JPH0571609A - 内燃機関 - Google Patents

内燃機関

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JPH0571609A
JPH0571609A JP3234778A JP23477891A JPH0571609A JP H0571609 A JPH0571609 A JP H0571609A JP 3234778 A JP3234778 A JP 3234778A JP 23477891 A JP23477891 A JP 23477891A JP H0571609 A JPH0571609 A JP H0571609A
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JP
Japan
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output shaft
crankshaft
shaft
speed
gear
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JP3234778A
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English (en)
Inventor
Yoshisada Wada
義定 和田
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells

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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 出力軸の回転を略一定に保持しながら内燃機
関のクランク軸を不等速回転させる可変角速度比伝動機
構を、非円形歯車を用いずに構成すると共に機関低速時
及び高速時の出力トルク脈動を防止する。 【構成】 エンジン1のクランク軸2に連結された可変
速度比伝動機構8の通常の円形歯車9a〜9eにより、
入力軸13aの回転は歯車9aから、インナハウジング
10に支承された歯車9b,9cを介して出力軸14の
歯車9dに伝達され、更に歯車9eを介して軸21のク
ランク部21aに取着したロッド22とインナハウジン
グ10に設けたスライダ23a,23bとによりインナ
ハウジング10を出力軸14を中心として揺動させる。
これにより歯車9b,9cは歯車9a,9dと噛合した
ままインナハウジング10と共に揺動するのでフライホ
イール15により出力軸14の回転を一定に保持すれば
入力軸13a(クランク軸2)は周期的な不等速運動を
行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は内燃機関に関し、詳細に
はクランク軸に不等速回転運動をさせることにより機関
効率の向上と振動の低減とを図った内燃機関に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の内燃機関では、クランク軸の回転
はサイクル中を通じてできるだけ一定速度とすることが
好ましいとされ、例えば実開昭47−590号公報に開
示されたように大質量のフライホイールをクランク軸に
付加することによりクランク軸をできるだけ等速回転に
近づける努力が払われていた。
【0003】しかし、機関効率の面から考えるとクラン
ク軸をサイクル中を通じて等速回転させることは必らず
しも得策ではなく、行程に応じてクランク回転を変化さ
せた方が機関効率が向上する場合がある。例えば気筒の
吸気、圧縮、膨張、排気の各行程の初期にクランク軸回
転速度を大きくし、各行程終期にクランク軸回転速度を
小さくするようにして各行程中にクランク軸を不等速運
動させることにより機関効率の向上を得ることができ
る。
【0004】すなわち、吸気行程で考えれば行程初期に
ピストンを早く下降させることにより気筒内と吸気ポー
トの差圧を早く上昇させ、行程終期にピストン下降速度
を遅くすることにより同じ行程時間であっても従来より
行程中の平均差圧を大きくとることができ吸気量を増大
させることができる。また排気行程についても同様に行
程初期にピストンを早く上昇させることにより気筒内の
圧力低下を少くして、気筒内と排気ポートとの行程平均
差圧を大きくすることができるため効率良く排気を行う
ことができる。
【0005】また、圧縮行程においては、行程初期にピ
ストンを早く上昇させて高温のシリンダヘッド近傍に早
く到達させることにより混合気がシリンダ高温部から受
ける熱量を増大させることができ、同様に膨張行程にお
いては行程初期にピストンを早く下降させることにより
爆発直後の燃焼ガスの持つ大きな熱エネルギが燃焼室壁
面を通じて散逸する前に素早くピストンを下降させて大
きな仕事をさせた後、温度が低下した燃焼ガスにより比
較的長い時間をかけて残りの仕事をさせることができる
ため、熱損失を低減することができる。
【0006】本願出願人は従前の出願(特願平2−19
3805号)において、出力軸の回転を一定に保持した
まま、クランク軸を不等速回転させてピストン速度を各
行程初期で早く、終期で遅くすることを可能とする可変
角速度比伝動機構を備えた内燃機関を提案している。図
7は特開平2−193805号に提案した可変角速度比
伝動機構を有する内燃機関の例である。
【0007】図において101は4気筒4サイクルエン
ジン、102はクランク軸、104〜107はそれぞれ
気筒I〜IVのピストンを示す。4気筒4サイクルエンジ
ンであるためピストン104〜107の行程はクランク
角度で180度ずつずれており、ピストン104と10
7が上死点にあるときピストン105と106は下死点
にあり、それぞれのピストンの行程開始時期は一致して
いる。クランク軸102の一端には機関101が自力で
回転するための必要最小限の慣性力を付与するために小
型のフライホイール103が設けられている。
【0008】またクランク軸102の出力端113には
可変速度比伝動機構108が設けられ、機構108の出
力軸114には大型のフライホイール115が設けられ
ている。可変速度比伝動機構108はカウンタシャフト
116を介して連結された歯車列109〜112により
構成される。図8に示すように歯車109と110及び
111と112は互いに噛合する非円形(楕円)歯車か
ら構成される。図9は出力軸114を等速で回転したと
きのクランク軸102の位相とクランク軸回転速度との
関係を表し、中心0からの距離がクランク軸の回転速度
を示している。図示のように楕円歯車を用いたことによ
りクランク回転角0度〜90度(A〜B)及び180度
から270度(C〜D)の範囲では回転速度が高く、9
0度〜180度(B〜C)及び270度〜360度(D
〜A)の範囲では回転速度が低くなる。実際の運転にお
いても出力軸114には比較的大型のフライホイール1
15が設けられており略一定速度で回転するため、クラ
ンク軸102の回転速度は図9に示すような変化を示
す。このため、各気筒I〜IVにおいて各行程初期に回転
速度が高く終期に低い所定の特性を得ることができる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上述のように非円形歯
車を用いた可変角速度比伝動機構を使用してクランク軸
に不等速回転をさせることにより機関効率の向上を図る
ことができる。しかし、上述の可変角速度比伝動機構で
は可変機構に非円形歯車を使用する必要があるため、歯
車の製作に工数を要し、コストが上昇する問題がある。
また気筒各行程におけるクランク角速度変化量を機関の
種類に応じて適合させるためには各機関毎に異なる歯車
を使用する必要があるため歯車の共用ができず各機関毎
に歯車のストックが必要となる問題がある。
【0010】更に、上述の可変角速度比伝動機構では通
常の等速回転クランク軸機関と同様に低速回転時と高速
回転時に生じるエンジントルクの脈動を防止することが
できず振動が発生する場合がある。内燃機関のトルクの
脈動は大別して各気筒での爆発行程に起因する燃焼トル
クによるものと、ピストン、コンロッド等の質量の往復
運動に起因する慣性トルクによるものがある。
【0011】このうち、エンジン低速運転時にはピスト
ン速度も低く慣性トルクによる脈動は問題にならない
が、各気筒の爆発の間隔が長いため燃焼トルクによる大
きな脈動が生じる。一方、エンジンの高速回転時にはピ
ストン速度の増大により慣性トルクが大幅に増し、慣性
トルクによる脈動が支配的になる。図6(a),(b)
にそれぞれ4気筒4サイクルエンジンの低速時と高速時
のクランク軸出力トルク変動を示す。図は縦軸にエンジ
ントルクT、横軸にクランク軸回転角を示している。
【0012】図6(a)に示すようにエンジン低速運転
時には各気筒の圧縮行程(区間I)では圧縮仕事の反力
により出力トルクは大きく低下し、それに続く爆発行程
(区間II)では燃焼トルクが急増するため大きな振幅の
脈動が繰返される。また、図6(b)に示すようにエン
ジン高速運転時には燃焼トルクは相対的に小さくなるが
慣性トルクによる脈動が増大し、各気筒とも、各行程の
初期(区間III )に相当する部分(ピストンの加速区
間)で出力トルクが低下し、行程後期(区間IV)に相当
する部分(ピストン減速区間)で出力トルクが増大す
る。また、区間IIIには爆発行程にある気筒も含まれる
ためこの区間では燃焼トルクによる小さな変動も加わっ
た形になっている。
【0013】このように内燃機関では低速時と高速時と
では出力トルクの脈動発生原因が異っており、前述の非
円形歯車を用いた可変角速度比伝動機構を適用した内燃
機関でも低速時或いは高速時にトルク脈動が生じてい
る。この出力トルク脈動は、出力軸のフライホイールの
慣性モーメントを増大することにより或る程度吸収する
ことは可能であるがフライホイールの慣性モーメントの
増大は一方では加速や減速の際の応答性低下を生じるた
め好ましくない。
【0014】本発明は上記問題を解決するため、製作の
容易な真円歯車を使用し、しかも機関毎の適合が容易で
歯車の共用化が可能であり、更に内燃機関の低速時と高
速時に生じる出力トルク脈動による振動をも防止可能な
可変角速度比伝動機構を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、クラン
ク軸と出力軸との間に可変角速度比伝動機構を設け、出
力軸の回転速度を略一定に保持しながらクランク軸の回
転角速度を周期的に変化させるようにした内燃機関にお
いて、前記可変角速度比伝動機構は前記出力軸に固定し
た出力軸歯車と、該出力軸歯車と噛合するとともに前記
クランク軸に連結され、前記クランク軸の回転を前記出
力軸に伝達する駆動歯車と、該駆動歯車を前記出力軸歯
車と噛合したまま出力軸のまわりに出力軸回転と同期し
て揺動運動をさせる揺動機構を備えることを特徴とする
内燃機関が提供される。
【0016】
【作用】駆動歯車を出力軸歯車と噛合したまま揺動運動
させることにより、出力軸とクランク軸との相対回転速
度は駆動歯車の揺動運動速度に応じて周期的に変化す
る。従ってフライホイール等により出力軸の回転速度を
一定に保持すればクランク軸の回転速度は駆動歯車の揺
動運動に応じて周期的に変化する。従って駆動歯車を出
力軸回転に同期して揺動させることにより非円形歯車を
使用することなくクランク軸に所定の不等速運動をさせ
ることができる。
【0017】また機関回転数に応じて上記揺動運動の位
相を変化させる機構を付加すれば前述の機関低速時及び
高速時のトルク脈動による振動を防止することができ
る。
【0018】
【実施例】図1に本発明を適用した内燃機関の実施例構
成を示す。図において1は4気筒4サイクルエンジン、
2はエンジン1のクランク軸、4〜7はそれぞれ気筒I
〜IVのピストンである。また、本実施例ではクランク軸
2の一端には小型のフライホイール3が設けられてい
る。フライホイール3は前述のようにエンジン1が自力
で回転するための必要最小限の慣性力を付与する目的で
設けられており、エンジン各部の慣性質量が或る程度大
きければ省くこともできる。
【0019】クランク軸2の出力端13には本発明の可
変速度比伝動機構8が設けられ、この可変速度比伝動機
構8の出力軸14には出力軸14の回転を一定に保持す
るために比較的大型のフライホイール15が設けられて
いる。図2に可変速度比伝動機構8の構成を示す。図に
おいて13aはクランク軸2の出力端13に接続された
入力軸、14は出力軸である。入力軸13aと出力軸1
4は可変速度比伝動機構8のアウタケーシング11の軸
受11a,11bにそれぞれ回転自在に支承されると共
に、軸受11cを介して同一軸線上に相互に回転可能に
接続されている。
【0020】また、10は後述の歯車9b,9cを支承
し、揺動運動を行わせるためのインナハウジングであ
る。インナハウジング10は軸受13b,14bを介し
て入力軸13a、出力軸14に回転可能に保持されてお
り、軸13a及び14を中心として揺動可能にされてい
る。歯車9a,9dはそれぞれ入力軸13a,14に取
着されており、インナハウジング10に回転自在に保持
された軸10aに取着された歯車9b,9cと噛合して
いる。歯車9aから9dは通常の真円のピッチ円を有す
る平歯車又ははす歯歯車であり、入力軸13aの回転は
歯車9aから9b,9c,9dを介して出力軸14に伝
達される。
【0021】今、歯車9a,9b,9c,9dの歯車を
a ,Zb ,Zc ,Zd とするとインナハウジング10
が固定されている場合入力軸13aの回転角速度n1
出力軸14の回転角速度n2 とはn1 =(Zb ・Zc
a ・Zd )・n2 の関係にある。出力軸14の角速度
2 を一定としてインナハウジングを角速度ni で回転
させた場合、入力軸13aの角速度n1 はn1 =K・n
2 +(1−K)ni で表わされる(ここでK=Zb ・Z
c /Za ・Zd )。従ってインナハウジングを揺動運動
させた場合、すなわちni を−nio〜+nioの範囲で周
期的に変動させた場合、入力軸13aの角速度はK・n
2 −(1−K)nio≦n1 ≦K・n2 +(1−K)nio
の範囲で周期的に変動し、クランク軸2に不等速運動を
行わせることができる。
【0022】インナハウジング10に上述の揺動運動を
行わせるため、本実施例では図2に21aで示したクラ
ンク部を有する軸21が設けられている。軸21は歯車
9dと噛合する歯車9eを介して出力軸から回転駆動さ
れており、軸21のクランク部21aにはロッド22が
回転自在に取着されている。ロッド22はインナハウジ
ング10に設けたスライダ23a,23bと共動して軸
21の回転に応じてインナハウジング10を揺動させ
る。
【0023】図3はスライダ23a,23b、ロッド2
2、クランク21aによるインナハウジング10及び歯
車9c,9dの揺動の状態を示す。図からわかるように
歯車9c,9dの揺動振幅はクランク半径Rにより定ま
る。また、軸21の回転を一定とすれば揺動速度も同様
に半径Rの関数となるため、クランク角速度変化量を半
径Rを変えることにより調整することが可能となる。
【0024】本実施例では歯車9eの歯数Ze は軸21
の回転数n3 が入力軸n1 の平均回転数の2倍、すなわ
ちZa ・Zc /Zb ・Ze =2となるように設定されて
いる。従って本実施例ではクランク軸2が1回転する間
に2往復の揺動運動が行われ、クランク軸は角度180
度を1周期として速度が増減することになる。このため
本実施例では出力軸14の回転を一定に保持することに
より非円形歯車を用いた場合と同様、図9に示すクラン
ク軸回転速度変化を得ることができる。
【0025】なお、本実施例では4気筒4サイクルエン
ジンに適合させるため軸21の回転数n3 をクランク軸
2(入力軸13a)の回転数n1の2倍に設定したがn
3 =3n1 となるようにギヤ比を設定すれば6気筒4サ
イクルエンジンに適合させることができる。また、NC
気筒NS サイクルエンジンに対してはn3 =2×NC
S ×n1 となるように設定することにより他の多気筒
エンジンにも適合させることができる。
【0026】上述のように本実施例によれば、製作の困
難な非円形歯車を用いることなく可変角速度比伝動機構
を構成することができ、しかもクランク角速度変化量を
クランク半径Rを変えることにより設定可能であるた
め、同一の歯車列9a〜9eを用いたまま、クランク半
径Rを変更することだけで機関種類に応じてクランク角
速度変化量を適合させることができる。
【0027】次に図4に本発明の別の実施例を示す。本
実施例では図2の実施例と同じ歯車列9a〜9dを用い
てインナハウジング10の揺動運動のクランク軸2に対
する位相と振幅とを運転中に変更可能とする揺動機構を
備えたことを特徴としている。本実施例では歯車9a〜
9d及びインナハウジング10、スライダ23a,23
bは図1、図2の実施例と同一であるため省略し、位相
及び振幅の可変機構部分のみを示している。
【0028】図において31は位相可変機構を、又41
は振幅可変機構を示す。本実施例では歯車9eは内周に
ヘリカルスプラインを刻設したスリーブ33に一体に取
着されており、スリーブ33は外周にスリーブ33のヘ
リカルスプラインと噛合するヘリカルスプライン34a
を設けた軸34に装着され、歯車9eはこのヘリカルス
プラインを介して軸34を回転駆動している。また、ス
リーブ33の両端にはアウタケーシングに固定されたス
ラスト軸受33a,33bが設けられており、後述の位
相可変操作時に歯車9eが軸方向に移動するのを防止し
ている。又、軸34の一端には油圧シリンダ等のアクチ
ュエータ35が設けられ軸34を軸線方向に変位させる
ようになっている。
【0029】また、本実施例では軸34とストレートス
プライン36を介して傾斜クランク部43aを有する軸
43が連結されている。傾斜クランク部43aには球面
軸受付スライダ25を介し前述の実施例と同様にロッド
22が回転自在に取着され、インナハウジング10のス
ライダ23a,23bと摺動する。図に45で示すのは
軸43を軸線方向に変位させる油圧シリンダ等のアクチ
ュエータである。
【0030】本実施例の位相可変機構31はアクチュエ
ータ35を作動させ軸34を軸線方向に移動させること
によりインナハウジング10の揺動運動の位相変更を行
う。すなわち歯車9eはスラスト軸受33a,33bに
より軸線方向の移動を阻止されているため軸34が移動
すると、歯車9eのスリーブ33は軸34との噛合部に
設けたヘリカルスプライン34aの歯筋に沿って軸34
に対して相対回転する。一方、クランク43aを有する
軸43は軸34とはストレートスプライン36を介して
連結されているため軸43と軸34との間には相対回転
は生じない。
【0031】このため、歯車9eとクランク43aとは
相対的に回転変位することになりクランク43aの回転
位相、すなわち揺動運動の位相がアクチュエータ35の
作動量に応じて変化する。また本実施例の振幅可変機構
41は同様にアクチュエータ45を作動させ軸43を軸
線方向に移動させることによりインナハウジング10の
揺動運動の振幅変更を行う。
【0032】すなわち、本実施例ではロッド22はイン
ナハウジング10のスライダ23a,23bと係合して
いるため軸43が移動しても軸方向位置は変化しない。
このためロッド22とクランク43aの係合部分は軸4
3の移動につれてクランク43aの傾斜に沿って移動
し、クランク半径Rが変化することになる。なお、軸3
4と43とはストレートスプライン36で連結されてお
り両方の軸は互いに影響を及ぼすことなく独立して移動
可能であるためインナハウジング10の揺動運動の位相
と振幅とは互いに独立して変更可能である。
【0033】このようにエンジンの運転中にインナハウ
ジング10の揺動運動の位相と振幅とを変えることによ
りエンジンの低速運転と高速運転で生じる互いに発生原
因の相異する振動を防止することが可能になる。すなわ
ち図6(a)に示す低速回転時の振動においては、圧縮
行程(区間I)後期で圧縮仕事によりトルクが大きく低
下し、それに続く爆発行程(区間II)では燃焼トルクが
急増するため、圧縮行程後期から爆発行程初期にかけて
のトルク変動が最も大きくなる。従って圧縮行程後期か
ら爆発行程初期にかけて出力軸14に設けたフライホイ
ール15の慣性が最も大きく作用するようにクランク軸
2の回転数を低下させることにより脈動トルクを吸収し
て出力トルクを平坦化する。今、フライホイール15の
慣性モーメントをI、出力軸14回転数をn2 、クラン
ク軸2の回転数をn1 とするとクランク軸2から見たフ
ライホイール15の等価慣性モーメントI′はI′=
(n2 /n1 2 ・Iで表わされる。このため揺動運動
の位相を調整して圧縮行程後期から爆発行程初期にかけ
てn1 を低下させるようにすれば等価慣性モーメント
I′は大幅に増加することになる。このため圧縮行程後
期においてはフライホイール15から圧縮に必要な大き
なトルクが供給されると共に、その後の爆発行程初期の
大きな燃焼トルクはフライホイール15で吸収され、出
力軸14のトルク脈動は大幅に低減されることになる。
【0034】一方エンジンの高速運転時のトルク脈動
(図6(b))では上記と事情が異りトルク脈動の原因
にはピストン、コンロッド等の往復運動質量が支配的と
なり、ピストン等を慣性力に抗して減速させる際に(各
行程後期)に最も大きなトルクが発生する。(図6
(b)区間IV)現実のエンジンではコンロッド長が有限
であるため、この最大トルク発生点は上死点又は下死点
より前の位置で発生する(図6(b)に位置Vで示
す)。従ってこの慣性トルクを低減するためには位置V
の前後でピストン速度を低下させて(すなわちクランク
軸2の回転を遅くする)ピストンの慣性力を低くするこ
とが必要となる。このため、クランク回転速度の変化は
図6(a),6(b)に示すように高速時には低速時に
比較して約90度位相を変化させることが必要となる。
このように低速時と高速時とでクランク回転速度変化の
位相(すなわちインナハウジングの揺動運動の位相)を
約90度変化させることにより両方のトルク脈動を効果
的に防止することができる。
【0035】なお、実際には低速時の燃焼トルク最大点
と高速時の慣性トルク最大点はエンジン種類により多少
の変化があるため、エンジン種類に応じて位相変化量を
適合させる必要があるが本実施例では上記のように位相
を無段階に可変としたことにより、この適合も極めて容
易となる。また、上記のようにクランク軸に不等速回転
運動をさせた場合可変角速度比伝動機構の歯車9a〜9
dにはクランク軸の回転数及び回転の変化速度に応じて
周期的に変動する力が加わることになる。歯車の歯面の
面圧や歯の曲げ応力を許容値内に保持するためには、こ
の力が過大になることを防止する必要がある。本実施例
では回転数が高くなるにつれてインナハウジングの揺動
運動の振幅を減少させることにより回転の変化速度を減
少させ回転数上昇による歯車面圧や曲げ応力の増大を防
止している。
【0036】上述のように本実施例では、エンジン低速
時と高速時に現れるトルク脈動に対してはインナハウジ
ングの揺動運動の位相と振幅とを変更して対処すると共
に、これらの脈動が問題とならない常用域では各行程初
期にクランク回転速度を早く、後期には遅く設定するこ
とによりエンジンの効率を向上させることが可能とな
る。
【0037】次に図5に本発明の第3の実施例を示す。
前述のように出力トルク脈動防止のためにはエンジン低
速運転時と高速運転時とではインナケーシングの揺動運
動の位相をクランク回転角で約90度変化させることが
必要になる。図4の実施例では位相を無段階に可変とす
る機構(図4,31)を設けていたが本実施例では位相
変化を90度に限定し、位相と振幅とを同時に一つの機
構で変化させるようにしている。
【0038】図において歯車9eは軸51に固定され歯
車9dの回転を軸51に伝達している。軸51には傾斜
クランク52が設けられ、クランクアーム53が球面軸
受54を介して傾斜クランク52に取着されている。本
実施例では傾斜クランク52は軸51の軸心55と交差
してその両側に傾斜部52a,52bを有している。ま
た、56はロッド53の球面軸受54を傾斜クランク5
2に沿って移動させるアクチュエータである。ロッド5
3は球面軸受54により傾斜クランク52と任意の角度
を保ったまた傾斜クランク52と共に回転可能であり、
その一端はピン58を介してスライダロッド57に接続
されている。ピン56はロッド53とスライダロッド5
7とを紙面に直角な軸線回りに回動可能に保持すると共
にロッド53とスライダロッド57とが紙面に直角な平
面内で回動することを防止している。スライダロッド5
7はインナハウジング10のスライダ23a,23bと
係合し往復運動を行う。従って、ピン56と球面軸受5
4の作用によりクランクアーム53が傾斜クランク52
上のどの位置にあっても軸51の回転をインナハウジン
グ10の揺動運動に変換することができる。図からわか
るようにアクチュエータ56を作動させて球面軸受54
を傾斜クランク52に沿って移動させることによりクラ
ンク半径Rを変化させることができる。また、球面軸受
54が傾斜クランク52の傾斜部52aと52bにある
ときでは揺動運動の位相が180度変化することにな
る。軸51は前述のようにクランク軸に対して2倍の速
度で回転しているため軸51の回転に対して揺動運動の
位相を180度変化させることによりクランク軸の回転
に対して揺動運動の位相を90度変化させることができ
る。従ってエンジン低速運転時と高速運転時とでクラン
ク軸の速度変化の位相を90度変化させ、同時に揺動運
動の振幅を回転数に合わせて変化させることが可能とな
り、簡易な構成で出力トルクの脈動を低減することがで
きる。
【0039】
【発明の効果】本発明は上述のように非円形歯車を用い
ることなく可変角速度比伝動機構を構成したことによ
り、歯車の製作コストの低減と歯車の共用化を図ること
が可能となる利点を有する。また本発明によれば、従来
の非円形歯車を用いた可変角速度比伝動機構では達成で
きなかったクランク軸速度変化の位相と振幅の可変化が
可能となるため使用頻度の高い中速領域では機関効率を
増大させ、同時に低速や高速領での出力トルク脈動を低
減させる運転が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した内燃機関の一実施例の構成を
示す略示図である。
【図2】図1の実施例の可変角速度比伝動機構の構成を
示す図である。
【図3】図2の可変角速度比伝動機構による、インナハ
ウジングの揺動運動を説明する図である。
【図4】位相と振幅との無段階変更を可能とする可変角
速度比伝動機構の実施例を示す図である。
【図5】位相の90度切換と振幅の無段階変更とを可能
とする可変角速度比伝動機構の実施例を示す図である。
【図6】機関低速時と高速時の出力トルク脈動を示す図
である。
【図7】従来の非円形歯車を用いた可変角速度比伝動機
構の構成を示す図である。
【図8】図7の非円形歯車の形状を示す図である。
【図9】図7の可変角速度比伝動機構によるクランク軸
の速度変化を示す図である。
【符号の説明】
1…エンジン 8…可変角速度比伝動機構 9a〜9e…歯車 10…インナハウジング 13…入力軸 14…出力軸 15…フライホイール 21…カウンタシャフト 21a…クランク 22…ロッド 23a,23b…スライダ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 クランク軸と出力軸との間に可変角速度
    比伝動機構を設け、出力軸の回転速度を略一定に保持し
    ながらクランク軸の回転角速度を周期的に変化させるよ
    うにした内燃機関において、前記可変角速度比伝動機構
    は前記出力軸に固定した出力軸歯車と、該出力軸歯車と
    噛合するとともに前記クランク軸に連結され前記クラン
    ク軸の回転を前記出力軸に伝達する駆動歯車と、該駆動
    歯車を前記出力軸歯車と噛合したまま出力軸のまわりに
    出力軸回転と同期して揺動運動をさせる揺動機構を備え
    ることを特徴とする内燃機関。
JP3234778A 1991-09-13 1991-09-13 内燃機関 Pending JPH0571609A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010249110A (ja) * 2009-04-20 2010-11-04 Fuji Heavy Ind Ltd 内燃機関
JP2010249111A (ja) * 2009-04-20 2010-11-04 Fuji Heavy Ind Ltd 内燃機関

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010249110A (ja) * 2009-04-20 2010-11-04 Fuji Heavy Ind Ltd 内燃機関
JP2010249111A (ja) * 2009-04-20 2010-11-04 Fuji Heavy Ind Ltd 内燃機関

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