JPH0573093A - 信号特徴点の抽出方法 - Google Patents

信号特徴点の抽出方法

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JPH0573093A
JPH0573093A JP3265197A JP26519791A JPH0573093A JP H0573093 A JPH0573093 A JP H0573093A JP 3265197 A JP3265197 A JP 3265197A JP 26519791 A JP26519791 A JP 26519791A JP H0573093 A JPH0573093 A JP H0573093A
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signal
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discontinuity
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JP3265197A
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English (en)
Inventor
Hidenori Kawahara
英紀 河原
Toshio Irino
俊夫 入野
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Nippon Telegraph and Telephone Corp
Original Assignee
Nippon Telegraph and Telephone Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 wavelet変換の位相成分から導かれる指標を
用い、信号に含まれる各種の不連続の位置を、信号の定
常性を仮定せず、また、信号に含まれる雑音に影響され
ずに抽出する。 【構成】 フィルタ部2,3,4,5は、入力端子1か
ら時間的に変化する信号を加えられ、wavelet変換論理
に基づいて動作する。ここで、フィルタ6,7の出力
は、各々wavelet変換の実部、虚部を表わす。掛算部9
はフィルタ部2,3,4,5の出力と荷重およびスケー
ル依存性計算部8で求めた荷重との乗算を行う。掛算部
9の出力を、加算器12,13、2乗器14,15、加
算器16を通し、平方根計算部17に与えて特徴点指標
の絶対値を求め、また、位相計算部18で位相を求め
る。特徴点抽出部19は、これらの値に基づいて特徴点
位置、特徴点パラメータを抽出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、時間的に変化する信号
の特徴点を、信号に含まれる各種の不連続性を用いて特
徴付ける方法に関する。この種の方法は、音声の符号化
における音源信号の抽出を始めとして、音声や楽器音の
ピッチ抽出、電子楽器用の音源を録音データから切り出
す場合の最適な切り出し位置の決定、音楽などのデジタ
ル編集における最適な編集点の決定、心電図などの生体
信号の記述と診断、機械音からの異常の検出や診断など
に広範に応用される。
【0002】
【従来の技術】従来、このような音声、楽器音、心電
図、機械音などの時間的に変化する信号の特徴的な点を
見いだす方法には、次のような方法が知られている。 (1) 信号波形の予測に基づき予測からのずれが急変する
部分を抽出する方法。 (2) 信号波形に非線形処理を行い周波数スペクトルを平
担にして積分操作を行うことにより基本的な周期を強調
する方法。 (3) 波形の高い周波数成分を取り出して振幅の包絡を計
算することで特徴的な時点を取り出す方法。 (4) wavelet変換を用いて不連続点のまわりで奇関数に
なる部分を抽出する方法。
【0003】また、ピッチの抽出方法では、上で述べた
方法に加えて次の方法がある。 (5) 信号あるいは信号を非線形処理した信号あるいは信
号を線形予測したときの予測残差信号の短時間自己相関
係数を用いることによって、その最大値を与える時間遅
れに基づいてピッチを抽出する方法。
【0004】(1)の方法は、波形のある時点での標本値
をそれ以前の標本の値の線形結合で表した場合の予測値
と実際の値の差として定義される予測残差信号が急激に
増加する部分を検出することに基づいている。この方法
では、母音のように、ある時間的範囲の中で信号の特性
がほぼ定常的なあることを前提としており、子音から母
音への変化のような部分では定常性の仮定が成立しない
ために、特徴的な点の検出に誤りを生ずる。また、この
方法を単純に適用して得られる予測残差信号には多数の
ピークが発生するため、予測残差信号を低域フィルタに
通した信号を用いて、そのピークや零交差点として特徴
点を抽出するような工夫も行われているが、同様に定常
性の仮定に依存しており、定常性が成立しない信号の場
合には同様な問題を有している上に、低域フィルタの遮
断周波数を適切に決めるために、あらかじめ信号の周期
についてのおおまかな見積もりが必要であるという問題
をも有している。さらに、差残信号から出発して、最初
に幾つかの代表的なパルスを抽出して、それを用いて先
に求めた線形予測係数による合成フィルタで再合成した
波形の誤差が小さくなるように順にパルスを加えること
で特徴点を抽出する方法もあるが、繰り返し計算を多数
含んで計算量が多い上に、定常性を仮定して求められた
残差を仮定に遡って補正するのではなくパルスを加える
ことで近似度を上げようとしているため、必要以上に多
数のパルスを要するという問題があった。さらにまた、
この原理に基づく方法では、波形の編集などへの適用の
場合に、最適な編集点を合理的に与える基準を有してい
ないという問題もある。
【0005】(2)の方法は、信号を非線形の入出力特性
を通すことで多数の高調波を発生させることにより、元
の信号のスペクトル包絡の山谷を平担にして共振特性の
影響を軽減して周期性を強調しようとするものである。
この方法においても、波形を非線形特性を通しただけで
は多数のピークが発生するために、特徴点の抽出におい
ては何等かの低域フィルタによる平滑化が必要であり、
あらかじめ周期についてのおおまかな情報が必要である
という問題を有している。さらに、この方法では、信号
が定常的でない場合には、非線形特性を通した波形は同
じ周期を有していても変化していくために、このような
過渡部分での特徴点の抽出結果には系統的な誤差が発生
するという問題点が有る。また、この原理に基づく方法
も、(1)の方法と同様に、波形の編集などへの適用の場
合に、最適な編集点を合理的に与える基準を有していな
いという問題がある。
【0006】(3)の方法は、高い周波数領域においては
過渡的な現象の接続時間が短くなる傾向が有るという性
質を利用して、高域通過あるいは帯域通過フィルタを用
いて高い周波数成分を取り出し、その成分に対して例え
ばHilbet変換を用いることで振幅包絡を抽出し、その
ピークを取り出すことで、特徴的な現象が生じている時
点を抽出しようとするものである。しかし、この方法
は、通常の信号では高い周波数成分は減衰しており、信
号対雑音比が劣化していることを考慮していないため、
雑音が存在する場合には急速に性能が低下するという問
題を有している。また、波形の編集等への応用では、こ
の方法により抽出される特徴点時点が編集に最適である
という補償がないという問題も有している。
【0007】(4)の方法は、非定常な信号の分析方法と
して最近提案された理論であるwavelet変換を用いて、
原点に対して奇関数であるような分析のための波形を用
いることで、音声の主要な不連続を引き起こす声門の閉
止時点を抽出する方法である。この方法では、上で述べ
た分析のための波形を適当に比例的に拡大した波形をイ
ンパルス応答とするようなフィルタに分析対象となる信
号を通すことにより得られる出力の極大点として特徴的
な点を抽出している。この方法では、音声の周期のおお
よその値を見積もり、その領域の信号の処理に適するよ
うに分析のための波形の拡大率を決めており、単独のフ
ィルタの出力に基づいて抽出を行っている。したがっ
て、解析しようとする信号の周期が明らかでない場合
や、一つの周期に含まれる特徴的な点の数が明らかでな
い場合には適用できないという問題があった。
【0008】(5)の方法は、信号あるいは加工信号の自
己相関の最大値を抽出することで、特徴点そのものでは
なく、特徴が繰り返される基本的な周期を求めようとす
るものであり、信号の編集や加工には直接的には利用で
きないという問題を有している。また、周期の抽出方法
として見た場合も、元の信号を(1)で述べた方法により
処理した予測残差や(2)の方法で処理したものを用いて
いるため、信号の過渡的な変化部分で誤りを生ずるとい
う問題があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従来の方法では、(1)
(2)(3)のように何等かの形で信号の定常性を仮定して
いたり、(3)のように信号の観測には雑音が含まれない
ことを仮定していたり、(4)のように信号に含まれる不
連続の発生周期について仮定を置いていたりしており、
これらの仮定が成立しない場合には、特徴点の抽出誤り
やピッチの抽出誤り、ひいてはそれらの抽出結果に基づ
く合成音、加工音の品質の劣化、診断の誤りを招てい
た。
【0010】本発明の目的は、(1)信号の定常性を仮定
せずに特徴点を抽出すること、(2)信号に含まれる雑音
の影響に敏感でないこと、(3)信号に含まれる各種の不
連続の発生周期の広い範囲の変化に対応できること、な
どを可能にする信号特徴点の抽出方法を提供することに
ある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は非定常な信号を分析するための新しい理論
であるwavelet変換の位相から導かれる指標を用いるこ
とを特徴とするものである。本発明の原理を以下に説明
し、最後に具体的な指標を(8)式として示す。
【0012】分析の対象となる信号を時間の関数f(t)
として表す。関数f(t)のwavelet変換は、次式で定義さ
れる。
【数1】
【0013】ga,b(t)は、次式で定義されるように、
g(t)から拡大/縮小と並行移動により作成される。wav
elet変換は、gの複素共役をインパルス応答とするよう
なフィルタバンクの出力全体を表していると見做すこと
が出来る。
【数2】
【0014】g(t)は、次のadmissibility条件と呼ばれ
る条件を満たす関数であれば自由に選ぶことができる。
【数3】
【0015】ここで、g(t)として複素平面の上半分で
正則となる解析信号を用いることとする。具体的には、
分析の目的に応じて実部の形を決めた後、虚部をHilbe
rt変換により定める。g(t)の例としては、(1) Mexica
n−hat(ラプラシアンガウシャン)関数、(2) Gabor関
数、(3) Mallatによる直交wavelet[S.Mallat:
“A theory for multi signal decomposition:The w
avelet representation,”IEEE Trans.Pattern
Analysis and Machine Intelligence,31,674
−693(1989).]、(3) 聴覚系のインパルス応答
[入野俊夫、河原英紀:“聴覚系インパルス応答を用い
たwavelet変換による分析合成”、音響学会春期研究発
表会講演論文集、1−8−1、(1991.3).]、等
を用いることができる。(1)から(3)までは、実部の最大
値の位置を原点とする実部が偶関数、虚部が奇関数とな
る。以下では、(1)から(3)のようなanalyzing wavelet
を対象として不連続性を抽出するための指標の求め方を
説明するが、平均的な遅延を補正することで、(4)のよ
うなanalyzing waveletについても同様にして不連続性
を抽出するための指標を求めることができる。
【0016】信号に含まれる不連続が、どのようにwave
let変換に現れるかを調べる。以下の議論では、不連続
点は飛び飛びに離れて存在していると考えることにす
る。文献[R.Kronland−Martinet,J.Morlet and
A.Grossmann:“Analysis of sound patterns throu
gh wavelet transforms,”Int.J.Pattern Recogni
tion Artiff.Intell.,1(2):,273−302
(1987)]では、次の性質が指されている。 (1) 小さなスケールの領域でのwavelet変換の絶対値
は、不連続点の近くで大きくなる。 (2) 等しい位相を結んだ線分が、不連続点の位置をt0
とすると、a=0,b=t0に向って集まる。
【0017】これらの性質が導かれた道筋を追い、その
結果に基づいて、不連続点を特徴づけるための指標を導
出する。
【0018】ある不連続点の位置をt0とする。この点
以外では関数は滑らかであるとする。t0の近くで、時
間軸の伸縮sと関数の変化の関数を規定するスケール則
が、sの指数D(t0)を用いて次のような形で表される
と仮定する。
【数4】
【0019】(4)式を(1)式の定義に代入し、(3)の条件
がg(t)の直流分が0であることを意味することに注意
して整理すると、関数fのwavelet変換は次のようなス
ケーリング則に従うことが分かる。
【数5】
【0020】時間軸の伸縮を表すパラメタsおよびその
指数を実数とすると、(5)式は、一般には複素数であるw
avelet変換の位相がスケール−時間平面上の(sa,t0+
sε)と(a,t0+ε)において等しくなることを意味
している。すなわち、スケール−時間平面上のある点
(a0,b0)が与えられば、次式で表される直線上での位
相が等しいことになる。
【数6】
【0021】s→0とすることにより、等しい位相の部
分を結んだ線がa=0,b=t0に向って集まることが
わかる。特にε=0とすると、(5)式から、t0では、wa
velet変換はaの値に関わらず、同一の位相になること
が分かる。
【0022】t0におけるwavelet変換の位相がどのよう
な値を取るかは、t0における不連続の様子とanalyzing
waveletの性質に依存する。例えば、analyzing wavele
tとして実部が原点に関して対象であり虚部がそのHilb
ert変換であるようなものを用いた場合には、分析対象
の信号がt0に関して対称であれば、wavelet変換は実数
となり、位相は0となる。t0を挟んで符号が負から正
に変化するような回転対象形の場合には、位相はπ/2
となる。
【0023】これらの不連続性を抽出するための指標を
提案するための準備として、wavelet変換を位相項と絶
対値項を用いて次のように書き表す。
【数7】
【0024】ここで、等位相線がt0に集まることに注
目し、位相のみから計算できる量で不連続の位置を表
す。不連続点t0においては、位相はスケールに依存せ
ずに同一になる。一方、他の時点では、位相はスケール
パラメタaの関数となり、aが異なれば殆ど一致するこ
とはない。したがって、次式(8)で定義される指標ξ
(b)を計算すれば、ξ(b)の絶対値はt0において最大値
を取ることがわかる。θは、補正のための係数であり、
0とおいても構わない。θとしてt0におけるwavelet変
換の位相の値を選べば、ξ(b)の実部の最大値を求める
だけで不連続点を抽出することができる。
【数8】
【0025】ここで、w(a)は正規化のための非負の係
数である、次の条件を満たすものとする。
【数9】
【0026】このようにして不連続の位置t0が求めら
れれば、位相θと、t0におけるwavelet変換の絶対値が
aの変化にどのように依存するか(スケール依存性)を
表すスケーリングパラメタD(t0)により、t0での不
連続の性質が特徴付けることができる。
【0027】
【作用】本発明の方法では、非定常な信号の新しい分析
方法であるwavelet変換の位相成分から導かれる指標を
用いることにより信号に含まれる各種の不連続の位置を
検出するものであって、まず、信号の定常性に依存しな
い性質を原理的に有しており、次に、wavelet変換の理
論に基づいて多数のフィルタからなるフィルタバンクの
出力の位相関係をw(a)を用いて合理的かつ総合的に集
約することにより、一部分に含まれる雑音の影響を受け
ない頑健な方法となっており、更に、w(a)の重みを信
号のエネルギーの大部分を含む領域の情報を抽出するよ
うに設定することにより、信号の周期性に予め仮定を設
けることを必要としない方法となっている。また、本方
法の原理として用いているwavelet変換の理論は、人間
の聴覚機構の動作原理であることから[河原英紀:“ウ
ェーブレット解析の聴覚研究への応用,”日本音響学会
誌、47,6,424−429(1991)]、抽出さ
れた特徴や本方法により編集および加工された信号は、
人間にとってより自然に聴こえるという効果が期待でき
る。
【0028】
【実施例】以下、本発明の一実施例について図面により
説明する。
【0029】図1は本発明の一実施例の構成図を示す。
図中、1は入力信号の加えられる端子であり、該端子1
の入力信号は多数のフィルタの組の上に与えられる。2
は離散wavelet変換における一つのスケールaの値に対
応する係数を計算するためのフィルタの組であり、3,
4,5は、他のスケールの値についての係数を求めるた
めのフィルタの組である。一つのフィルタの組2は6と
7の二つのフィルタから構成される。6と7のフィルタ
は出力が互いに直交するように設計されており、フィル
タ6の出力はwavelet変換の実部を表し、フィルタ7の
出力はwavelet変換の虚部を表す。他のフィルタの組に
ついても同様である。
【0030】荷重およびスール依存性計算部8は(9)式
の条件を満たすw(a)を設定する部分である。この計算
部8では、各フィルタの組2,3,…4,5の出力を複
素数と見做したときの絶対値を計算することによって、
信号のエネルギーの大部分が存在する範囲のスケールに
対応するフィルタの組についてのみゼロでない荷重を設
定するとともに、最終的な特徴点の性質を表すパラメタ
である絶対値のスケール依存性を計算する。具体的な荷
重の設定の方法としては、(1) 各々の荷重を等しくする
場合、(2) 荷重が−6dB/octで小さなスケールになる
程、減少するようにする場合、(3) 荷重が−12dB/o
ctで小さなスケールになる程、減少するようにする場
合、等があり、これらを全て並列に計算してもよい。
【0031】掛算部9は各フィルタの組2,3,…4,
5の出力、及び、計算部8のw(a)を入力し、(8)式の
計算に含まれるかけ算を行う部分であり、wavelet変換
の実部と虚部に対応して、10や11のようなかけ算器
群から構成されている。掛算部9における各積の実部は
加算器12で加算されて(8)式の指標ξの実部となり、
虚部は加算器13で加算されて(8)式の指標ξの虚部と
なる。加算器12の出力のξの実部は2乗器14により
2乗され、また、加算器13の出力のξの虚部は2乗器
15により2乗され、これらが加算器16により加算さ
れることで、ξの絶対値の2乗が求められ、平方根計算
部17により絶対値に変換される。また、加算器12,
13の出力のξの実部の値と虚部の値から、位相すなわ
ち複素数の偏角の計算部18により位相が求められる。
これらの値に基づいて、特徴点抽出部19により、振幅
の極大値の中で1に近いものから特徴点として選択され
て特徴点位置出力端子20に出力され、また、荷重およ
びスケール依存性計算部8の出力に基づいて、その性質
が位相とその点における絶対値のスケール依存性として
抽出されて特徴点パラメタ出力端子21に出力される。
【0032】図2に、本発明による信号の分析例を示
す。22は分析対象となる信号波形である。23は、2
2を時間的に微分した波形である。23は、説明のため
に導入したものであり、本発明の構成要素ではない。2
4は、本発明の方法により計算された指標ξの絶対値で
ある。指標の絶対値は0から1までの間の値を取るの
で、縦軸は0から1までの範囲を表すようにしている。
25は、本発明の方法により計算された指標ξの位相で
ある。指標ξの位相は−180度から180度までの値
を取るので、縦軸は−180度から180度までの範囲
を表すようにしている。
【0033】分析対象とした信号波形22には、その微
分波形23から明らかなように、26で示される点にお
いて2次導関数に不連続が有り、27で示される点にお
いても2次導関数に不連続が有り、さらに28では1次
導関数に不連続がある。24での極大値を大きいものか
ら順に取り出すと、3個の特徴点が抽出できる。ここ
で、29は28の不連続に対応しており、30は27の
不連続に対応しており、31は26の不連続に対応して
いる。これらの各々の特徴点について、25を調べるこ
とで、性質を特徴づけることができる。即ち、34は2
8の不連続に対応しており、150度の位相を有し、3
3は27の不連続に対応しており、0度の位相を有し、
32は26の不連続に対応しており、140度の位相を
有していることが分かる。また、各々の特徴点における
ξの絶対値のスケール依存性を調べることにより、26
と27では、スケール依存性を表す指数Dが1であり、
28ではスケール依存性を表す指数Dが0であることが
分る。
【0034】図1では、整数wavelet変換の係数を求め
るためのフィルタ部分を、各々個別に構成して並列に動
作させているが、サンプル値の再配置により、従続接続
されたフィルタ群を用いても良い。
【0035】本発明による方法をピッチ抽出に用いる場
合には、w(a)として−6dB/octや−12dB/octを
用いることにより、基本周期を際だたせることが有効で
ある。
【0036】また、本発明による方法を最適な切りだし
位置の決定に用いる場合には、信号波形がゼロを交差す
る点を候補として、その中に特徴点があればそれを切り
出しの最適点として用い、特徴点が候補に含まれない場
合には、特徴点よりも前で最も特徴点に近い候補点を最
適点として選ぶことで、切断に伴う歪みを最小にでき
る。
【0037】同様に、本発明による方法を編集に用いる
場合には、信号波形の値が同じでしかも不連続の性質が
同じ特徴点が重なるように編集点を決定することで、全
体としての不連続の構造を変えずに編集を行うことがで
きる。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
信号の特徴点の抽出においてwavelet変換の多数のチャ
ネルの位相情報全体を統合して利用する方法であるため
に以下で述べる利点がある。 (1) 信号の物理的性質が時間とともに変化する過渡的な
部分においても、誤り無く安定に特徴点を抽出すること
ができる。 (2) 信号に雑音が含まれていても、全体的な情報を統合
して利用しているために安定に誤り無く特徴点を抽出す
ることができる。 (3) 信号の周期についての特別の過程に基づいていない
ため、広い範囲の発生間隔に対しても容易に対応するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の構成図である。
【図2】本発明による信号の分析例を示す図である。
【符号の説明】
1 入力端子 2,3,4,5, フィルタ部 8 荷重およびスケール依存性計算部 9 掛算部 12 特徴点指標実部計算用加算器 13 特徴点指標虚部計算用加算器 14,15 2乗器 16 絶対値計算用加算器 17 絶対値計算用平方根計算部 18 位相(偏角)計算部 19 特徴点抽出部 20 特徴点位置出力端子 21 特徴点パラメタ出力端子

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 時間的に変化する信号から、その信号を
    特徴付ける信号の値そのものあるいは信号の1次導関数
    あるいは高階の導関数の不連続の位置および不連続点で
    の位相およびスケール依存性を、wavelet変換理論に基
    づいて動作するフィルタ群の出力を統合して計算される
    評価量に基づいて抽出することを特徴とする信号特徴点
    の抽出方法。
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