JPH0567656U - リッパーアタッチメントの構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 作業時のリッパーチップ及びピンへの負担を
軽減して、それぞれの交換時期を延ばす。 【構成】 ブルドーザー側に屈曲形成されたシャンクの
屈曲掘削部の略３角形状の尖頭部に外嵌状に取り付ける
リッパーチップの取り付け開口端面と前記シャンクの外
側湾曲面との間に掘削抵抗に抗してリッパーチップの変
位を規制するリッパーチップストッパーを取り付ける。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、例えばブルドーザーの後部に取り付けられて油圧操作されるビー ムに複数本垂下状に取り付けられて牽引掘削するリッパーアタッチメントの構造 に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、この種のリッパーアタッチメント３１はシャンク３２とプロテクタ３９ とリッパーチップ４１とから構成され、シャンク３２は所定の肉厚を有する略細 長形状の板状に形成され、その下端側は略３角形状に屈曲形成されて屈曲掘削部 ３３が形成され、この屈曲掘削部３３の所定の位置にはプロテクタ３９を取り付 けるピン孔３４が貫設されて、屈曲掘削部３３の内側湾曲面３５を保護するプロ テクタ３９がピン４０により着脱可能に取り付けられている。 また、屈曲掘削部３３の尖頭部３６の所定の位置にはリッパーチップ４１を取 り付けるピン孔３７が貫設され、この尖頭部には外嵌状に嵌合する略３角すい形 状のリッパーチップ４１がピン４２を介して着脱可能に取り付けられて、同リッ パーチップの面４３とプロテクタ３９の面３９ａがほぼ連続状に設けられている 。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、リッパーチップ４１はピン４２により、シャンク３２の尖頭部 ３６に遊嵌状に取り付けられ、ピン４２は単なる抜け落ち防止用であって、リッ パーチップ４１はシャンク３２に対して嵌合されてはいるが完全には固定されず 、ピン４２を中心に若干回動したり、軸方向に移動したりしてガタつく。

【０００４】 このような固定状態で掘削作業時にリッパーチップ４１に後方及び上方への強 い掘削抵抗力がかかるとき、図３矢印方向に示すようにリッパーチップ４１がピ ン４２を中心に過度に後方へ回動されるとともに、軸方向に沿って斜め上後方に 押し上げられ、リッパーチップ４１の内側面の内側にシャンク３２の尖頭部３６ の内側面が強く内接した状態、すなわち、正常な嵌合状態から外れた状態で地面 等を掘削することになる。

【０００５】 したがって、リッパーチップ４１のシャンク３２嵌合部位に大きな負担がかか って、図３鎖線部に示すようにリッパーチップ４１のシャンク３２嵌合部位より 先端部分が後方へ屈曲して、先端が下方を向いて垂れを生じる。 さらに、このような状態で掘削を継続すると、次第にピン４２のリッパーチッ プ４１掛止部位にも負担がかかり、ピン４２がこの部位から湾曲されることもあ る。

【０００６】 このようなリッパーチップ４１及びピン４２の変形は、掘削の抵抗を高めて掘 削の効率を低下させることになる。さらに、これらの交換時期を早めコストを上 昇させるという問題点があった。 そこで、この考案の目的は、作業時のリッパーチップ及びピンへの負担を軽減 して、それぞれの交換時期を延ばすことのできるリッパーアタッチメントの構造 を提供することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために、この考案は、ブルドーザーの後部に取り付けて油 圧で操作して地面等を掘削する油圧リッパーのシャンクとプロテクタとリッパー チップとからなるリッパーアタッチメントであって、ブルドーザー側に屈曲形成 されたシャンクの屈曲掘削部の略３角形状の尖頭部に外嵌状に取り付けるリッパ ーチップの取り付け開口端面と前記シャンクの外側湾曲面との間に掘削抵抗に抗 してリッパーチップの変位を規制するリッパーチップストッパーを取り付ける構 成としたリッパーアタッチメントの構造に存する。

【０００８】

【作用】

上記構成としたことにより、リッパーチップの取り付け開口端面がリッパーチ ップストッパーに当接してリッパーチップが正常な嵌合位置に保持されるので、 リッパーチップのシャンク嵌合部位にかかる負担を分散できる。

【０００９】

【実施例】

以下、本考案の一実施例を図１ないし図２に基づいて説明する。 リッパーアタッチメント１は従来と同様、シャンク２とプロテクタ９とリッパ ーチップ１１から構成されて、フレーム２１及び油圧シリンダ２２によってブル ドーザー２４の後部に若干の角度回動可能に取り付けられたビーム２３に、固定 されている。

【００１０】 シャンク２は、従来と同様に所定の肉厚を有する略細長状の板状に形成されて 、その下端側はブルドーザー２４側に斜め下方に３角形状に屈曲形成されて屈曲 掘削部３が形成されている。この屈曲掘削部３の所定の位置にはプロテクタ９を 取り付けるピン孔４が貫設されている。

【００１１】 プロテクタ９は断面略コの字状に形成されて、掘削した岩や土からシャンク２ を保護するために、屈曲掘削部３の内側湾曲面５に沿って覆うように、ピン１０ を介して着脱可能に取り付けられている。さらに、このシャンク２の屈曲掘削部 ３の尖頭部６の所定の位置にはリッパーチップ１１を取り付けるピン孔７が貫設 されている。

【００１２】 リッパーチップ１１はシャンク２の尖頭部６の形状に沿って嵌め合わせて取り 付け可能な先端の尖鋭な略３角形の偏平なキャップ状に形成されて、プロテクタ ９の下端との間にわずかな間隔をおいてプロテクタ９の内側面９ａとリッパーチ ップ１１の内側面１３とがほぼ連続状に、尖頭部６の先端にピン１２によって取 り付けられている。この取り付け状態では、リッパーチップ１１の内部のなかば までシャンク２の尖頭部６が達して、リッパーチップ１１はシャンク２の尖頭部 ６に遊嵌状に緩く固定されている。

【００１３】 リッパーチップストッパー１６はシャンク２の外側湾曲面８とほぼ同じ幅を有 するとともに、リッパーチップ１１の取り付け開口端面１５とほぼ同じ厚みを有 する略直方体形状の鋼材等からなり、シャンク２の尖頭部６の外側面にリッパー チップ１１の取り付け開口端面１５からわずかな間隔をおくとともに、リッパー チップストッパー１６の外側面１７がリッパーチップの外側面１３とほぼ連続状 になるように溶接等により接合されている。 したがって、リッパーチップ１１を若干後方へ回動させるとその取り付け開口 端面１５がリッパーチップストッパー１６の下端面１８に当接可能である。

【００１４】 次に、本例の作用について説明する。 ブルドーザー２４を前進させて、油圧リッパーによる掘削作業を行うとき、リ ッパーチップ１１は後方及び上方への強い掘削抵抗力Ｆを受けて、図１矢印方向 に示すように後方へ回動するとともに上方へ押し上げられるが、リッパーチップ １１の取り付け開口端面１５がリッパーチップストッパー１６に当接して支持さ れる。すなわち、従来とちがって正常な嵌合位置の範囲内に回動及び上方移動を 規制されるので、リッパーチップ１１にかかる大きな負荷がリッパーチップスト ッパー１６にも分散され、リッパーチップ１１内部のシャンク２の嵌合部位に大 きな負荷がかからない。 したがって、本例においてはリッパーチップ１１の先端が垂れる変形が発生し にくく、ピン１２の変形も生じにくい。

【００１５】 本例においては、リッパーチップ１１を当接支持可能なリッパーチップストッ パー１６をシャンク２外側に溶接等にて取り付ける構成としたが、これに限定す るものではなく、リッパーチップ１１の外側上端面を当接支持できるものであれ ばよく、シャンク２外側に凸条部を設ける構成としてもよい。

【００１６】 なお、このリッパーチップストッパー１６を取り付けることにより、油圧リッ パー自体の機能を損なうことはなく、リッパーチップ１１及びプロテクタ９の交 換作業にも支障はない。

【００１７】

【考案の効果】

本考案は、上記構成としたことにより、作業時のリッパーチップの取り付け開 口端面がリッパーチップストッパーに当接支持されるので、リッパーチップ先端 及びリッパーチップ取り付けピンに過度な負担がかからず、これらの変形を防止 し掘削効果を維持して、リッパーチップ及びピンの交換時期を延ばすことができ る。さらに、交換の手間及び交換部品にかかるコストを低減させることができる 。

【図面の簡単な説明】

【図１】リッパーアタッチメントの側面図である。

【図２】油圧リッパーの側面図である。

【図３】従来のリッパーチップの変形したリッパーアタ
ッチメントの側面図である。

【符号の説明】

１ リッパーアタッチメント ２ シャンク ３ 屈曲掘削部 ６ 尖頭部 ８ 外側湾曲面 ９ プロテクタ １１ リッパーチップ １５ 取り付け開口端面 １６ リッパーチップストッパー

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ブルドーザーの後部に取り付けて油圧で
   操作して地面等を掘削する油圧リッパーのシャンクとプ
   ロテクタとリッパーチップとからなるリッパーアタッチ
   メントであって、ブルドーザー側に屈曲形成されたシャ
   ンクの屈曲掘削部の略３角形状の尖頭部に外嵌状に取り
   付けるリッパーチップの取り付け開口端面と前記シャン
   クの外側湾曲面との間に掘削抵抗に抗してリッパーチッ
   プの変位を規制するリッパーチップストッパーを取り付
   ける構成としたリッパーアタッチメントの構造。