JPH0577676U - 弁体開閉装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 流体圧シリンダにより作動させられる弁開閉
装置において、戻り運動をさせるための機構を小型化す
る。 【構成】 流体圧シリンダ(４)内のピストン(７)が前進
することにより、ラック杆(６)およびピニオン(２)を介
して、バルブステム(１)を正回転させ、かつ戻りストロ
ークは、流体圧シリンダ(４)と対向させて設けたガス圧
シリンダ(５)内の案内筒(11)内へ収容したピストン(16)
の外周部と、案内筒(11)の先端との間に張設した気密性
可撓隔膜(17)内へガス圧を導入することにより行わせ
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、バルブステムを往復回動させることにより、弁体を開閉位置とする ようにしたバルブにおける弁体開閉装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

バルブステムと一体をなす従動体、例えばピニオンの両側方に、互いに同軸を なす流体圧シリンダとばね圧シリンダを配設し、両シリンダ内におけるピストン を連結する作動杆例えばラック杆を、前記従動体に係合させた弁体開閉装置は周 知である。

【０００３】 このものにおいては、流体圧およびばねをもって、作動杆を正逆方向に押し動 かすことにより、バルブステムを正逆回動させて、弁体を開閉する。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

上述した従来のものにおいては、次のような問題点がある。

【０００５】 (a) ばねは、取付状態と圧縮時とでは、荷重差が大きいため、出力損失がある 。

【０００６】 (b) 流体圧で作動させられるピストンは、弁体を回転させるのに要する力と、 ばねを圧縮する力とに打克つ必要があり、大きな作動力が要求される。

【０００７】 (c) ばね圧シリンダは、所要のストロークを生み出すためには長寸となるため 、装置全体が大型かつ重量となる。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

流体圧シリンダ内に収容したピストンの前進運動をもって、バルブステムを回 動させるようにした弁体開閉装置において、前記流体圧シリンダ内の圧力除去時 に、流体圧シリンダと対向させて設けたガス圧シリンダ内に、外端が同シリンダ の端壁より離隔する案内筒を設けるとともに、その中に、ガス圧シリンダ内のガ ス圧によって付勢されて、前記流体圧シリンダ内のピストンを逆方向に押圧する 押杆を設け、かつ案内筒の外端と、その中の押杆との間に、気密性可撓隔膜を張 設してある。

【０００９】

【作用】

流体圧シリンダ内を除圧すると、ガス圧シリンダ内のガス圧により、流体圧シ リンダ内の押杆は、逆方向に押し動かされる。

【００１０】

【実施例】

図１は、本考案の実施例を示す。 バルブステム(１)と、それと一体をなすピニオン(２)を収容するハウジング( ３)の両側方に、流体圧シリンダ(４)とガス圧シリンダ(５)が、同軸に配設され ている。

【００１１】 流体圧シリンダ(４)には、ピニオン(２)と噛合するラック杆(６)と一体をなす ピストン(７)が収容されている。流体圧シリンダ(４)の外端壁(８)には、通常は 圧縮空気である圧力流体給排口(９)が設けられている。

【００１２】 ガス圧シリンダ(５)は、流体圧シリンダ(４)よりかなり大径をなし、ハウジン グ(３)とガス圧シリンダ(５)の境界壁(10)には、外方を向く案内筒(11)が突設さ れている。案内筒(11)の外端は、ガス圧シリンダ(５)の外端壁(12)より若干離間 している。

【００１３】 案内筒(11)内には、内端がラック杆(６)の先端に当接する押杆(13)と、外端面 (14)が円弧状に形成された受圧杆(15)と一体をなすピストン(16)が収容されてい る。 押杆(13)とラック杆(６)を一体に形成することもある。

【００１４】 ピストン(16)の周縁部と案内筒(11)の外端との間には、軸線方向に伸縮可能な 気密性可撓隔膜(17)、例えばベローズが張設されている。 境界壁(10)における押杆(13)の貫通孔(18)は、Ｏリング(19)でシールされてい る。

【００１５】 ガス圧シリンダ(５)内に所要の圧力の液化ガスもしくは空気等を封入して使用 に供される。 給排口(９)を開放した戻り工程においては、ガス圧シリンダ(５)内のピストン (16)における気密性可撓隔膜(17)で囲まれている部分、並びに受圧杆(15)の先端 の円錐面に作用するガス圧により、押杆(13)を介してラック杆(６)は戻り方向へ 作動させられ、バルブステム(１)は逆回動させられる。

【００１６】 上記実施例は、ラック杆(６)とピニオン(２)によりバルブステム(１)を回動さ せるものであるが、本考案は、ピストンロッドから側方へ突設したピンを、バル ブステムと一体をなすフォークに係合したものにも適用しうる。 押杆(13)を、ピストン(16)を備えないものとし、気密性可撓隔膜(17)の内端を 、押杆(13)に直接止着して実施することもある。

【００１７】

【考案の効果】

(a) ガス圧シリンダは、従来の逆作動用ばね圧シリンダを備えるものに比して 、その長さを著しく短かくして、装置の小型化を図ることができる。 (b) 圧縮ばねが存在せず、またガス圧シリンダが短寸であることにより、軽量 化を図ることができる。 (c) 圧縮ばねが存在しないため、分解や組立てに、特別の工具等を使用する必 要はなく、また圧縮ばねの反発力による危害のおそれ等もない。 (d) 圧縮ばねのように、ストロークの終期において、押圧力が低減することは なく、作動は、一定力をもって、確実に行われる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示す縦断正面図である。

【符号の説明】

(１)バルブステム (２)ピニオン (３)ハウジング (４)流体圧シリ
ンダ (５)ガス圧シリンダ (６)ラック杆 (７)ピストン (８)外端壁 (９)給排口 (10)境界壁 (11)案内筒 (12)外端壁 (13)押杆 (14)外端面 (15)受圧杆 (16)ピストン (17)気密性可撓隔膜 (18)貫通孔 (19)Ｏリング

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 流体圧シリンダ内に収容したピストンの
   前進運動をもって、バルブステムを回動させるようにし
   た弁体開閉装置において、前記流体圧シリンダ内の圧力
   除去時に、流体圧シリンダと対向させて設けたガス圧シ
   リンダ内に、外端が同シリンダの端壁より離隔する案内
   筒を設けるとともに、その中に、ガス圧シリンダ内のガ
   ス圧によって付勢されて、前記流体圧シリンダ内のピス
   トンを逆方向に押圧する押杆を設け、かつ案内筒の外端
   と、その中の押杆との間に、気密性可撓隔膜を張設して
   なる弁体開閉装置。