマウス1匹
当りの薬物重量(IL−2;μg、5'-DFUR;μ
g)で表わした。表1に実験成績を示した。
【0013】
【表1】
【0014】
【実験例2】 皮下移植腫瘍に対する5'-DFURとI
L−2の抗腫瘍作用についての比較実験 体重約20gの雌のBALB/cマウスの側腹部皮下に
結腸癌No.26の組織粥を実験例1の場合と同様に準備
して、注射筒を用いて移植し、腫瘍移植後7日目に腫瘍
が一定の大きさに達したものを選び群分けを行い薬物投
与を開始した。IL−2投与は腫瘍移植部位とは反対側
の側腹部の皮下に1日1回連続15日間行った。5'-D
FURはIL−2投与の第1日目から14日間1日1回
ずつ経口的に投与した。IL−2は正常マウス血清を5
%添加した生理食塩水(溶解液)に溶解し、投与液量と
して0.1ml/20gマウス体重となるよう調製し
た。5'-DFURは、生理食塩水に懸濁し、投与液量と
して0.2ml/20gマウス体重となるよう調製し
た。抗腫瘍効果の評価は腫瘍移植後28日目の腫瘍重量
を測定し、各実験群の平均腫瘍重量を求め、薬物投与群
(T、一群5匹)と薬物無処理対照群(C、一群10
匹)との腫瘍重量比(T/C%)を求めて行った。な
お、IL−2の1日当りの投与量はマウス1匹当りの薬
物重量(μg)で表わし、5'-DFURもマウス1匹1
日当りの量を重量(μg)で表わした。IL−2単独投
与ならびに本発明のIL−2と5'-DFURとを投与し
た結果は表2のとおりである。
【0015】
【表2】
【0016】
【実験例3】 皮下移植腫瘍に対する5'-DFURとI
L−2を他の制癌剤との組み合せによる抗腫瘍作用の検
討 体重約20gの雌のBALB/cマウスの腹部皮下に結
腸癌No.26の組織粥を実験2の場合と同様に移植し
た。5'-DFURとIL−2は腫瘍移植後14日目から
1日1回連続10回投与した。5'-DFURは経口投与
し、IL−2は実験2の場合と同様、腫瘍移植部位とは
反対側の腹部皮下に投与した。また、抗癌剤であるマイ
トマイシン(以下、MMCと称する。)、アドリアマイ
シン(以下、ADR)ならびにサイクロフォスファミド
(以下、CPA)は腫瘍移植後7日と10日目に静脈内
に投与した。薬物の投与量はいずれもマウス当りの重量
(μg)で表した。本発明の5'-DFURとIL−2を腫
瘍が増殖してしまった後期にわずか10日投与するだけ
でも、他の制癌剤投与と組み合せるとき優れた効果が発
揮出来た成績(腫瘍移植後28日目の腫瘍重量)を表3
に示す。
【0017】
【表3】
【0018】
【実験例4】 皮下移植腫瘍に対する5'-DFUR,I
L−2ならびに5'-DFURとIL−2投与時の延命作
用についての比較実験 体重約25gの雄のBALB/cマウスの大腿部皮下に
結腸癌No.26の組織粥を実験例1の場合と同様に準備
して、注射筒を用いて移植し、腫瘍移植後20日目に腫
瘍が一定の大きさに達したものを選び群分けを行い薬物
投与を開始した。IL−2投与は腫瘍移植部位とは反対
側の側腹部の皮下に1日1回連続15日間行った。5'-
DFURはIL−2投与の第1日目から15日間1日1
回ずつ経口的に投与した。IL−2は正常マウス血清を
5%添加した生理食塩水(溶解液)に溶解し、投与液量
として0.1ml/20gマウス体重となるよう調製し
た。5'-DFURは、生理食塩水に懸濁し、投与液量と
して0.2ml/20gマウス体重となるよう調製し
た。抗腫瘍効果の評価は担癌マウスの生存日数を観察
し、各実験群の平均(中央値)生存日数を求め、薬物投
与群(T、一群5匹)と薬物無処理対照群(C、一群5
匹)との生存日数比(T/C%)を求めて行った。な
お、IL−2の1日当りの投与量はマウス1匹当りの薬
物重量(μg)で表わし、5'-DFURもマウス1匹1
日当りの量を重量(μg)で表わした。IL−2あるい
は5'-DFUR単独投与ならびに本発明のIL−2と
5'-DFURとを投与した結果は表4のとおりである。
【0019】
【表4】
【0020】
【実験例5】 皮下移植腫瘍に対する5'-DFURとI
L−2の延命作用についての比較実験 体重約25gの雄のBALB/cマウスの大腿部皮下に
結腸癌No.26の組織粥を実験例1の場合と同様に準備
して、注射筒を用いて移植し、腫瘍移植後14日目に腫
瘍が一定の大きさに達したものを選び群分けを行い薬物
投与を開始した。IL−2投与は腫瘍移植部位とは反対
側の側腹部の皮下に各週1日1回連続4日間の投与を5
週間繰り返し行った。5'-DFURはIL−2投与の第
1日目から各週連続4日間1日1回の経口投与を5週間
繰り返した。IL−2は正常マウス血清を5%添加した
生理食塩水(溶解液)に溶解し、投与液量として0.1
ml/20gマウス体重となるよう調製した。5'-DF
URは、生理食塩水に懸濁し、投与液量として0.2m
l/20gマウス体重となるよう調製した。抗腫瘍効果
の評価は担癌マウスの生存日数を観察し、各実験群の平
均生存日数を求め、薬物投与群(T、一群5〜10匹)
と薬物無処理対照群(C、一群10匹)との生存日数比
(T/C%)を求めて行った。なお、IL−2の1日当
りの投与量はマウス1匹当りの薬物重量(μg)で表わ
し、5'-DFURもマウス1匹1日当りの量を重量(μ
g)で表わした。IL−2あるいは5'-DFUR単独投
与ならびに本発明のIL−2と5'-DFURとを投与し
た結果は表5のとおりである。
【0021】
【表5】
【0022】
【実験例6】 皮下移植腫瘍に対する5'-DFURとI
L−2を他の制癌剤との組み合せることによる抗腫瘍作
用の検討 体重約25gの雌のBALB/cマウスの大腿部皮下に
結腸癌No.26の組織粥を実験例1の場合と同様に準備
して移植した。5'-DFURとIL−2は腫瘍移植後2
0日目から1日1回連続4日間の投与を4週間繰り返し
た。5'-DFURは経口投与し、IL−2は実験例1の
場合と同様、腫瘍移植部位とは反対側の腹部皮下に投与
した。また、抗癌剤であるマイトマイシン(以下、MM
Cと称する。)は腫瘍移植後17、24、31ならびに
38日目に静脈内に投与した。薬物の投与量はいずれも
マウス当りの重量(μg)で表した。本発明の5'-DFU
RとIL−2を腫瘍が増殖してしまった後期に投与して
も、他の制癌剤投与と組み合せるとき優れた延命効果が
発揮出来た成績(実験を2回行った)を表6に示す。
【0023】
【表6】
【0024】
【実施例1】 この割合で、各成分を混合したのち注射用蒸留水もしく
は生理食塩水に溶解し、ヒト血清アルブミン(HSA)
を0.5%になるよう添加してメンブランフィルター
(孔径0.22μm)を用いてろ過した。得られたろ液
を無菌的に1mlずつバイアル瓶に分注して凍結乾燥
し、注射用抗腫瘍剤を調製した。本注射用製剤は、用時
注射用蒸留水5mlに溶解する。
【0025】
【実施例2】 この割合で、各成分を混合したのち注射用蒸留水もしく
は生理食塩水に溶解し、ヒト血清アルブミン(HSA)
を0.5%になるよう添加してメンブランフィルター
(孔径0.22μm)を用いてろ過した。得られたろ液
を無菌的に1mlずつバイアル瓶に分注して凍結乾燥
し、注射用抗腫瘍剤を調製した。本注射用製剤は、用時
注射用蒸留水5mlに溶解する。
【0026】
【実施例3】 この割合で、各成分を混合したのち注射用蒸留水もしく
は生理食塩水1,000mlに溶解し、ヒト血清アルブ
ミン(HSA)を0.5%になるよう添加してメンブラ
ンフィルター(孔径0.22μm)を用いてろ過した。
得られたろ液を無菌的に10mlずつバイアル瓶に分注
して凍結乾燥し、注射用坑腫瘍剤を調製した。本注射用
製剤は、用時注射用蒸留水10mlに溶解する。
【0027】
【実施例4】 この割合で、各成分を混合したのち注射用蒸留水もしく
は生理食塩水1,000mlに溶解し、ヒト血清アルブ
ミン(HSA)を0.5%になるよう添加してメンブラ
ンフィルター(孔径0.22μm)を用いてろ過した。
得られたろ液を無菌的に10mlずつバイアル瓶に分注
して凍結乾燥し、注射用抗腫瘍剤を調製した。本注射用
製剤は、用時注射用蒸留水10mlに溶解する。
【0028】
【実施例5】 注射用キット製剤: 〔A〕IL−2 10mg 乳糖 85mg HPC−L(オキシプロピルセルロース) 5mg 計100mg 上記の割合で、三者を混合したのち1,000mlの注
射用蒸留水もしくは生理食塩水に溶解し、ヒト血清アル
ブミン(HSA)を0.5%になるよう添加してメンブ
ランフィルター(孔径0.22μm)を用いてろ過す
る。得られたろ液を無菌的に5mlずつバイアル瓶に分
注して凍結乾燥し、キットAとする。 〔B〕5’−DFUR 120,000mg ラウリル硫酸ナトリウム 20,000mg 計140,000mg 上記の割合で、二者を混合したのち1,000mlの注
射用蒸留水もしくは生理食塩水に溶解し、ヒト血清アル
ブミン(HSA)を0.5%になるよう添加してメンブ
ランフィルター(孔径0.22μm)を用いてろ過す
る。得られたろ液を無菌的に5mlずつバイアル瓶に分
注して凍結乾燥し、キットBとする。 〔C〕注射用蒸留水 10mg 本キットは、用時にキットAをキットCを用いて溶解
し、続けてキットBを溶解して注射用溶液を調製する。
あるいは、キットBをキットCを用いて溶解し、続けて
キットAを溶解して注射用溶液を調製する。または、キ
ットAとキットBを、キットCを用いて別々に溶解し
て、キットA溶液とキットB溶液の2つの注射用溶液を
調製し、同時にあるいは時間をおいて、別々に投与す
る。
【0029】
【発明の効果】本発明のIL−2と5'−DFURとを
組み合せてなる免疫増強剤は、それぞれの単独使用では
得ることができない強い免疫増強作用を奏する。
【0030】
【0031】
【配列表】配列番号:1 配列の長さ:133
【0032】
【配列の型】アミノ酸
【0033】
【配列の種類】タンパク質
【0034】
【配列】 Ala Pro Thr Ser Ser Ser Thr Lys Lys Thr Gln Leu Gln Leu Glu His 1 5 10 15 Leu Leu Leu Asp Leu Gln Met Ile Leu
Asn Gly Ile Asn Asn Tyr Lys 20 25 30 Asn Pro Lys Leu Thr Arg Met Leu Thr
Phe Lys Phe Tyr Met Pro Lys 35 40 45 Lys Ala Thr Glu Leu Lys His Leu Gln
Cys Leu Glu Glu Glu Leu Lys 50 55 60 Pro Leu Glu Glu Val Leu Asn Leu Ala
Gln Ser Lys Asn Phe His Leu 65 70 75 80 Arg Pro Arg Asp Leu Ile Ser Asn Ile
Asn Val Ile Val Leu Glu Leu 85 90 95 Lys Gly Ser Glu Thr Thr Phe Met Cys
Glu Tyr Ala Asp Glu Thr Ala 100 105 110 Thr Ile Val Glu Phe Leu Asn Arg Trp
Ile Thr Phe Cys Gln Ser Ile 115 120 125 Ile Ser Thr Leu Thr 130。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で使用するIL−2のアミノ酸配列の一
例を示す図面である。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】インターロイキン−2と5'-デオキシ-5-フ
    ルオロウリジンあるいはその塩とを組み合わせてなる免
    疫増強剤。
  2. 【請求項2】インターロイキン−2と5'-デオキシ-5-フ
    ルオロウリジンあるいはその塩とを混合してなる請求項
    1記載の免疫増強剤。
  3. 【請求項3】インターロイキン−2製剤と5'-デオキシ-
    5-フルオロウリジンあるいはその塩の製剤とを含有する
    請求項1記載の免疫増強剤キット。
  4. 【請求項4】他の化学療法剤および/または他の免疫療
    法剤を更に含有してなる請求項1記載の免疫増強剤。
  5. 【請求項5】インターロイキン−2と5'-デオキシ-5-フ
    ルオロウリジンあるいはその塩とを組み合わせてなる免
    疫増強剤を動物に投与することからなる、免疫作用を高
    めることによる病気の治療方法。
  6. 【請求項6】動物が担癌動物である、請求項5記載の治
    療方法。
  7. 【請求項7】免疫増強剤が他の化学療法剤および/また
    は他の免疫療法剤を更に含有してなる請求項5記載の治
    療方法。
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