JPH0568540U - 薬液用プラスチック容器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 胴部の底面に薄肉のヒンジで連設されたヒン
ジの両端部に亀裂が生ぜず、吊具が胴部から破断するこ
とがない薬液用プラスチック容器を提供する。 【構成】 薬液用プラスチック容器１は、胴部２の底面
に板状の吊具５を薄肉のヒンジ７を介して連設されてい
る。吊具５の略中央部には掛け孔８を有している。吊具
５のヒンジ側両端部９，９を曲面状に形成して、ヒンジ
７の両端部を中央部１０より長く形成している。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、アミノ酸輸液剤、脂肪乳剤、高カロリー輸液剤などの静脈注射用輸 液や経腸栄養剤、高蛋白栄養剤、成分栄養剤、流動食などの経腸的高カロリー栄 養剤の薬液を充填する薬液用プラスチック容器に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

胴部の底面に板状の吊具を薄肉のヒンジを介して連設した薬液用プラスチック 容器は、特開昭６２−１４８６６３号公報に記載されているものなどがある。 この種の薬液用プラスチック容器は、熱可塑性プラスチック材料をブロー成形 して形成され、胴部の底面には吊具がブロー成形時に一体的に形成されるが、吊 具は薄肉のヒンジを介して胴部に連設されている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

ところで、上記のように、従来の薬液用プラスチック容器にあっては、胴部に 薄肉のヒンジを介して吊具が起伏自在に連設されているので、輸送、保管または 使用中において、胴部に対して吊具がヒンジを捩る方向に不規則に動くことがあ り、それが繰り返されると、ヒンジの両端部に亀裂が生じて、吊具が薬液を充填 した容器の吊下げ重量に耐えないことがあったり、胴部から吊具が破断するなど の問題があった。

【０００４】 そこで、本考案の技術的課題は、従来のものにおける上記のような問題点を解 消して、胴部の底面に板状の吊具を連設する薄肉のヒンジに捩り力が加わっても 、ヒンジの両端部に亀裂が生ぜず、吊具が胴部から破断することがない薬液用プ ラスチック容器を提供することを目的とするものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案は、上記の目的を達成するため、次のように構成した。 すなわち、薬液を収納する胴部の底面に板状の吊具を薄肉のヒンジを介して連 設した薬液用プラスチック容器において、吊具の略中央部には掛け孔を有してお り、吊具のヒンジ側両端部を曲面状または傾斜状に形成して、ヒンジの両端部を 中央部より長く形成した薬液用プラスチック容器としたものである。

【０００６】

【作用】

本考案に係る薬液用プラスチック容器によれば、吊具のヒンジ側両端部が曲面 状または傾斜状に形成されており、ヒンジの両端部がその中央部より長く形成さ れているので、吊具にヒンジを捩る方向の力が作用してヒンジの両端部に集中応 力が加わっても、ヒンジの両端部は捩り作用に対する変形に余裕があって亀裂が 生じない。

【０００７】

【実施例】

図面について本考案の一実施例を説明する。 １は薬液用プラスチック容器であって、この薬液用プラスチック容器１は、熱 可塑性プラスチックをブロー成形して構成されたものである。 薬液用プラスチック容器１は、胴部２の上端に口部３を、かつ底面４に吊具５ を備えてなるものであって、口部３には栓体６が溶着されている。 上記吊具５は板状をなし、胴部２の底面４に薄肉のヒンジ７を介して連設され ており、その吊具５の略中央部には掛け孔８を有している。薄肉のヒンジ７はブ ロー成形時に一体に成形されたものである。 吊具５のヒンジ側両端部９，９は、図２に示すように曲面状に形成されており 、ヒンジ７の両端部は、吊具５のヒンジ側両端部９，９が曲面状をなしている分 だけ、その中央部１０に比して長く形成されている。 薬液用プラスチック容器１を構成する熱可塑性プラスチックとしては、ポリエ チレン、ポリプロピレン、塩化ビニルなど、ブロー成形に適した材料が用いられ る。

【０００８】 吊具５のヒンジ側両端部９，９は、曲面でなく、図４に示すように傾斜状に形 成してもよい。そして、この場合も、ヒンジ７の両端部は、吊具５のヒンジ側両 端部９，９が傾斜状をなしている分だけ、その中央部１０に比して長く形成され る。

【０００９】 板状をなす吊具５の厚みは、１ｍｍ以上であり、好ましくは２．５ｍｍである 。ヒンジ７の厚みは、０．３〜０．６ｍｍ、好ましくは０．４ｍｍであり、その 幅は２０〜４０ｍｍ、好ましくは３０ｍｍであり、その中央部の長さは１〜３ｍ ｍ、好ましくは２ｍｍである。吊具５のヒンジ側両端部９，９が曲面状のときは 、その曲率半径Ｒが５〜１０ｍｍ、好ましくは７．０ｍｍであり、傾斜状のとき は、そのＣ面が５〜１０ｍｍ、好ましくは７．０ｍｍである。

【００１０】 以上のように構成された薬液用プラスチック容器１によれば、吊具５のヒンジ 側両端部９，９が曲面状または傾斜状に形成されていて、ヒンジ７の両端部がそ の中央部より長く形成されているので、吊具５にヒンジ７を捩る方向の力が作用 してヒンジ７の両端部に集中応力が加わっても、ヒンジ７の両端部は中央部１０ より長く、捩り作用に対する変形に余裕があって、その部分に過大な力が作用し ない。 このため、薬液用プラスチック容器１の輸送、保管または使用中において、胴 部２に対して吊具５がヒンジ７を捩る方向に不規則に動くことがあり、それが繰 り返されても、ヒンジ７の両端部に亀裂が生ぜず、胴部２から吊具５が破断する ことがない。

【００１１】

【考案の効果】

本考案によれば、胴部の底面に板状の吊具を連設する薄肉のヒンジに捩り力が 加わっても、ヒンジの両端部に亀裂が生ぜず、吊具が胴部から破断することのな い優れた薬液用プラスチック容器を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る一実施例を示す薬液用プラスチッ
ク容器の全体正面図である。

【図２】図１に示す薬液用プラスチック容器の一部の拡
大正面図である。

【図３】図２に対応する断面図である。

【図４】本考案に係る他の実施例を示す薬液用プラスチ
ック容器の一部の正面図である。

【符号の説明】

１ 薬液用プラスチック容器 ２ 胴部 ３ 口部 ４ 底面 ５ 吊具 ６ 栓体 ７ ヒンジ ８ 掛け孔 ９，９ 両端部 １０ 中央部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 薬液を収納する胴部の底面に板状の吊具
   を薄肉のヒンジを介して連設した薬液用プラスチック容
   器において、吊具の略中央部には掛け孔を有しており、
   吊具のヒンジ側両端部を曲面状または傾斜状に形成し
   て、ヒンジの両端部を中央部より長く形成したことを特
   徴とする薬液用プラスチック容器。