JPH0576711A - 流量制御フイルタ及びその駆動方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 メッシュ状のフィルタ部（10）の網目（11
c）の大きさを容易に変化できるような流量制御フィル
タ及びその駆動方法を提供する。 【構成】 ２枚のメッシュ状のフィルタ部（10）を摺動
可能に重合することによって流量制御フィルタを構成
し、各フィルタ部（10）に圧電アクチュエータ（20）を
接続する。流量制御フィルタの網目（11c）の大きさ
は、圧電アクチュエータ（20）が数μｍ伸長することに
よって、微細に変化する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、網目の大きさを容易に
変化させられるようにした流量制御フィルタ及びその駆
動方法に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】管路内を流動する液体や気体などの流体
は、メッシュ状のフィルタを透過させることがある。こ
の場合、フィルタのメッシュは、所定の不純物を除去す
るため、一定の大きさの網目とされている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】一般的に、流体は、同
一管路を流動する流体であっても、下流側での流体の処
理目的や用途によって、適応した網目の大きさのフィル
タを管路に装着する。即ち、粒径の大きな不純物が混入
されていても不都合でないときは、網目の大きなフィル
タを配置し、粒径の大きな不純物が混入されていると不
都合なときは、網目の小さなフィルタに交換する。しか
し、粒径の大小の差は微小であり、網目の大きさはその
粒径に応じて、自動的に変化させられなかった。

【０００４】そこで、本発明は網目の大きさを容易に変
化させられるようにした流量制御フィルタ及びその駆動
方法を提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の第１の手段は、メッシュ状のフィルタ部の網目の大き
さを圧電アクチュエータによって変化させ、その流量を
制御するものである。

【０００６】上記目的を達成するための第２の手段は、
摺動可能に極近接させて重合した複数枚のメッシュ状の
フィルタ部と、上記各フィルタ部を相対的に摺動させ
て、フィルタ部の網目の大きさを変化させる圧電アクチ
ュエータとを具備したものである。

【０００７】上記目的を達成するための第３の手段は、
一つのメッシュ状のフィルタ部と、上記フィルタ部を歪
み変形させてフィルタ部の網目の大きさを変化させる圧
電アクチュエータとを具備したものである。

【０００８】

【作用】上記第１の手段によれば、圧電アクチュエータ
に電圧を加えると、圧電アクチュエータは、数μｍ伸長
し、各フィルタ部の重合状態も数μｍずらすことがで
き、圧電アクチュエータによって流量制御フィルタの網
目の大きさを微細に変化させることができる。

【０００９】上記第２の手段によれば、複数枚のフィル
タ部の網目を一致させると、大きな網目の制御フィルタ
となり、圧電アクチュエータによって複数のフィルタ部
をずらせると、網目がずれて、小さな網目の流量制御フ
ィルタとなる。

【００１０】上記第３の手段によれば、１枚のフィルタ
部であっても、圧電アクチュエータによってフィルタ部
を歪み変形させることにより、網目の大きさを変化させ
ることができる。

【００１１】

【実施例】本発明に係る第１の実施例を図１及び図２を
参照しながら説明する。第１の実施例に係る流量制御フ
ィルタは、複数枚、例えば２枚のメッシュ状のフィルタ
部（10）（10）を摺動可能に極近接させて重合し、各フ
ィルタ部（10）（10）の対向辺に微細駆動源として、圧
電アクチュエータを接続したものである。フィルタ部
（10）は、メッシュ部（11）とメッシュ部（11）の外周
を固定するフレーム（12）とから構成する。メッシュ部
（11）は、例えば、横線材（11a）と縦線材（11b）とを
縦横に編んで、網目（11c）をつくるものである。一方
のフィルタ部（10）のフレーム（12）の下端部と他方の
フィルタ部（10）のフレーム（12）の上端部にそれぞれ
圧電アクチュエータ（20）を接続する。圧電アクチュエ
ータ（20）は、電圧を加えると、例えば数μｍ伸長する
もので、その伸長に応じて、フィルタ部（10）を数μｍ
程度微小に変位をさせることができる。この圧電アクチ
ュエータ（20）は、伸縮可能なベローズ管のようなケー
ス（21）で覆う。そのケース（21）の基端部にフランジ
（22）を取付け、このフランジ（22）を所定位置に固定
する。

【００１２】図１は、２枚のフィルタ部（10）のメッシ
ュ部（11）の横線材（11a）と縦線材（11b）同士が完全
に重なり、大きな網目（11c）とした状態を示す。圧電
アクチュエータ（20）に電圧を加えると、圧電アクチュ
エータ（20）が数μｍ伸長し、各フィルタ部（10）は反
対方向に進行する。すると、図２に示すように、各フィ
ルタ部（10）の横線材（11a）がずれて、小さな網目（1
1c）となった状態となる。このように圧電アクチュエー
タ（20）によって、迅速かつ自動的に網目（11c）の大
きさを変化させることができる。

【００１３】尚、横線材（11a）の間隔が狭いときは、
圧電アクチュエータ（20）は一方のフィルタ部（10）に
のみ接続してもよい。また、上記実施例においては、圧
電アクチュエータ（20）をフィルタ部（10）の上下のフ
レーム（12）に接続した場合について説明したが、左右
のフレーム（12）に接続して、さらに小さな網目（11
c）にすることも可能である。

【００１４】次に、第２実施例を、図３及び図４を参照
しながら説明する。第２の実施例に係る流量制御フィル
タは、１枚のフィルタ部（30）の網目の大きさを圧電ア
クチュエータ（20）によって歪み変化させるものであ
る。このフィルタ部（30）もメッシュ部（31）とメッシ
ュ部（31）の外周を固定するフレーム（32）とから構成
するが、フレーム（32）の角部は、ヒンジのように角度
を変化できる接続にしておく。そして、対角線にある角
部に圧電アクチュエータ（20）を接続する。

【００１５】図３は、フレーム（32）の角部が直角で、
大きな網目（31c）の状態を示す。そして、圧電アクチ
ュエータ（20）に電圧を加え、圧電アクチュエータ（2
0）を伸長させると、上側と下側のフレーム（32）が互
いに反対方向に進行し、メッシュ部（31）が、僅かなが
ら矩形から平行四辺形に歪み変形して小さな網目（31
c）となる。

【００１６】尚、上記２実施例においては、メッシュ部
は縦線材と横線材とを縦横に編んだものを図示したが、
この形状に限定することなく変更できる。

【００１７】

【発明の効果】本発明によれば、数μｍだけ伸長させる
ことができる圧電アクチュエータによって、フィルタ部
の網目の大きさを迅速かつ自動的に変化させられるた
め、網目の大きさの異なる流量制御フィルタに交換する
作業を解消することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】第１の実施例を説明する概略斜視図。

【図２】第１の実施例であって、図１とは異なる状態を
示す正面図。

【図３】第２の実施例を説明する正面図。

【図４】第２の実施例であって、図３とは異なる状態を
示す正面図。

【符号の説明】

10 フィルタ部 11c 網目 20 圧電アクチュエータ 30 フィルタ部 31c 網目

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】メッシュ状のフィルタ部の網目の大きさを
   圧電アクチュエータによって変化させ、その流量を制御
   することを特徴とする流量制御フィルタの駆動方法。
2. 【請求項２】摺動可能に極近接させて重合した複数枚の
   メッシュ状のフィルタ部と、上記各フィルタ部を相対的
   に摺動させて、フィルタ部の網目の大きさを変化させる
   圧電アクチュエータとを具備したことを特徴とする流量
   制御フィルタ。
3. 【請求項３】一つのメッシュ状のフィルタ部と、上記フ
   ィルタ部を歪み変形させてフィルタ部の網目の大きさを
   変化させる圧電アクチュエータとを具備したことを特徴
   とする流量制御フィルタ。