JPH0576590A - 血管カテーテルの製造方法 - Google Patents
血管カテーテルの製造方法Info
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- JPH0576590A JPH0576590A JP3268753A JP26875391A JPH0576590A JP H0576590 A JPH0576590 A JP H0576590A JP 3268753 A JP3268753 A JP 3268753A JP 26875391 A JP26875391 A JP 26875391A JP H0576590 A JPH0576590 A JP H0576590A
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- Japan
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 高分子材料からなる基材の表面に水溶性単量
体をグラフト重合させ、抗血栓性と表面潤滑性に優れた
血管カテーテルを製造する。 【構成】 血管カテーテルとして、高分子材料からなる
基材表面上に、オゾン処理によってペルオキシドを生成
させ、次いで重合調製剤の存在下での加熱又は常温下に
レドツクス剤の存在下で水溶性単量体を100〜200
μg/cm2 の範囲でグラフト重合させて製造する。
体をグラフト重合させ、抗血栓性と表面潤滑性に優れた
血管カテーテルを製造する。 【構成】 血管カテーテルとして、高分子材料からなる
基材表面上に、オゾン処理によってペルオキシドを生成
させ、次いで重合調製剤の存在下での加熱又は常温下に
レドツクス剤の存在下で水溶性単量体を100〜200
μg/cm2 の範囲でグラフト重合させて製造する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は血管カテーテルの製造方
法に関する。詳しくは、高分子材料からなるカテーテル
基材の表面に水溶性単量体をグラフト重合させることに
よって抗血栓性と表面潤滑性に優れた血管カテーテルの
製造方法に関するものである。
法に関する。詳しくは、高分子材料からなるカテーテル
基材の表面に水溶性単量体をグラフト重合させることに
よって抗血栓性と表面潤滑性に優れた血管カテーテルの
製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、抗血栓性材料として種々の表面構
造をもつものが提唱されてきたが、いずれも、表面潤滑
性は不十分であった。このため血管カテーテルとして使
用する場合は、抗血栓性であっても血管内に挿入する
際、滑りが悪くて血管との摩擦が大きいために血管を損
傷し、これによって血栓が生成するおそれが高かった。
また操作性が悪いという問題点もあった。
造をもつものが提唱されてきたが、いずれも、表面潤滑
性は不十分であった。このため血管カテーテルとして使
用する場合は、抗血栓性であっても血管内に挿入する
際、滑りが悪くて血管との摩擦が大きいために血管を損
傷し、これによって血栓が生成するおそれが高かった。
また操作性が悪いという問題点もあった。
【0003】特開昭62−87163に開示されている
ように、高分子からなる基材表面に水溶性単量体をグラ
フト化させた抗血栓性材料は、グラフト量が少ないため
に表面潤滑性が不十分である。従って、それらは表面潤
滑性を必要としない人工血管等には使用可能であろう
が、血管カテーテルに使用するには、表面潤滑性が不十
分という問題があった。更に、少量だけ均一に単量体を
グラフト重合させることは非常に困難であり、グラフト
重合に場所的不均一性の発生することによって抗血栓性
を有しない部分の生じるおそれがあった。
ように、高分子からなる基材表面に水溶性単量体をグラ
フト化させた抗血栓性材料は、グラフト量が少ないため
に表面潤滑性が不十分である。従って、それらは表面潤
滑性を必要としない人工血管等には使用可能であろう
が、血管カテーテルに使用するには、表面潤滑性が不十
分という問題があった。更に、少量だけ均一に単量体を
グラフト重合させることは非常に困難であり、グラフト
重合に場所的不均一性の発生することによって抗血栓性
を有しない部分の生じるおそれがあった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このように抗血栓性と
表面潤滑性とを同時に満足させるカテーテル材料はかっ
て存在しなかった。本発明は抗血栓性に優れると同時に
表面潤滑性においても非常に優れ、繰り返し摩擦による
劣化もない上に操作性も良好な血管カテーテルを提供し
ようとするものである。
表面潤滑性とを同時に満足させるカテーテル材料はかっ
て存在しなかった。本発明は抗血栓性に優れると同時に
表面潤滑性においても非常に優れ、繰り返し摩擦による
劣化もない上に操作性も良好な血管カテーテルを提供し
ようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、高分子材料か
らなるカテーテル基材表面上に、オゾン処理によってペ
ルオキシドを生成させ、次いで重合調整剤の存在下での
加熱、又は常温下にレドツクス剤の存在下で水溶性単量
体を100〜200μg/cm2 の範囲でグラフト重合
させることを特徴とする血管カテーテルの製造方法を要
旨とする。
らなるカテーテル基材表面上に、オゾン処理によってペ
ルオキシドを生成させ、次いで重合調整剤の存在下での
加熱、又は常温下にレドツクス剤の存在下で水溶性単量
体を100〜200μg/cm2 の範囲でグラフト重合
させることを特徴とする血管カテーテルの製造方法を要
旨とする。
【0006】本発明においては、高分子材料からなる基
材の表面に水溶性単量体のグラフト重合により親水性グ
ラフト鎖を導入し、比較的自由に移動できる含水高分子
鎖層、いわゆる散漫層を形成することにより抗血栓性と
表面潤滑性を発現するものである。そのためには、単量
体が、高分子材料からなる基材の表面上に100〜20
0μg/cm2 の範囲でグラフト重合されていることが
必要である。このグラフト量が100μg/cm2 以下
では表面潤滑性が不十分となり、200μg/cm2 以
上では抗血栓性が不十分となる。
材の表面に水溶性単量体のグラフト重合により親水性グ
ラフト鎖を導入し、比較的自由に移動できる含水高分子
鎖層、いわゆる散漫層を形成することにより抗血栓性と
表面潤滑性を発現するものである。そのためには、単量
体が、高分子材料からなる基材の表面上に100〜20
0μg/cm2 の範囲でグラフト重合されていることが
必要である。このグラフト量が100μg/cm2 以下
では表面潤滑性が不十分となり、200μg/cm2 以
上では抗血栓性が不十分となる。
【0007】本発明におけるグラフト重合法は、カテー
テル基材である高分子材料に何らかの方法によって重合
活性種を生成した後、重合性単量体を反応させ、活性種
からグラフト鎖を生成させる方法である。活性種を生成
する方法にはオゾンやプラズマ等の活性化気体による方
法、セリウム塩や過酸化水素等の試薬による化学的方
法、あるいは光や放射線等による物理的方法等が知られ
ている。いずれの方法においても、グラフト重合が可能
であれば、本発明に使用可能であるが、複雑な形状の材
料にも簡便に処理ができ、その上、均一な処理のできる
オゾン処理による方法が優れている。血管カテーテルの
ようにチユーブ内側表面にまで、グラフト重合させるに
はオゾン処理による方法が最適である。他の方法による
場合はチユーブの外側のみにグラフト重合が起こり、チ
ユーブ内側表面にまでグラフト重合される場合が少ない
傾向が強い。
テル基材である高分子材料に何らかの方法によって重合
活性種を生成した後、重合性単量体を反応させ、活性種
からグラフト鎖を生成させる方法である。活性種を生成
する方法にはオゾンやプラズマ等の活性化気体による方
法、セリウム塩や過酸化水素等の試薬による化学的方
法、あるいは光や放射線等による物理的方法等が知られ
ている。いずれの方法においても、グラフト重合が可能
であれば、本発明に使用可能であるが、複雑な形状の材
料にも簡便に処理ができ、その上、均一な処理のできる
オゾン処理による方法が優れている。血管カテーテルの
ようにチユーブ内側表面にまで、グラフト重合させるに
はオゾン処理による方法が最適である。他の方法による
場合はチユーブの外側のみにグラフト重合が起こり、チ
ユーブ内側表面にまでグラフト重合される場合が少ない
傾向が強い。
【0008】本発明においてカテーテル基材となる高分
子材料は、グラフト重合の可能な高分子であれば、いか
なる材料でも使用可能であるが、オゾン処理およびグラ
フト重合が可能なポリウレタンやポリオレフイン系高分
子が好ましい。用いる単量体はラジカル重合し易く、重
合よって水溶性高分子を生成するものならば、いかなる
単量体でもよいが、特にN,N−ジメチルアクリルアミ
ド、アクリルアミド、メトキシポリエチレングリコール
メタクリレートが適している。
子材料は、グラフト重合の可能な高分子であれば、いか
なる材料でも使用可能であるが、オゾン処理およびグラ
フト重合が可能なポリウレタンやポリオレフイン系高分
子が好ましい。用いる単量体はラジカル重合し易く、重
合よって水溶性高分子を生成するものならば、いかなる
単量体でもよいが、特にN,N−ジメチルアクリルアミ
ド、アクリルアミド、メトキシポリエチレングリコール
メタクリレートが適している。
【0009】本発明においてグラフト重合のためのレド
ツクス剤及び/又は重合調整剤は周知のものを使用すれ
ばよい。
ツクス剤及び/又は重合調整剤は周知のものを使用すれ
ばよい。
【0010】
【作用】本発明では、グラフト鎖のある表面が比較的自
由に移動する水を保持しているため、それが潤滑剤の役
割となって表面潤滑性を発現する。また、この表面は血
液と相互作用しにくい水を高濃度に保持しているため、
血液成分の吸着や粘着を防ぐ。その結果、抗血栓性に優
れていることになる。
由に移動する水を保持しているため、それが潤滑剤の役
割となって表面潤滑性を発現する。また、この表面は血
液と相互作用しにくい水を高濃度に保持しているため、
血液成分の吸着や粘着を防ぐ。その結果、抗血栓性に優
れていることになる。
【0011】
【実施例】以下、実施例により、具体的に本発明の効果
を示す。
を示す。
【0012】〔実施例1〕実施例として肉厚が0.2m
mで内径が3.5mmのポリウレタンチユーブ及び肉厚
が0.1mmで内径が3.5mmのポリエチレンチユー
ブを試料とした。
mで内径が3.5mmのポリウレタンチユーブ及び肉厚
が0.1mmで内径が3.5mmのポリエチレンチユー
ブを試料とした。
【0013】表1・表2に示すような条件で種々のグラ
フト量を有する試料を作製した。すなわち、オゾン濃度
が1000〜5000ppm存在する雰囲気中でポリウ
レタンは1分間、ポリエチレンは10分間さらし、次い
で試験管を使用し、レドツクス剤である濃度1.0×1
0-2モル/Lの硫酸第一鉄アンモニウム塩をあらかじめ
含有したN,N−ジメチルアクリルアミド及びアクリル
アミドの1〜10%水溶液中に、試料を浸漬させ、酸素
を除去するため脱気・封管し、グラフト重合させた。
また、単量体にメトキシポリエチレングリコールメタク
リレート(ポリエチレングリコールの重合度は9)を用
いる場合には、重合調整剤である濃度0.1%のベンジ
ルアルコールをあらかじめ含有した単量体溶液中に、試
料を浸漬させ、酸素を除去するため脱気・封管し、グラ
フト重合させた。
フト量を有する試料を作製した。すなわち、オゾン濃度
が1000〜5000ppm存在する雰囲気中でポリウ
レタンは1分間、ポリエチレンは10分間さらし、次い
で試験管を使用し、レドツクス剤である濃度1.0×1
0-2モル/Lの硫酸第一鉄アンモニウム塩をあらかじめ
含有したN,N−ジメチルアクリルアミド及びアクリル
アミドの1〜10%水溶液中に、試料を浸漬させ、酸素
を除去するため脱気・封管し、グラフト重合させた。
また、単量体にメトキシポリエチレングリコールメタク
リレート(ポリエチレングリコールの重合度は9)を用
いる場合には、重合調整剤である濃度0.1%のベンジ
ルアルコールをあらかじめ含有した単量体溶液中に、試
料を浸漬させ、酸素を除去するため脱気・封管し、グラ
フト重合させた。
【0014】上記の処理試料から細片(1×1cm2 )
を切出し、それを 125Iでラベルした牛免疫グロブリン
G(IgG)を1mg/ml含有する燐酸緩衝溶液中に
浸漬させ、37℃で3時間IgGを吸着させた。次い
で、試料面をゆるやかに緩衝液で洗浄して非吸着タンパ
ク質を除去した。IgG吸着量は 125Iの放射線量と予
め作っておいた検量線から求めた。
を切出し、それを 125Iでラベルした牛免疫グロブリン
G(IgG)を1mg/ml含有する燐酸緩衝溶液中に
浸漬させ、37℃で3時間IgGを吸着させた。次い
で、試料面をゆるやかに緩衝液で洗浄して非吸着タンパ
ク質を除去した。IgG吸着量は 125Iの放射線量と予
め作っておいた検量線から求めた。
【0015】結果を表1・表2に示した。表1・表2か
ら明らかなように、ポリウレタンやポリエチレンの表面
へのオゾン処理後、N,N−ジメチルアクリルアミド、
アクリルアミド及びメトキシポリエチレングリコールメ
タクリレートをグラフト重合させた場合、グラフト量が
200μg/cm2 以上では抗血栓性が不十分であっ
た。
ら明らかなように、ポリウレタンやポリエチレンの表面
へのオゾン処理後、N,N−ジメチルアクリルアミド、
アクリルアミド及びメトキシポリエチレングリコールメ
タクリレートをグラフト重合させた場合、グラフト量が
200μg/cm2 以上では抗血栓性が不十分であっ
た。
【0016】
【表1】
【表2】
【0017】〔実施例2〕実施例1で得られたポ
リウレタン及びポリエチレンの試料を用い、血小板粘着
性を以下のとおり測定した。カルシウムキレート剤によ
ってカルシウムイオンを除き、血小板を比較的多く含有
する血漿を前述の試料上に載せ、37℃で、1時間放置
した。次に試料面をゆるやかに緩衝液で洗浄して粘着し
なかった血小板を除去し、光学顕微鏡で血小板粘着数を
数えた。
リウレタン及びポリエチレンの試料を用い、血小板粘着
性を以下のとおり測定した。カルシウムキレート剤によ
ってカルシウムイオンを除き、血小板を比較的多く含有
する血漿を前述の試料上に載せ、37℃で、1時間放置
した。次に試料面をゆるやかに緩衝液で洗浄して粘着し
なかった血小板を除去し、光学顕微鏡で血小板粘着数を
数えた。
【0018】結果を表3に示した。表3から明らかなよ
うに、本発明の製造方法を採用した試料、つまりポリウ
レタンではNo.5、6、9及び12、ポリエチレンで
はNo.3の場合は血小板粘着数が明らかに少なかっ
た。
うに、本発明の製造方法を採用した試料、つまりポリウ
レタンではNo.5、6、9及び12、ポリエチレンで
はNo.3の場合は血小板粘着数が明らかに少なかっ
た。
【0019】
【表3】
【0020】〔実施例3〕内径2.5mmのポリウレタ
ンチユーブを、オゾン濃度が1000〜5000ppm
存在する雰囲気中で1分間さらし、次いでレドツクス剤
である濃度1.0×10-2モル/Lの硫酸第一鉄アンモ
ニウム塩をあらかじめ含有したN,N−ジメチルアクリ
ルアミド及びアクリルアミドの1〜10%水溶液中に浸
漬させ、酸素を除去するため脱気・封管し、グラフト重
合させた。また、単量体にメトキシポリエチレングリコ
ールメタクリレート(ポリエチレングリコールの重合度
は9)を用いる場合には、重合調整剤である濃度0.1
%のベンジルアルコールをあらかじめ含有した単量体溶
液中に、試料を浸漬させ、酸素を除去するため、脱気・
封管し、グラフト重合させた。
ンチユーブを、オゾン濃度が1000〜5000ppm
存在する雰囲気中で1分間さらし、次いでレドツクス剤
である濃度1.0×10-2モル/Lの硫酸第一鉄アンモ
ニウム塩をあらかじめ含有したN,N−ジメチルアクリ
ルアミド及びアクリルアミドの1〜10%水溶液中に浸
漬させ、酸素を除去するため脱気・封管し、グラフト重
合させた。また、単量体にメトキシポリエチレングリコ
ールメタクリレート(ポリエチレングリコールの重合度
は9)を用いる場合には、重合調整剤である濃度0.1
%のベンジルアルコールをあらかじめ含有した単量体溶
液中に、試料を浸漬させ、酸素を除去するため、脱気・
封管し、グラフト重合させた。
【0021】これによって内面を表面グラフト重合した
5種のチユーブを表4のように得た。
5種のチユーブを表4のように得た。
【0022】これを未処理のポリウレタンチユーブ〔比
較例1〕とともに兎の頸静脈と頸動脈を連通したいわゆ
る動脈・静脈(A−V)シヤントを行い、1時間又は1
2時間にわたり血流に接触させた。
較例1〕とともに兎の頸静脈と頸動脈を連通したいわゆ
る動脈・静脈(A−V)シヤントを行い、1時間又は1
2時間にわたり血流に接触させた。
【0023】表4に示すように、実施例3が特に抗血栓
性に優れていた。
性に優れていた。
【0024】
【表4】
【0025】〔実施例4〕外径1.15mmのポリウレ
タンチユーブを、濃度が1500ppmのオゾン雰囲気
中に1分間さらし、次いでレドツクス剤として濃度1.
0×10-2となる硫酸第一鉄アンモニウム塩とN,N−
ジメチルアクリルアミドの7%水溶液を入れた試験管中
に浸漬させ、酸素を除去するために脱気・封管し、グラ
フト重合した。これによってグラフト量が110μg/
cm2 のチユーブを得た。
タンチユーブを、濃度が1500ppmのオゾン雰囲気
中に1分間さらし、次いでレドツクス剤として濃度1.
0×10-2となる硫酸第一鉄アンモニウム塩とN,N−
ジメチルアクリルアミドの7%水溶液を入れた試験管中
に浸漬させ、酸素を除去するために脱気・封管し、グラ
フト重合した。これによってグラフト量が110μg/
cm2 のチユーブを得た。
【0026】このチユーブを兎の下大静脈に17cm埋
入し、1週間から1カ月間留置した(大静脈内埋入
法)。
入し、1週間から1カ月間留置した(大静脈内埋入
法)。
【0027】このチユーブ表面と血管の状態を観察し、
その状態を以下のような5段階で評価した。 5:血栓の付着なし 4:小さな血栓の付着(数個) 3:大きな血栓の付着(1〜2個) 2:大きな血栓の付着(3〜4個) 1:大きな血栓が多数付着
その状態を以下のような5段階で評価した。 5:血栓の付着なし 4:小さな血栓の付着(数個) 3:大きな血栓の付着(1〜2個) 2:大きな血栓の付着(3〜4個) 1:大きな血栓が多数付着
【0028】未処理のポリウレタンチユーブ〔比較例
2〕とシリコーンゴムのチユーブ〔比較例3〕を実施例
4と対比して同様に評価した。以上の評価結果を表5に
示した。実施例4は長期間にわたり抗血栓性であること
が分かる。
2〕とシリコーンゴムのチユーブ〔比較例3〕を実施例
4と対比して同様に評価した。以上の評価結果を表5に
示した。実施例4は長期間にわたり抗血栓性であること
が分かる。
【0029】
【表5】
【0030】〔実施例5〕実施例1と同様にして作製し
た表6・表7に示すような各種試料の摩擦係数を測定し
た。測定方法は水平なシヤーレの中に平滑なガラス板
(2cmx10cm)を丁度ガラス板が水に漬かる程度
に水中に置き、その上に試料(1cmx1.5cm)を
載せ、スライダーを試料面の全面とガラス面が完全に接
するようにして置き、その上におもりを載せる。
た表6・表7に示すような各種試料の摩擦係数を測定し
た。測定方法は水平なシヤーレの中に平滑なガラス板
(2cmx10cm)を丁度ガラス板が水に漬かる程度
に水中に置き、その上に試料(1cmx1.5cm)を
載せ、スライダーを試料面の全面とガラス面が完全に接
するようにして置き、その上におもりを載せる。
【0031】スライダーを糸で水平方向に10mm/分
の速度で引き、その引いている間の力を摩擦力(g)と
して容量100gのロードセルで読む。おもりの重さ5
0gのときの摩擦力とおもりの重さ10gのときの摩擦
力の差をおもりの重さの差(40g)で除した数を摩擦
係数とした。
の速度で引き、その引いている間の力を摩擦力(g)と
して容量100gのロードセルで読む。おもりの重さ5
0gのときの摩擦力とおもりの重さ10gのときの摩擦
力の差をおもりの重さの差(40g)で除した数を摩擦
係数とした。
【0032】
【表6】
【表7】
【0033】各試料とも6回測定し平均値を求めた。測
定結果を表6・表7に示す。表6・表7からグラフト量
が100μg/cm2 以上になると摩擦係数が低くなる
ことが分かる。
定結果を表6・表7に示す。表6・表7からグラフト量
が100μg/cm2 以上になると摩擦係数が低くなる
ことが分かる。
【0034】〔実施例6〕実施例4と同様にして得られ
た表面グラフト化ポリウレタンチユーブを用い、兎の下
大静脈への挿入を繰り返し、血管の損傷度と入れ易さを
評価した。血管の損傷度の評価結果は、損傷なしを◎、
殆ど血管の損傷なしを○、血管内皮細胞の損傷が所々あ
るのを△、かなり血管の損傷があるのを×で表した。
た表面グラフト化ポリウレタンチユーブを用い、兎の下
大静脈への挿入を繰り返し、血管の損傷度と入れ易さを
評価した。血管の損傷度の評価結果は、損傷なしを◎、
殆ど血管の損傷なしを○、血管内皮細胞の損傷が所々あ
るのを△、かなり血管の損傷があるのを×で表した。
【0035】また、外径1.15mmのポリウレタンチ
ユーブをコロナ放電処理によって親水化し、ポリN,N
−ジメチルアクリルアミドを表面にコーテイングし〔比
較例4〕とした。コーテイング量は1.2mg/cm2
であった。これを用い実施例6と同様の評価を行った。
ユーブをコロナ放電処理によって親水化し、ポリN,N
−ジメチルアクリルアミドを表面にコーテイングし〔比
較例4〕とした。コーテイング量は1.2mg/cm2
であった。これを用い実施例6と同様の評価を行った。
【0036】
【表8】
【0037】前述の比較例2と比較例3のチユーブと比
較例4を実施例6と同様の評価を行った。以上の評価結
果を表8に示した。
較例4を実施例6と同様の評価を行った。以上の評価結
果を表8に示した。
【0038】
【発明の効果】本発明で製造された血管カテーテルの表
面には親水性のグラフト鎖が存在するので、前述の実施
例から明らかなように、本発明の方法によれば抗血栓性
と表面潤滑性において極めて優れた血管カテーテルを製
造できる。
面には親水性のグラフト鎖が存在するので、前述の実施
例から明らかなように、本発明の方法によれば抗血栓性
と表面潤滑性において極めて優れた血管カテーテルを製
造できる。
Claims (1)
- 【請求項1】 高分子材料からなるカテーテル基材表面
上に、オゾン処理によってペルオキシドを生成させ、次
いで重合調整剤の存在下での加熱、又は常温下にレドツ
クス剤の存在下で水溶性単量体を100〜200μg/
cm2 の範囲でグラフト重合させることを特徴とする血
管カテーテルの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03268753A JP3131950B2 (ja) | 1991-09-19 | 1991-09-19 | 血管カテーテルの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03268753A JP3131950B2 (ja) | 1991-09-19 | 1991-09-19 | 血管カテーテルの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0576590A true JPH0576590A (ja) | 1993-03-30 |
JP3131950B2 JP3131950B2 (ja) | 2001-02-05 |
Family
ID=17462856
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP03268753A Expired - Fee Related JP3131950B2 (ja) | 1991-09-19 | 1991-09-19 | 血管カテーテルの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3131950B2 (ja) |
Cited By (11)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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