JPH0575998U - 静電気除去ローラ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 粉体やプラスチック成形品のような被搬送体
を搬送する際に、被搬送体に帯電する静電気を除去し
て、被搬送体に帯電する静電気に伴う事故を防ぐ 【構成】 導電性材料で形成されかつアース接続された
ローラ本体３と、導電性繊維のパイル部を備えパイル部
の先端面がローラ本体の外面と同一面に位置するように
ローラ本体の外面に設けた凹部４に配置された導電性部
材５とを有して構成される。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、たとえば、プラスチック成形品のような被搬送体を搬送する際に、 被搬送体に帯電する静電気を除去して、被搬送体に帯電する静電気に伴う事故を 防ぐようにした静電気除去ローラに関する。

【０００２】

【従来の技術】

たとえば、プラスチック成形品のような被搬送体をローラ手段を用いて搬送す る場合に、被搬送体とローラの表面との間に生じる接触や摩擦等により、被搬送 体やローラに静電気が帯電し、ローラに静電気が帯電した場合には、ローラに帯 電した静電気により、ローラ手段に隣接配置した周辺機器が誤動作したり、被搬 送体に静電気が帯電した場合には、被搬送体に帯電した静電気により、被搬送体 に粉塵が吸引付着して、製品の不良品発生の原因となることがある。 また、被搬送体が電子部品を含む装置であれば、帯電した静電気により、電子 部品の機能が破壊され、故障品となってしまうことがあり、被搬送物が粉体であ れば、帯電した静電気により発生する火花で、粉体が爆発して発火の原因となる ことがある。 そこで、ローラ自体を導電性材料で形成し、ローラをアース接続することで、 ローラやこのローラに接触する被搬送体に帯電した静電気を除電して、被搬送体 やローラに帯電する静電気に伴う事故を防ぐようにした技術手段が提案されてい る。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

導電性材料で形成したローラは、ローラ自体の導電特性により、ローラに帯電 した静電気を除去しようとするものであるから、ローラに帯電した静電気を除去 することはできるが、ローラ上の被搬送体に対しては被搬送体に帯電した静電気 を制電する制電作用はあっても、被搬送体に帯電した静電気を除去する除電作用 はなく、上記導電性ローラでは、被搬送体に帯電した静電気に伴う問題点を解決 するには至っていない。 本考案は上記した点に鑑みてなされたもので、コロナ放電作用を利用してロー ラ上の被搬送体に帯電した静電気を除去するようにした静電気除去ローラを提供 することを目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案の静電気除去ローラは、導電性材料で形成されかつアース接続されたロ ーラ本体と、導電性繊維のパイル部を備えパイル部の先端面がローラ本体の外面 と同一面に位置するようにローラ本体の外面に設けた凹部に配置された導電性部 材とを有して構成される。

【０００５】

【作用】

本考案の静電気除去ローラでは、導電性部材を配置した凹部空間をコロナ放電 空間として、導電性部材とローラ本体上の被搬送体との間に発生するコロナ放電 作用により、被搬送体に帯電した静電気を除電し、また、ローラ本体および導電 性部材に帯電した静電気を、アースされた固定側に流すことでローラおよび被搬 送体に帯電した静電気を完全に除去し、これにより、静電気に起因する電撃、引 火、吸着、吸塵を防ぐ。

【０００６】

【実施例】

以下本考案の一実施例を図面につき説明する。 図１において符号１は、ローラ形搬送ラインに設置される静電気除去ローラを 示し、この静電気除去ローラ１は、金属や樹脂のような導電性材料で作られた導 電層２を有するローラ本体３と、このローラ本体３の導電層２に設けた環状凹部 ４に装着された導電性部材５から構成されている。上記ローラ本体３は通常の手 段によりアースされている。

【０００７】 上記導電性部材５は、硫化銅を結合することで導電性を付与させたアクリル繊 維糸またはナイロン繊維糸６をパイル状に基布７に織り込んで形成される布地で あり、導電性材料を混入した導電性接着剤８を介して環状凹部４に接着固定され る。この場合、導電性部材５のアクリル繊維糸またはナイロン繊維糸６のパイル 部の先端面は、導電層２の表面２ａと同一平面内にあるように設定されている。 このように、導電層２の凹部４に導電性アクリル繊維糸またはナイロン繊維糸６ のパイル部を立設することで凹部４の内部空間にコロナ放電域が形成されること になる。また、凹部４に埋設された導電性部材５とローラ本体３とは、導電性材 料で成形されたねじ９により電気的に接続されている。

【０００８】 つぎに作用を説明する。 被搬送体を静電気除去ローラ１を用いて搬送する場合に、被搬送体と静電気除 去ローラ１の間に生じる接触や摩擦等により、被搬送体および静電気除去ローラ １に静電気が帯電するが、プラスの静電気が帯電した被搬送体に、静電気除去ロ ーラ１の凹部４に設けた導電性部材５のアクリル繊維糸またはナイロン繊維糸６ を近づけることで、アクリル繊維糸またはナイロン繊維糸６の周辺に不平等な強 い電界が生じる。この不平等な強い電界が生じると、被搬送体と導電性部材５の 間にコロナ放電が発生し、このコロナ放電により形成されるマイナス空気イオン は、被搬送体のプラスイオンに結合して中和することで、被搬送体に帯電した静 電気は除電される。これと同時に、コロナ放電により形成されるプラス空気イオ ンは、導電性部材５およびローラ本体３を介して接地体に移動し除電される。

【０００９】 また、ローラ本体３に帯電した静電気は通常の方法で除電される。 なお、上記実施例では、ローラ本体３の導電層２に設けた環状凹部４に導電性 部材５を埋設したが、導電層２に設けた凹部をスパイラル状とし、このスパイラ ル状凹部に導電性部材５を埋設するようにしてもよいのはもちろんである。 また、上記実施例では、静電気除去ローラ１の上を被搬送体が移動するように しているが、被搬送体がシート状のものである場合には、一対の静電気除去ロー ラ１を上下に配置し、これら静電気除去ローラ１の間を搬送体が通るようにする 。

【００１０】

【考案の効果】

以上述べたように本考案によれば、被搬送体と静電気除去ローラの間に生じる 接触や摩擦等により被搬送体に帯電された静電気をコロナ放電を利用して除電す ることで、被搬送体への静電気による吸引や吸着がなく、静電気が帯電した被搬 送体の除電が確実で、被搬送体に帯電する静電気に伴う事故を防ぐとともに、被 搬送体の搬送をスムーズに行うことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による静電気除去ローラの一部を切り欠
いて示す断面図

【符号の説明】

１ 静電気除去ローラ ２ 導電層 ４ 凹部 ５ 導電性部材 ６ 導電性糸

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】導電性材料で形成されかつアース接続され
   たローラ本体と、導電性繊維のパイル部を備えパイル部
   の先端面がローラ本体の外面と同一面に位置するように
   ローラ本体の外面に設けた凹部に配置された導電性部材
   とを有することを特徴とする静電気除去ローラ。