JPH0571792U

JPH0571792U - タイムインジケータ

Info

Publication number: JPH0571792U
Application number: JP1030092U
Authority: JP
Inventors: 輝男中川
Original assignee: Dai Nippon Printing Co Ltd
Current assignee: Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date: 1992-03-03
Filing date: 1992-03-03
Publication date: 1993-09-28
Anticipated expiration: 2007-03-03
Also published as: JP2577064Y2

Abstract

(57)【要約】【目的】取り扱いが容易で安価なタイムインジケータ
を得る。【構成】耐光性の弱い染料が使用されており、且つ退
色の度合いを異ならせた複数の試料部２a,２b,２cを基
材１の表面に形成し、その上面を遮光保護層４で覆って
いる。【効果】光線による試料部の退色の度合いで概略の経
過時間を知ることができる簡便なタイムインジケータを
低コストで得られる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、試料部の退色によって概略の経過時間を表示するタイムインジケータに関する。

【０００２】

【従来の技術】

概略の経過時間を検出するタイムインジケータとしては、試料の変色を利用したものが知られている。これは特定の物質が特定のガス、特に酸素、により化学変化を起こして変色する性質を応用したものである。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

上記のものでは、使用開始までは試料が酸素に触れないように脱酸素剤などと共に密封しておく必要があって、構造が複雑になると共に取り扱いも煩雑となる上、材料が高価でコストが高くつく等の問題があった。本考案はこのような点に着目し、取り扱いが容易で安価なタイムインジケータを得ることを課題としてなされたものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

上記の課題を解決するために、本考案では、耐光性の弱い着色剤からなる１つの試料部又は退色の度合いを異ならせた複数の試料部を基材の表面に形成し、上面を遮光保護層で覆った構造としている。基材の表面には、１つの試料部又は退色の度合いを異ならせた複数の試料部の退色を示す基準色部を設けてもよい。また、試料部の設けられている基材の裏面には粘着剤層を介して離型紙を積層した構造としてもよい。

【０００５】

【作用】

光線の当たる場所に放置しておくことにより試料部が退色するので、その退色の状態によって概略の経過時間を知ることができる。また、試料部とともに耐光性の強い着色剤からなる基準色部を基材の表面に設けることにより、試料部の退色状態の判断が容易となる。また、試料部の設けられている基材の裏面に粘着剤層を介して離型紙を積層した構造とすることにより、貼着ラベルとしての機能をも有することが可能である。

【０００６】

【実施例】

以下、図示の一実施例について説明する。図１は厚さ方向を拡大して示した断面図であり、１は紙、アルミ箔、合成樹脂フィルム等からなる基材、２a,２b,２cは基材１の表面に形成された試料部、３はこれらの試料部が設けられている基材１の表面に形成された透光性の離型剤層、４は紙、アルミ箔、着色合成樹脂フィルムあるいはこれらの積層体からなる遮光層５の片面に粘着剤層６を形成した保護層であり、この保護層４は少なくとも各試料部２a,２b,２cを覆うように基材１の表面の貼着されている。また、基材１の裏面には、粘着剤層７を介して離型紙８が積層されている。

【０００７】９は上述した各層の積層体で構成された薄片状のタイムインジケータであり、全体の形状は例えば図２に示すような長方形など、用途に応じた適宜の形状が可能である。試料部２a,２b,２cは染料などの耐光性の弱い着色剤を使用し、しかも退色の度合いを異ならせて形成されたものであり、使用する際には裏面の離型紙８を剥がして検体に貼り付け、試料部２a,２b,２cに光が当たるように表面の保護層４を剥がしておくのである。試料部２a,２b,２cは時間の経過とともに次第に退色して行くので、例えば色がほとんど消えるまでの所要日数が、試料部２aは１０日、２bは２０日、２cは３０日となるように設計しておくことにより、各試料部の色の消え具合と相互間の比較から概略の経過時間を知ることができる。また色が消えるまで待たなくても、途中の退色の進行状態によっても概略の経過時間を知ることができ、場合によっては試料部が１個のみでもその退色の進行状態から概略の経過時間を知ることができる。

【０００８】このように、各試料部２a,２b,２cの退色状態から経過時間が分かるのであるが、試料部の色を比較できる何らかの基準があれば判断が容易となる。図２の１０a,１０b,１０cはこのために設けられた基準色部であり、各試料部の退色後や途中の色の状態を示すように耐光性の強い着色剤を使用して形成されている。なお、上述のように試料部を１個のみとした場合には、退色の進行状態に応じた色調の基準色部を複数個設けておくことにより比較判断が容易となる。

【０００９】次に、試料部２a,２b,２cの形成例について説明する。染料としては耐光性の弱いものが使用され、一例を挙げると青色ではメチレンブルーＦＺ(ＭＥＴＨＹＬＥＮＥＢＬＵＥＦＺ)が、赤色ではアストラフロキシンＦＦコンク( ＡＳＴＲＡＰＨＬＯＸＩＮＥＦＦＣＯＮＣ)が使用可能である。これらの染料をフレキソ用メジウム(水性)に溶解したインクを用い、例えば印刷によって試料部を形成する。この印刷の際に染料の濃度を変化させたり、印刷厚さを変化させたりすることによって各試料部の退色の度合いを異ならせるのであり、印刷厚さは印刷の回数を変えたり、グラビア方式の印刷であれば版深を変えたりすることで変化させることができる。

【００１０】具体的には、例えば１５０Ｌ／inch、版深４０μmのグラビア印刷において、インクの濃度を０.１％、０.２％、０.３％のように３段階に変えることによって、各試料部１０a,１０b,１０cの耐光性を段階的に変化させることができ、この場合にはインク濃度が高くなるほど退色しにくくなって色が消えるまでの所要時間が長くなる。また同じ１５０Ｌのものにおいて、インク濃度は変えないで試料部ごとに版深を４０μm、６０μm、８０μmのように変化させてもよく、更に例えば１５０Ｌ、版深４０μm、インク濃度０.１％という同一の条件において、１回刷、２回刷、３回刷のように印刷の回数を変えることもでき、この場合には印刷厚さが大きくなるほど退色しにくくなって色が消えるまでの所要時間が長くなる。なお、基準色部１０a,１０b,１０cは顔料などの耐光性の強い着色剤を使用したインクにより、所定の色調で適宜印刷される。

【００１１】

【考案の効果】

上述の説明から明らかなように、本考案は、耐光性の弱い着色剤、例えば染料を使用して１つ又は退色の度合いの異なる複数の試料部を基材の表面に形成し、上面を遮光保護層で覆った構造としたものである。従って、例えば芳香剤や脱臭剤のように有効期間が限られているものを光線の当たる場所で使用する場合に併用すれば、光線による試料部の退色状態から概略の経過時間を知ることができるのであり、簡単なタイムインジケータを低コストで得ることができる。また試料部の色と比較できる基準色部を設けたものでは、経過時間の判断が容易となり、また、基材の裏面に粘着剤層を介して離型紙を積層した貼着ラベル型のものでは、使用時の取り扱いが容易で商品価値の高いタイムインジケータが得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例の厚さ方向を拡大して示し
た断面図である。

【図２】同実施例の斜視図である。

【符号の説明】

１基材２a,２b,２c 試
料部３離型材層４遮光保護層５遮光層６粘着剤層７粘着剤層８離型紙９タイムインジケータ１０a,１０b,１０c
基準色部

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】耐光性の弱い着色剤からなる１つの試料
部又は退色の度合いを異ならせた複数の試料部(２a,２
b,２c)を基材(１)の表面に形成し、上面を遮光保護層
(４)で剥離自在に覆ったことを特徴とするタイムインジ
ケータ。
【請求項２】１つの試料部又は退色の度合いを異なら
せた複数の試料部(２a,２b,２c)の退色状態を示す基準
色部(１０a,１０b,１０c)を耐光性の強い着色剤を使用
して基材(１)の表面に併設した請求項１記載のタイムイ
ンジケータ。
【請求項３】１つの試料部又は退色の度合いを異なら
せた複数の試料部(２a,２b,２c)が設けられている基材
(１)の裏面に粘着剤層(７)を介して離型紙(８)を積層し
た請求項１または請求項２記載のタイムインジケータ。