JPH0571175U

JPH0571175U - 運送容器

Info

Publication number: JPH0571175U
Application number: JP004897U
Authority: JP
Inventors: アービングインズレイトーマス; フランクリンディラードジェームス; ユージーンヤングドナルド
Original assignee: ミネソタマイニングアンドマニュファクチャリングカンパニー
Priority date: 1990-02-09
Filing date: 1991-02-08
Publication date: 1993-09-24
Anticipated expiration: 2006-02-08
Also published as: JP2534815Y2; US4964509A

Abstract

(57)【要約】（修正有）【目的】様々な大きさと形状の複数の壊れやすい液体充
填の一次容器を安全に輸送することができまた液体が運
送容器から漏れ出ないのを保証することが第１と考えら
れている運送又は二次容器を提供する。【構成】運送又は二次容器はかみ合う一対の堅い殻体1
2，14を有しており、吸収性材料のフェルト状物20，21
が各殻体を充たし、正常時は粘着性の不連続の接着剤2
3、の層が少なくも１つのフェルト状物の露出面を被覆
している。この２つの殻体は好ましくは相互に同じもの
でありこれを相互に連結するため、各殻体は、舌片と溝
27、の両方が形成されこれら舌片と溝27、が他方の殻体
の舌片と溝27、に入れ子式にかみ合うようにする直立壁
18、を有している。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は危険性の多い液体、例えば診断上の標本、病因学上の標本、及び精密化学薬品の破壊しやすい小瓶を輸送するための包装に関する。さらに詳細には、本考案は、破壊又は漏洩を介して小瓶からたまたま解放された液体を収容しまたこの液体が包装の中の他の小瓶を汚染しないようにしそれによりこの包装又は小瓶を取扱う人々を保護することに関するものである。

【０００２】当該技術において、破壊しやすい小瓶は一般に“一次容器”と呼ばれ、そして複数のこの一次容器のための包装は一般に“二次容器”と呼ばれている。以下、二次容器は“運送容器”と称されることがある。

【０００３】

【従来の技術】

現在、医学上の標本の大部分は研究所やメディカルセンターから分析のため大きな診断センターに送られる。これら診断上の標本（例えば血液）は典型的には試験管、注射器及び小瓶のような壊れやすい一次容器に入れて輸送されるが、この一次容器はまたこの容器に衝撃を与えないよう保護する二次又は運送容器の中に包装される。このようにしても、漏れ又は破壊がしばしば起こり、またこれらの液体は危険が多いため、二次容器は、液体が包装内部の他の一次容器を汚染したりあるいは周囲に解放されることがないように、液体を収容するよう構成されなければならない。

【０００４】診断上の標本は典型的には二次容器、例えば各一次容器のための凹所を有する成型スチロフォームに入れて輸送される。例えば、Curtin Matheson Scientific 会社からの３チューブ血液標本郵便（ストック番号 193−508)を参照されたい。一次容器がその凹所よりも著しく小さかった場合には、この一次容器は薄紙の中に包まれ又はタオルで巻かれてきちんと嵌まるようにし、また包装材料は破れた又は漏れる一次容器によって解放された液体を吸収又は吸着できるようになっている。しかし、このようなシートがもたらすいかなる吸収保護作用も運まかせのものであって取扱い者に危害を与えないことを保証するものではない。

【０００５】運送容器が診断センターに損傷しないで到着した時でも、開放する時一次容器が運送容器から落下して破壊するという危険を最小にする必要がある。一定量の不注意は、人々がきまりきった日常の状態で多数の容器を取扱う時はいつでも予想されるものである。このようなある二次容器内部の一次容器のための配置が一つの研究所のために特別に設計され形成された時は、この二次容器の利用は、異なった型、形状、大きさ又は数の一次容器を使用する他の研究所にとっては著しく制限される。したがって、全ての研究所又は研究所グループの特別の必要性のために個々の注文に合わせて作った容器を供給することは販売者にとって高価となりまた困難となる。１つの特別な構造として、多数の試験管のための管状空洞と矩形状の側部保持開口とを有する米国特許第４,240,547号（Taylor）の二次容器を参照されたい。このTaylorの二次容器は、漏れた液体がそれを通って流れる中央凹所と、液体が二次容器の外に漏れる前に液体を吸収するためこの凹所に充填する吸収材料とが形成されている。もう１つの特定の多数ポケット構造は米国特許第３,621,994号（Brown)に示されている。

【０００６】壊れやすい一次容器が危険な液体を収容している時は、この一次容器は典型的に、液体が容器から偶発的に漏出しないよう吸着材料を含む二次容器の中に、一次容器の自力によって包装される。米国特許第 3,999,653号(Haigh他）、同第 4 ,560,069号(Simon）、同第 4,573,578号(Greminger他）、及び同第 4,756,937号（Mentzer)を参照されたい。このMentzer 特許の二次容器はたった１つのパウチ（小袋）を有しているが、Mentzer 特許は１つより多い一次容器がこのパウチの中で輸送できることを述べている。このMentzer の二次容器の材料は漏れた液体がゲルを生じるよう相互に作用する“解毒剤”を形成するようにしている。

【０００７】一次容器のための個々のポケットが形成された他の二次容器は、乳児食品のびんのための米国特許第 3,146,929号（Keim) 、飲料用罐のための同第 3,871,521 号（Szatkowski）と同第 4,173,286号（Stanko）である。

【０００８】

【考案が解決しようとする課題と課題解決のための手段】

本考案は、様々の大きさと形状の複数の壊れやすい液体充填の一次容器を安全に輸送することができまた液体が運送容器から漏れ出ないのを保証することが第１と考えられている運送又は二次容器を提供する。簡単には、本考案の運送容器は、１つの空間を包囲するようかみ合う一対の堅い殻体と、各殻体を充たす吸収材料のフェルト状物であって、正常時は実質的に平らな露出面を有し、殻体が閉じられた時一次容器を包み込むよう十分に適合し、殻体が閉じられた時フェルト状物の間の接触面に一次容器を保持するのに十分な本体部を有している、フェルト状物と、少なくとも一方のフェルト状物の露出面上の、正常時は粘着性の不連続の接着剤層とを具備している。

【０００９】米国特許第 4,813,948号（Insley）に記載されているのと同様な材料に基づくフェルト状物は、本考案の新規な運送容器において用いられた時は、２つの一次容器の半径の少なくとも総和だけ全ての隣接容器から離間されている複数の円筒状一次容器の各々を完全に取巻きかつ隔離することができる。この新規な二次容器のフェルト状物が開放細孔発泡体のような低い吸収性を有している時でも、漏洩は、殻体が熱可塑性樹脂で眞空成形されその接合部が液体不透過性の接着テープでシールされた時はこの新規な二次容器から漏出することがない。フェルト状物の表面を保護するため紡糸結合ポリプロピレン織物のようなスクリム外装又は被覆を有することができる。

【００１０】正常時粘着性の不連続接着剤層は熱溶融噴露によりフェルト状物の面に塗布することができる。低い塗布度合においては、この噴霧は本来的に糸のような様相を有することのある不連続な接着剤層を生じる。噴霧するのに代えて、この接着剤層はさらにパターン塗装又は印刷塗装が施され、不連続の接着剤層をつくり出すようにすることができる。これが不連続であるため、接着剤層は破壊され又は漏出する一次容器からフェルト状物の中への液体の通過を妨げない。

【００１１】接着剤をフェルト状物の両面に塗布することにより、接着剤の一方の層はフェルト状物をその殻体に接着し、接着剤の他方の層は一次容器を運送中及びこの新規の二次容器が開放された後所定位置に保持する。好ましくは２つのフェルト状物の１つの露出面だけが接着剤層を担持し全ての一次容器が同じフェルト状物の上に残るようにする。この二次容器が開放され一次容器が１つのフェルト状物上にそのまま残された後、各一次容器の少なくとも半分は完全に露出されそしてしっかりと握るのが容易となり、そのためこれを落とす危険を最小にすることができる。これに対し、従来の二次容器のポケットは一次容器の取外しを妨げる可能性がありそのため一次容器を落下する危険性が生じる。

【００１２】好適な感圧接着剤はいわゆる“低粘性”ゴム−樹脂合成物であるが、この合成物は一次容器として典型的に用いられるガラス又はプラスチックに対する十分な接着性を有しその不連続接着剤層が、運送中に受ける衝撃の大きさや振動数に関係なく、液体充填の一次容器を所定位置に保持する。この接着剤はまた殻体がひっくり返された時であっても、容器が開放された後に液体充填の一次容器を所定位置に保持する。試験は、一次容器がフェルト状物から持ち上げられるまで、取外しを容易にする粘性接着剤が、フェルト状物の露出面がほとんど垂直となるまで殻体がひっくり返された時液体充填容器を所定位置に保持することを示している。このような粘着性は一次容器が偶然に落下することがないようにする。一方において、過度に粘着性のある接着剤は一次容器の二次容器からの分離を困難にする。

【００１３】経済上のため及びその重量を軽くするため、二次容器の殻体は好ましくは、厚さが約0.25から0.５mmの熱可塑性樹脂のシートから眞空成形される。この殻体が成形される好適な熱可塑性樹脂は可塑化されたポリエステル樹脂と可塑化されたポリ塩化ビニールとを含み、その各々は−30℃もの低温で良好な靱性を保ちかつ安価である。この新規な二次容器が複数の一次容器を保持できるようにするため、各殻体は好ましくは、そのフェルト状物の露出面に平行に延びる広い面と、この広い面の長さと幅に対して短い直立壁とを有している。剛性を高めるため、各殻体の広い面は好ましくはリブが設けられる。２つの殻体の広い面が実質的に平らでありかつ相互に平行である時は、各フェルト状物は均一な厚さを有ししたがってまたその全面にわたって均一に圧縮可能である。

【００１４】製造及び在庫上の経済のため、この２つの殻体は好ましくは相互に等しいものとする。これらを相互にかみ合わせるため、各直立壁は２つの舌片と溝が形成され、これが他方の壁の舌片と溝とに入れ子式にかみ合う。このかみ合いはこの新規の二次容器を補強しまたフェルト状物をわずかに圧縮し、それによりフェルト状物が補強作用に力を貸すようにする。付加的な補強が、この二次容器がさらにフェルト状物の密度を高め堅くする複数の一次容器を保持している時に得られる。したがって、この新規な二次容器は殻体が薄肉で軽量の構造を有している時でも運送中に普通に受ける衝撃に耐えることができる。

【００１５】一次容器が前記接着剤層上に置かれまた他方の殻体が運送又は二次容器に密接して配置された後、殻体間の接合は好ましくは、非浸透性の裏材を有するのが好ましい接着テープで完全に密封される。一次容器から開放された液体がフェルト状物を通ってしみ出し殻体の周りに達するようなことが万一起ったならば、接着シールテープの非浸透性の裏材が障壁として作用し液体が二次容器の境界を越えて通過するのを阻止する。好ましくはシールテープの接着剤は感圧接着剤であり、それによりこのテープを二次容器に当接するのと後で二次容器を開放するのが容易となるようにする。

【００１６】フェルト状物は好ましくは水状の液体と油を基材とする液体の両方を容易に吸収する。その飽和容量の50％の負荷がかかった時、フェルト状物は、そのもとの厚さの約50％にフェルト状物を圧縮する力を受けた時に吸収された液体を保持しなければならない。このようなフェルト状物は米国特許第 4,813,948号（Insley ）に記載されているように作ることができるが、この特許のものは非イオン性界面活性剤と共に噴霧された吹出し微小繊維の源ウエブを引き裂くことにより作られた微小ウエブが、吹出し微小繊維担体ウエブに一体的に結合されている。微小ウエブと担体ウエブとの両者の微小繊維は好ましくは、約10μｍより小さい平均繊維直径を有しまた良好な順応性と優れた液体吸収性と結合された良好な体質との両方を有している。Insley特許に教示されるように、吹出し微小繊維はまた微粒子材料と混ぜることができる。この微粒子材料は一次容器に入れて輸送される潜在的に危険性のある液体を中和するように選択することができる。例えば米国特許第 3,971,373号(Braun）を参照されたい。

【００１７】

【実施例】

本考案は、全図が概略図である図面を参照することによりさらに容易に理解することができる。図１及び図２の運送容器10は２つの同一の殻体12と14を有し、これら殻体は実質的に矩形の広いリブ付きの面16及び17と短い直立壁18及び19とをそれぞれ有している。殻体12と14にはそれぞれフェルト状物20と21が充填される。各フェルト状物の各広い面を横切ってスクリム（目の粗い丈夫な布）22が延びている。接着剤23（図２には図示しない）の不連続層が殻体のリブ付き面と接触するスクリムの面を被覆する。一方のフェルト状物21上のスクリムの露出表面はまた不連続の接着剤層23を担持する。各殻体12と14のフランジに厚紙シート24が接着剤で付着される。舌片26が直立壁18の周縁を回って途中まで延出し、直立壁19の周縁を回って途中まで延出する溝27と入れ子式にかみ合う。

【００１８】複数の離間した液体充填の一次容器28が不連続の接着剤層23の上に置かれそして運送容器10が図２に示すように閉じられた時、フェルト状物20と21は各一次容器28を完全に取巻きかつ隔離する。感圧テープ29が２つの殻体間の接合部を密封する。試験手順需要吸収性微小ウエブ吸収材料の4.45cm（1.75インチ）直径の試験標本がろ過漏斗の中の 25〜50μｍの多孔プレート上に置かれた。1.０kpa の圧力が漏斗の胴部を自由に動くことのできるプランジャによって標本に加えられる。イオンが除去された水が零靜水頭で貯蔵部からサイホン機構を通って多孔プレートの上側表面に導入され試験標本が水を吸収した。吸収力の最初の直線的速さである“需要吸収性”は１／ｍ²／ｍで決定されかつ報告される。

【００１９】遠心力保持需要吸収性試験漏斗の中でイオン除去された水で平衡飽和に飽和された微小ウエブ吸収材料の標本が、遠心分離機の中に置かれ 180Ｇの遠心力を10分間受ける遠心分離機チューブの中に置かれる。この標本は取除かれ標本の中に残っているイオン除去の水の量が重量差によって決定されｇ／ｇで“遠心力保持”として報告される。

【００２０】吸収性微小ウエブ吸収性材料の標本（21.6cm×27.9cm）がイオン除去された水を少なくとも25cmの深さで収容するトレイの中に置かれる。この標本は水の表面上に１分間載せられ、そして飽和されなかったならば水の中に２分間浸され、その後で水から取り出され排水スクリーンの上に置かれ２分間排水される。標本に残っている水の量が重量差により決定される。“吸収性”は標本重量に対する標本に残るイオン除去水の量（ｇ／ｇ）である。

【００２１】厚さ微小ウエブ吸収材料の“厚さ”はCustom Scientific Instruments 会社から入手できる、1.22ｇ平衡重量の、低−負荷キャリパーモデルNo.CS-49-051を用いて決定された。圧縮応力／歪み試験 15cm×15cmの標本が圧縮ロードセルと５cm直径の圧縮台とを結合したInstron 試験ユニットを用いて圧縮応力を受ける。負荷の範囲を越える標本の偏位が均一負荷率を用いて記録される。評価が1.０cm／min のＸ−ヘッド速度を用いて導かれた。標本に加えられた力（応力）がkpa で記録され偏位（歪み）が圧縮されない厚さのパーセントとして報告される。

【００２２】落下試験 1.５cmの直径で9.５cmの長さの、着色された水で充たされた、4 つの栓をしたガラス試験管が平行する列状に運送容器の中に置かれ、これら試験管が隣接試験管と包装の端部とから５cm間隔が離される。この包装がテープで密封されUnited Nations Transport of Dangerous Goods Section ９，７，３ａ Package Group １に略述されているように、室温で落下試験を受ける。この包装を1.８ｍの高さから５回落下する、すなわち１回は底を平らにするよう、１回は頂部を平らにするよう、１回は長い側面を平らにするよう、１回は短い側面を平らにするよう、１回は角部を平らにするように、落下させることからなる試験に合格する規準は、外側包装が“輸送中に安全性に影響を及ぼすような何らかの損傷を示す”ことがあってはならずまた内部容器又は内部包装から漏れがないことを要求する。

【００２３】浸透試験 1.５cmの直径と9.５cmの長さで着色した水の充たされた４個の栓付き試験管が平行の列状に完成された運送包装の中に置かれ、これら試験管は隣接試験管と包装の端部とから５cm間隔をおいて配置される。テープで密封された後、この運送容器は Code of Federal Regulations Section 173.387、(b)(2)(iii) 節の表題 49に記載されているような衝撃／浸透試験を受ける。この試験は特定の突出部半径の鋼棒を落下させそしてその内容物の周囲への潜在的な解放のため包装を監視することを含んでいる。最悪の場合の筋書がこの棒を容器に直接試験管のうちの１つの上方に落下することにより模擬試験される。白い吸収紙の断片が棒の落下に先だって運送容器の下側に置かれ漏れを目に見えるようにするのを助けるようにする。この試験に合格するため、１つの運送容器は着色した水を周囲に解放してはならず、また運送容器の持続する有効性が著しく減少してはならない。

【００２４】実施例１微小ウエブ微小繊維源ウエブ吹出し微小繊維(BMF) 源ウエブが、ここに参照として合体されている米国特許第 4,933,229号（T.I.Insley及びD.E.Meyer)にしたがって用意されたが、この源ウエブは、６〜８μｍの平均繊維直径と、300gm ／ｍ²で８％重量の“Triton” Ｘ− 100を含有する基礎重量と、Rhom及びHaas会社から入手できるポリエチレンオキシド基材のイオン除去界面活性剤とを有していた。

【００２５】運送容器の殻体図１と図２に示されているような２つの同一の殻体の各々が、Eastman Chemic als から入手できる熱可塑性ゴリコール変形ポリエチレンテレフタレート樹脂の Kodar PETG6763の0.38mmの厚さのシートを雄型の上で 121〜 163℃で眞空成形され矩形殻体（25cm×14cm×４cm）をつくり出して用意された。各殻体は0.33mmの面の厚さと0.16mmの側壁の厚さと0.30mmの角部の厚さとを有していた。厚紙の裏材（0.38mmの厚さ）が各殻体のフランジに接着剤で固定された。

【００２６】フェルト状物前記の微小ウエブ微小繊維源ウエブが微小ウエブに混合されそしてここに参照によって合体されている米国特許第 4,813,948号（Insley）によるＢＭＦ担体ウエブに一体に結合された。重量で８％の“Triton”Ｘ−100 を含有する担体ウエブがさきに引用した米国特許第 4,933,229号（T.I.Insley及びD.E.Meyer)にしたがって用意され、また微小ウエブが担体ウエブに50％重量で一体に結合され、40 0g／ｍ²の基礎重量と2.６×10^-2ｇ／cm³の密度と、2.８％の固体性と2.０cmの厚さとを有する微小ウエブ吸収材料をつくり出した。この微小ウエブ吸収材料は 4.95l ／ｍ²／min の需要吸収性と0.４ｇ／ｇの遠心力保持と22.8ｇ／ｇの容積吸収性とを示した。この吸収材料の衝撃保護特性は前記の応力／歪み試験によって特徴づけられ、その結果は図３にグラフで表わされそして以下に述べられる。

【００２７】一対の吸収性フェルト状物が、National Starch 会社から入手できる、ゴム／樹脂基剤の熱溶融感圧接着剤(PSA）称号34−5511を、約14cm×55cmのスクリム材料（James River 会社から入手できる紡糸結合ポリプロピレン不織布ウエブ、“ Celestra”）の両面に塗布し、このスクリムを微小ウエブ吸収材料（約14cm×25 cm×２cm、重量14.0ｇ）にＰＳＡ被覆のスクリムをこの吸収材料の周りに長手方向に巻きつけかつこのスクリムの端部を重ねることにより接着することによって、用意された。フェルト状物の各々が殻体の一方に置かれ実施例１の運送容器を得た。

【００２８】この運送容器に、上記の落下試験で述べたような栓をした液体充填試験管が詰められ、その殻体間の接合部が３M Brand ＃396PSAテープ（2.54cm幅）で密封された。この密封された運送容器は前記の落下試験に合格した、すなわち、運送容器に目立った損傷がなく、運送容器内での試験管の移動がなく、試験管内容物の漏れがなかった。

【００２９】実施例２運送容器が、微小ウエブに加えてポリエチレンテレフタレートステープルファイバー（Eastman Chemicalから入手できる15デニール、3.２cmの長さのType Kod el 431）に微小ウエブ吸収性材料が一体に結合されている点を除き、実施例１におけるように作られた。微小ウエブ吸収性材料の構成は50重量％担体ウエブと30 重量30％微小ウエブと20重量％ステープルファイバーとである。この微小ウエブ吸収性材料は、基礎重量415g／ｍ²、密度2.１×10^-2ｇ／cm³、固体性2.１％、厚さ２cm、需要吸収性4.95 l／ｍ²／min 、遠心力保持0.35ｇ／ｇ、容積吸収性 26ｇ／ｇであった。

【００３０】前に述べた浸透試験を受けた時、運送容器の一方のプラスチック殻体が押しつぶされたが、穴はあけられず、プラスチック殻体のひび割れが認められた。テープの密封はもとのままであり、そのため実施例２の運送容器の無傷の状態が保持された。試験棒の衝撃個所直下の試験管は破壊し、その内容物が最小の拡散で吸収性フェルト状物の中に解放された（すなわち、着色された水が隣接の試験管に接触せずまた流体が運送容器から漏れ出なかった）。

【００３１】比較のため、International Chemical Laboratories(ICL)によって商業的に使用されているスチロフォーム標本ケースもまた浸透試験を受けた。このケースはその幅に沿って実質的に半分に分割され、着色された水の相当の量がケースから漏れ出た。図３の圧縮応力／歪み曲線この新規な運送容器のためのフェルト状物を作るのに用いることのできる３つの吸収性材料が前記した圧縮応力／歪み試験を受けた。図３において、カーブ30 は、現在診断標本のために運送業者間に使用されている密度1.７×10^-2ｇ／cm³ を有する開放−多孔発泡体を用いて得られたものである。カーブ32は商業的に入手できる吸収性材料（親水性微小繊維材料である３M Brand “Powersorb ”万能吸収剤）を用いて得られた。カーブ34は実施例２の微小ウエブ吸収材料を用いて得られたものである。

【００３２】カーブ30の連続部（図示しない）は実質的に少なくとも80％圧縮レベルまで直線である。カーブ30と同様なカーブを有する材料は良好なクッション特性をもたらすがこの新規の運送容器のフェルト状物に用いる時一次容器に一致させるために高圧縮力を必要とする。この限定された順応性とその弱い吸収性のため、この発泡体は本考案に用いるには好ましいものではない。

【００３３】好適の吸収性材料はカーブ32及びカーブ34と同様な圧縮応力／歪み曲線を有する材料を含んでいる。これらカーブの最初の比較的浅い傾斜は良好な順応性の表われであり、約50％及び70％歪み以上のそれぞれの恰好のよい急勾配の傾斜は良好なクッション特性の表われである。ガラス試験管のような壊れやすい軽量の一次容器のためには、カーブ34と同様な圧縮／歪み曲線を有する吸収性材料が好ましい。より耐久性がありかつより重い一次容器のためにはカーブ32と同様な圧縮応力／歪み曲線を有する吸収性材料が好ましい。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の好適な運送容器の、一部を破截して細
部を示す斜面図である。

【図２】図１の容器の２−２線による断面図である。

【図３】本考案の運送容器に使用することのできる３つ
のフェルト状物の圧縮応力／歪み特性を示すグラフであ
る。

【符号の説明】

10…運送容器 12…殻体 14…殻体 20…フェルト状物 21…フェルト状物 23…接着剤層 28…一次容器

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者ジェームスフランクリンディラードアメリカ合衆国，ミネソタ 55144−1000, セントポール，スリーエムセンター（番地なし) (72)考案者ドナルドユージーンヤングアメリカ合衆国，ミネソタ 55144−1000, セントポール，スリーエムセンター（番地なし)

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】様々の大きさと形状の複数の壊れやすい
液体充填一次容器（28）を輸送するのに適した普遍的な
運送又は二次容器（10）であって、１つの空間を閉鎖するようかみ合う一対の堅い殻体（1
2，14）と、各殻体（12，14）を充たす吸収性材料のフェルト状物
（20，21）であって、正常時は実質的に平らな露出表面
を有し、殻体（12，14）が閉じられた時一次容器（28）
を包囲するのに十分に順応し、殻体（12，14）が閉じら
れた時フェルト状物（20，21）間の接触面に一次容器
（28）を保持するのに十分な本体部を有しているフェル
ト状物と、少なくとも１つの殻体（12，14）のフェルト状物（20，
21）の露出表面上の、正常時は粘性の不連続の接着剤層
（23）とを具備してなる運送又は二次容器。
【請求項２】前記殻体が可塑化されたビニール樹脂か
らなる熱可塑性樹脂で眞空成形されている請求項１に記
載の運送容器。
【請求項３】各フェルト状物が約10μｍより小さい平
均繊維直径を有する吹出し微小繊維からなる請求項１に
記載の運送容器。
【請求項４】フェルト状物が、少なくともその半径の
和だけ間隔をあけて配された２つの隣接する円筒状の一
次容器を取巻きかつ隔離するのに十分に順応する請求項
３に記載の運送容器。
【請求項５】前記殻体の各々がフェルト状物の露出面
に平行な広い実質的に平らな面を有している請求項１に
記載の運送容器。
【請求項６】前記不連続の接着剤層が粘着性である請
求項１に記載の運送容器。
【請求項７】前記不連続の接着剤がゴム−樹脂合成物
である請求項１に記載の運送容器。
【請求項８】前記不連続の接着剤は、運送容器が開放
されかつ殻体がフェルト状物の露出面がほとんど垂直と
なるまで傾けられた後に、液体充填のガラスの一次容器
をフェルト状物の露出表面上の所定位置に保持するのに
十分な接着力を有している請求項17に記載の運送容器。