JPH0572462B2 - - Google Patents
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- JPH0572462B2 JPH0572462B2 JP3704190A JP3704190A JPH0572462B2 JP H0572462 B2 JPH0572462 B2 JP H0572462B2 JP 3704190 A JP3704190 A JP 3704190A JP 3704190 A JP3704190 A JP 3704190A JP H0572462 B2 JPH0572462 B2 JP H0572462B2
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Landscapes
- Heat Treatment Of Steel (AREA)
- Heat Treatment Of Sheet Steel (AREA)
Description
本発明は、伸びフランジ性、疲労特性及び抵抗
溶接性にすぐれた高強度鋼板に関する。 近年、自動車の燃費の節減のために、種々の対
策が検討されており、なかでも、車体の軽量化
は、そのための最も効果的な対策であつて、この
車体軽量化のために、車体の小型化と、それに平
行して、高強度鋼板或いはAl合金の採用等の材
料変更等の多くの試みがなされている。これらの
なかで、車輪の軽量化は、燃費節減に極めて有効
な手段であつて、ホイールリムやデイスクへの高
強度鋼板の適用が鋭意検討されている。 このように高強度鋼板として、フエライト及び
マルテンサイトからなる複合組織鋼板、即ち、
Dual Phase鋼板が提案されている。この複合組
織鋼板は、降伏比が低く、強度に比べて伸びが大
きく、成形性、形状凍結性がすぐれているが、し
かし、伸びフランジ性の面で劣つている。従つ
て、ホイールデイスクへの適用に際して、デイス
ク成形時の穴拡げ部からの割れの発生や、また、
疲労試験時又は走行試験中の穴拡げ部からの割れ
の発生等の問題が解消されないままである。ま
た、ホイールリムへの適用に際しては、フラツシ
ユバツト溶接後に行なわれるロール成形時に割れ
が発生する問題がある。例えば、成形時に熱影響
部からの割れ発生率が約50%にも達するといわれ
ている。 本発明者らは、伸びフランジ性を改善すべく、
鋼板組織とこれら特性との関係を詳細に調査研究
し、既に、鋼板組織をポリゴナルフエライトとベ
イナイトとマルテンサイトの3相複合組織とする
ことが望ましいことを見出している。そこで、本
発明者らは、更に、研究を重ねた結果、上記3相
組織において、各組織を面積率にて適正量に調整
したときにも、マルテンサイトの大きさが伸びフ
ランジ性に大きい影響を及ぼすことを見出した。 本発明は、かかる知見に基づいてなされたもの
であつて、ポリゴナルフエライトとベイナイトと
マルテンサイトの3相複合組織からなり、各組織
の面積率を特定すると共に、マルテンサイトの大
きさをも特定してなる伸びフランジ性等にすぐれ
る複合組織高強度鋼板を提供することを目的とす
る。 本発明による伸びフランジ性、疲労特性及び抵
抗溶接性にすぐれた高強度鋼板は、重量%にて (a) C 0.01〜0.2%、 Mn 0.6〜2.5%、 Si 0.02〜1.5% を含み、更に、 (b) Cr 0.1〜1.5%、 Cu 0.1〜0.6%、及び B 0.0005〜0.1% よりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素
と、 (c) Nb 0.01〜0.1%、及び Ti 0.01〜0.1% よりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素と
を含み、残部鉄及び不可避的不純物よりなり、S
を0.02%以下に規制した鋼であつて、その組織が
ポリゴナルフエライト、ベイナイト及びマルテン
サイトの3相からなり、ベイナイト面積率4〜45
%、マルテンサイト面積率1〜15%であると共
に、マルテンサイト面積率がベイナイト面積率よ
りも小さく、且つ、マルテンサイトの平均直径が
6μ以下であることを特徴とする。 本発明において、ベイナイトとは、炭化物を内
包するベイナイトのみならず、ベイナイテイツク
フエライト及び所謂アシキユラーフエライトをも
含む。また、マルテンサイトとは、一部、残留オ
ーステナイトをも含む。 本発明による高強度鋼板においては、特に、伸
びフランジ性の観点から、ベイナイト面積率は4
〜45%の範囲とされる。 ポリゴナルフエライト、ベイナイト及びマルテ
ンサイトからなる3相複合組織鋼板は、降伏比に
ついては、フエライト及びマルテンサイトからな
るDual Phase鋼板のそれと近似する低降伏比を
有し、強度−伸びバランスは、フエライト及びベ
イナイトからなる複合組織鋼板と近似する良好な
値を有するという特徴を備えているが、伸びフラ
ンジ性について調査した結果、良好な伸びフラン
ジ性、即ち、穴拡げ率を示すベイナイト面積率4
〜45%の範囲内においても、特に、すぐれた値を
有するものが見出された。 そこで、この原因を明らかにすべく、上記範囲
の鋼板について、マルテンサイトの大きさの差異
に着目し、マルテンサイトの平均直径と穴拡げ率
との関係を調べた結果、マルテンサイトの平均直
径が6μm以下、特に、5μm以下のとき、すぐれた
穴拡げ率、即ち、伸びフランジ性を有することが
明らかとなつた。従つて、本発明による3相複合
組織鋼板においては、マルテンサイトは、その平
均直径が6μm以下、好ましくは、5μm以下に規制
される。 次に、マルテンサイト面積率は、1〜15%の範
囲である。マルテンサイト面積率が15%を越える
ときは、降伏比が上昇し、他方、1%よりも少な
いときは、マルテンサイトの導入効果が少ない。
特に、マルテンサイト面積率は、1〜10%の範囲
が好ましく、また、ベイナイト面積率は、11〜35
%の範囲が好ましい。更に、マルテンサイト面積
率は、ベイナイト面積率より小さいことが望まし
い。 以上のような組織の調整は、後述する化学成分
を考慮したうえで、熱間圧延及びその後の冷却条
件を調節すること、或いは熱間圧延、冷間圧延板
にその後の焼鈍条件(連続焼鈍、バツチ焼鈍)を
調節することによつて得ることができる。 即ち、従来、高強度鋼板を製造する通常の熱延
方法によれば、仕上温度をAr3点以上とし、冷却
速度を40〜70℃/秒とし、巻取温度を550〜650℃
としている。しかし、巻取温度を550℃以上とす
るときは、フエライト以外の組織がベイナイト及
びパーライトのいずれか一方又は両方の組織とな
り、所望のフエライト−ベレイナイト−マルテン
サイト三相組織を得ることができない。 かかる通常の方法に比べて、本発明による鋼
は、例えば、次に示す方法によつて得ることがで
きる。 先ず、第1の方法として、常法にてスラブ加熱
を行ない、これを仕上温度Ar3点以上、通常、
830〜860℃にて熱間圧延し、巻取りまでを平均冷
却速度5℃/秒以上にて冷却し、500℃以下の温
度で巻取る方法を挙げることができる。 この方法において、仕上温度は、熱間圧延後の
オーステナイト粒径をできるだけ小さくするため
に、Ar3点以上の低い方が好ましく、このように
して、オーステナイト粒径を小さくすることによ
つて、変態するマルテンサイト粒径も小さくする
ことができる。 圧延後のオーステナイトは、冷却中に、先ず、
フエライト変態し、未変態オーステナイトの一部
がベイナイト変態する。ベイナイト中には、炭素
の濃縮した微細なオーステナイトも存在する。こ
の組織を500℃以下、好ましくは300〜450℃にて
巻取ることによつて、残余のオーステナイトがマ
ルテンサイトに変態し、最終的にフエライト−ベ
イナイト−マルテンサイト三相組織を形成する。
マルテンサイトは、フエライト粒界及びベイナイ
ト中(粒界及び粒内)に生成するが、特に、ベイ
ナイト中に生成するマルテンサイトが微細である
ために、その平均直径が6μm以下となる。 上記冷却速度が余りに遅いときは、フエライト
生成が制御されるために、ベイナイト及びマルテ
ンサイト量が増加し、その結果、マルテンサイト
の平均直径も6μm以上となる。冷却速度は10〜50
℃/秒の範囲が好ましい。上記冷却速度が5℃/
秒以下及び巻取温度が500℃以上のときは、未変
態オーステナイトがパーライト又はベイナイトの
いずれか一方又は両方を形成し、所望の組織を得
ることができない。 以上のように、ベイナイト及びマルテンサイト
の量とマルテンサイトの平均直径は平均冷却速度
によつて規制され、マルテンサイトの生成は巻取
温度によつて規制される。 次に、第2の方法として、Ar3点以上にて仕上
げた後、Ar1〜Ar3までを10℃/秒以上にて冷却
し、その温度域を2〜20秒間、無注水冷却した
後、巻取りまでを10℃/秒以上にて冷却し、500
℃以下の温度で巻取る方法を挙げることができ
る。 この方法においては、仕上圧延後に生じたオー
ステナイトは、Ar1〜Ar3にて2〜20秒間の無注
水冷却中にフエライトと未変態オーステナイトと
なる。この場合のオーステナイト粒径は、大小の
ものが混在しており、比較的大きいオーステナイ
ト粒は、細粒に比べて、オーステナイト中の炭素
の濃縮度が小さいために、その後の冷却中又は巻
取り中にベイナイトに変態する。一方、細粒の未
変態オーステナイトは、炭素の濃度が高いため
に、巻取りまでは変態せず、巻取り中にマルテン
サイトとなり、かくして、最終的にフエライト−
ベイナイト−マルテンサイト三相組織を形成す
る。しかも、細粒の未変態オーステナイトがマル
テンサイトとなるので、その大部分が平均直径
6μm以下の細粒となる。 仕上圧延からAr1〜Ar3までの冷却は、10℃/
秒以上の速い冷却が好ましく、10℃/秒以下の徐
冷では、第二相がパーライト組織となる。無注水
の温度は、フエライト変態が生じやすいAr1〜
Ar3、好ましくは700〜800℃とし、この範囲外で
は、ベイナイトやマルテンサイトが規定以上に増
える。 無注水の時間が2秒以下のときは、ベイナイト
やマルテンサイト量が多くなり、しかも、マルテ
ンサイト平均直径も6μm以上と大きくなる。一
方、無注水の時間が20秒以上のときは、逆にべイ
ナイトやマルテンサイト量が少ないか、又はパー
ライト組織となるため、いずれも所望の三相組織
を得ることができず、また、所望のマルテンサイ
ト平均粒子径を得ることができない。 また、巻取りまでの冷却は、10℃/秒以上の速
い方がよく、巻取り温度は500℃以下、好ましく
は300〜450℃である。冷却速度及び巻取温度がこ
れら以外では、未変態オーステナイトがベイナイ
ト又はパーラのいずれか一方又は両方の複合組織
となる。 更に、第3の方法として、熱延鋼板及び冷延鋼
板の焼鈍によるものを挙げることができる。この
方法によれば、例えば、熱延鋼板や、又はこれに
40%以上の冷間圧延を施した冷延鋼板を、通常、
焼鈍温度800〜950℃にて1分間以上保持した後、
5℃/秒以下の平均冷却速度にて500℃以下まで
冷却する。 加熱温度は、加熱時の組織の大部分をオーステ
ナイトとするために、800〜950℃の範囲である。
加熱温度が800℃以下のときは、フエライトが大
部分を占め、オーステナイト量が少なく、細粒と
なるため、冷却後のオーステナイトはマルテンサ
イトになりやすく、最終的には、フエライト−マ
ルテンサイト組織となる。一方、加熱温度が950
℃以上のときは、所望の三相組織は得られるもの
の、オーステナイト粒が粗大化するために、マル
テンサイト平均直径が6μm以上と大きくなる。加
熱時間は、オーステナイト化すれば十分であるの
で、1分間以上でよい。 冷却速度が50℃/秒以上の速い冷却によるとき
は、フエライト変態が抑制される結果、ベイナイ
ト及びマルテンサイト量が規定以上に多くなり、
しかも、マルテンサイト平均直径が6μm以上とな
る。一方、50℃/秒以下とすることによつて、フ
エライト及びベイナイト変態が進み、最後に残存
するオーステナイトはその量が少なく、しかも、
細粒であるために、三相組織で且つ6μm以下の細
粒マルテンサイトとなる。 冷却停止温度は500℃以下であり、これ以上で
は、未変態オーステナイトがベイナイト及びパー
ライトのいずれか一方又は両方の複合組織とな
り、所望の組織構成を得ることができない。尚、
焼鈍方法は、連続焼鈍、バツチ焼鈍のいずれでも
よい。 次に、本発明による高強度鋼板における化学成
分について説明する。 Cは、必要な強度維持と共に、ベイナイト及び
マルテンサイトからなる低温変態生成物を形成さ
せるために必須の元素であるが、0.2%を越える
ときは、延性の劣化が著しく、溶接性を害する。
尚、成形性を特に要求される場合は、C量は、
0.09%以下とすることが望ましい。Cの下限量
は、強化及び焼入れ性向上効果を有効に発揮させ
るために、0.01%とする。 Mnは、焼入れ性を増し、所望の組織を得るた
めに必須の元素である。これらの効果を有効に得
るためには、0.6%以上を必要とするが、しかし、
2.5%を越えるときは、溶接上、困難を生じると
共に、延性や溶接性を害し、更に、鋼板の価格を
高くする。 Siは、溶鋼の脱酸に必要な元素であり、また、
置換型固溶元素として、最も有効な元素であつ
て、高強度且つ高延性の鋼板を得るために、必要
不可欠の元素である。更に、Siは、清浄なポリゴ
ナルフエライト形成を有利にする作用をも有して
いる。このような効果を有効に得るために、0.02
%を下限として、溶接部の脆化(遷移温度の上
昇)を防止し、他方、表面スケール状態の悪化を
防ぐために、上限を1.5%とする。 Sは、成形性、特に、伸びフランジ性の改善の
ために、0.020%以下とし、厳しい伸びフランジ
性が要求されるときは、0.009%以下が望ましい。 Cr、Cu、B、Nb及びTiは、いずれも、鋼の強
化に寄与する元素であつて、これらのうち、Cr、
Cu及びBは、共に焼入れ性を向上させ、所望の
組織を得るうえで有用な元素である。これらの元
素の添加量は、下限は、その効果を有効に発揮さ
せ得る量から、また、上限は、その効果が飽和す
る経済的な見地から決定される。従つて、添加量
は、Cr0.1〜1.5%、Cu0.1〜0.6%、B0.0005〜0.1
%の範囲である。 一方、Nb及びTiは、析出強化元素であつて、
強度上昇に有用であるのみならず、Mn等と共存
して、熱延後の変態組織に影響を与え、ベイナイ
ト組織を得やすくする効果を有する。更に、組織
を微細化し、伸びフランジ性を向上させると共
に、溶接後の熱影響部の硬度低下を防止し、母板
のみならず、デイスク全体の疲労強度を改善する
効果も有する。また、Bの焼入れ性向上効果を最
大限に発揮させる効果をも有する。このような効
果を有効に得るためには、Nb0.01〜0.1%、
Ti0.01〜0.1%の範囲で含有させることが有用で
ある。 本発明においては、上記の元素に加えて、鋼板
は、次のような元素を含んでいてもよい。 希土類元素(REM)及びCaは、硫化物形態制
御を通じて、延性、特に、伸びフランジ性を改善
する効果を有する。これら元素の添加量も、下限
は、その効果を有効に発揮させ得る必要最小限の
量から、また、上限は、その効果が飽和する経済
的な見地と共に、逆に清浄度を悪化させる量から
決定される。従つて、添加量は、REM0.005〜0.2
%、Ca0.005〜0.1%の範囲であることが望まし
い。 Alは、脱酸剤として、0.005〜0.06%の範囲で
含有される場合がある。また、Pは、粒界脆化し
ない範囲、即ち、0.1%以下の範囲で添加するこ
とができる。Pは、強化作用が強く、且つ、Siと
同様に、フエライトを純化する作用を有し、伸び
等の改善に役立つ。 以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、本
発明はこれら実施例により何ら限定されるもので
はない。 実施例 第1表に示す化学成分を有する供試材を真空溶
解炉にて溶製し、粗圧延した30mm厚さスラブを3
パスにて厚さ4mmの熱延板とした。 これら熱延鋼板及び冷延鋼板について、780〜
950℃の各温度にて5〜10分間加熱し、その後、
種々の冷却速度にて冷却して、組織の異なる供試
材を作製した。これら供試材の熱処理条件を第2
表に示す。また、得られた鋼板の機械的性質及び
顕微鏡組織観察結果を第3表に示す。 第3表から明らかなように、本発明による供試
材は、いずれも、ポリゴナルフエライト、ベイナ
イト及びマルテンサイトの適切なバランスを有
し、且つ、マルテンサイトの平均直径が6μm以下
であつて、高強度、低降伏比であつて、強度−伸
びバランス及び伸びフランジ性にすぐれている。 また、一部の熱延鋼板について、フラツシユバ
溶接性にすぐれた高強度鋼板に関する。 近年、自動車の燃費の節減のために、種々の対
策が検討されており、なかでも、車体の軽量化
は、そのための最も効果的な対策であつて、この
車体軽量化のために、車体の小型化と、それに平
行して、高強度鋼板或いはAl合金の採用等の材
料変更等の多くの試みがなされている。これらの
なかで、車輪の軽量化は、燃費節減に極めて有効
な手段であつて、ホイールリムやデイスクへの高
強度鋼板の適用が鋭意検討されている。 このように高強度鋼板として、フエライト及び
マルテンサイトからなる複合組織鋼板、即ち、
Dual Phase鋼板が提案されている。この複合組
織鋼板は、降伏比が低く、強度に比べて伸びが大
きく、成形性、形状凍結性がすぐれているが、し
かし、伸びフランジ性の面で劣つている。従つ
て、ホイールデイスクへの適用に際して、デイス
ク成形時の穴拡げ部からの割れの発生や、また、
疲労試験時又は走行試験中の穴拡げ部からの割れ
の発生等の問題が解消されないままである。ま
た、ホイールリムへの適用に際しては、フラツシ
ユバツト溶接後に行なわれるロール成形時に割れ
が発生する問題がある。例えば、成形時に熱影響
部からの割れ発生率が約50%にも達するといわれ
ている。 本発明者らは、伸びフランジ性を改善すべく、
鋼板組織とこれら特性との関係を詳細に調査研究
し、既に、鋼板組織をポリゴナルフエライトとベ
イナイトとマルテンサイトの3相複合組織とする
ことが望ましいことを見出している。そこで、本
発明者らは、更に、研究を重ねた結果、上記3相
組織において、各組織を面積率にて適正量に調整
したときにも、マルテンサイトの大きさが伸びフ
ランジ性に大きい影響を及ぼすことを見出した。 本発明は、かかる知見に基づいてなされたもの
であつて、ポリゴナルフエライトとベイナイトと
マルテンサイトの3相複合組織からなり、各組織
の面積率を特定すると共に、マルテンサイトの大
きさをも特定してなる伸びフランジ性等にすぐれ
る複合組織高強度鋼板を提供することを目的とす
る。 本発明による伸びフランジ性、疲労特性及び抵
抗溶接性にすぐれた高強度鋼板は、重量%にて (a) C 0.01〜0.2%、 Mn 0.6〜2.5%、 Si 0.02〜1.5% を含み、更に、 (b) Cr 0.1〜1.5%、 Cu 0.1〜0.6%、及び B 0.0005〜0.1% よりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素
と、 (c) Nb 0.01〜0.1%、及び Ti 0.01〜0.1% よりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素と
を含み、残部鉄及び不可避的不純物よりなり、S
を0.02%以下に規制した鋼であつて、その組織が
ポリゴナルフエライト、ベイナイト及びマルテン
サイトの3相からなり、ベイナイト面積率4〜45
%、マルテンサイト面積率1〜15%であると共
に、マルテンサイト面積率がベイナイト面積率よ
りも小さく、且つ、マルテンサイトの平均直径が
6μ以下であることを特徴とする。 本発明において、ベイナイトとは、炭化物を内
包するベイナイトのみならず、ベイナイテイツク
フエライト及び所謂アシキユラーフエライトをも
含む。また、マルテンサイトとは、一部、残留オ
ーステナイトをも含む。 本発明による高強度鋼板においては、特に、伸
びフランジ性の観点から、ベイナイト面積率は4
〜45%の範囲とされる。 ポリゴナルフエライト、ベイナイト及びマルテ
ンサイトからなる3相複合組織鋼板は、降伏比に
ついては、フエライト及びマルテンサイトからな
るDual Phase鋼板のそれと近似する低降伏比を
有し、強度−伸びバランスは、フエライト及びベ
イナイトからなる複合組織鋼板と近似する良好な
値を有するという特徴を備えているが、伸びフラ
ンジ性について調査した結果、良好な伸びフラン
ジ性、即ち、穴拡げ率を示すベイナイト面積率4
〜45%の範囲内においても、特に、すぐれた値を
有するものが見出された。 そこで、この原因を明らかにすべく、上記範囲
の鋼板について、マルテンサイトの大きさの差異
に着目し、マルテンサイトの平均直径と穴拡げ率
との関係を調べた結果、マルテンサイトの平均直
径が6μm以下、特に、5μm以下のとき、すぐれた
穴拡げ率、即ち、伸びフランジ性を有することが
明らかとなつた。従つて、本発明による3相複合
組織鋼板においては、マルテンサイトは、その平
均直径が6μm以下、好ましくは、5μm以下に規制
される。 次に、マルテンサイト面積率は、1〜15%の範
囲である。マルテンサイト面積率が15%を越える
ときは、降伏比が上昇し、他方、1%よりも少な
いときは、マルテンサイトの導入効果が少ない。
特に、マルテンサイト面積率は、1〜10%の範囲
が好ましく、また、ベイナイト面積率は、11〜35
%の範囲が好ましい。更に、マルテンサイト面積
率は、ベイナイト面積率より小さいことが望まし
い。 以上のような組織の調整は、後述する化学成分
を考慮したうえで、熱間圧延及びその後の冷却条
件を調節すること、或いは熱間圧延、冷間圧延板
にその後の焼鈍条件(連続焼鈍、バツチ焼鈍)を
調節することによつて得ることができる。 即ち、従来、高強度鋼板を製造する通常の熱延
方法によれば、仕上温度をAr3点以上とし、冷却
速度を40〜70℃/秒とし、巻取温度を550〜650℃
としている。しかし、巻取温度を550℃以上とす
るときは、フエライト以外の組織がベイナイト及
びパーライトのいずれか一方又は両方の組織とな
り、所望のフエライト−ベレイナイト−マルテン
サイト三相組織を得ることができない。 かかる通常の方法に比べて、本発明による鋼
は、例えば、次に示す方法によつて得ることがで
きる。 先ず、第1の方法として、常法にてスラブ加熱
を行ない、これを仕上温度Ar3点以上、通常、
830〜860℃にて熱間圧延し、巻取りまでを平均冷
却速度5℃/秒以上にて冷却し、500℃以下の温
度で巻取る方法を挙げることができる。 この方法において、仕上温度は、熱間圧延後の
オーステナイト粒径をできるだけ小さくするため
に、Ar3点以上の低い方が好ましく、このように
して、オーステナイト粒径を小さくすることによ
つて、変態するマルテンサイト粒径も小さくする
ことができる。 圧延後のオーステナイトは、冷却中に、先ず、
フエライト変態し、未変態オーステナイトの一部
がベイナイト変態する。ベイナイト中には、炭素
の濃縮した微細なオーステナイトも存在する。こ
の組織を500℃以下、好ましくは300〜450℃にて
巻取ることによつて、残余のオーステナイトがマ
ルテンサイトに変態し、最終的にフエライト−ベ
イナイト−マルテンサイト三相組織を形成する。
マルテンサイトは、フエライト粒界及びベイナイ
ト中(粒界及び粒内)に生成するが、特に、ベイ
ナイト中に生成するマルテンサイトが微細である
ために、その平均直径が6μm以下となる。 上記冷却速度が余りに遅いときは、フエライト
生成が制御されるために、ベイナイト及びマルテ
ンサイト量が増加し、その結果、マルテンサイト
の平均直径も6μm以上となる。冷却速度は10〜50
℃/秒の範囲が好ましい。上記冷却速度が5℃/
秒以下及び巻取温度が500℃以上のときは、未変
態オーステナイトがパーライト又はベイナイトの
いずれか一方又は両方を形成し、所望の組織を得
ることができない。 以上のように、ベイナイト及びマルテンサイト
の量とマルテンサイトの平均直径は平均冷却速度
によつて規制され、マルテンサイトの生成は巻取
温度によつて規制される。 次に、第2の方法として、Ar3点以上にて仕上
げた後、Ar1〜Ar3までを10℃/秒以上にて冷却
し、その温度域を2〜20秒間、無注水冷却した
後、巻取りまでを10℃/秒以上にて冷却し、500
℃以下の温度で巻取る方法を挙げることができ
る。 この方法においては、仕上圧延後に生じたオー
ステナイトは、Ar1〜Ar3にて2〜20秒間の無注
水冷却中にフエライトと未変態オーステナイトと
なる。この場合のオーステナイト粒径は、大小の
ものが混在しており、比較的大きいオーステナイ
ト粒は、細粒に比べて、オーステナイト中の炭素
の濃縮度が小さいために、その後の冷却中又は巻
取り中にベイナイトに変態する。一方、細粒の未
変態オーステナイトは、炭素の濃度が高いため
に、巻取りまでは変態せず、巻取り中にマルテン
サイトとなり、かくして、最終的にフエライト−
ベイナイト−マルテンサイト三相組織を形成す
る。しかも、細粒の未変態オーステナイトがマル
テンサイトとなるので、その大部分が平均直径
6μm以下の細粒となる。 仕上圧延からAr1〜Ar3までの冷却は、10℃/
秒以上の速い冷却が好ましく、10℃/秒以下の徐
冷では、第二相がパーライト組織となる。無注水
の温度は、フエライト変態が生じやすいAr1〜
Ar3、好ましくは700〜800℃とし、この範囲外で
は、ベイナイトやマルテンサイトが規定以上に増
える。 無注水の時間が2秒以下のときは、ベイナイト
やマルテンサイト量が多くなり、しかも、マルテ
ンサイト平均直径も6μm以上と大きくなる。一
方、無注水の時間が20秒以上のときは、逆にべイ
ナイトやマルテンサイト量が少ないか、又はパー
ライト組織となるため、いずれも所望の三相組織
を得ることができず、また、所望のマルテンサイ
ト平均粒子径を得ることができない。 また、巻取りまでの冷却は、10℃/秒以上の速
い方がよく、巻取り温度は500℃以下、好ましく
は300〜450℃である。冷却速度及び巻取温度がこ
れら以外では、未変態オーステナイトがベイナイ
ト又はパーラのいずれか一方又は両方の複合組織
となる。 更に、第3の方法として、熱延鋼板及び冷延鋼
板の焼鈍によるものを挙げることができる。この
方法によれば、例えば、熱延鋼板や、又はこれに
40%以上の冷間圧延を施した冷延鋼板を、通常、
焼鈍温度800〜950℃にて1分間以上保持した後、
5℃/秒以下の平均冷却速度にて500℃以下まで
冷却する。 加熱温度は、加熱時の組織の大部分をオーステ
ナイトとするために、800〜950℃の範囲である。
加熱温度が800℃以下のときは、フエライトが大
部分を占め、オーステナイト量が少なく、細粒と
なるため、冷却後のオーステナイトはマルテンサ
イトになりやすく、最終的には、フエライト−マ
ルテンサイト組織となる。一方、加熱温度が950
℃以上のときは、所望の三相組織は得られるもの
の、オーステナイト粒が粗大化するために、マル
テンサイト平均直径が6μm以上と大きくなる。加
熱時間は、オーステナイト化すれば十分であるの
で、1分間以上でよい。 冷却速度が50℃/秒以上の速い冷却によるとき
は、フエライト変態が抑制される結果、ベイナイ
ト及びマルテンサイト量が規定以上に多くなり、
しかも、マルテンサイト平均直径が6μm以上とな
る。一方、50℃/秒以下とすることによつて、フ
エライト及びベイナイト変態が進み、最後に残存
するオーステナイトはその量が少なく、しかも、
細粒であるために、三相組織で且つ6μm以下の細
粒マルテンサイトとなる。 冷却停止温度は500℃以下であり、これ以上で
は、未変態オーステナイトがベイナイト及びパー
ライトのいずれか一方又は両方の複合組織とな
り、所望の組織構成を得ることができない。尚、
焼鈍方法は、連続焼鈍、バツチ焼鈍のいずれでも
よい。 次に、本発明による高強度鋼板における化学成
分について説明する。 Cは、必要な強度維持と共に、ベイナイト及び
マルテンサイトからなる低温変態生成物を形成さ
せるために必須の元素であるが、0.2%を越える
ときは、延性の劣化が著しく、溶接性を害する。
尚、成形性を特に要求される場合は、C量は、
0.09%以下とすることが望ましい。Cの下限量
は、強化及び焼入れ性向上効果を有効に発揮させ
るために、0.01%とする。 Mnは、焼入れ性を増し、所望の組織を得るた
めに必須の元素である。これらの効果を有効に得
るためには、0.6%以上を必要とするが、しかし、
2.5%を越えるときは、溶接上、困難を生じると
共に、延性や溶接性を害し、更に、鋼板の価格を
高くする。 Siは、溶鋼の脱酸に必要な元素であり、また、
置換型固溶元素として、最も有効な元素であつ
て、高強度且つ高延性の鋼板を得るために、必要
不可欠の元素である。更に、Siは、清浄なポリゴ
ナルフエライト形成を有利にする作用をも有して
いる。このような効果を有効に得るために、0.02
%を下限として、溶接部の脆化(遷移温度の上
昇)を防止し、他方、表面スケール状態の悪化を
防ぐために、上限を1.5%とする。 Sは、成形性、特に、伸びフランジ性の改善の
ために、0.020%以下とし、厳しい伸びフランジ
性が要求されるときは、0.009%以下が望ましい。 Cr、Cu、B、Nb及びTiは、いずれも、鋼の強
化に寄与する元素であつて、これらのうち、Cr、
Cu及びBは、共に焼入れ性を向上させ、所望の
組織を得るうえで有用な元素である。これらの元
素の添加量は、下限は、その効果を有効に発揮さ
せ得る量から、また、上限は、その効果が飽和す
る経済的な見地から決定される。従つて、添加量
は、Cr0.1〜1.5%、Cu0.1〜0.6%、B0.0005〜0.1
%の範囲である。 一方、Nb及びTiは、析出強化元素であつて、
強度上昇に有用であるのみならず、Mn等と共存
して、熱延後の変態組織に影響を与え、ベイナイ
ト組織を得やすくする効果を有する。更に、組織
を微細化し、伸びフランジ性を向上させると共
に、溶接後の熱影響部の硬度低下を防止し、母板
のみならず、デイスク全体の疲労強度を改善する
効果も有する。また、Bの焼入れ性向上効果を最
大限に発揮させる効果をも有する。このような効
果を有効に得るためには、Nb0.01〜0.1%、
Ti0.01〜0.1%の範囲で含有させることが有用で
ある。 本発明においては、上記の元素に加えて、鋼板
は、次のような元素を含んでいてもよい。 希土類元素(REM)及びCaは、硫化物形態制
御を通じて、延性、特に、伸びフランジ性を改善
する効果を有する。これら元素の添加量も、下限
は、その効果を有効に発揮させ得る必要最小限の
量から、また、上限は、その効果が飽和する経済
的な見地と共に、逆に清浄度を悪化させる量から
決定される。従つて、添加量は、REM0.005〜0.2
%、Ca0.005〜0.1%の範囲であることが望まし
い。 Alは、脱酸剤として、0.005〜0.06%の範囲で
含有される場合がある。また、Pは、粒界脆化し
ない範囲、即ち、0.1%以下の範囲で添加するこ
とができる。Pは、強化作用が強く、且つ、Siと
同様に、フエライトを純化する作用を有し、伸び
等の改善に役立つ。 以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、本
発明はこれら実施例により何ら限定されるもので
はない。 実施例 第1表に示す化学成分を有する供試材を真空溶
解炉にて溶製し、粗圧延した30mm厚さスラブを3
パスにて厚さ4mmの熱延板とした。 これら熱延鋼板及び冷延鋼板について、780〜
950℃の各温度にて5〜10分間加熱し、その後、
種々の冷却速度にて冷却して、組織の異なる供試
材を作製した。これら供試材の熱処理条件を第2
表に示す。また、得られた鋼板の機械的性質及び
顕微鏡組織観察結果を第3表に示す。 第3表から明らかなように、本発明による供試
材は、いずれも、ポリゴナルフエライト、ベイナ
イト及びマルテンサイトの適切なバランスを有
し、且つ、マルテンサイトの平均直径が6μm以下
であつて、高強度、低降伏比であつて、強度−伸
びバランス及び伸びフランジ性にすぐれている。 また、一部の熱延鋼板について、フラツシユバ
【表】
【表】
【表】
【表】
ツト溶接の結果、疲労特性及びホイールデイスク
成形試験(n=25)結果を第3表に示す。 尚、フラツシユバツト溶接の条件は、以下のと
おりである。 フラツシユ代 3mm フラツシユ時間 3秒 アツプセツト代 3mm アツプセツト時間 2/60秒 アツプセツト速度 150mm/秒 素板形状 3.2mm厚×30mm幅×75mm長。
成形試験(n=25)結果を第3表に示す。 尚、フラツシユバツト溶接の条件は、以下のと
おりである。 フラツシユ代 3mm フラツシユ時間 3秒 アツプセツト代 3mm アツプセツト時間 2/60秒 アツプセツト速度 150mm/秒 素板形状 3.2mm厚×30mm幅×75mm長。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 重量%にて (a) C 0.01〜0.2%、 Mn 0.6〜2.5%、 Si 0.02〜1.5% を含み、更に、 (b) Cr 0.1〜1.5%、 Cu 0.1〜0.6%、及び B 0.0005〜0.1% よりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素
と、 (c) Nb 0.01〜0.1%、及び Ti 0.01〜0.1% よりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素と
を含み、残部鉄及び不可避的不純物よりなり、S
を0.02%以下に規制した鋼であつて、その組織が
ポリゴナルフエライト、ベイナイト及びマルテン
サイトの3相からなり、ベイナイト面積率4〜45
%、マルテンサイト面積率1〜15%であると共
に、マルテンサイト面積率がベイナイト面積率よ
りも小さく、且つ、マルテンサイトの平均直径が
6μ以下であることを特徴とする伸びフランジ性、
疲労特性、抵抗溶接性にすぐれた高強度鋼板。 2 重量%にて (a) C 0.01〜0.2%、 Mn 0.6〜2.5%、 Si 0.02〜1.5% を含み、更に、 (b) Cr 0.1〜1.5%、 Cu 0.1〜0.6%、及び B 0.0005〜0.1% よりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素
と、 (c) Nb 0.01〜0.1%、及び Ti 0.01〜0.1% よりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素
と、 (d) 稀土類元素 0.005〜0.2%、及び Ca 0.005〜0.01% よりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素と
を含み、残部鉄及び不可避的不純物よりなり、S
を0.02%以下に規制した鋼であつて、その組織が
ポリゴナルフエライト、ベイナイト及びマルテン
サイトの3相からなり、ベイナイト面積率4〜45
%、マルテンサイト面積率1〜15%であると共
に、マルテンサイト面積率がベイナイト面積率よ
りも小さく、且つ、マルテンサイトの平均直径が
6μ以下であることを特徴とする伸びフランジ性、
疲労特性、抵抗溶接性にすぐれた高強度鋼板。 3 重量%にて (a) C 0.01〜0.2% Mn 0.6〜2.5%、 Si 0.02〜1.5%、 Al 0.005〜0.06% を含み、更に、 (b) Cr 0.1〜1.5%、 Cu 0.1〜0.6%、及び B 0.0005〜0.1% よりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素
と、 (c) Nb 0.01〜0.1%、及び Ti 0.01〜0.1% よりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素と
を含み、残部鉄及び不可避的不純物よりなり、S
を0.02%以下に規制した鋼であつて、その組織が
ポリゴナルフエライト、ベイナイト及びマルテン
サイトの3相からなり、ベイナイト面積率4〜45
%、マルテンサイト面積率1〜15%であると共
に、マルテンサイト面積率がベイナイト面積率よ
りも小さく、且つ、マルテンサイトの平均直径が
6μ以下であることを特徴とする伸びフランジ性、
疲労特性、抵抗溶接性にすぐれた高強度鋼板。 4 重量%にて (a) C 0.01〜0.2%、 Mn 0.6〜2.5%、 Si 0.02〜1.5%、 Al 0.005〜0.06% を含み、更に、 (b) Cr 0.1〜1.5%、 Cu 0.1〜0.6%、及び B 0.0005〜0.1% よりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素
と、 (c) Nb 0.01〜0.1%、及び Ti 0.01〜0.1% よりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素
と、 (d) 希土類元素 0.005〜0.2%、及び Ca 0.005〜0.01% よりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素と
を含み、残部鉄及び不可避的不純物よりなり、S
を0.02%以下に規制した鋼であつて、その組織が
ポリゴナルフエライト、ベイナイト及びマルテン
サイトの3相からなり、ベイナイト面積率4〜45
%、マルテンサイト面積率1〜15%であると共
に、マルテンサイト面積率がベイナイト面積率よ
りも小さく、且つ、マルテンサイトの平均直径が
6μ以下であることを特徴とする伸びフランジ性、
疲労特性、抵抗溶接性にすぐれた高強度鋼板。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3704190A JPH03277740A (ja) | 1990-02-16 | 1990-02-16 | 伸びフランジ性等にすぐれた高強度鋼板 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3704190A JPH03277740A (ja) | 1990-02-16 | 1990-02-16 | 伸びフランジ性等にすぐれた高強度鋼板 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5190782A Division JPS58167750A (ja) | 1982-03-29 | 1982-03-29 | 伸びフランジ性等にすぐれた高強度鋼板 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03277740A JPH03277740A (ja) | 1991-12-09 |
JPH0572462B2 true JPH0572462B2 (ja) | 1993-10-12 |
Family
ID=12486522
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3704190A Granted JPH03277740A (ja) | 1990-02-16 | 1990-02-16 | 伸びフランジ性等にすぐれた高強度鋼板 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH03277740A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2009099251A1 (ja) | 2008-02-08 | 2009-08-13 | Jfe Steel Corporation | 加工性に優れた高強度溶融亜鉛めっき鋼板およびその製造方法 |
-
1990
- 1990-02-16 JP JP3704190A patent/JPH03277740A/ja active Granted
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2009099251A1 (ja) | 2008-02-08 | 2009-08-13 | Jfe Steel Corporation | 加工性に優れた高強度溶融亜鉛めっき鋼板およびその製造方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH03277740A (ja) | 1991-12-09 |
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