JPH05704Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、機関銃・機関砲等に弾を送り込む給
弾ブースタに関するものである。

従来技術 機関銃・機関砲等（以下機関銃とする）は弾の
反動や発射ガス圧等により弾を引き込む力が発生
するよう構成され、機関銃の弾装填口に弾をリン
クで列状に連結した弾列を臨ませることで自動的
に弾を弾装填口に送り込んで連続射撃を行なうこ
とが可能である。

しかし、ただ単に弾列を弾装填口に臨ませただ
けであると機関銃に発生した弾の引き込み力によ
つて弾列を引張ることになり、機関銃の弾引き込
み抵抗が大となつてしまうのでスムーズな連続射
撃を行なうことができない場合がある。

そこで従来は、弾列を外部動力によつて機関銃
の弾装填口に送り込む給弾ブースタを設けて機関
銃の弾引き込み抵抗を減少させることで正常な連
続射撃を行なうことができるようにしている。

しかし、従来の給弾ブースタは駆動用モータで
送り軸を駆動し、この送り軸に弾と噛合する送り
歯車を固着して送り歯車を回転することで弾列に
送り力を付与し、フレキシブルシユートに沿つて
弾列を機関銃の弾装填口に送り込む構成であるか
ら、機関銃の弾引込速度と給弾ブースタの弾列送
り速度との同期がとれないために、フレキシブル
シユート内でリンク・弾詰り又はリンク切れ等の
弾列ジヤムが発生し、正常な連続射撃ができない
不具合を有する。

すなわち、機関銃の弾引き込み力は第１図の表
図に示すように、間歇的、つまり弾を１発撃つ毎
に発生すると共に、その弾引込速度は時間ととも
に変動するので、給弾ブースタの弾列送り速度
（弾列駆動速度）を弾引込速度の最大値Ａに設定
すると、弾引き込み力が発生していない時等には
弾列を送り込み過ぎるためにリンク・弾詰りが発
生してしまう。

また、弾列送り速度を弾引込速度の時間平均値
Ｂに設定すると、その速度Ｂ以上の斜線部分では
弾列が機関銃の弾引き込み抵抗となつてリンク切
れが発生してしまう。

考案の目的 機関銃の弾引込速度と弾列送り速度とを同期さ
せて弾・リンク詰りやリンク切れが発生しないよ
うにすることを目的とする。

考案の構成 機関銃１の弾装填口２と弾箱３の出口４とをフ
レキシブルシユート５で接続し、弾箱３内の弾列
８を送り機構９によつてフレキシブルシユート５
を通して弾装填口２に送り動作するように構成し
た給弾ブースタにおいて、前記送り機構９を、弾
列８の弾６と噛合する送り歯車１１を駆動モータ
１５に連結した構造とし、その駆動モータ１５に
弾列送り速度又は弾列位置を検出するパルスエン
コーダ１６を設け、前記フレキシブルシユート５
における機関銃１の弾装填口２寄り位置に、弾列
８の弾６と噛合する歯車２１を回転自在に設け、
この歯車２１の回転によつて機関銃１の弾引き込
み力による弾列送り速度又は弾列位置を検出する
パルスエンコーダ１７を設け、該パルスエンコー
ダ１７と前記パルスエンコーダ１６の検出信号を
位置フイードバツク制御器２２に送つて両者の検
出信号が一定の関係となるように駆動モータ１５
を制御する構成とした給弾ブースタ。

実施例 第２図は給弾ブースタの全体斜視図であり、機
関銃１の弾装填口２と弾箱３の出口４とに亘つて
フレキシブルシユート５が接続してある。

前記弾箱３内には第３図に示すように弾６をリ
ンク７で列状に連結した弾列８が収納され、その
弾列８は送り機構９によつて出口４よりフレキシ
ブルシユート５を通つて弾装填口２に送られる。

前記送り機構９は弾箱３の両側壁３ａ，３ａ間
に送り軸１０を回転自在に設け、この送り軸１０
に弾列８の弾６と噛合して弾列送り手段となる送
り歯車１１を設けると共に、送り軸１０をプーリ
１２、ベルト１３、プーリ１４を介して駆動モー
タ１５に連結し、駆動モータ１５を回転すること
で送り歯車１１を回転して弾列８をフレキシブル
シユート５に沿つて弾装填口２に送り動作するよ
うに構成されていると共に、駆動モータ１５には
送り歯車１１の回転速度（弾列送り速度）又は送
り歯車１１の回転位置（弾列位置）を検出するセ
ンサとなるパルスエンコーダ１６が設けてある。

前記フレキシブルシユート５の弾装填口２寄位
置には弾装填口２に送り込まれる直前の弾列８
（弾６）の送り速度又は位置を検出するセンサと
なるパルスエンコーダ１７が設けてある。

つまり、機関銃１の弾装填口２の周囲には角筒
状の固定シユート１８が固設され、この固定シユ
ート１８にフレキシブルシユート５が接続してあ
ると共、固定シユート１８の両側壁１８ａ，１８
ａ間に跨つてブラケツト１９が固設され、このブ
ラケツト１９と両側壁１８ａ，１８ａ間に亘つて
回転軸２０が回転自在に支承され、この回転軸２
０には弾６と噛合する歯車（スプロケツト）２１
が固設してあると共に、回転軸２０がパルスエン
コーダ１７に連結してあり、弾列８が移動するこ
とにより歯車２１が回転し、回転軸２０を介して
パルスエンコーダ１７が回転するようにしてあ
る。

そして、各パルスエンコーダ１６，１７の検出
信号は位置フイードバツク制御器２２に送られ、
両者の検出信号が一定の関係となるように駆動モ
ータ１５が制御されて機関銃１の弾引込速度と給
弾ブースタの弾列送り速度が常に同期するように
なる。

例えば、駆動モータ１５に設けたパルスエンコ
ーダ１６より単位時間内に出力されるパルス数
（又はパルス間隔）によつて給弾ブースタの弾列
送り速度を検知し、他のパルスエンコーダ１６よ
り単位時間内に出力されるパルス数（又はパルス
間隔）によつて弾装填口２に送り込まれる直前の
弾列送り速度（つまり、機関銃１の弾引き込み力
による弾引込速度）を検知する。

そして、各パルスエンコーダ１６，１７で検出
したパルス数を位置フイードバツク制御器２２に
入力して比較演算して給弾ブースタの弾列送り速
度と弾引込速度との差を演算し、弾引込速度が弾
列送り速度より速ければ駆動モータ１５に増速指
令を出力し、遅ければ減速指令を出力して弾列送
り速度（送り歯車１１の回転速度）と弾引込速度
（歯車２１の回転速度）とを同期させるように制
御する。

これにより、弾・リンク詰りやリンク切れが発
生することなく正常に連続射撃を行なうことがで
きる。

また、各パルスエンコーダ１６，１７の出力パ
ルスを積分器に出力して弾列送り速度と弾引込速
度とを面積として検出し、その面積が同一となる
ように制御しても良い。

考案の効果 機関銃１の弾引込速度と弾列送り速度とを同期
させて弾・リンク詰りやリンク切れが発生しない
ように弾を機関銃１の弾装填口２に連続して送り
込みできるので、正常な連続射撃を行なうことが
できる。

また、送り機構９の送り歯車１１を駆動する駆
動モータ１５に設けたパルスエンコーダ１６の検
出信号と、フレキシブルシユート５における機関
銃１の弾装填口２寄り位置に設けた歯車２１の回
転によつて回転するパルスエンコーダ１７の検出
信号を位置フイードバツク制御器２２に送つて前
記駆動モータ１５を制御するので、弾列８に無理
な力が作用しないし、弾箱３寄りの弾列送り速度
又は弾列位置及び機関銃１寄りの弾引込速度又は
弾列位置を正確に検出できるばかりか、その各パ
ルスエンコーダ１６，１７に対する位置フイード
バツク制御器２２の位置を任意に設定できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は機関銃の弾引込速度と給弾ブースタの
弾列送り速度の関係を示す表図、第２図以降は本
考案の実施例を示し、第２図は給弾ブースタの全
体斜視図、第３図は弾列の正面図、第４図は第２
図の部横断面図である。 １は機関銃、２は弾装填口、３は弾箱、４は出
口、５はフレキシブルシユート、８は弾列、９は
送り機構、１６はセンサ、１７はセンサ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 機関銃１の弾装填口２と弾箱３の出口４とをフ
   レキシブルシユート５で接続し、弾箱３内の弾列
   ８を送り機構９によつてフレキシブルシユート５
   を通して弾装填口２に送り動作するように構成し
   た給弾ブースタにおいて、前記送り機構９を、弾
   列８の弾６と噛合する送り歯車１１を駆動モータ
   １５に連結した構造とし、その駆動モータ１５に
   弾列送り速度又は弾列位置を検出するパルスエン
   コーダ１６を設け、前記フレキシブルシユート５
   における機関銃１の弾装填口２寄り位置に、弾列
   ８の弾６と噛合する歯車２１を回転自在に設け、
   この歯車２１の回転にとつて機関銃１の弾引き込
   み力による弾列送り速度又は弾列位置を検出する
   パルスエンコーダ１７を設け、該パルスエンコー
   ダ１７と前記パルスエンコーダ１６の検出信号を
   位置フイードバツク制御器２２に送つて両者の検
   出信号が一定の関係となるように駆動モータ１５
   を制御する構成としたことを特徴とする給弾ブー
   スタ。