JPH0573955A - 光学的記録媒体円盤 - Google Patents

光学的記録媒体円盤

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JPH0573955A
JPH0573955A JP3258384A JP25838491A JPH0573955A JP H0573955 A JPH0573955 A JP H0573955A JP 3258384 A JP3258384 A JP 3258384A JP 25838491 A JP25838491 A JP 25838491A JP H0573955 A JPH0573955 A JP H0573955A
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Japan
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recording
recording layer
tracking
light
refractive index
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JP3258384A
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English (en)
Inventor
Toshiki Kasai
利記 河西
Eiji Nakagawa
栄治 中川
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Victor Company of Japan Ltd
Original Assignee
Victor Company of Japan Ltd
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Publication date
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  • Thermal Transfer Or Thermal Recording In General (AREA)
  • Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 大きな変調度の再生信号が得られ、かつ、記
録の有無に関係なくトラッキング信号のレベルの変化を
小さくできる光ディスクを得る。 【構成】 深さGのトラッキング用の案内溝を有する屈
折率がn1の透明基板上に、記録用の光の波長λに感受
性を有し、かつ、前記の光の照射によって屈折率がn2
からn2rに変化する記録材料で構成されている記録層の
記録前の記録層の状態が、n1×G+n2(d1-d2)=(N
×λ/4)+(λ/16)±(λ/40)…(a) で示されるととも
に、記録用の光の照射の前後における記録層における屈
折率の実数部の差をΔnとして表わしたときに、前記し
た情報記録用の光によって照射された記録層における屈
折率の変化が、Δn×d2=(λ/4)-2{(λ/16)±(λ/4
0)}…(b)前記の(b)式によって示されるように構成す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は光学的記録媒体円盤に関
する。
【0002】
【従来の技術】各種の情報信号を高い記録密度で記録す
ることについての要望が高まるのにつれて、近年になっ
て色々な構成原理や動作原理に基づいて作られた情報記
録媒体を用いて情報信号の高密度記録再生が行われるよ
うになったことは周知のとおりである。近年、安定な動
作を行なう半導体レーザが容易に得られるようになった
のに伴い、レーザ光を用いて高密度記録再生を行なうよ
うにした各種の光学的記録媒体円盤(光ディスク)が既に
実用化されたり、あるいは実用化のための研究開発が行
われており、例えば幾何学的な凹部あるいは凸部として
形成されているピットにより情報信号が記録された原盤
から大量に複製された記録済み光ディスク(再生専用の
光ディスク)が、例えばビデオ・ディスクやコンパクト
・ディスク等として一般家庭にも普及している他、1回
だけユーザが追加して記録できる光ディスク(追記型光
ディスク)や消去可能な光ディスクなどが、例えばオフ
ィス用ファイルメモリ、その他の用途における実用化の
ために盛んな研究開発が行なわれている。
【0003】ところで、前記したコンパクト・ディスク
は、光ディスクの信号面に情報信号と対応するピットの
配列によって、情報信号が高密度記録されている形態の
記録済みの光ディスクであって、再生時に用いられる7
80nmの光の波長に対して特定な関係に設定されてい
る深さのピットの配列によって情報信号が信号面に記録
されているとともに、それの信号面の全面がアルミニウ
ム等の薄膜によって被覆された構成となされていて、波
長が780nmの光に対して信号面におけるランドの部
分の反射率が70%〜90%となるように規定されてお
り、光ディスクの信号面からの情報信号の読出しが、7
80nmの波長の光のスポットによって行なわれるよう
ようになされている。前記したコンパクト・ディスクか
らの情報信号の読出しは、それの信号面におけるピット
の部分からの反射光の光量が、ピットの部分で生じる光
の干渉の結果としてランドの部分からの反射光の光量よ
りも減少した状態になることを利用して行なわれている
のであり、また、トラッキング誤差情報もピットの配列
からなる記録跡の部分からの反射光の光量と、ランドの
部分からの反射光の光量との差を用いて得るようにされ
ていることは周知のとおりである。
【0004】さて、前記したコンパクト・ディスクの普
及に伴って、コンパクト・ディスク用の再生機を使用し
て再生を行なうことが可能な光ディスク、すなわち、コ
ンパクト・ディスクと互換性のある光ディスクが着目さ
れるようになり、例えば1988年10月3日 日経マ
グロウヒル社発行「日経エレクトロニクス」NO.45
7第100頁〜第101頁に「CD規格を満足する高反
射率の追記型光ディスクを開発」という標題の下に発表
されている記事によってコンパクト・ディスクとの互換
性を有する光ディスクが紹介された他、特開平2ー18
8448号公報、特開平2ー244437号公報その他
の多くの刊行物によって、有機色素を含む記録材料が用
いられている記録層の構成材料の屈折率を情報記録用の
レーザ光の照射によって変化させることにより情報信号
の記録再生が行なわれるようにした光ディスクについて
の多くの提案がなされている他、本出願人会社において
も記録動作時に有機色素を含む記録材料を用いている記
録層の構成材料の分解による記録層の屈折率の減少によ
って生じる光の位相の進みを利用してコンパクト・ディ
スクに対して良好な互換性を有する光ディスクを特開平
185737号公報によって開示している。
【0005】前記のようにコンパクト・ディスクに対し
て互換性を有する光ディスクも含み例えば、再生専用の
記録済み領域と追記型光ディスクとして使用できる記録
領域を設けた構成形態の追記型光ディスク、あるいは全
面が記録領域になされている光ディスクについての諸提
案も行なわれているが、前記のように記録領域が設けら
れている構成形態の光ディスクにおいては、記録時にも
トラッキング制御が行なわれうるように透明基板にトラ
ッキング用の案内溝を設けてあるような構成となされて
いることが多い。すなわち、情報信号が高密度記録され
ている光ディスクから情報信号を再生する場合には、ト
ラッキング制御によって再生用の光ビームあるいは再生
用の光ビームを情報信号が記録されている記録跡に常に
正確に辿らせるようにすることが行なわれることは周知
のとおりであるが、光ディスクに対して記録用の光ビー
ムにより所定のトラックピッチの記録跡に高記録密度で
情報信号を記録する場合においても、記録用の光ビーム
の照射位置をトラッキング制御することが必要とされる
ために、高密度記録される光ディスクにおいては、記録
時にもトラッキング制御を行ないうるように、光ディス
クの透明基板として予めトラッキング用の案内溝を設け
てあるものが用いられることが多い。
【0006】そして、光ディスクにおける信号面に対し
て、微小な径の光のスポットを投射し、信号面からの反
射光に基づいて情報信号を再生するようにした光学的情
報信号再生装置におけるトラッキング制御に際して用い
られるトラッキング誤差検出方式としては、光ディスク
からの反射光の光の強度分布が、トラッキング誤差によ
って偏ることを利用してトラッキング誤差の検出を行な
うようにする、という所謂プッシュプル法によるトラッ
キング誤差検出方式が、光学系の構成が単純なものとな
ってコスト的に有利になるために光学的情報信号再生装
置に広く使用されていることは良く知られているが、ま
た、前記したプッシュプル法によるトラッキング誤差検
出方式は、記録済みの光ディスクにおける再生動作時に
おけるトラッキング制御動作時だけではなく、トラッキ
ング制御が行なわれうるように透明基板にトラッキング
用の案内溝を設けてあるような構成となされている各種
形式の光ディスクにおける記録動作時におけるトラッキ
ング制御動作時にも用いられている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】さて、光ディスクがコ
ンパクト・ディスクとの互換性を備えている光ディスク
として構成されるためには、当然のことながらコンパク
ト・ディスクについて定められている再生に関する諸規
格、すなわち、反射率、高周波信号の変調度、高周波信
号の対称性、トラッキング信号出力、クロストーク、等
に関する規格値を満足するものでなければならないが、
既述した特開平2ー185737号公報中にも詳述され
ているように、コンパクト・ディスクにおける再生に関
する諸規格に対して満足すべき互換性を備えている追記
型の光ディスクを得ようとする場合に特に問題になるコ
ンパクト・ディスクにおける再生に関する諸規格として
は、反射率、高周波信号の変調度、トラッキング信号出
力、等が挙げられるが、前記した諸特性についてコンパ
クト・ディスクと互換性を有する追記型の光ディスク
を、有機色素を含む記録材料が用いられている記録層の
構成材料の屈折率を情報記録用のレーザ光の照射によっ
て変化させることにより情報信号の記録再生が行なわれ
るようにした光ディスクによって構成させることは容易
ではなかったし、また、コンパクト・ディスクとの互換
性を問題にしない光ディスクを有機色素を含む記録材料
が用いられている記録層の構成材料の屈折率を情報記録
用のレーザ光の照射によって変化させることにより情報
信号の記録再生が行なわれるようにされている光ディス
クによって構成させる場合についてみても、目標とする
諸特性を備えている光ディスクを提供することは容易で
なかったのであり、それの改善策が求められた。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明はトラッキング用
の案内溝を設けてある透明基板におけるトラッキング用
の案内溝が設けてある方の板面上に、情報記録用の光の
波長に感受性を有していて前記した情報記録用の光の照
射によって屈折率が変化する記録材料によって構成され
ている記録層を少なくとも備えている光学的記録媒体円
盤において、前記した情報記録用の光によって照射され
る以前の記録層の状態が、 n1×G+n2(d1−d2)=(N×λ/4)+(λ/16)±(λ/40) …(a) [ただし、n1は透明基板の屈折率、n2は記録層の屈折
率、Gはトラッキング用の案内溝の深さ、λは情報記録
用の光の波長、d1は透明基板におけるトラッキング用
の案内溝以外の部分における記録層の厚さ、d2は透明
基板におけるトラッキング用の案内溝の部分における記
録層の厚さ、Nは零及び正の整数](a)式で示される
とともに、情報記録用の光の照射の前後における記録層
における屈折率の実数部の差をΔnとして表わしたとき
に、前記した情報記録用の光によって照射された記録層
における屈折率の変化が、 Δn×d2=(λ/4)−2{(λ/16)±(λ/40)} …(b) (b)式によって示されるようにして構成してなる光学
的記録媒体円盤を提供する。
【0009】
【作用】深さがGであるようなトラッキング用の案内溝
を設けてある透明基板におけるトラッキング用の案内溝
が設けてある方の板面上に、情報記録用の光の波長に感
受性を有していて前記した情報記録用の光の照射によっ
て屈折率が変化する記録材料によって構成されている記
録層が前記した情報記録用の光によって照射される以前
の記録層の状態が、 n1×G+n2(d1−d2)=(N×λ/4)+(λ/16)±(λ/40) …(a) [ただし、n1は透明基板の屈折率、n2は記録層の屈折
率、Gはトラッキング用の案内溝の深さ、λは情報記録
用の光の波長、d1は透明基板におけるトラッキング用
の案内溝以外の部分における記録層の厚さ、d2は透明
基板におけるトラッキング用の案内溝の部分における記
録層の厚さ、Nは零及び正の整数] (a)式で示されるとともに、情報記録用の光の照射の
前後における記録層における屈折率の実数部の差をΔn
として表わしたときに、前記した情報記録用の光によっ
て照射された記録層における屈折率の変化が、 Δn×d2=(λ/4)−2{(λ/16)±(λ/40)} …(b) (b)式によって示されるように構成した光ディスクで
は、大きな変調度の再生信号が得られるとともに記録の
有無とは関係なくトラッキング信号のレベルの変化を小
さくでき、良好、安定な記録再生状態での記録再生動作
が行なわれる。
【0010】
【実施例】以下、添付図面を参照して本発明の光学的記
録媒体円盤の具体的な内容を詳細に説明する。図1及び
図2はそれぞれ本発明の光学的記録媒体円盤の異なる実
施態様のものの一部の斜視断面図であり、また図3は本
発明の構成原理の説明に使用される光学的記録媒体の断
面図、図4は光ディスクにおける信号面におけるピット
の部分とランドの部分からの反射光に関連して得られる
再生信号レベルと、所謂プッシュプル法によるトラッキ
ング誤差検出方式で得られる信号と信号面のピットの深
さとの関係を説明するために使用される図、図5は記録
済みの部分の記録層の屈折率を測定する手段の一例を説
明するために使用される図である。図1及び図2に示さ
れている本発明の光学的記録媒体円盤(光ディスク)に
おいて、1は情報記録用の光及び再生用の光に対して実
質的に透明な材料を用いて構成されているとともに、一
方の面にトラッキング用の案内溝5,5…が設けられて
いる基板である。前記の基板1としては一般的にポリカ
ーボネート樹脂の射出成形板が用いられることが多い
が、基板1の構成材料としては例えばアクリル樹脂、炭
化水素系樹脂のような熱可塑性樹脂や、ガラスのような
無機材料が用いられてもよい。そして、前記した基板1
におけるトラッキング用の案内溝5,5…が設けられて
いる方の面には記録層2と金属反射層3と保護層4とが
順次に積層されている。図1において7はレーザ光束を
示しており、また、図2において6は基板1における読
出し専用領域に設けられたピットを示している。
【0011】コンパクト・ディスクとの互換性を考慮し
て本発明の光ディスクが構成される場合における前記し
た基板1の大きさは、直径が120mmまたは80mm
で厚さが1.2mmになされるが、コンパクト・ディス
クとの互換性を考慮しないで本発明の光ディスクが構成
される場合には、基板1の大きさを任意に定めることが
できることはいうまでもない。前記した基板1における
トラッキング用の案内溝5,5…が設けられている方の
面上に付着される記録層2は、情報記録用の光の波長に
感受性を有していて前記した情報記録用の光の照射によ
って屈折率が変化する記録材料によって構成されるので
あり、前記の記録層2は例えばインドレニン型シアニン
色素を例えばスピンコート法の適用により、基板1上に
所定の膜厚に塗布付着させることによって構成できる。
前記した記録層2の構成に当っては、良く知られている
ように必要に応じてバインダ、光酸化防止剤(クエンチ
ャー)が添加使用されてもよいことはいうまでもない。
また金属反射層3は反射率の高い金属、例えば金,銀,
銅,白金,アルミニウムの単体または合金をスパッタリ
ング法、あるいは真空蒸着法等の成膜手段を適用して構
成させる。反射率を向上させるためにエンハンス層を設
けることは好ましい実施例である。保護層4としては、
例えばシリカ等の無機物によって構成しても、あるいは
紫外線硬化樹脂によって構成させるようにしてもよい。
紫外線硬化樹脂をスピンコート法の適用によって所定の
膜厚に塗布した後に紫外線を照射して硬化させて保護膜
4を構成させることは、コンパクト・ディスクの製作時
にも用いられている手法である。
【0012】基板1に設けられているピット6にも記録
層2の構成材料が塗布された状態のものとして作られる
図2に示されている光ディスクにおいては、ピット6の
部分にも記録層2の構成材料が塗布されていることか
ら、前記したピット6の部分から得られる再生信号は、
前記したピット6に直接に反射層3を被着させた状態の
ものとして作られた光ディスクにおけるピット6の部分
から得られる再生信号とは異なる状態になる。しかし、
基板1に設けられたピットに直接に反射層3が被着され
ている状態のピットの部分から得られる再生信号と同一
の状態の再生信号が、基板1に設けられたピットに記録
層2の構成材料が塗布付着された状態のピット6の部分
から得られるように、基板1の読出し専用領域に設けら
れるピット6の大きさを、予め大きく形成させておけ
ば、基板1の読出し専用領域とそれ以外の領域とを区別
して記録層を形成させるようにする等の複雑な製作法を
適用することなく光ディスクを容易に製作することがで
きる。
【0013】さて、前記のような各構成部材によって構
成される本発明の光ディスクは、トラッキング用の案内
溝を設けてある透明基板におけるトラッキング用の案内
溝が設けてある方の板面上に、情報記録用の光の波長に
感受性を有していて前記した情報記録用の光の照射によ
って屈折率が変化する記録材料によって構成されている
記録層を少なくとも備えている光学的記録媒体円盤にお
いて、前記した情報記録用の光によって照射される以前
の記録層の状態が、 n1×G+n2(d1−d2)=(N×λ/4)+(λ/16)±(λ/40) …(a) [ただし、n1は透明基板の屈折率、n2は記録層の屈折
率、Gはトラッキング用の案内溝の深さ、λは情報記録
用の光の波長、d1は透明基板におけるトラッキング用
の案内溝以外の部分における記録層の厚さ、d2は透明
基板におけるトラッキング用の案内溝の部分における記
録層の厚さ、Nは零及び正の整数] (a)式で示されるとともに、情報記録用の光の照射の
前後における記録層における屈折率の実数部の差をΔn
として表わしたときに、前記した情報記録用の光によっ
て照射された記録層における屈折率の変化が、 Δn×d2=(λ/4)−2{(λ/16)±(λ/40)} …(b) (b)式によって示されるようなものとなされている光
ディスクであって、この本発明の光ディスクでは、後述
の説明から明らかなように変調度の大きな状態の再生信
号、すなわち、大きな信号レベルの再生信号が得られる
とともに、記録の前後においても信号レベルに大きな変
動が生じていない安定な状態のトラッキング参照信号を
容易に得ることができるのである。
【0014】ここで、光ディスクの断面図を示している
図3と、光ディスクの信号面におけるピットの部分から
の反射光とランドの部分からの反射光とに関連して得ら
れる再生信号レベルと信号面のピットの深さとの関係、
及び所謂プッシュプル法によるトラッキング誤差検出方
式で得られる信号レベルと信号面のピットの深さとの関
係を説明するための図4とを用いて本発明の光ディスク
の構成原理を説明すると次のとおりである。まず、図3
において屈折率がn1の物質で構成されている基板1の
一方の面上には深さGのトラッキング用の案内溝5,5
…が設けられており、前記した基板1における案内溝
5,5…が構成されている方の面上に構成されている記
録層2は、前記した案内溝5,5…の部分以外の部分
(ランドの部分)の厚さがd1であるとともに、前記し
た案内溝5,5…の部分の厚さがd2となされている。
前記した記録層2は、既述のように情報記録用の光の波
長に感受性を有していて、前記の情報記録用の光の照射
によって屈折率が変化する記録材料を用いて構成されて
いるものであるから、記録層の屈折率は情報記録用の光
が照射される前後において異なる値を示すことになる。
ところで、記録層2を構成している材料が有機色素の場
合には、光が照射された場合に記録層2が光を吸収する
ために、記録層2の屈折率は複素数によって表わされる
ものになるが、本発明の光ディスクにおける記録層2で
は屈折率の実数部が光の位相の変化に大きく影響し、屈
折率の虚数部を無視しても動作の説明には支障がないか
ら、本明細書中の記載における記録層2の屈折率として
は、本来、複素数で示されるべき屈折率の場合であって
も、それの実数部だけが用いられるものとされている。
【0015】そして、情報記録用の光が照射される前後
における記録層2の屈折率に関する本明細書の記載にお
いて、情報記録用の光が照射される以前の記録層2の屈
折率をn2であるとしており、また、情報記録用の光が
照射された後の記録層2の屈折率をn2rであるとしてお
り、さらに、情報記録用の光の照射の前後における記録
層2における屈折率の実数部の差をΔn(=n2−n2r)
であるとしている。図3においてX−X線によって示す
位置は、光路長に関する以下の説明のために基板1に設
けられたトラッキング用の案内溝5,5…における溝の
底部の位置に設定した基準の位置を示している。図3中
に示されている7a,7b,7cは、それぞれ基板1から
記録層2に入射された波長がλの光を示しており、前記
の各光7a,7b,7cはそれらの光の入射によっても記
録層2の屈折率に変化を与えないような強度の光であ
る。前記の光7aは光ディスクの基板1から案内溝5,
5…の部分以外の部分(ランドの部分)の記録層2におけ
る屈折率がn2であるような記録層2、すなわち、ラン
ドの部分の未記録状態の記録層2の部分に入射された光
を示しており、また光7bは光ディスクにおける基板1
から案内溝5,5…の部分の記録層2における屈折率が
n2であるような記録層2、すなわち、案内溝5,5…
の部分の未記録状態の記録層2の部分に入射された光を
示しており、さらに光7cは光ディスクにおける基板1
から案内溝5,5…の部分の記録層2における屈折率が
n2rであるような記録層2、すなわち案内溝5,5…
の部分の記録済み状態の記録層2の部分に入射された光
を示している。
【0016】今、図3中に例示してある前記した基準の
位置X−Xから金属反射層3の表面までの光路長が、前
記した3つの光7a,7b,7cにおけるそれぞれ個別
のもの毎にそれぞれどのように示されるものかを説明す
ると次のとおりである。まず、光ディスクにおける未記
録状態の記録層2がランドの部分にある状態の場合にお
ける光7aの光路長Laは次の(1)式 La=n1×G+n2×d1 …(1) によって示される
ものになり、また、光ディスクにおける未記録状態の記
録層2がトラッキング案内用の溝5の部分にある状態の
場合における光7bの光路長Lbは次の(2)式 Lb=n2×d2 …(2) によって示されるものに
なり、さらに、光ディスクにおける記録済みの状態の記
録層2がトラッキング案内用の溝5の部分にある状態の
場合における光7cの光路長Lcは次の(3)式 Lc=n2r×d2 …(3) によって示されるものに
なる。
【0017】それで、前記のように光ディスクにおける
未記録状態の記録層2がランドの部分にある状態の場合
における光7aの光路長Laと、光ディスクにおける未
記録状態の記録層2がトラッキング案内用の溝5の部分
にある状態の場合における光7bの光路長Lbとの差
は、前記した{(1)式−(2)式}の演算を行なうこ
とにより次の(4)式のように求められる。 La−Lb=n1×G+n2×d1−n2×d2=n1×G+n2(d1−d2)…(4) また、前記のように光ディスクにおける未記録状態の記
録層2がランドの部分にある状態の場合における光7a
の光路長Laと、光ディスクにおける記録済みの状態の
記録層2がトラッキング案内用の溝5の部分にある状態
の場合における光7cの光路長Lcとの光路差は、前記
した{(1)式−(3)式}の演算を行なうことにより
次の(5)式のように求められる。 La−Lc=n1×G+n2×d1−n2r×d2 …(5) また、記録層2の同一部分における未記録状態と記録状
態との違いによって生じる光路差は、前記した{(5)
式−(4)式}の演算を行なうことにより、次の(6)
式のように求めることができる。 (La−Lc)−(La−Lb)=Lb−Lc=n2×d2−n2r×d2 =(n2−n2r)d2=Δn×d2 …(6) ただし、|n2−n2r|=Δn
【0018】既述のように、光ディスクの基板1におけ
る案内溝5,5…が構成されている方の面上に、情報記
録用の光の波長に感受性を有し、かつ前記した情報記録
用の光の照射によって屈折率が変化する記録材料をラン
ドの部分にはd1の厚さで、案内溝5,5…の部分にはd
2の厚さで設けてある記録層2が、情報記録用の光が照
射される前後において、情報記録用の光が照射される以
前の屈折率がn2の状態から、情報記録用の光が照射さ
れた後に屈折率n2rに変化されることによって記録層2
に情報信号が記録されるようになされている光ディスク
において、記録層2に情報信号が記録された状態の光デ
ィスクの基板1に再生用の光を入射させると、光ディス
クの基板1に入射された再生用の光の光路長は、図3を
参照して説明した3つの光7a,7b,7c毎の光路長
La,Lb,Lcの何れかに対応しているものになるか
ら、光ディスクの基板1に入射した再生用の光束は、基
板1→記録層2→金属反射層3→記録層2→基板1のよ
うな光路を経て反射光束として光ディスクから出射する
が、光ディスクから出射した前記の反射光束は、各反射
光の光路長の差によって生じる異なる位相差の光の間の
干渉によって光強度が変化している状態のものになって
いる。
【0019】ところで、光ディスクからの再生信号を充
分に大きな変調度を有する状態で得るためには、前記し
た(6)式によって示される光路差を、例えば再生用の
光の波長λの1/4の関係になるようにすればよいこと
は周知のとおりであるが、しかしながら、前記した
(6)式によって示される光路差が例えば再生用の光の
波長λの1/4の関係になるように設定された場合に
は、光ディスクにおける信号面におけるピットの部分か
らの光とランドの部分からの光とを利用してトラッキン
グ誤差の検出を行なうようにした所謂プッシュプル法に
よるトラッキング誤差検出方式によって得られるトラッ
キング誤差信号は、図4の(a),(b)から容易に理解で
きるように信号レベルが零になってしまうので、前記し
た(6)式によって示される光路差を、例えば再生用の
光の波長λの1/4の関係に設定することはできない。
すなわち、光ディスクにおける信号面におけるピットの
部分とランドの部分からの反射光の強度と対応して得ら
れる再生信号レベルは、ピットの底の位置からランドの
位置までの再生光による光路長の変化に対して図4の
(a)のような変化態様を示して変化し、また、光ディ
スクにおける信号面におけるピットの部分からの光とラ
ンドの部分とからの光を利用してトラッキング誤差の検
出を行なうようにした所謂プッシュプル法によるトラッ
キング誤差検出方式によって得られるトラッキング誤差
信号の信号レベルは、ピットの底の位置からランドの位
置までの再生光による光路長の変化に対して図4の
(b)のような変化態様を示して変化するからである。
なお、前記した図4の(a),(b)における横軸は、
再生光の波長λを単位に用いて示した光路長であり、図
中の横軸で0の位置はピットの底の位置からランドの位
置までの再生光による光路長が0の位置(ピットの深さ
が0の状態)を示している。
【0020】本発明者等は、情報記録用の光の波長に感
受性を有していて前記した情報記録用の光の照射によっ
て屈折率が変化する記録材料によって構成されている記
録層が基板におけるピットまたは溝が形成されている方
の面上に設けられている構成形態の光ディスクについ
て、ピットの深さまたは溝の深さの異なる多数の光ディ
スクに関する再生実験を数多く行なってみて、前記のよ
うな構成の光ディスクから良好なS/Nの再生信号とな
されるような信号レベルの再生信号が容易に再生できる
とともに、安定な状態で光ディスクに対するトラッキン
グ制御が行なわれ得るような状態は、前記した(6)式に
よって示される光路差の状態が図4における横軸におけ
るλ/16〜3λ/16の範囲の付近、及び前記したλ
/16〜3λ/16の範囲の付近に対してλ/4の整数
倍だけ離れているそれぞれの範囲において得られること
を見出したことに基づいて、本発明の光ディスク、すな
わち、情報記録用の光によって照射される以前の記録層
の状態が、 n1×G+n2(d1−d2)=(N×λ/4)+(λ/16)±(λ/40) …(a) [ただし、n1は透明基板の屈折率、n2は記録層の屈折
率、Gはトラッキング用の案内溝の深さ、λは情報記録
用の光の波長、d1は透明基板におけるトラッキング用
の案内溝以外の部分における記録層の厚さ、d2は透明
基板におけるトラッキング用の案内溝の部分における記
録層の厚さ、Nは零及び正の整数] (a)式で示されるとともに、情報記録用の光の照射の
前後における記録層における屈折率の実数部の差をΔn
として表わしたときに、前記した情報記録用の光によっ
て照射された記録層における屈折率の変化が、 Δn×d2=(λ/4)−2{(λ/16)±(λ/40)} …(b) (b)式によって示されるような光ディスクを構成させ
るようにしたものであるから、前記した(a),(b)式
を同時に満足させるようにした本発明の光ディスクの構
成に当っては、前記した(a),(b)式中に使用されて
いる透明基板の屈折率n1、記録層の屈折率n2、トラッ
キング用の案内溝の深さG、情報記録用の光の波長λ、
透明基板におけるトラッキング用の案内溝以外の部分に
おける記録層の厚さd1、透明基板におけるトラッキン
グ用の案内溝の部分における記録層の厚さd2、零及び
正の整数N、情報記録用の光の照射の前後における記録
層における屈折率の実数部の差を示すΔn等のそれぞれ
の値を、それぞれ知ることが必要である。
【0021】ところで、前記した基板1の屈折率n1、
記録層2の屈折率n2、トラッキング用の案内溝5の深
さG、情報記録用の光の波長λ、零及び正の整数N等の
値などについては、それらの内のあるものは例えば使用
する材料に応じて自動的に決定され、またあるものでは
必要条件に応じて自動的に決定され、さらに別のあるも
のについては必要に応じて任意に設定されるなどして、
前以って確実に数値を知ることができるが、基板1にお
けるトラッキング用の案内溝5以外の部分(ランドの部
分)における記録層2の厚さd1や、基板1におけるト
ラッキング用の案内溝5の部分における記録層2の厚さ
d2、及び情報記録用の光の照射の前後における記録層
における屈折率の実数部の差を示すΔn等のそれぞれの
値は、相互に関連して値が変化するものであるから、そ
れぞれの数値を単独に設定することができない。しか
し、前記した(a),(b)式に示されている関係、特
に、(b)式 Δn×d2=(λ/4)−2{(λ/16)±(λ/40)} …(b) に示されている関係に着目すると、情報記録用の光の照
射の前後における記録層における屈折率の実数部の差を
示すΔnを知ることができれば、基板1におけるトラッ
キング用の案内溝5の部分における記録層2の厚さd2
は、前記した(b)式によって簡単に算出することができ
ることが判かる。そして、基板1におけるトラッキング
用の案内溝5の部分における記録層2の厚さd2が、前
記のようにして特定できれば、前記した(a)式 n1×G+n2(d1−d2)=(N×λ/4)+(λ/16)±(λ/40) …(a) を用いることにより、基板1におけるトラッキング用の
案内溝5以外の部分(ランドの部分)における記録層2の
厚さd1を容易に算出することができることが明らかで
ある。
【0022】それで本発明の光ディスクの構成に当って
は、例えば、まず記録層2における記録前後の記録層2
の屈折率の差Δnを記録層2の屈折率の測定結果から求
め、それから前記した(b)式の関係を用いて基板1の
トラッキング用の案内溝5の部分における記録層2の厚
さd2を決定し、次いで、前記した(a)式を用いて基
板1のトラッキング用の案内溝5以外の部分(ランドの
部分)における記録層2の厚さd1を決定する。前記のよ
うにして基板1におけるランドの部分における記録層2
の厚さd1と、トラッキング用の案内溝5の部分におけ
る記録層2の厚さd2とが、それぞれ決定された場合に
は、基板1におけるトラッキング用の案内溝5,5…が
構成されている方の面上に、ランドの部分とトラッキン
グ用の案内溝5の部分とに、それぞれ異なる所定の膜厚
の記録層2を容易に構成させることができる。すなわ
ち、前記の記録層2を例えばスピンコート法の適用によ
り基板1上に塗布させようとする場合には、記録層2の
材料の粘度や回転数等を所要のように定めれば、基板1
上に付着される記録層2を所定の厚み、例えば基板1に
おけるトラッキング用の案内溝5の部分の記録層2の厚
さを所定の厚さd2とし、また、基板1におけるトラッ
キング用の案内溝5以外の部分(ランドの部分)の記録層
2の厚さを所定の厚さd1とするように、基板1上に塗
布付着される記録層2の膜厚の制御を良好に行なわせる
ことは容易だからである。
【0023】ところで、前記した記録層2における記録
前後の記録層2の屈折率の差Δnを知るためには、記録
層2における記録前後の記録層2の屈折率をそれぞれ測
定して、記録前における記録層2の屈折率n2と記録後
の記録層2の屈折率の測定値n2rとの差n2−n2r=Δ
nを算出して求めるようにすればよい。そして、前記し
た記録前における記録層2の屈折率n2の測定は、例え
ば楕円偏光計を用いることによって容易に行なうことが
できる。しかし、基板1におけるトラッキング用の案内
溝5の部分の記録層2に対して断続的に微小な部分だけ
に記録されている部分の屈折率n2rは前記した楕円偏光
計を用いても行なうことができない。それで、基板1に
おけるトラッキング用の案内溝5の部分の記録層2の記
録済みの状態の部分の屈折率n2rの測定を行なうのに、
例えば光学研磨された面上に所定の厚さの記録層、すな
わち、光ディスクにおける記録が行なわれるべき記録層
の部分の膜厚と同じ膜厚に構成させた記録層について、
楕円偏光計による屈折率の測定に必要とされる面積以上
の面積の部分を情報記録用のレーザ光束によって走査し
て一様な記録状態とした被測定物を用意し、前記の被測
定物における一様な記状態になされた部分の屈折率を楕
円偏光計を用いて測定し、その測定値を記録後の記録層
2の屈折率の測定値n2rとすることが考えられ、楕円偏
光計を用いて行なわれる前記のような測定方法によって
測定した記録前における記録層2の屈折率n2と記録後
の記録層2の屈折率の測定値n2rとの差n2−n2r=Δ
nを演算することにより、必要となされている記録層2
における記録前後の記録層2の屈折率の差Δnを求める
ことができる。
【0024】しかし、記録後における記録層2の屈折率
n2rの測定を楕円偏光計を用いて行なう場合の例とし
て挙げた前記の方法では、記録済みの記録層2と等価な
状態のものとして使用されるダミーの記録層が、実際の
光ディスクの基板1におけるトラッキング用の案内溝5
の部分の記録層2とは異なるために、屈折率の測定値が
実際の光ディスクの基板1におけるトラッキング用の案
内溝5の部分の記録層2の記録部分の屈折率に対して誤
差が生じていることも考えられる。それで、記録後にお
ける記録層2の屈折率n2rの測定に際して、前記のよ
うな問題点を生じさせないで屈折率の測定を行なうのに
は、例えば図5に図示説明されているような屈折率の測
定方法を用いて記録後における記録層2の屈折率n2r
の測定を行なえば良い測定結果が得られる。
【0025】図5の(a)は光ディスクの一部の縦断面
図であって、1は一方の面にトラッキング用の案内溝
5,5…が設けられている厚さが1.2mmで直径が1
20mmのポリカーボネート樹脂製の基板であり、また
2は例えば、1,1'−ジブチル−3,3,3',3’−
テトラメチル−4,5,4’,5’−ジベンゾインドレ
ニンジカルボシアニンパークロレートを含む色素材料に
よって構成された記録層であって、この記録層2は前記
した色素材料を用いてスピンコート法によって構成され
る。3は金属反射層として600nmの厚さに金の薄膜
をスパッタリング法によって形成させたものである。4
は紫外線硬化樹脂をスピンコート法によって塗布した後
に紫外線を照射して硬化させて構成した厚さ5ミクロン
の保護層である。前記のように基板1上に記録層2と金
属反射層3と保護層4とを順次に積層して構成させた光
ディスクは、記録層2の膜厚を異にしている多くのもの
を光ディスクのサンプルとして用意する。なお、未記録
時における記録層2の屈折率n2を波長が780nmの
光で楕円偏光計を用いて測定したところ、屈折率n2と
して2.5の測定値が得られた。
【0026】用意された前記のような構成の光ディスク
のサンプルを光ディスクの記録装置におけるターンテー
ブルに装着して所定の回転数で回転させ、情報記録用の
光を一定強度で連続的に放射させ続けている状態で光デ
ィスクにおけるトラッキング用の案内溝5の部分の記録
層2に記録を行なう。それにより図5の(b)に例示さ
れているように、光ディスクにおけるトラッキング用の
案内溝5の部分の記録層2に対して連続的に記録が行な
われた状態の記録済み光ディスクが得られる。図中の2
rは記録済みの記録層2を示している。前記ようにトラ
ッキング用の案内溝5の部分の記録層2が記録済みの状
態になされた図5の(b)に示されている状態の記録済
み光ディスクは、次に保護層4と金属反射層3とが剥離
された後に、光ディスクにおけるトラッキング用の案内
溝5の部分の記録層2以外の部分の記録層をエタノール
によって洗浄して除去されることにより、図5の(c)
に示されるような状態のもの、すなわち、基板1の一方
の面上にランドの部分とトラッキング用の案内溝5の部
分に記録済みの記録層2rが存在している状態の部分と
が所定のピッチで配列している構成態様のものとなされ
る。
【0027】図5の(c)に示されているように、基板
1の一方の面上にランドの部分とトラッキング用の案内
溝5の部分に記録済みの記録層2rが存在している状態
の部分とが所定のピッチで配列している構成態様のもの
における基板1に対して、図5の(d)に示すようにレ
ーザ光7を入射させると、前記のようにランドの部分と
トラッキング用の案内溝5の部分に記録済みの記録層2
rが存在している状態の部分とが所定のピッチで配列し
ている構成態様の部分は、前記したレーザ光7に対して
回折格子として作用するために、基板1からは0次回折
光、1次回折光と2次回折光等が出射されるから、前記
した各次数の回折光を個別の光電変換器によって光電変
換して、前記のように基板1から出射した各次数の回折
光の強度を測定する。前記のように基板1から出射した
各次数の回折光の強度の測定結果を用いて、APPLI
ED OPTICS/VOL.23,NO.16/15A
UGUST1984におけるP2830〜P2834に
記載の「Disk−memorypregroove
inspection」という標題の論文に記載されて
いるような方法で矩形近似された回折格子の深さを算出
する。
【0028】ところで、基板1に予め形成させてあるト
ラッキング用の案内溝5の深さは、前以って知られてい
るが、基板1に対して図5の(d)に示すようにレーザ
光7を入射させた図5の(c)に示されている構成態様
のもの、すなわち、基板1の一方の面上にランドの部分
とトラッキング用の案内溝5の部分に記録済みの記録層
2rが存在している状態の部分とが所定のピッチで配列
している構成態様のものにおけるトラッキング用の案内
溝5の部分の深さを、前記のように矩形近似された回折
格子の深さとして算出することによって得られたトラッ
キング用の案内溝5の部分の見掛け上の深さの値は、基
板1に予め形成させてあるトラッキング用の案内溝5の
深さに比べて異っているものとなる。そして、前記のよ
うに矩形近似された回折格子の深さとして算出すること
によって得られたトラッキング用の案内溝5の部分の見
掛け上の深さの値と、基板1に予め形成させてあるトラ
ッキング用の案内溝5の深さとの違いは、基板1に構成
させてあるトラッキング用の案内溝5内に存在している
物質(媒質)の屈折率が互に異なっていることによって
生じるものと考えられるから、基板1に予め形成させて
あるトラッキング用の案内溝5の深さと、前記のように
して算出した矩形近似された回折格子の深さとの差の値
に基づいて、トラッキング用の案内溝5の部分に記録済
みの状態になされた記録層2rの屈折率を容易に算出す
ることができる。そして、前記のように求めた記録後の
記録層2の屈折率の測定値n2rと、前以って知られてい
る記録前の記録層2の屈折率n2との差n2−n2r=Δn
を演算することにより、必要となされている記録層2に
おける記録前後の記録層2の屈折率の差Δnを求めるこ
とができるのである。
【0029】
【表1】
【0030】表1は、一方の面にトラッキング用の案内
溝5,5…が設けられている厚さが1.2mmで直径が
120mmのポリカーボネート樹脂製の基板1上に、
1,1'−ジブチル−3,3,3',3’−テトラメチル
−4,5,4’,5’−ジベンゾインドレニンジカルボ
シアニンパークロレートを含む色素材料によって構成さ
せた記録層2と、600nmの厚さに金の薄膜をスパッ
タリング法によって形成させた金属反射層3と、紫外線
硬化樹脂をスピンコート法によって塗布した後に紫外線
を照射して硬化させて構成した厚さ5ミクロンの保護層
4とを順次に積層して構成させた光ディスクとして、基
板1に構成させるトラッキング用の案内溝5の深さを、
種々に設定したり、記録層2の厚さを種々に設定して作
った4種類の光ディスクのサンプルについて、情報記録
用の光の照射の前後における記録層における屈折率の実
数部の差Δn、記録前の反射率、トラッキング誤差信号
の変化量、変調度、等の測定値を示した表である。な
お、前記した光ディスクの各サンプルは、EFM信号に
よって強度変調した情報記録用の光ビームによって記録
してあるものである。
【0031】
【発明の効果】以上、詳細に説明したところから明らか
なように本発明の光ディスクは、深さがGであるような
トラッキング用の案内溝を設けてある透明基板における
トラッキング用の案内溝が設けてある方の板面上に、情
報記録用の光の波長に感受性を有していて前記した情報
記録用の光の照射によって屈折率が変化する記録材料に
よって構成されている記録層が前記した情報記録用の光
によって照射される以前の記録層の状態が、 n1×G+n2(d1−d2)=(N×λ/4)+(λ/16)±(λ/40) …(a) [ただし、n1は透明基板の屈折率、n2は記録層の屈折
率、Gはトラッキング用の案内溝の深さ、λは情報記録
用の光の波長、d1は透明基板におけるトラッキング用
の案内溝以外の部分における記録層の厚さ、d2は透明
基板におけるトラッキング用の案内溝の部分における記
録層の厚さ、Nは零及び正の整数] (a)式で示されるとともに、情報記録用の光の照射の
前後における記録層における屈折率の実数部の差をΔn
として表わしたときに、前記した情報記録用の光によっ
て照射された記録層における屈折率の変化が、 Δn×d2=(λ/4)−2{(λ/16)±(λ/40)} …(b) (b)式によって示されるように構成したものであるか
ら、この本発明の光ディスクでは、大きな変調度の再生
信号が得られるとともに、記録の有無とは関係なくトラ
ッキング信号のレベルの変化を小さくでき、良好、安定
な記録再生状態での記録再生動作を記録再生装置に行な
わせることができるのであり、また、記録層として有機
色素を用いてコンパクト・ディスクと互換性のある追記
型の光ディスク、書換型の光ディスク、読出し専用領域
(ROM領域)と記録再生可能領域(RAM領域)とが
混在する光ディスク等を容易に提供することができ、さ
らにコンパクト・ディスクとの互換性を問わない光ディ
スク、例えば再生用の光の波長が780nm以外の光が
用いられる光ディスク、貼り合わせ型の光ディスク、エ
アーサンドイッチ型の光ディスク、直径が80mm,1
20mm以外の光ディスク等についても本発明は良好に
実施できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光学的記録媒体円盤の実施態様の一部
の斜視断面図である。
【図2】本発明の光学的記録媒体円盤の実施態様の一部
の斜視断面図である。
【図3】本発明の構成原理の説明に使用される光学的記
録媒体の断面図である。
【図4】光ディスクにおける信号面におけるピットの部
分とランドの部分からの反射光に関連して得られる再生
信号レベルと、所謂プッシュプル法によるトラッキング
誤差検出方式で得られる信号と信号面のピットの深さと
の関係を説明するために使用される図である。
【図5】記録済みの部分の記録層の屈折率を測定する手
段の一例を説明するために使用される図である。
【符号の説明】
1…情報記録用の光及び再生用の光に対して実質的に透
明な材料を用いて構成されているとともに、一方の面に
トラッキング用の案内溝5,5…が設けられている基
板、2…記録層、3…金属反射層、4…保護層、5…ト
ラッキング用の案内溝、6…基板1における読出し専用
領域に設けられたピット、7…レーザ光束、

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トラッキング用の案内溝を設けてある透
    明基板におけるトラッキング用の案内溝が設けてある方
    の板面上に、情報記録用の光の波長に感受性を有してい
    て前記した情報記録用の光の照射によって屈折率が変化
    する記録材料によって構成されている記録層を少なくと
    も備えている光学的記録媒体円盤において、前記した情
    報記録用の光によって照射される以前の記録層の状態
    が、 n1×G+n2(d1−d2)=(N×λ/4)+(λ/16)±(λ/40) …(a) [ただし、n1は透明基板の屈折率、n2は記録層の屈折
    率、Gはトラッキング用の案内溝の深さ、λは情報記録
    用の光の波長、d1は透明基板におけるトラッキング用
    の案内溝以外の部分における記録層の厚さ、d2は透明
    基板におけるトラッキング用の案内溝の部分における記
    録層の厚さ、Nは零及び正の整数] (a)式で示されるとともに、情報記録用の光の照射の
    前後における記録層における屈折率の実数部の差をΔn
    として表わしたときに、前記した情報記録用の光によっ
    て照射された記録層における屈折率の変化が、 Δn×d2=(λ/4)−2{(λ/16)±(λ/40)} …(b) (b)式によって示されるようにして構成してなる光学
    的記録媒体円盤。
  2. 【請求項2】 トラッキング用の案内溝の他に、予め記
    録済み信号領域が形成されている透明基板を用いた請求
    項1の光学的記録媒体円盤。
  3. 【請求項3】 記録層が有機色素を含む記録材料で構成
    されている請求項1の光学的記録媒体円盤。
  4. 【請求項4】 トラッキング用の案内溝を設けてある透
    明基板におけるトラッキング用の案内溝が設けてある方
    の板面上に、記録層と反射層と保護層とを順次に積層し
    てなる請求項1乃至3の何れかに記載の光学的記録媒体
    円盤。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6021996A (en) * 1993-11-26 2000-02-08 Aisin Seiki Kabushiki Kaisha Electromagnetically operable proportional pressure control valve
WO2001059778A1 (fr) * 2000-02-14 2001-08-16 Taiyo Yuden Co., Ltd. Support d'enregistrement d'information optique
WO2004107329A1 (en) * 2003-05-28 2004-12-09 Koninklijke Philips Electronics N.V. Multi-stack optical storage medium
US9412407B2 (en) 2002-08-29 2016-08-09 Koninklijke Philips N.V. Multi-stack optical storage medium

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