JPH0576005U

JPH0576005U - 発電機負荷試験装置

Info

Publication number: JPH0576005U
Application number: JP1360192U
Authority: JP
Inventors: 透間内; 博冨田; 英子冷牟田
Original assignee: 株式会社赤司電機器製作所
Priority date: 1992-03-16
Filing date: 1992-03-16
Publication date: 1993-10-15

Abstract

(57)【要約】【構成】金属電熱材料からなる帯状抵抗体（１）を蛇
行状に配置して構成した発電機負荷試験装置。帯状抵抗
体（１）は、耐熱絶縁材よりなる２本の平行なスリット
（２ａ）付き支持体（２）間に嵌め込んで蛇行状にして
構成することができる。帯状抵抗体（１）の抵抗率は１
００μΩｃｍ以上であることが好ましい。抵抗体（１）
の空冷のために、ファンを設けて温度上昇を抑える。【効果】水抵抗器に比べて設備が簡単かつ小型とな
り、搬送が可能となる。メンテナンスフリーでランニン
グコストが非常に小さい。したがって稼働率が高くな
る。グリッド抵抗器に比べ、材料単価が安く材料の使用
量も少ない。加工が簡便であるので製造コストが安価で
ある。ヒーター材は多量に各種市場に出回っているの
で、選択範囲が広く、多様な物が製作可能となる。同一
容量であればコンパクトにできる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、発電機負荷試験装置に関し、特にその抵抗体の構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】

発電機負荷試験は、図７に示すように、測定対象の三相の発電機６１に負荷抵抗器６２，６３，６４をつないで運転し、一定時間、所定の電力が得られるかどうかを電力計６５，６６，６７で計測することにより試験するものである。

【０００３】従来の発電機負荷試験装置に用いられる負荷抵抗器６２，６３，６４としては、大別して水抵抗器およびグリッド抵抗器がある。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

ところが水抵抗器は設備が大掛かりであり、メンテナンスを頻繁に行う必要があり、ランニングコストも大きいという問題がある。また、水抵抗器は温度が上がると抵抗値が下がり、負荷電流が増加するため、さらに温度上昇が加速して危険状態となるという問題がある。

【０００５】また、グリッド抵抗器は、材料が耐熱性、不銹性のステンレス材であるので材料加工費が大きく、固定抵抗値が小さいため所要量が増し、重量が嵩む。その結果、外形も大きくなり、製作費が大である。またグリッド抵抗器では試験中にジュール熱によって温度が上がると抵抗値が上がるため負荷電流値が減少し、所定の試験ができないという問題がある。

【０００６】そこで本考案が解決すべき課題は、メンテナンスフリーで小型、安価であり、かつ抵抗値が安定な発電機負荷試験装置を提供することである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】この課題を解決するため、本考案の発電機負荷試験装置は、金属電熱材料からなる帯状抵抗体を蛇行状に配置して構成したものである。

【０００８】前記帯状抵抗体は、耐熱絶縁材よりなる２本の平行なスリット付き支持体間に嵌め込んで蛇行状にして構成することができる。また、帯状抵抗体の抵抗率は１００μΩｃｍ以上であることが好ましい。抵抗体の空冷のために、ファンを設けて温度上昇を抑える。

【０００９】

【作用】

帯状抵抗体を金属電熱材料で構成することにより、ステンレス材で構成したグリッド抵抗器と比較して材料の所要量が少なくて済む。

【００１０】

【実施例】

以下、本考案を図面に示す実施例に基づいて具体的に説明する。

【００１１】図１は本考案に係る発電機負荷試験装置の抵抗器の斜視図、図２は図１の抵抗器をケース内に収納した状態の側面図、図３はその正面図である。

【００１２】図１において、１は帯状抵抗体であり、金属電熱材料からなる。具体的には、例えばＣｒ２２重量％、Ａｌ５．５％、残部Ｆｅの抵抗率１４５μΩｃｍのカンタル（登録商標）Ａ−１線を用いることができる。この材料の厚み１ｍｍ、幅１００ｍｍの帯板は、０．０１４５Ω／ｍの単位長当たり抵抗値を持つので、必要な全抵抗をこの単位長当たり抵抗値で割ると帯状抵抗体１の全長が求められる。この帯状抵抗体１は所定の容積内に収納するために蛇行状に曲げられ、耐熱セメント材で作られた２本の支持体２のスリット２ａに嵌め込むことにより、支持される。スリット２ａのピッチは放熱効率に関係するので余り短くはできないが例えば１０ｍｍピッチとし、蛇行の幅を２５ｃｍとすれば、実質長７０ｃｍの支持体２に、約１７ｍの帯状抵抗体１を収容することができる。この１ユニット当たりの抵抗値は約０．２５Ωとなる。このユニットを、図２，図３に示すように、三相の各相毎に例えば６段、合計１８ユニット、ケース１０内に収納する。

【００１３】各帯状抵抗体１の基端部には銅板３がろう付けされ、これに端子ボルト４が螺着される。帯状抵抗体１の先端部は端子板５により他のユニットの帯状抵抗体の先端部にろう付け等により接続される。

【００１４】図２および図３において、１１は各ユニットを支持するための桁材、１２，１３は支持体２の押え金具である。

【００１５】図４は本考案に係る発電機負荷試験装置の全体を示す正面図、図５はその側面図である。図中２０はファンケース、３０は本体収納ケース、４０は排気フードケースである。ファンケース２０の吸気口および排気フードケース４０の排気口には、それぞれネットパネル２１，４１が装着されている。

【００１６】図６は各ケース正面のパネルを開けた状態の正面図であり、２２は前記帯状抵抗体１からジュール熱で発生する熱を空冷するためのファンである。前記各ユニットの正面の端子ボルト４間は、連結板１４，１５によりＵ，Ｖ，Ｗ各相間でΔ 結線され、ブスバー１６により、発電機の各相に接続される。

【００１７】なお、ファン２２の排風量は、図５に示した温度センサ４２により排気温度を監視することにより制御される。制御装置は制御盤５０内に収納されている。

【００１８】以上のように、本考案においては、抵抗体として金属電熱材料を使用しており、元来、金属電熱材料は１４００℃程度の耐熱性と耐食性を有しているが、本考案では数１０℃程度の温度上昇に止まるために１００℃程度、排気温度は７０℃ で収まり、安全であるとともに、抵抗値の変化が少なく、正確な発電機負荷試験を行うことができる。

【００１９】また、従来のステンレスを用いたグリッド抵抗器では、抵抗率が４０〜５０μ Ωｃｍであるのに比べ、倍以上の抵抗率を有しているため、同一断面積であれば帯状抵抗体の長さは半分で済むことになり、小型化を図ることができる。

【００２０】

【考案の効果】

以上に述べたように、本考案によれば、下記の効果を奏する。

【００２１】水抵抗器に比べて設備が簡単かつ小型となり、搬送が可能となる。

【００２２】メンテナンスフリーでランニングコストが非常に小さい。したがって稼働率が高くなる。

【００２３】グリッド抵抗器に比べ、材料単価が安く材料の使用量も少ない。

【００２４】加工が簡便であるので製造コストが安価である。

【００２５】ヒーター材は多量に各種市場に出回っているので、選択範囲が広く、多様な物が製作可能となる。

【００２６】同一容量であればコンパクトにできる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る発電機負荷試験装置の抵抗器の
斜視図である。

【図２】図１の抵抗器をケース内に収納した状態の側
面図である。

【図３】図２の正面図である。

【図４】本考案に係る発電機負荷試験装置の全体を示
す正面図である。

【図５】図４の側面図である。

【図６】各ケース正面のパネルを開けた状態の正面図
である。

【図７】発電機負荷試験を説明する結線図である。

【符号の説明】

１帯状抵抗体、２支持体、２ａスリット、３銅
板、４端子ボルト、５端子板、１１桁材、１２，１
３押え金具、２０ファンケース、２１ネットパネ
ル、２２ファン、３０本体収納ケース、４０排気
フードケース、４１ネットパネル、４２温度セン
サ、５０制御盤

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】金属電熱材料からなる帯状抵抗体を蛇行
状に配置して構成した抵抗器を有する発電機負荷試験装
置。
【請求項２】耐熱絶縁材よりなる２本の平行なスリッ
ト付き支持体間に帯状抵抗体を嵌め込んで蛇行状にした
請求項１記載の発電機負荷試験装置。
【請求項３】帯状抵抗体の抵抗率は１００μΩｃｍ以
上である請求項１または２記載の発電機負荷試験装置。
【請求項４】空気冷却用のファンを備えた請求項１記
載の発電機負荷試験装置。