JPH056908Y2

JPH056908Y2 -

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Publication number: JPH056908Y2
Application number: JP5785790U
Authority: JP
Priority date: 1990-05-31
Filing date: 1990-05-31
Publication date: 1993-02-22
Anticipated expiration: 2003-02-22
Also published as: JPH0417714U

Description

【考案の詳細な説明】（産業上の利用分野）本考案はマツサージや化粧技術習得のために適
した人体のモデルに関するものである。

（従来の技術）前記のような技術のために開発された頭部モデ
ルは従来公知であり、例えば、比較的硬質の合成
樹脂で形成された骨格部の外側に非多孔質シリコ
ーン系ゴムで形成された肉質部を接着してなる頭
部マネキン（実開平１−138316号公報）が開示さ
れている。

（技術的課題）しかしながら、かかる頭部マネキンは人間の肉
質感に乏しいという問題点を有している。この問
題点を解決する方法としては肉質部を形成する材
料をより軟質のものにし柔軟性を高め肉質感を出
すことが考えられるが、この場合は引裂強度が低
下したりベタツキが生するためマツサージや化粧
技術習得用には好ましくなかつた。

本考案は前記の点を解決するもので、その目的
は実際の人体と同様の硬度、柔軟度等を持ち、そ
れにより技術の習得が著しく容易なマツサージ、
化粧練習用人体モデルを提供することにある。

（技術的手段）前記目的は、相対的に硬質の材料よりなる骨質
層と、該骨質層を覆つた、形状復元性のある材料
よりなるクツシヨン層と、該クツシヨン層の外側
を覆つた非粘着性の材料よりなる肉質層とを備え
た構成の人体モデルにより達成される。肉質層は
人体に類似の感触を与え得る柔軟性を有するもの
である。

（実施例）図面により説明すると、図示は硬さ、柔軟性の
変化に富んだ頭部モデルに関するものである。各
図中１０は骨質層としての頭蓋骨で、眼窩１１、
頬部１２等の凹陥部や、鼻梁１５、頬骨１６等の
突出部を有し、略実物大の頭蓋骨の外形、形状
に、型成形されている。材料としては硬質の合成
樹脂材（例えば硬質ウレタン、エポキシ樹脂、ポ
リエステル樹脂、PVC、ABS、ポリエチレン、
ポリスチレン、ポリメチルメタクリレートなど）、
乃至は、鉄、アルミニウム、銅などの金属、木
材、陶磁器、石こうなどが挙げられる。例示の骨
質層１０は頭蓋顔面を構成する前半部１７と、後
半部１８とから成り、これらが別々に成形され、
事後一体に形成される。しかし本考案のモデルは
前記の凹陥部や突出部が設けられる前半部１７の
みでも良い。また前半部と後半部とに分けること
なく頭部全体を一体として形成することもでき、
さらに前半部１７側にのみ後述のクツシヨン層や
肉質層等を設けることもできる。

２０はクツシヨン層であり、前記骨質層１０の
凹陥部、突出部等を整形して顔面に肉付きを付与
するもので、これにより人体の感圧に近づける。
クツシヨン層２０は、前部材２１、後部材２２か
らなり、骨質層１０の前半部１７、後半部１８を
覆う。該クツシヨン層２０は前半部と後半部とに
分けることなく一体に成形されたものでもよく、
また、骨質層１０の前半部のみを覆うものであつ
てもよい。クツシヨン層２０を形成する材料とし
てはマツサージによる変形に対して形状復元性の
ある材料であり通常、反発弾性が40％以上のもの
である。例えば軟質発泡ポリウレタン、軟質発泡
ポリ塩化ビニル、軟質発泡ポリエチレンなどのよ
うな発泡体、天然ゴム、ポリイソプレンゴム、ポ
リブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、
アクリロニトリル−ブタジエンゴムなどのエラス
トマーの架橋発泡体などが挙げられる。このクツ
シヨン層２０は骨質層１０や肉質層３０に接着し
ていてもしていなくても良い。マツサージの練習
などに用いる場合はクツシヨン層２０が骨質層１
０に接着していない方が相対的に動き得るので単
に柔らかいというだけでなく、つまめる量やつま
みあげ、またもみさする感触まで再現されるので
好ましい。クツシヨン層の厚みは凹部と凸部で異
なるため一概には決められないが、通常、約３〜
40mmである。

３０は肉質層で、前記クツシヨン層２０の表面
を覆うものであり、目３１、鼻３２、口３３等が
型成形によつて設けられ、前記クツシヨン層２０
と同様に型成形され、人の顔に類似の肉質を与え
るような柔軟性のある非粘着性の材料によつて形
成される。

肉質層３０を形成する材料は非粘着性の高分子
材料でありシヨアＡの硬度が40〜20、好ましくは
40〜30のものである。例えばRTVシリコーンゴ
ム、塩化ビニルゾル、軟質ポリウレタンなどが挙
げられる。肉質層３０の厚みは凹部と凸部で異な
るため一概には決められないが、通常約５〜30mm
である。

以上は骨質層１０、クツシヨン層２０及び肉質
層３０を備えて成る３層構造の例であるが、骨質
層１０とクツシヨン層２０との間例えば目窩１
１、頬部１２等の凹陥部に柔軟材よりなる充填層
４０を設けることにより、更に人体の感触に近づ
けることができる。充填層４０を形成する材料は
高粘性流体やゲル状物或いはスポンジの如き柔軟
材であり、前者としては例えば流動パラフイン、
ワセリン、グリース、含水ゲル、含油ゲル、液状
ポリマーなどが挙げられる。

５１はモデル頸部、５２は該頸部５１に取付け
た台、５３はその台５２を介して本案モデル５０
を支える支持部材で、自在継手５４と、クランプ
５５等を有する。本考案の人体モデルは人体頭部
用に適用できる他、胸部から上側部分、上半身部
分、全身などにも適用できる。

〔実施例〕顔面形状につくられた上、下型を開
いた状態の金型にフツ素離型剤を塗布し乾燥後、
上、下型を閉じ、予め設置された注入口より肉質
層を形成するRTVシリコーン（日本フランシー
ル製ロードルRTV1597）を注入機より混合注入
し、加熱硬化した。硬化後脱型して得られた肉質
層（シヨアＡ硬度37、厚み７〜10mm）を予めスラ
ツシユ工法で成形したポリ塩化ビニル製の骨質層
にかぶせた状態で、部分的に端面を接着した。次
いで接着しない一部の隙間からクツシヨン層を形
成するポリウレタン（住友バイエルウレタン(株)製
スミジユール44V10 １重量部と同(株)製スミフエ
ン3060G2重量部を混合したもの）を注入して発
泡させ、骨質層、クツシヨン層（反発弾性、45％
（JIS−K6401準用による）、密度46Kg／m³、厚み
７〜15mm）及び肉質層の３層から成る顔面モデル
を得た。

この顔面モデルを用いてマツサージ、化粧練習
を行なつたところ実際の人体と同様の硬度、柔軟
度等を持つているので、技術の修得が著しく容易
であつた。

（作用）本考案の人体モデル５０は以上の如く骨質層１
０、クツシヨン層２０及び肉質層３０から成る３
層より構成されているので、人の膚に非常に近い
感触と硬軟の度合いを持つから、これを用いてマ
ツサージを行なうときは、恰も実際の人体に対す
るかのような現実感で練習することができる。ま
た骨質層１０とクツシヨン層２０との間に充填層
４０を形成したときは、他部分と著しく異なる眼
窩等の感触もさらに実際に近くなる。

（効果）従つて本考案によれば実際の人体と同様の硬
度、柔軟度等を持ち、それによりマツサージ、化
粧練習等を行なえるので、技術の修得が著しく容
易になる効果が発揮される。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る人体モデルの実施例を示す
もので第１図は分解斜視図、第２図、第３図は２
例の断面図、第４図、第５図は夫々の拡大断面
図、第６図は使用状態の側面図である。１０……骨質層、１７……前半部、１８……後
半部、２０……クツシヨン層、３０……肉質層、
４０……充填層。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】 (1) 相対的に硬質の材料よりなる骨質層と、該骨
質層を覆つた、形状復元性のある材料よりなる
クツシヨン層と、該クツシヨン層の外側を覆つ
た非粘着性の材料よりなる肉質層とを備えて成
る人体モデル。 (2) 骨質層とクツシヨン層の間に、柔軟材が充填
された充填層を備えた請求項第１項記載の人体
モデル。