JPH057437A - 植物栽培装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 高層住宅や宇宙空間等の如く、土壌の無い空
間において、水耕栽培により野菜や花卉を提供する構成
において、出来るだけ狭い空間に、冷蔵庫や箪笥のよう
な形状で配置を可能とするものである。 【構成】 中央に人工光源１を配置し、その左右に栽培
パネル４・４を垂直に立てて、該栽培パネル４に植物Ａ
を植付け構成としたものであり、従来の水耕栽培におい
て、平面的に配置構成していたので場所を取っていた栽
培パネル４を、有効に配置することが可能となったもの
である。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、高層住宅のベランダや
室内において、また海上を航行中の船舶において、また
将来の宇宙ステーション内の生活において、狭い空間内
で水耕栽培により野菜や花卉等の植物を栽培する装置に
関する。

【０００２】

【従来の技術】従来から、孤立生活空間に於ける植物栽
培システムに関しては、特開平３−７２８１７号公報に
記載の如き技術が公知とされているのである。しかし該
従来技術は、宇宙空間等の如く沢山の人間が居住してい
る空間において、大量に野菜を供給する為の構成であ
り、やはりある程度の空間と施設が必要となるのであ
る。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】本発明は更に少ない単
位の人間が室内において野菜を栽培する場合に使用可能
としたものであり、１家族が使用でき得るように狭い空
間を有効に利用して、植物栽培を可能としたものであ
る。この為に人工光源の利用効率を向上し、また狭い空
間を有効に利用する為に、下方に育苗箱を配置して、植
物の栽培と平行して育苗も可能とし、さらに開いた空間
で人工光源からの光が受光しにくい部分を茸栽培床に構
成して、緑色野菜の他に光をあまり必要としない茸の栽
培も同時に出来るように構成したものである。

【０００４】

【課題を解決する為の手段】本発明の解決すべき課題は
以上の如くであり、次に該課題を解決する手段を説明す
る。即ち、キャビネット３の上側に人工光源１を配置
し、該人工光源１に対向させて栽培パネル４を配置し、
該栽培パネル４の裏面に供水部５を配置したものであ
る。また、キャビネット３の上側に人工光源１を配置
し、該人工光源１に対向させて栽培パネル４を配置し、
栽培パネル４と供水部５とをキャビネット３に対して取
出可能に配置したものである。また、キャビネット３の
上側に人工光源１を配置し、該人工光源１に対向させて
栽培パネル４を配置し、該栽培パネル４に設けた挿入孔
３１に植物Ａを挿入する構成において、該栽培パネル４
の裏面に突出した植物Ａの根部分に養液が滴下すべく、
養液滴下シート２８を垂下したものである。また、キャ
ビネット３の上側に人工光源１を配置し、該人工光源１
に対向させて栽培パネル４を配置し、栽培パネル４に挿
入孔３１を設けた構成において、該挿入孔３１内に挿入
カラー２５を介して苗床スポンジ２４を挿入すべく構成
したものである。

【０００５】

【作用】次に作用を説明する。即ち、人工光源１の下方
に設けた育苗箱２に、養液を入れてあり、この養液の上
に育苗培地１１を浮かし、該育苗培地１１に種子を播い
て発芽させ、育苗を行う。そして苗が一定の大きさとな
ると、この育苗培地１１を分断して、１本の苗ごとにプ
ラグに挿入して、該プラグを栽培パネル４のプラグ挿入
孔に挿入するのである。該状態で、栽培パネル４の裏面
に植物Ａの根の部分が突出するので、この根を供水部５
内を通過する養液に浸して、養分を吸収させるのであ
る。そして該植物Ａは栽培パネル４から人工光源１の方
向に向かって成育するので、所定の大きさとなると摘み
取って食用に供するのである。そして養液は一日に数回
間欠的に循環し、養液の減少は数日毎に補給するのであ
る。

【０００６】

【実施例】次に本発明の実施例を説明する。図１は本発
明の植物栽培装置の前扉６・６を開放した状態の斜視
図、図２は同じく前面図、図３は内部の栽培パネル４の
裏側の断面図、図４は人工光源１の部分の断面図、図５
はキャビネット３の平面図、図６はキャビネット３の前
面断面図、図７は一光源一栽培パネル式の場合の前面断
面図である。

【０００７】図１においては一光源二栽培パネル型の植
物栽培装置の斜視図が開示されている。該装置の大きさ
は、大型の冷蔵庫か箪笥程度の大きさとしており、一般
の高層住宅の内部かベランダに配置可能な大きさとして
いる。そしてキャビネット３により全体を被覆してお
り、上部の栽培空間ａと下部の機器空間ｂに、上下二分
している。そして下部の機器空間ｂは開閉蓋２３によ
り、点検補修の為の開閉を可能としており、上部は前扉
６・６により開閉可能としている。そして略中央部分に
人工光源１を配置した光源室ｃを構成している。

【０００８】次に図２において説明する。下部の機器空
間ｂには、養液タンク１４と、該養液タンク１４内の液
をキャビネット３の上部に揚水する為の養液ポンプ１８
が、左右の二組配置されている。また栽培空間ａの内部
の湿度が渇き過ぎた場合に、霧状の養液を供給する為
の、加圧ポンプ１５と濃霧用タンク１６が１組配置され
ている。養液ポンプ１８により養液タンク１４内の養液
を、栽培パネル４の上方へ供給し、次々に供水部５と通
過させて、最終的にはドレーンパイプ１７より養液タン
ク１４に戻すのである。

【０００９】そして該養液ポンプ１８による養液の供水
部５への供給は、１日に数回間欠的に行うように構成さ
れており、何回も回転している間に養液が薄くなった
り、減少するので補給する必要がある。また栽培空間ａ
の内部の湿度を管理しており、湿度が低くなった場合に
は、濃霧用タンク１６内の養液を加圧ポンプ１５により
加圧して、霧発生噴霧口２２から栽培パネル４の前面に
噴霧すべく構成している。

【００１０】また栽培空間ａの内部は、中央に人工光源
１が配置されており、該人工光源１の左右を透光性仕切
部９により仕切って光源室ｃを構成しており、該光源室
ｃ内で発生した熱を外部に放出する為の排気ファン１２
が設けられている。また、栽培空間ａの内部の空気も循
環する必要があるので、上方に排気ファン１３・１３が
配置されている。また栽培パネル４の裏面には、数段に
配置された供水部５が設けられており、該供水部５は樋
状に構成されている。該供水部５の内部を通過した供水
部５の養液が、案内樋２６を通過して次の供水部５に案
内される。

【００１１】図３は、栽培パネル４の面を図示してお
り、栽培パネル４は表面に植物Ａを挿入するプラグ孔を
配置しており、該プラグ孔に挿入した挿入カラー２５に
苗床スポンジ２４に植えた植物を挿入し、該スポンジか
ら栽培パネル４の裏面に突出した、植物の根が供水部５
内の養液に浸かって、養分を吸収すべく構成している。
そして該苗床スポンジ２４に植えられた植物の根により
吸収されなかった養液は、そのまま供水部５から案内樋
２６を経て、ドレーンパイプ１７から養液タンク１４に
戻る。

【００１２】図４においては、光源室ｃに於ける断面図
を示している。該人工光源１はツインランプと称される
片持ち支持の蛍光灯により構成されており、２本が下方
の部分で真空連通しており、下方にはソケットの部品が
無いものである。そして該人工光源１の下方へ洩れる光
が、育苗箱載置台１９の上に配置した育苗箱２の上の育
苗培地１１に受光されるように構成している。また該育
苗培地１１の部分への受光量が少ない場合には、人工光
源１の下方に配置した育苗光源１０により育苗培地１１
に受光をしている。

【００１３】次に図５と図６について説明する。図５に
おいては、中央に配置した人工光源１と、両側に配置し
た排気ファン１２と排気ファン１３・１３の構成が開示
されている。図６においては、茸栽培床８の形状が開示
されている。該栽培パネル４と透光性仕切部９との間の
空間は、栽培パネル４の上の植物の葉が伸びた場合に、
透光性仕切部９に接当するのを防ぐ為に構成している。
しかし該栽培パネル４と透光性仕切部９の間の空間は、
植物Ａが伸びるまでは何にも利用されないこともあるの
で、この部分のスペースの有効な利用を図る為に、茸栽
培床８を設けて、該部分で椎茸やマッシュルームＢを栽
培可能としている。

【００１４】図６において示す如く、キャビネット３の
内部に配置する栽培パネル４は、上下に摺動レールを配
置しており、前面から挿入引抜きを可能としている。そ
して該栽培パネル４の裏面に固定している供水部５も、
栽培パネル４と同様に摺動引出しが出来るのである。ま
た透光性仕切部９も人工光源１の左右両側に摺動引出し
を可能としている。

【００１５】図７は一光源一栽培パネルの場合を図示し
ている。該一光源二栽培パネルの場合には、中央に人工
光源１を配置して、左右に栽培パネル４を配置している
ので、キャビネット３の幅が左右に広くなり、一般家庭
には収容しきれない場合も考えられるので、図７の如く
一光源一栽培パネルとすることにより、小型に構成する
ことが出来るのである。しかし、この場合には、一光源
一栽培パネルの左右の方向に光源が洩れて、栽培パネル
４と逆の方向に逃げる光源は無駄となるので、一光源一
栽培パネルの他方には反射板７を配置して、無駄となる
光源を栽培パネル４の方向に戻して、効率を向上してい
るのである。

【００１６】図８は栽培パネル４の裏面の供水部５と養
液滴下シート２８を示す前面断面図、図９は供水管２９
の位置を変更した状態の前面断面図、図１０は苗床スポ
ンジ２４と挿入カラー２５の斜視図、図１１は挿入カラ
ー２５とシールリング２７部分の断面図、図１２は供水
管２９と案内樋２６と供水部５の部分の側面断面図、図
１３は栽培パネル４の挿入孔３１の部分を斜めに配置し
た構成の斜視図、図１４は栽培パネル４の裏面を示し斜
視図、図１５は栽培パネル４において挿入孔３１を千鳥
配置した構成の側面図である。

【００１７】図８と図９において説明する。栽培パネル
４には段階状に挿入孔３１が複数孔開けられており、該
挿入孔３１に、挿入カラー２５に苗床スポンジ２４を挿
入した状態で嵌挿するのである。そして該植物Ａの根の
部分が栽培パネル４の裏側に出るので、この部分に供水
部５内の養液が接触するのである。また上方に配置した
供水管２９から滴下する養液が、根の上に正確に掛かる
ようにする為に、供水管２９から養液滴下シート２８を
垂下している。該養液滴下シート２８は合成樹脂シート
で構成されており、根の部分の養液の蒸発を遅らせ、保
温を行い、栽培パネル４からの光洩れを阻止する役目も
しているのである。

【００１８】該養液滴下シート２８の上端は供水管２９
の周囲に巻き付けられており、該供水管２９をホルダー
３０に挿入する部分において保持している。供水管２９
は上部の供水部５からの養液を、案内樋２６を介して供
水部５の幅一杯に案内し、下方に向けて開口した孔か
ら、養液を滴下するのである。図１０と図１１に示す如
く、挿入カラー２５と苗床スポンジ２４とシールリング
２７が構成されている。該苗床スポンジ２４は丸型のも
のを図示したが、育苗培地１１から分断した場合には、
角型ブロックである場合が多い。また挿入カラー２５を
栽培パネル４の挿入孔３１に挿入するのであるが、該挿
入カラー２５が挿入した状態で安定するように、シール
リング２７を介装しており、該部分から養液が栽培パネ
ル４の表側に垂れるのを阻止し、また該部分からの光の
洩れを阻止している。

【００１９】図１２は供水部５と供水管２９とホルダー
３０の部分を側面から断面して図示している。また図１
３は栽培パネル４に配置した挿入孔３１の部分を斜めに
配置し、植物Ａがやや上向きに配置されるよう構成して
いる。このように構成することにより、植物Ａの根の部
分が供水部５の養液に浸り易くなるのであ。また図１４
は該栽培パネル４の裏側を示している。また図１５は、
栽培パネル４に設けた挿入孔３１を千鳥状に配置した構
成を開示している。このように千鳥状に配置することに
より、上下の植物Ａの葉が重複することなく、自由な成
育が可能となるのである。

【００２０】

【発明の効果】本発明は以上の如く構成したので、次の
ような効果を奏するものである。即ち、請求項１の如く
構成したので、ポンプが故障して養液の送水が不可能と
なった場合にも、根の部分の水切れ状態が発生しないの
で、植物Ａの枯死を防ぐことが出来るのである。また供
水部５の上段から順番に養液が下方の供水部５に流れる
ので、一度に散水する機構に比較してポンプの送水容量
を小さいものを使用することが出来るのである。

【００２１】請求項２の如く構成したので、育苗培地１
１で育てた苗の移植や定植が簡単となり、また成育した
植物Ａの収穫作業を楽にすることが出来るのである。ま
た栽培パネル４に定植した植物Ａの根の部分の発育状態
を点検する作業を簡単に行うことが出来るのである。

【００２２】請求項３の如く構成したので、樋状の供水
部５だけでは露出した根が乾燥し、枯死するのである
が、直接に養液滴下シート２８が根に接触して、養液を
滴下することにより、根の乾燥を阻止することが出来る
のである。また養液滴下シート２８により光洩れや、根
の部分の保温や、養液の蒸発や飛散を防ぐことが出来る
のである。

【００２３】請求項４の如く構成したので、定植作業を
簡単にすることができ、また根を傷めることが少ないの
である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の植物栽培装置の前扉６・６を開放した
状態の斜視図である。

【図２】同じく前面図である。

【図３】内部の栽培パネル４の裏側の断面図である。

【図４】人工光源１の部分の断面図である。

【図５】キャビネット３の平面図である。

【図６】キャビネット３の前面断面図である。

【図７】一光源一栽培パネル式の場合の前面断面図であ
る。

【図８】栽培パネル４の裏面の供水部５と養液滴下シー
ト２８を示す前面断面図である。

【図９】供水管２９の位置を変更した状態の前面断面図
である。

【図１０】苗床スポンジ２４と挿入カラー２５の斜視図
である。

【図１１】挿入カラー２５とシールリング２７部分の断
面図である。

【図１２】供水管２９と案内樋２６と供水部５の部分の
側面断面図である。

【図１３】栽培パネル４の挿入孔３１の部分を斜めに配
置した構成の斜視図である。

【図１４】栽培パネル４の裏面を示し斜視図である。

【図１５】栽培パネル４において挿入孔３１を千鳥配置
した構成の側面図である。

【符号の説明】

Ａ 植物 Ｂ 椎茸やマッシュルーム １ 人工光源 ２ 育苗箱 ３ キャビネット ４ 栽培パネル ５ 供水部 ６ 前扉 ７ 反射板 ８ 茸栽培床 ９ 透光性仕切部 ２８ 養液滴下シート ２９ 供水管 ３１ 挿入孔

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 キャビネット３の上側に人工光源１を配
   置し、該人工光源１に対向させて栽培パネル４を配置
   し、該栽培パネル４の裏面に供水部５を配置したことを
   特徴とする植物栽培装置。
2. 【請求項２】 キャビネット３の上側に人工光源１を配
   置し、該人工光源１に対向させて栽培パネル４を配置
   し、栽培パネル４と供水部５とをキャビネット３に対し
   て取出可能に配置したことを特徴とする植物栽培装置。
3. 【請求項３】 キャビネット３の上側に人工光源１を配
   置し、該人工光源１に対向させて栽培パネル４を配置
   し、該栽培パネル４に設けた挿入孔３１に植物Ａを挿入
   する構成において、該栽培パネル４の裏面に突出した植
   物Ａの根部分に養液が滴下すべく、養液滴下シート２８
   を垂下したことを特徴とする植物栽培装置。
4. 【請求項４】 キャビネット３の上側に人工光源１を配
   置し、該人工光源１に対向させて栽培パネル４を配置
   し、栽培パネル４に挿入孔３１を設けた構成において、
   該挿入孔３１内に挿入カラー２５を介して苗床スポンジ
   ２４を挿入すべく構成したことを特徴とする植物栽培装
   置。