JPH0573942U - シート状素材収納カセット - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 リードフレーム等のシート状素材の収納カセ
ットにおいて、サイズの異なる素材用に素早く正確にガ
イドピンを位置調節できるようにする。 【構成】 ガイドピン１４を、ガイドピン１４に所定の
位置関係で固定された支点ピン１５を中心として基板１
１に回転可能に取り付け、ガイドピン１４に所定の位置
関係で固定された位置決めピン１６によって予め定めら
れた複数の回転位置の何れかの位置へ位置決めすること
により、その幅又は長さ方向の位置が調整可能になって
いる。従来のようにガイドピンを所定の位置で一々しっ
かりと特別の工具等を用いて固定する作業が必要でなく
なり、位置決めピン１６を単にその位置へ持って行くだ
けの簡単な操作で正確に位置調節できる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、リードフレーム等のシート状素材の収納カセットに関し、特に、サ イズの異なるリードフレーム等の素材を集積積層して収納可能な収納カセットに 関する。

【０００２】

【従来の技術】

リードフレームは、ＩＣ等の半導体装置を搭載してボンデングワイヤで接続し 、ケースに封入して配線基板等に実装するのに用いられるものであり、その製造 には、金属シートをエッチング又はプレス加工後メッキ処理が施される。リード フレームのシート状素材（ワーク）をメッキ等の処理をする場合において、その ワークを集積、積層して搬送、保管するカセットが必要になる。ワークには各種 サイズのものがあり、そのカセットは何れのサイズにも適応できるものでなけれ ばならない。

【０００３】 従来、リードフレーム等のワークをメッキ等の処理する場合において、その搬 送、保管に使用されるカセットとしては、図２に示すようなものが用いられてい た。これは、図示したように、基板１上に集積、積層して載置されたリードフレ ーム等のシート状の素材を、ガイドピン２により４方向で位置決めして固定する 方式のものであり、ガイドピン２は、基板１に４方向へ向いて設けられた溝３中 を移動可能に固定される。ワークのサイズに対応できるように、溝３の近傍にワ ークのサイズに対応した数字４等が明示されており、その数字４の位置へガイド ピン２を移動固定して、そのサイズのワークを収納する。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

上記のような方式のカセットの場合、ワークの各サイズに応じた位置へガイド ピン２を移動固定する際に、各サイズに応じた位置を作業者が一々確認し、その 位置で固定することが必要であり、ある許容範囲内の位置に速く、正確にガイド ピン２を固定するには難があった。リードフレーム素材のメッキ処理等では、そ の品種（サイズ）も多く、また工程も多いため、その集積、積層、搬送の工程も 多く、作業上、上記のガイドピン２を素早く正確に位置調節できないことは大き な問題となっていた。

【０００５】 本考案はこのような状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、リードフ レーム等のシート状素材の収納カセットにおいて、サイズの異なる素材用に素早 く正確にガイドピンを位置調節できるようにすることである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成する本考案のシート状素材収納カセットは、シート状素材をガ イドピン間に案内して集積、積層して収納するカセットにおいて、シート状素材 の幅又は長さ方向を固定するためのガイドピンが、該ガイドピンに所定の位置関 係で固定された支点ピンを中心として基板に回転可能に取り付けられ、該ガイド ピンに所定の位置関係で固定された位置決めピンによって予め定められた複数の 回転位置の何れかの位置へ位置決めされることにより、その幅又は長さ方向の位 置が調整可能になっていることを特徴とするものである。

【０００７】 この場合、支点ピン及び位置決めピンと異なる位置関係にある複数のガイドピ ンを用い、これらのガイドピンが選択的に使用可能になっているのが望ましい。 また、支点ピンの長さが位置決めピンの長さより長く、支点ピンが基板に引っ張 りばね付勢をかけて回転可能に取り付けられるようにしてもよい。

【０００８】

【作用】

本考案においては、シート状素材の幅又は長さ方向を固定するためのガイドピ ンが、このガイドピンに所定の位置関係で固定された支点ピンを中心として基板 に回転可能に取り付けられ、このガイドピンに所定の位置関係で固定された位置 決めピンによって予め定められた複数の回転位置の何れかの位置へ位置決めされ ることにより、その幅又は長さ方向の位置が調整可能になっているので、従来の ようにガイドピンを所定の位置で一々しっかりと特別の工具等を用いて固定する 作業が必要でなくなり、位置決めピンを単にその位置へ持って行くだけの簡単な 操作で正確に位置調節できる。なお、ガイドピンに対する支点ピン位置を変える ことにより、従来のものより各種サイズに対応する位置が広くとれ、位置の判断 も楽になる。

【０００９】

【実施例】

以下、図１を参照にして本考案のシート状素材収納カセットの実施例について 説明する。 本考案者は、鋭意努力の結果、前記の問題を解決するために、図１に示したよ うなシート状素材を集積、積層する収納カセットを考案したものである。すなわ ち、図１（ａ）の斜視図に示すように、この収納カセットは、シート状素材を集 積、積層して載置する基板１１と、シート状素材を案内し、４方向で位置決めし て固定するガイドピン部材１２とからなり、ガイドピン部材１２は、図１（ｃ） に側面図を示すように、アーム部１３と、アーム部１３の先端に垂直上方に植設 されたガイドピン１４と、アーム部１３のほぼ中心に垂直下方に植設された比較 的長い支点ピン１５と、アーム部１３の後端に垂直下方に植設された比較的短い 位置決めピン１６とからなる。一方、基板１１の各ガイドピン部材１２取り付け 位置には、同図（ａ）の円で囲んだ部分の拡大平面図である同図（ｂ）に示すよ うに、ガイドピン部材１２の支点ピン１５を嵌め込む支点穴１７と、支点穴の周 囲に一定の半径でかつ間隔をおいて位置決めピン１６が嵌め込まれる複数の位置 決め穴１８₁ 、１８₂ （図示において、位置決め穴群１８₁ は短い半径の円周上 に設けられ、位置決め穴群１８₂ は長い半径の円周上に設けられている。）とが 設けられており、各位置決め穴１８₁ 、１８₂ の近傍には、その位置に対応する 数字１９等が明示されている。

【００１０】 以上のような構成であるので、収納する素材のサイズを変更する場合、基板１ １の各支点穴１７に支点ピン１５で嵌め込まれているガイドピン部材１２を外す か多少引き抜き、位置決めピン１６を位置決め穴１８₁ から抜いて、所望のサイ ズ位置（ｎ₆ ’、ｎ₇ ’、ｎ₈ ’の何れか）へ支点ピン１５を中心にしてアーム 部１３を回転して、再度その位置の位置決め穴１８₁ へ位置決めピン１６を嵌め 込むことにより、ガイドピン１４の位置を異なる幅又は長さに対応するｎ₆ 、ｎ ₇ 、ｎ₈ の何れかへ素早く正確に位置決めできる。

【００１１】 なお、アーム部１３の長さの異なる２個以上のガイドピン部材１２を用意いて おき、これらを交換することにより、図示の場合、ガイドピン１４の位置をｎ₁ 、ｎ₂ 、ｎ₃ 、ｎ₄ 、ｎ₅ の何れかへ位置決めできるようになる（位置決め穴は １８₂ になり、それぞれｎ₁ ’、ｎ₂ ’、ｎ₃ ’、ｎ₄ ’、ｎ₅ ’が対応する。 ）。

【００１２】 この方式によると、上記の従来のカセット方式とは異なり、位置決めピン１６ 位置を選定するだけの作業で、各種サイズに対応したガイドピン位置が選べ、特 に、従来のピンを固定する作業を必要としない。

【００１３】 なお、本考案は、以上の実施例に限定されず、種々の変形が可能である。例え ば、ガイドピン部材１２の支点ピン１５を支点穴１７の中に引き込むようにバネ 付勢して取り付けるようにしてもよい。この場合は、位置決め作業がより迅速化 する。

【００１４】

【考案の効果】

以上の説明から明らかなように、本考案のシート状素材収納カセットによると 、シート状素材の幅又は長さ方向を固定するためのガイドピンが、このガイドピ ンに所定の位置関係で固定された支点ピンを中心として基板に回転可能に取り付 けられ、このガイドピンに所定の位置関係で固定された位置決めピンによって予 め定められた複数の回転位置の何れかの位置へ位置決めされることにより、その 幅又は長さ方向の位置が調整可能になっているので、従来のようにガイドピンを 所定の位置で一々しっかりと特別の工具等を用いて固定する作業が必要でなくな り、位置決めピンを単にその位置へ持って行くだけの簡単な操作で正確に位置調 節できる。なお、ガイドピンに対する支点ピン位置を変えることにより、従来の ものより各種サイズに対応する位置が広くとれ、位置の判断も楽になる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案のシート状素材収納カセットの１実施例
の構成を説明するための図である。

【図２】従来のシート状素材収納カセットの斜視図であ
る。

【符号の説明】

１１…基板 １２…ガイドピン部材 １３…アーム部 １４…ガイドピン １５…支点ピン １６…位置決めピン １７…支点穴 １８₁ 、１８₂ …位置決め穴 １９…数字等

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 シート状素材をガイドピン間に案内して
   集積、積層して収納するカセットにおいて、シート状素
   材の幅又は長さ方向を固定するためのガイドピンが、該
   ガイドピンに所定の位置関係で固定された支点ピンを中
   心として基板に回転可能に取り付けられ、該ガイドピン
   に所定の位置関係で固定された位置決めピンによって予
   め定められた複数の回転位置の何れかの位置へ位置決め
   されることにより、その幅又は長さ方向の位置が調整可
   能になっていることを特徴とするシート状素材収納カセ
   ット。
2. 【請求項２】 支点ピン及び位置決めピンと異なる位置
   関係にある複数のガイドピンを用い、これらのガイドピ
   ンが選択的に使用可能になっていることを特徴とする請
   求項１記載のシート状素材収納カセット。
3. 【請求項３】 支点ピンの長さが位置決めピンの長さよ
   り長く、支点ピンが基板に引っ張りばね付勢をかけて回
   転可能に取り付けられていることを特徴とする請求項１
   又は２記載のシート状素材収納カセット。