JPH057175Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は包装用容器に係り、例えば、フアース
トフードストアなどにおいて持ち帰り品として販
売した、加温されているハンバーガーや、アイス
クリームなどの包装用容器として、保温性又は保
冷性があり、またそれ自体興趣に富んでいて子供
等の興味・好奇心を大いにそそり、使用後は玩具
として遊ぶことができるように工夫したユニーク
なものを提供することを目的とする。

即ち本考案は、非通気性柔軟シート材料を接着
もしくは溶着加工して、実質的に偏平にしぼんで
いる形態を常態とし、気体の内部充満圧にて所望
の設計外形形状にふくらむと共に内側に被包装物
収納用空所が形成された形態に変態する気密・水
密気のう体（気嚢体）を構成し、該気のう体の内
部に、互に混り合うと気体発生反応して偏平しぼ
み形態にあるのう能体を所定の十分なふくらみ形
態に変態させるに足りる量の気体を生じる第１と
第２の両薬剤を、その少なくとも一方の薬剤は所
定以上の押圧力を受けると破れを生じる気密・水
密袋に密封収容して他方の薬剤とは隔離して、封
じ入れた構造を特徴とする包装用容器である。

以下図示の一実施例にもとづいて具体的に説明
する。

１は非通気性柔軟シート材料を接着もしくは溶
着加工して構成した気密・水密気のう体である。
非通気性柔軟シート材料はポリプロピレン
（PP）・ポリエチレン（PE）。ポリ塩化ビニル・
ポリエステルなどの各種の軟質プラスチツクシー
ト（フイルムも含む）を利用することができ、こ
れを接着もしくは溶着処理して従来公知の空気充
填ビニル玩具（風船玩具）と同様の要領にて気
密・水密気のう体１を製造することができる。

本実施例品は、ポリプロピレンシートをベース
シートとしてその表面にアルミニウム（A1）蒸
着膜層を形成し、そのAl蒸着面に所望の装飾模
様をプリント処理し、更にその上にポリプロピレ
ンのコーテイング層（トツプコート層）を形成し
た複合層シート材料を用い、その裁断片を高周波
ウエルダ加工して、十分なふくらみ状態において
第３図示のように仔馬の立体外形形状となり、且
つ第４図示のように内側（仔馬の胴体部）に被包
装物収納用空所２が形成されるように気のう体１
を構成してある。

気のう体１は常態においては第１図示のように
実質的に偏平にしぼんだ形態にあり、２つ折や３
つ折に畳み込むなど適当に小さく折畳んだり、逆
に展開したりすることができる。又該気のう体１
の内部の適所、本実施例では仔馬形気のう体１の
１脚部内に第２図示のように、気体発生用の相互
反応薬剤の第１薬剤として適当量の炭酸水素ナト
リウム（NaHCO₃、重曹）３と、第２薬剤とし
てプラスチツクフイルム製の気密・水密小袋５に
酢酸液（CH₃COOH）４を封入してある。

酢酸液４を密封収納させた小袋５は該小袋が存
在している気のう体部分を指先や手のひらで比較
的強く圧迫することによりその押圧力で破れを生
じる。該小袋５が破られない限りは第２薬剤とし
ての酢酸液４は第１薬剤としての炭酸水素ナトリ
ーム３から隔離されていて両者３，４は混じり合
いを生ぜず、従つて気体発生反応は生じない。

小袋５が押圧力により破れて小袋からの漏出酢
酸液４が炭酸水素ナトリウム３に作用することに
より両薬剤３，４が反応して炭酸ガスCO₂が発生
する。必要に応じて気のう体１を振つて上記の両
薬剤３，４をよく混じり合わせる。発生炭酸ガス
により気のう体１内の内圧が上昇していき、気の
う体１は実質的に偏平にしぼんでいる第１図の形
態から発生ガス量の増加につれて自然にふくらん
でいき、最終的には包装用容器として第３，４図
示にような所定の仔馬の立体外形状態まで実際上
数秒〜数10秒の間に十分にふくらみ切る。逆に言
えば、偏平しぼみ形態にある気のう体を所定の十
分なふくらみ形態に変態するに足りる体積量の気
体が比較的短時間内で発生するように、気のう体
１内に予め封じ入れる気体発生反応用薬剤３，４
の量を定める。

気のう体１が十分にふくらんだ形態になつたら
ポリエチレン内袋１０に加温したハンバーガーな
り、アイスクリームなりの被包装物Ｐを、気のう
体１の内側に形成されている被包装物収納空所２
に上側の挿入口部６を押し開いて収納する（第
５，６図）。必要があれば挿入口部６に製織フア
スナ（商品名マジツクフアスナ）７を設けておい
て挿入口部６をしつかりと閉じ状態に保持させ
る。１１はポリエチレン内袋１０の開閉フアスナ
部を示している。８（第１，３図）は包装用容器
の吊り下げ把手バンド（又は下げひも）を示して
いる。而して上記のように被包装物Ｐを収納した
包装用容器１を客に渡すものである。

(1) 気体の充満圧力で包装用容器としてふくらん
だ気のう体１は空気断熱構造体であるから内側
に形成されている被包装物収納空所２に収納さ
れた被包装物Ｐの保温性又は保冷性に優れてお
り、被包装物Ｐが加温されたハンバーガーであ
ればその加温状態が、又アイスクリームなどの
冷菓であればその冷却状態が、長時分保たれ
る。

又気のう体１の構成材料を本実施例のように
A1蒸着処理シート材とすることにより包装用
容器の装飾性・外観体裁の向上の外にも、該シ
ート材の熱反射性により保温効果又は保冷効果
が更に増す。

更には、第７図示にように被包装物収納空所
２に被包装物Ｐと共に、例えば酸化発生剤を収
納した発熱剤パツク１２、或はドライアイスな
どの冷却剤パツク１２ａを収納すれば更に効果
的である。

(2) 気のう体１内に封じ入れてある薬剤袋５を指
先や手のひらで圧壊することにより前述したよ
うに気体発生反応を生じて偏平しぼみ形態の気
のう体１が自然に自動的に立体膨張体となるか
ら看者に対してマジツク的な不思議さ・興趣を
与える。特に子供等の興味・好奇心を強くそそ
る。従つて店頭において顧客の前で偏平しぼみ
形態の気のう体１を包装用容器としての立体膨
張体の形態に変態させて被包装物Ｐを収納して
客に渡すことにより顧客の興味をひき販売の促
進につながる。ふくらみ外形形状を異にする
種々の気のう体、例えば実施例の仔馬の他にも
犬・ネコ・うさぎ・ぞう・かばなど、ふね・自
動車・飛行機など、その他子供等の喜びそうな
各種形状のものを用意して顧客に好みのものを
選ばせ、それをその場で包装用容器としての立
体膨張体に変態させ、被包装物を詰めて渡すの
も効果的である。

(3) 又包装用容器としてふくらんだ気のう体１は
使用後はそれ自体風船玩具として遊び楽しむこ
とができる。

被包装物Ｐは例示のハンバーガーやアイスク
リームに限るものではなく、アメなどの他の食
品類であつてもよいし、食品以外のものであつ
てもよいのは勿論である。

気体発生用薬剤は、実施例の炭酸水素ナトリ
ウム３と酢酸液４の他にも種々の組合わせ薬剤
が考えられ、それ等のうちの適当なものを選択
使用し得る。実施例の炭酸水素ナトリウム３と
酢酸液４は食品衛生上の問題はなく、又発生ガ
スも炭酸ガスで無毒・非引火性であり、最適薬
剤の１つである。

【図面の簡単な説明】

図面は一実施例を示したもので、第１図は偏平
しぼみ形態の気のう体の斜視図、第２図は該気の
う体に封じ入れた気体発生用薬剤部分の拡大面図
（第１図−線部分の断面図）、第３図は包装用
容器として立体膨張体に変態した気のう体の斜視
図、第４図はその中央横断面図、第５図は被包装
物収納用空所の口を開いて被包装物を収納してい
る状態の同上図、第６図は収納した状態の同上
図、第７図は被包装物と発熱剤パツク又は冷却剤
パツクを収納した状態の同上図である。 １は気のう体、２は被包装物収納用空所、３，
４は気体発生用薬剤、Ｐは被包装物、１２，１２
ａは発熱剤パツク又は冷却剤パツク。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 非通気性柔軟シート材料を接着もしくは溶着加
   工して、実質的に偏平にしぼんでいる形態を常態
   とし、気体の内部充満圧にて所望の設計外形形状
   にふくらむと共に内側に被包装物収納用空所が形
   成された形態に変態する気密・水密気のう体を構
   成し、該気のう体の内部に、互に混り合うと気体
   発生反応して偏平しぼみ形態にある気のう体を所
   定の十分なふくらみ形態に変態させるに足りる量
   の気体を生じる第１と第２の両薬剤を、その少な
   くとも一方の薬剤は所定以上の押圧力を受けると
   破れを生じる気密・水密袋に密封収容して他方の
   薬剤とは隔離して、封じ入れた構造を特徴とする
   包装用容器。