JPH0567358A - 光磁気記録媒体 - Google Patents

光磁気記録媒体

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JPH0567358A
JPH0567358A JP22781391A JP22781391A JPH0567358A JP H0567358 A JPH0567358 A JP H0567358A JP 22781391 A JP22781391 A JP 22781391A JP 22781391 A JP22781391 A JP 22781391A JP H0567358 A JPH0567358 A JP H0567358A
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magneto
magnetic
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JP22781391A
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Keikichi Ando
圭吉 安藤
Toshio Niihara
敏夫 新原
Jiichi Miyamoto
治一 宮本
Yoshio Suzuki
良夫 鈴木
Makoto Miyamoto
真 宮本
Akira Imura
亮 井村
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Hitachi Ltd
Maxell Holdings Ltd
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Hitachi Ltd
Hitachi Maxell Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】交換結合した二層膜を用いることにより必然的
に生じる記録感度の低下、および繰返し書換えによる磁
性膜の劣化、さらに再生特性の低下を防ぐために、複雑
な製造プロセスを用いることなく、容易に磁性膜全体の
膜厚を薄くした光磁気記録媒体を提供する。 【構成】基板上に第一磁性層1と第二磁性層2を積層し
た二層の磁性層を設け、第一磁性層1の側からレーザ光
を照射し、その反射光が磁気光学効果を受けることを利
用して、情報を再生する光磁気記録媒体において、第一
磁性層1および第二磁性層2の少なくとも相対する一方
の界面に、例えば、元素イオンを注入10し、界面磁壁
エネルギ制御処理を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は光磁気記録媒体に係り、
特に、オーバーライト可能な光磁気記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】光磁気記録は、情報の記録・再生・消去
が可能な光記録である。これらの機能に付け加えて、近
年、オーバーライトができるようにした新しい光磁気記
録方式が提案されている。オーバーライトが可能な光磁
気記録方式は二つに大別される。すなわち、磁界変調方
式と光強度変調方式である。両者の方式を比較した場
合、高速変調・高速記録が可能である点や、二枚の光磁
気記録媒体を張り合わせた構造をとることができる点な
どから、後者の方式の方が有利である。
【0003】光強度変調を実現させるには、特開昭62−
175948号公報に記載されているような光磁気記録媒体を
用いる。つまり、磁性層は、低いキュリー温度と高い保
磁力とをもった第一磁性層と、この磁性層に較べて相対
的に高いキュリー温度と低い保磁力をもつ第二磁性層と
からなる交換結合した二層膜であり、レーザ光の強度を
変調することによりオーバーライトが可能な光磁気記録
媒体である。
【0004】〈従来例1〉従来の光磁気記録媒体の製造
方法を述べる。三元のターゲット源を備えたスパッタ装
置内に、トラッキング溝のあるガラス製のディスク状基
板をターゲットから10cmの距離にセットし回転させ
た。
【0005】窒素濃度10%のアルゴン窒素混合ガス中
で第一のターゲットより、スパッタガス圧5mTorrでS
iを反応性スパッタし、第一誘電体層としてSi34
85nmの厚さに形成した。次に、アルゴン中で、第二
の合金ターゲットよりスパッタガス圧5mTorrでTb−
Fe−Co合金をスパッタし、膜厚40nm,キュリー
温度約200℃,保磁力Hc110kOeで、組成がT
24Fe67Co9の第一磁性層を形成した。
【0006】次に、アルゴン中でスパッタガス圧5mTo
rrで第三のターゲットより、Tb−Dy−Fe−Co合
金をスパッタし、膜厚120nm,キュリー温度約30
0℃,保磁力Hc22kOe,補償温度約200℃で、
組成がTb17Dy11Fe53Co19の第二磁性層を形成し
た。さらに、窒素濃度10%のアルゴン窒素混合ガス中
で第一のターゲットより、スパッタガス圧5mTorrでS
iを反応性スパッタし、第二誘電体層としてSi34
20nmの厚さに設けた。最後に、アルゴン中でスパッ
タガス圧5mTorrで第四のターゲットより、金属層とし
てAl−Ti膜を50nmの厚さに設けた。
【0007】このディスクを用い、線速を4.2m/s
とし、低レベルレーザ光PLを4.0mW、高レベルレ
ーザ光PHを8.2mW に設定し、2MHzの信号を記
録した後、3MHzの信号をオーバーライトした。その
結果、2MHzの信号は完全に消去され、3MHzの信
号が記録された。以上のように、オーバーライトが可能
であった。
【0008】次に、繰返しオーバーライトを行なった。
C/Nは最初51dBであったが、一万回オーバーライ
トを繰り返すと減少し始め、百万回では10dBも低下
し41dBになった。
【0009】〈従来例2〉ディスクの記録感度向上のた
め、第一磁性層の膜厚が20nm、第二磁性層の膜厚が
60nmであることを除いて、従来例1と同様の製造法
でディスクを作製した。
【0010】線速を4.0m/s とし、PL,PHを如
何なるパワーに設定してもオーバーライトができなかっ
た。
【0011】オーバーライトが可能になるためには以下
の条件を、満たさなければならない(特開昭62−175948
号公報)。
【0012】
【数1】 Hc2>σw/(2・Ms2・h2) …(1) ここで、Hc2 は室温での第二磁性層の保磁力、σwは
第一磁性層と第二磁性層の界面に生じる界面磁壁エネル
ギ、そしてMs2 は第二磁性層の飽和磁化、h2は第二
磁性層の膜厚である。
【0013】左辺は、従来例1と同じく2kOeである
が、σw=5erg/cm2,Ms2=140emu/cm3であるの
で、膜厚h2 を薄くしたために、右辺が約3kOeとな
り、条件を満たさなくなったので、オーバーライトが不
可能となった。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術では、二
層膜間に作用する交換結合力の大きさは膜厚に依存して
おり、薄くすればするほど交換結合力が大きくなってし
まうという問題があった。すなわち、交換結合力の大き
さは以下のように表される。
【0015】
【数2】
【0016】ここで、Hexは交換結合力を磁界で表示
した値(交換結合磁界)であり、σwは二層界面に生じ
る界面磁壁エネルギ、Msは飽和磁化、hは膜厚であ
る。オーバーライトができるためにはHexの値をある
一定値に制御する必要がある。また、Msも実用的な記
録再生特性を得るために、ある範囲の値に制御すること
が重要となる。さらに、σwは第一磁性層と第二磁性層
のMsや保磁力などにより決まる。そのため、hは第一
磁性層,第二磁性層とも五十ないし数百nmとなり二層
膜全体の厚さは200nm以上となる。
【0017】ところで、光強度変調方式は、記録したい
情報に対応させて、磁性膜にレーザ光を照射して情報を
記録するものである。情報の記録は、レーザ光の照射に
より磁性膜の磁化が消失する温度(キュリー温度)より
高い温度が生じるように、必要なレーザ光を照射する。
さらに、レーザ光照射後、温度が低下して磁性膜の磁化
が再生する時点(キュリー温度以下)で、記録したい部
分の磁化の方向が周囲の磁化の方向とは逆方向になるよ
うな磁界を外部から与えておく。しかし、磁性膜の厚さ
が150nm以上になるとレーザ光照射時に主として磁
性膜の内部で熱が拡散する。そのため、光スポットの周
囲の部分の温度が上昇しにくくなり、光スポットで識別
できる記録磁区形状の限界、すなわち、光スポットの直
径の約半分の大きさの記録磁区を形成するために、非常
に強いレーザ光を照射しなければならない。このこと
は、磁性膜の記録感度が悪いことを意味している。
【0018】さらに、このとき、光スポットの中心部分
の温度が非常に高くなってしまい、繰返し書換えを行な
った際に磁性膜およびディスクを構成している各種部材
の劣化が起こりやすくなる。
【0019】また、第二誘電体層の第二磁性層と接する
面と逆の面に金属膜を設けた構造とした場合、磁性膜の
厚さが150nm以上であると、レーザ光が透過しにく
くなるため透過光による磁気光学効果、すなわち、ファ
ラデー効果を有効に利用することができなくなり、再生
特性が悪くなるという問題が生じる。
【0020】従って、磁性膜の厚さは150nm以下が
良い。
【0021】σwを低減させる手法は特開昭63−117354
号,特開昭63−239637号,特開平1−50257号,特開平1
−211343号,特開平1−273248 号公報に記載されてい
る。
【0022】しかし、上記従来技術では、いずれも第一
磁性層と第二磁性層との間に、第一磁性層,第二磁性層
とは異なる組成の層を別途設ける必要がある。このため
製膜プロセスが複雑になり、光磁気記録媒体の製造コス
トが高くなるという問題が生じる。
【0023】本発明の目的は、交換結合した二層膜を用
いることにより必然的に生じる記録感度の低下、および
繰返し書換えによる磁性膜の劣化、さらに再生特性の低
下を防ぐために、複雑な製造プロセスを用いることな
く、容易に磁性膜全体の膜厚を薄くした光磁気記録媒体
を提供することにある。
【0024】
【課題を解決するための手段】基板上に少なくとも第一
磁性層と第二磁性層を積層した二層の磁性層を設け、前
記第一磁性層の側からレーザ光を照射し、その反射光が
磁気光学効果を受けることを利用して、情報を再生する
光磁気記録媒体において、第一磁性層および第二磁性層
の相対する少なくとも一方の界面に、例えば、元素イオ
ンを注入することにより達成される。
【0025】前記第一磁性層、あるいは第二磁性層は、
希土類と遷移金属とからなる非晶質膜を用いるのが良
い。たとえば、Tb−Fe−Co,Gd−Dy−Fe−
Co,Gd−Tb−Fe,Tb−Fe,Tb−Dy−F
e−Co,Gd−Tb−Fe−Co等が用いられる。
【0026】前記界面磁壁エネルギ制御処理は、第一磁
性層および第二磁性層の界面近傍に、少なくとも一種の
元素をイオン化して注入することにより達成される。具
体的には、スパッタリング法により第一磁性層および第
二磁性層を形成後、イオン注入法により元素をイオン化
して高電圧で加速し、記録媒体の膜厚方向の目的の深さ
に注入する。ここで、注入する元素イオンの膜厚方向の
深さは、注入する元素イオンの質量によって異なるが、
加速電圧によって任意に制御できる。注入する元素イオ
ンはH,He,B,N,Ne,Al,Si,Ar,T
i,V,Cr,Fe,Co,Ni,Ge,Nb,Mo,
Pd,Sn,Xe,Nd,Sm,Gd,Tb,Dy,
W,PtおよびBiのうちの少なくとも一種の元素を用
いればよい。
【0027】ところで、元素をイオン化して注入する場
合は、注入する元素イオン量を制御する必要がある。す
なわち、本発明は記録媒体の非晶質あるいは微小な結晶
構造に元素イオンを過剰に注入して元素イオン注入量を
増加して記録媒体の組成をわずかに変化させる、あるい
は格子歪みを生じさせるものである。それにより、記録
媒体の磁化特性の垂直成分の一部が面内成分に、あるい
は、面内成分の一部が垂直成分に変化する。これにより
界面磁壁エネルギが生じて、交換結合力が得られる。こ
こで、元素イオン注入量は注入する元素の質量によって
異なるが、時間によって任意に制御することができる。
【0028】ここで、垂直成分あるいは、面内成分の磁
化の大きさは、注入する元素イオン注入量に依存してい
る。従って、磁気記録媒体として最適な交換結合力を得
るためには、注入する元素イオン注入量を制御すればよ
い。一方、注入する元素イオン注入量を増大しすぎると
微小な結晶構造が完全に破壊されて記録媒体としての磁
気特性が消失する。従って、注入する元素イオン注入量
を適当に制御する必要がある。そこで、注入する元素イ
オン注入量は1×1012/cm2 以上1×1019/cm2
下の範囲が好ましい。特に1×1014/cm2 以上1×1
17/cm2以下の範囲がより好ましい。また、注入して
形成される元素イオン注入量の分布は、元素イオンを注
入した記録媒体の膜厚方向に対して、分散幅の中心値が
0.5nm以上50nm以下の範囲あるいは分散幅が0.
5nm 以上50nm以下の範囲が好ましい。特に分散
幅の中心あるいは分散幅が1nm以上20nm以下の範
囲が好ましい。
【0029】例えば、垂直磁化特性をもつ第一磁性層を
膜厚50nmで形成後、第二磁性層を厚さ100nmで
形成する。次に形成された第一磁性層と第二磁性層が接
する界面近傍に面内磁化を生じる元素イオンを注入し、
界面磁壁エネルギ制御処理層を分散幅で10nm形成す
る。または、垂直磁化特性をもつ第一磁性層を膜厚50
nmで形成後、形成された磁性層の表面近傍に面内磁化
を生じる元素イオンを注入し、界面磁壁エネルギ制御処
理層を分散幅で10nm形成後、第二磁性層を厚さ10
0nmで形成すれば良い。あるいは、面内磁化特性をも
つ第一磁性層を膜厚50nmで形成後、垂直磁化特性を
もつ第二磁性層を厚さ100nmで形成する。
【0030】次に形成された第一磁性層と第二磁性層が
接する界面とは反対側の第一磁性層が基板と接する側の
近傍の第一磁性層に、第二磁性層の膜表面から膜厚方向
の分散幅の中心が20nmの位置で、かつ、分散幅が4
0nmになる垂直磁化を生じる元素イオンを注入し、界
面磁壁エネルギ制御処理層を形成すれば良い。この場合
は、垂直磁化を生じる元素イオンを注入した領域が、垂
直磁化特性の第一磁性層に相当する。従って、界面磁壁
エネルギ制御処理とは、スパッタリング法などにより磁
性層を形成後、磁性層を構成している元素を含む元素イ
オンが過剰に存在していることを意味している。
【0031】さらには、界面磁壁エネルギ制御処理層を
形成後、上記磁性層を加熱することにより、元素イオン
注入によって形成された界面磁壁エネルギ制御処理層に
存在する元素イオンの一部が拡散し、界面磁壁エネルギ
制御処理層の膜厚方向の元素イオン注入量が均一にな
り、界面磁壁エネルギ制御処理の効果を高めることがで
きる。この時の熱処理条件は注入した元素イオンの種類
によって異なるが、通常は150℃以上700℃以下の
温度で処理することが好ましい。熱処理温度が低い場合
は注入した元素イオンがほとんど拡散しないため元素イ
オン注入量が均一にならない。また、熱処理温度が高い
場合は注入した元素イオンが過剰に拡散し、元素イオン
注入量が小さくなるとともに、分散幅も増大して界面磁
壁エネルギ処理層の交換結合磁界が小さくなる。
【0032】さて、界面磁壁エネルギσwの値は、以下
のように計算することができる。
【0033】
【数3】 σw=2・Ms・h・Hex …(3) 従って、第一磁性層と第二磁性層の実用的なMs,h,
Hexがわかれば、実用的なσwの範囲もおのずから求
まる。
【0034】(1)第一磁性層について (1−1)飽和磁化Ms1 カー回転角が大きいことが必要なので、Ms1 は20〜
250emu/cm3、が好ましい。
【0035】(1−2)膜厚h1 低感度にならないようにするには、60nm以下である
ことが望ましく、カー回転角が減少しないようにするに
は、10nm以上が良い。
【0036】(1−3)交換結合力Hex1 室温で記録磁区が消失せず、低レベルレーザ光PL照射
時に、第一磁性層の磁化の向きが、第二磁性層の磁化の
向きに揃うためには、2〜20kOeであることが望ま
しい。
【0037】以上、Ms1 ,h1 ,Hex1 の実用的な
組合せを考慮すると、第一磁性層にとって実用的なσw
の範囲は、1.2〜6erg/cm2である。
【0038】(2)第二磁性層について (2−1)飽和磁化Ms2 Hc2 が小さくなるような組成を選ぶと、通常100〜
300emu/cm3になる。
【0039】(2−2)膜厚h2 低感度にならないことを考慮すると、150nm以下、
より好ましくは100nm以下にすることが必要であ
る。
【0040】(2−3)交換結合力Hex2 Hc2(通常5kOe程度)より小さいことが必要であ
る。
【0041】以上、Ms2 ,h2 ,Hex2 の実用的な
組合せを考慮すると、第二磁性層にとって実用的なσw
に範囲は、0〜4.8erg/cm2である。
【0042】よって、第一磁性層、第二磁性層の条件
を、共に満足するσwの範囲はσw=1.2〜4.8erg
/cm2である。
【0043】また、界面磁壁エネルギ制御処理を施した
分散幅は0.5〜40nm が適当である。特に1.0〜
20nm の処理厚さにすることにより界面磁壁エネル
ギσwの値は1.2〜4.8erg/cm2の値に制御できるた
め実用的である。
【0044】本発明の特徴は第一磁性層および/あるい
は第二磁性層の一部に、H,He,B,N,Ne,A
l,Si,Ar,Ti,V,Cr,Fe,Co,Ni,
Ge,Nb,Mo,Pd,Sn,Xe,Nd,Sm,G
d,Tb,Dy,W,PtおよびBiのうちの少なくと
も一種の元素イオンを注入して、界面磁壁エネルギ制御
処理層を形成する。界面磁壁エネルギ制御処理層の飽和
磁化と保磁力および膜厚を制御することにより簡単な方
法を用いてσwを低減でき、その結果、磁性膜全体の厚
さを150nm以下にできることにある。界面磁壁エネ
ルギ制御処理層の磁化の方向を、磁性層の磁化の方向に
対して直行する方向に変えるためには、注入する元素イ
オンを選択する必要がある。注入する元素イオンは、た
とえば、磁性層の磁化を面内方向に変化させる場合は、
Si,TiおよびSnが特に好ましい。また、磁性層の
磁化を垂直方向に変化させる場合は、Al,V,Cr,
Co,GeおよびMoが特に好ましい。
【0045】一方、元素イオンを注入して磁化の方向を
変えるにはFeにGd,TbおよびDyが含まれる磁性
層が好ましい。たとえば、Tb−Fe−Co,Gd−D
y−Fe−Co,Gd−Tb−Fe,Tb−Fe,Tb
−Dy−Fe−Co,Gd−Tb−Fe−Co等が用い
られる。
【0046】
【作用】本発明の理解のために、交換結合の強さと磁壁
エネルギとの関連について言及する。
【0047】基板上に少なくとも第一磁性層と第二磁性
層を積層した二層の磁性層を有し、第一磁性層の側から
レーザ光を照射し、その反射光が磁気光学効果を受ける
ことを利用して、情報を再生する光磁気記録媒体におい
ては、第一磁性層のスピンと第二磁性層のスピンが量子
力学的な相互作用、すなわち、交換相互作用によって同
種元素同士は、互いに平行になろうとする働きがある。
この働きに逆らって外部から磁界を加えて、片方の磁化
のみを反転させると、第一磁性層と第二磁性層の界面に
スピンがねじれた領域ができる。この領域を界面磁壁と
呼び、この磁壁のエネルギ、すなわち、界面磁壁エネル
ギσwの大きさにより交換結合の強さを見積もることが
できる。
【0048】第一磁性層と第二磁性層の界面近傍におけ
る、第一磁性層および第二磁性層の少なくとも一方の磁
性原子の距離を、本来の距離から多少離すことにより、
第一磁性層のスピンと第二磁性層のスピンとの交換相互
作用が小さくなる。これに伴ってσwは低下する。
【0049】界面磁壁エネルギ制御処理を施すことによ
り、第一磁性層あるいは第二磁性層内のスピンの結合力
は小さくなり、上述したような理由からσwを低減する
ことができる。
【0050】ここで、界面磁壁エネルギ制御処理は、第
一磁性層および/あるいは第二磁性層の界面の近傍に、
形成する界面磁壁エネルギ制御処理層の磁化の方向を目
的の方向に変えるために有効な元素イオンを選択し、加
速電圧により膜厚方向の任意の位置に分散幅の中心を制
御し、元素イオンを注入する時間を制御することにより
元素イオン注入量および分散幅を制御することができ
る。従って、磁性層の表面に誘電体層を形成後、元素イ
オンを注入することが出来るため製造プロセスが極めて
簡単であり、通常の作製方法に加えて、元素イオン注入
を行えば良いだけである。
【0051】界面磁壁エネルギ制御処理を施した表面層
は、注入した元素イオンが磁性膜と反応していても良い
し、元素イオンが混入しているだけでも良いし、あるい
はこれらの状態が混合された状態でも良い。
【0052】それは、磁性膜中に注入した元素イオンが
含まれている場合、これらのいずれの状態をとろうと
も、注入した元素イオンの原子は磁性層内の磁性原子の
原子間距離を離す方向に作用するためσwの低減を図る
ことができる。
【0053】また、一般に磁壁の厚さtは、一軸磁気異
方性Ku(飽和磁化Msと保磁力Hcの積にほぼ比例す
る。)の平方根に反比例する。従って、表面層の飽和磁
化,保磁力の積が第一磁性層,第二磁性層の少なくとも
一方に較べて大きい方が、界面磁壁の厚さを薄くでき、
その結果、表面層をも10nm以下と薄くでき、さらに
は磁性膜全体の厚さを150nmにできるため良い。
【0054】
【実施例】
〈実施例1〉本実施例により製造した光磁気記録媒体の
部分断面図を図1に示す。この光磁気記録媒体の製造を
次のように行った。
【0055】従来例1と同じスパッタ装置内に、ガラス
製のディスク状基板をターゲットから10cmの距離にセ
ットして回転させた。
【0056】次に従来例1と同様にSi34膜を膜厚8
5nmで形成した。さらにアルゴン中で、第二のターゲ
ットよりスパッタガス圧5mTorrでTb−Fe−Co合
金をスパッタした。この時の膜厚は、この後に形成する
界面磁壁エネルギ処理層の膜厚分を考慮して30nmと
し、キュリー温度約200℃,保磁力Hc110kOe,膜
組成Tb10Fe71Co9の垂直磁化特性をもつ第一磁性層を
形成した。次に、従来例1と膜厚が90nmであること
を除いて同じ方法で、Tb16Dy15Fe41Co28の第二
磁性層を形成した。さらに、従来例1と同様にSi
4膜を膜厚20nmで形成した。次に、Tiイオンを注
入して、界面磁壁エネルギ処理層を形成した。この時の
元素イオンの注入条件は、加速電圧100keV,元素
イオン注入量1×1014/cm2 である。形成された界面
磁壁エネルギ処理層の膜厚方向の元素イオン注入量分布
を図2に示す。元素イオン注入量の分散幅の中心は、第
一磁性層内の第二磁性層との界面近傍から約2nmの位
置で、分散幅は約5nmである。この結果、第一磁性層
と第二磁性層との界面磁壁エネルギσwは約3erg/cm2
であった。
【0057】ここで、Tiイオンを注入した場合の界面
磁壁エネルギ処理層の厚さhと、第一磁性層と第二磁性
層の間に生じるσwの関係を図3に示す。Tiイオンを
注入した界面磁壁エネルギ処理層が厚くなるほどσwは
単調に減少した。これは、第一磁性層と第二磁性層の間
に設けた界面磁壁エネルギ処理層の増大により、第一磁
性層と第二磁性層間の実行的な距離が遠くなるためであ
る。すなわち、Tiイオンを注入した領域の第一磁性層
の磁性原子の距離が、本来の距離から離れることによ
り、第一磁性層のスピンと第二磁性層のスピンとの交換
相互作用が小さくなるためである。これに伴ってσwは
低下する。さらに、磁気的な歪み効果により磁化の方向
が、垂直から面内に変化したことによるものである。従
って、第一磁性層と第二磁性層の間に面内磁化層を形成
したことにより、二層間の距離が遠くなり第一磁性層の
スピンと第二磁性層のスピンが量子力学的な相互作用が
弱められるためである。ここでは、元素イオンを注入し
た層は、一般に加速電圧を固定して一定量の元素イオン
を注入した試料を、弾性反跳反射イオンビーム分光法で
分析し、得られた元素イオン注入量の分散幅の中心値を
膜厚方向の深さ位置,中心値の半値幅を厚さと定義し
た。
【0058】次に、元素イオン注入量と界面磁壁エネル
ギσwの関係を図4に示す。界面磁壁エネルギは元素イ
オン注入量が増大するとσwは単調に減少した。これ
は、一般に膜を構成する最小単位の結晶の格子に新たな
元素イオンが存在することにより、第一磁性層と第二磁
性層の界面近傍における、第一磁性層および第二磁性層
の少なくとも一方の磁性原子の距離が、本来の距離から
離れた層が形成されて、第一磁性層のスピンと第二磁性
層のスピンとの交換相互作用が小さくなるためである。
すなわち、第一磁性層と第二磁性層の界面近傍におけ
る、第一磁性層および第二磁性層の少なくとも一方の磁
性原子の距離を、本来の距離から多少離すことにより、
第一磁性層のスピンと第二磁性層のスピンとの交換相互
作用が小さくなる。これに伴ってσwは低下する。ここ
で、元素イオンを注入した界面磁壁エネルギ処理層の厚
さの制御は、加速電圧を連続あるいは断続的に増加ある
いは減少させて行った。また、元素イオン注入量は加速
電圧を一定に保持して時間により制御した。
【0059】このように、Tiイオンを注入して界面磁
壁エネルギ処理層を形成し、その膜厚を変える方法で、
σwの値を任意に設定できる。
【0060】ここで、前述したように実用的なσwの範
囲はσw=1.2〜4.8erg/cm2である。
【0061】従って、分散幅dは0.5〜50nm の範
囲で、実用的なσwが得られるので都合が良い。
【0062】また、d>50nmとすると、σwは実用
的な値より小さくなってしまうため好ましくない。さら
に、d<0.5nm とすると、σwは実用的なσwより
大きくなってしまうので好ましくない。
【0063】〈実施例2〉 (1)従来例1の手順で作製したディスクA,(2)d
=5nmとして実施例1と同様の方法で作製したディス
クB、の記録再生特性を測定した。まず、4.2m/s
の線速度のもとで、記録時とは逆の磁界(300Oe)
を印加し、6.7mW のDC光を照射して磁化方向を一
方向に揃えた。次に、印加磁界を反転させ1MHzの信
号を、レーザパワーを、順次、変えながら記録し、基本
波及び第二高調波のC/N(搬送波対雑音比)を測定し
た。
【0064】ここで、最適記録パワーを第二高調波成分
が最小になるレーザパワーとした。それは、第二高調波
成分が最小になるレーザパワーで記録したとき、ディス
クA,ディスクBとも記録部分と未記録部分の長さが等
しくなるからである。
【0065】この最適記録パワーを用いて、ディスクA
とディスクBの記録感度を比較した。ディスクAでは、
最適記録パワーは8.2mWであった。ディスクBは4.
0mWになり、最適記録パワーがディスクAの約49%
になり、大幅な記録感度向上を図ることができた。
【0066】この時、ディスクA,BのC/Nはそれぞ
れ51dB,54dBであり、ディスクBの方が約3d
B大きかった。
【0067】次に、ディスクBのオーバーライト実験を
行った。8.5m/s の線速度のもとで、記録パワーを
6.7mW、消去パワーを3.0mWとし、2MHzの信
号を記録した後、3MHzの信号を重ね書きした。する
と、2MHzの信号は完全に消去され、3MHzの信号
が記録できた。
【0068】ここで、ディスクBの第二磁性層の保磁力
Hc2は従来例1とほぼ等しく1.9kOeであった。ま
た、σw=2.7erg/cm2,Ms2=151emu/cm3,h
2=60nmであるので、右辺は1.5kOeとなり、第
二磁性層を薄くしても
【0069】
【数4】 Hc2>σw/(2・Ms2・h2) …(4) という条件を満たすためオーバーライトが可能となっ
た。
【0070】次に、ディスクBの繰返しオーバーライト
を行なった。C/Nは百万回オーバーライトしたのちで
も、最初の54dBから変化しなかった。これは従来例
1の結果と異なっている。それは、磁性膜全体の厚さを
95nm以下と薄くしたためである。磁性膜劣化の原因
は光スポット中心部分が高温になるためである。従来例
1では、磁性膜全体の厚さが160nmと厚いため、熱
拡散率の大きなAl膜に熱が拡散する前に、熱拡散率が
さほど大きくない磁性膜中を拡散する。従って、光スポ
ット中心部分は高温になり磁性膜は劣化する。それに対
して、本実施例では磁性膜が95nmと薄いので、光ス
ポット中心部分の熱は、すばやく熱拡散率の大きなAl
膜に拡散する。従って、光スポット中心部分は低温とな
り磁性膜の劣化を抑える。
【0071】参考のため、第二磁性層と、元素イオンを
注入した層の保磁力と飽和磁化の積を比較する。元素イ
オンを注入した層の、膜面に対して垂直方向の保磁力H
3(垂直)、および膜面方向の保磁力Hc3(膜面)そし
て、飽和磁化Ms3を以下に示す。
【0072】 Hc3(垂直)=0.7kOe Hc3(膜面)=5.3kOe Ms=580emu/cm3 ここで、保磁力と飽和磁化の積は、それぞれ Hc3(垂直)・Ms3=4.1×105erg/cm3 Hc3(膜面)・Ms3=3.1×106erg/cm3 となる。一方、第二磁性層のHc2とMs2の積は Hc2・Ms2=2.9×105erg/cm3 となり、保磁力と飽和磁化の積は第二磁性層よりも元素
イオンを注入した部分の方が大きくなっている。
【0073】従って、d=5nmという極めて薄い界面
磁壁エネルギ処理層を形成するだけで、磁性膜全体の厚
さを95nmとすることができた。
【0074】〈実施例3〉本実施例により製造した光磁
気記録媒体の部分断面図を図5に示す。この光磁気記録
媒体の製造を次のように行った。すなわち、実施例1と
同じスパッタ装置内に、ガラス製のディスク状基板をタ
ーゲットから10cmの距離にセットし回転させた。
【0075】次に実施例1と同様にSi34膜を膜厚8
5nmで形成し、さらにアルゴン中で、第二のターゲッ
トよりスパッタガス圧5mTorrでTb−Fe−Co合金
をスパッタした。この時の膜厚は、この後に形成する界
面磁壁エネルギ処理層の膜厚分を考慮して30nmと
し、キュリー温度約200℃,保磁力Hc110kOe,
膜組成Tb10Fe71Co9 の垂直磁化特性の第一磁性層
を形成した。次に、Tiイオンを注入して、界面磁壁エ
ネルギ処理層を形成した。この時の元素イオンの注入条
件は、加速電圧20keV,元素イオン注入量5×10
12/cm2 である。形成された界面磁壁エネルギ処理層の
膜厚方向の元素イオン注入量分布を図6に示す。元素イ
オン注入量の分散幅の中心は、第一磁性層の表面近傍か
ら約2nmの位置で、分散幅は約5nmである。次に、
実施例1と同じ方法で、Tb16Dy15Fe41Co28の第
二磁性層を形成した。さらに、実施例1と同様にSi3
4膜を膜厚20nmで形成した。この結果、第一磁性
層と第二磁性層との界面磁壁エネルギσwは約3erg/c
m2であった。実施例2と同様の記録再生特性を測定し
た。その結果、最適記録パワーは4.0mW になり、大
幅な記録感度向上を図ることができた。
【0076】この時、C/Nはそれぞれ54dBであっ
た。
【0077】次に、オーバーライト実験を行った。8.
5m/s の線速度のもとで、記録パワーを6.7mW、
消去パワーを3.0mWとし、2MHzの信号を記録し
た後、3MHzの信号を重ね書きした。すると、2MH
zの信号は完全に消去され、3MHzの信号が記録でき
た。
【0078】〈実施例4〉第一磁性層に注入する元素イ
オンの注入量を実施例1より少ない加速電圧60ke
V,元素イオン注入量1×1015/cm2 で注入後、さら
に、80keV,元素イオン注入量1×1015/cm2
形成した。元素イオンを注入した界面磁壁エネルギ処理
層の分散幅を10nmにしたことを除いて、実施例1と
同じ方法で作製し、実施例2と同様の記録再生特性を測
定した。その結果、最適記録パワーは4.0mW にな
り、大幅な記録感度向上を図ることができた。
【0079】この時、C/Nはそれぞれ54dBであっ
た。
【0080】次に、オーバーライト実験を行った。8.
5m/s の線速度のもとで、記録パワーを6.7mW、
消去パワーを3.0mWとし、2MHzの信号を記録し
た後、3MHzの信号を重ね書きした。すると、2MH
zの信号は完全に消去され、3MHzの信号が記録でき
た。
【0081】ここで、第二磁性層の保磁力Hc2は従来
例1とほぼ等しく1.9kOeであった。また、σw=
2.7erg/cm2,Ms2=151emu/cm3,h2=60n
m であるので、右辺は1.5kOe となり、第二磁性
層を薄くしても式(4)の条件を満たすためオーバーライ
トが可能となった。
【0082】次に、繰返しオーバーライトを行なった。
C/Nは百万回オーバーライトしたのちでも、最初の5
4dBから変化しなかった。これは従来例1の結果と異
なっている。それは、磁性膜全体の厚さを100nm以
下と薄くしたためである。磁性膜劣化の原因は光スポッ
ト中心部分が高温になるためである。従来例1では、磁
性膜全体の厚さが160nmと厚いため、熱拡散率の大
きなAl−Ti膜に熱が拡散する前に、熱拡散率がさほ
ど大きくない磁性膜中を拡散する。従って、光スポット
中心部分は高温になり磁性膜は劣化する。それに対し
て、本実施例では磁性膜が80nmと薄いので、光スポ
ット中心部分の熱は、すばやく熱拡散率の大きなAl−
Ti膜に拡散する。従って、光スポット中心部分は低温
となり磁性膜の劣化を抑える。
【0083】さらに、磁性層の磁化を面内方向に変化さ
せる場合は、Si,TiおよびSnが特に好ましい。ま
た、磁性層の磁化を垂直方向に変化させる場合は、A
l,V,Cr,Co,GeおよびMoが特に好ましい。
【0084】 〈実施例5〜12〉 元素イオン種 元素イオン注入量(cm-2) 加速電圧(keV) 実施例 5 Si 1012〜1014 3〜100 実施例 6 Sn 1012〜1014 4〜150 実施例 7 Al 1013〜1015 5〜150 実施例 8 V 1014〜1016 5〜150 実施例 9 Cr 1014〜1016 6〜200 実施例10 Co 1014〜1016 4〜150 実施例11 Ge 1012〜1014 3〜100 実施例12 Mo 1014〜1016 5〜150 実施例5から実施例12に示した範囲は、上記の元素イ
オン種を上記の元素イオン注入量および加速電圧の範囲
で注入すれば、好ましい界面磁壁エネルギ処理層が形成
される。すなわち、元素イオン注入量の分散幅dおよび
界面磁壁エネルギσwが、元素イオンを注入した記録媒
体の膜厚方向に対して、分散幅の中心値が0.5nm以
上50nm以下の範囲あるいは分散幅が0.5nm以上
50nm以下の範囲であり、界面磁壁エネルギσwの値
が1.2〜4.8erg/cm2の範囲が得られる。
【0085】
【発明の効果】本発明によれば、交換結合している第一
磁性層と第二磁性層とからなる交換結合二層膜におい
て、第一磁性層及び第二磁性層の少なくとも一方の表面
に、界面磁壁エネルギ制御処理を施すことにより、容易
に界面磁壁エネルギが低減され、磁性膜全体の厚さを薄
くしても交換結合力が大きくなりすぎず、また、記録感
度が高まり、さらには、繰返し書換え回数、及びC/N
が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例により製造した光磁気記録媒
体の部分断面図。
【図2】本発明の一実施例により製造した光磁気記録媒
体の元素イオン注入量の分布図。
【図3】界面磁壁エネルギ処理層の厚さhと、第一磁性
層と第二磁性層の間に生じるσwの関係を示す説明図。
【図4】元素イオン注入量と界面磁壁エネルギσwの関
係を示す説明図。
【符号の説明】
1…第一磁性層、2…第二磁性層、3…界面磁壁エネル
ギ処理層、4…保護層兼光学干渉層、5…保護層、6…
ガラス基板、7…元素イオン注入。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宮本 治一 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 鈴木 良夫 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 宮本 真 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地 株 式会社日立製作所映像メデイア研究所内 (72)発明者 井村 亮 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板上に第一磁性層と第二磁性層を含む磁
    性層を形成し、前記第一磁性層の側からレーザ光を照射
    し、その反射光が磁気光学効果を受けることを利用し
    て、情報を再生する光磁気記録媒体において、前記第一
    磁性層および前記第二磁性層が相対する界面近傍の少な
    くとも一方に、界面磁壁エネルギ制御処理を施したこと
    を特徴とする光磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】請求項1において、前記第一磁性層と前記
    第二磁性層の合計の膜厚を、前記レーザ光が透過し得る
    膜厚とした光磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】請求項1または2において、前記界面磁壁
    エネルギ制御処理を施した層の厚さが、0.5nm 以上
    50nm以下の範囲である光磁気記録媒体。
  4. 【請求項4】請求項1,2または3において、前記第一
    磁性層の、前記第二磁性層と接する面と逆の面の上に、
    第一誘電体層を配置し、前記第二磁性層の前記第一磁性
    層と接する面と逆の面の上に、第二誘電体層を配置した
    光磁気記録媒体。
  5. 【請求項5】請求項4において、前記第二誘電体層の、
    前記第二磁性層と接する面と逆の面の上に金属層を配置
    した光磁気記録媒体。
  6. 【請求項6】請求項1,2,3,4または5において、
    前記第一磁性層および/あるいは前記第二磁性層の磁性
    層を形成後、前記磁性層が相対する界面近傍の少なくと
    も一方に、元素イオンを注入して界面磁壁エネルギ制御
    処理層を形成した光磁気記録媒体。
  7. 【請求項7】請求項1,2,3,4,5または6におい
    て、前記第一磁性層および前記第二磁性層の磁性層を形
    成し、さらに前記第二誘電体層を形成後、前記磁性層が
    相対する界面近傍の少なくとも一方に、元素を注入して
    界面磁壁エネルギ制御処理層を形成した光磁気記録媒
    体。
  8. 【請求項8】請求項1,2,3,4,5,6または7に
    おいて、前記界面磁壁エネルギ制御処理層は、H,H
    e,B,N,Ne,Al,Si,Ar,Ti,V,C
    r,Fe,Co,Ni,Ge,Nb,Mo,Pd,S
    n,Xe,Nd,Sm,Gd,Tb,Dy,W,Ptお
    よびBiのうちの少なくとも一種の元素イオンを注入し
    て形成した光磁気記録媒体。
  9. 【請求項9】請求項1,2,3,4,5,6,7または
    8において、前記記録媒体に注入された元素イオンの注
    入量分布が記録媒体の膜厚方向に対して、分散幅の中心
    位置が前記第一磁性層と前記第二磁性層と接する界面か
    ら0.5nm 以上50nm以下の範囲、あるいは分散幅
    が0.5nm 以上50nm以下の範囲である光磁気記録
    媒体。
  10. 【請求項10】請求項1,2,3,4,5,6,7また
    は8において、注入されたことにより得られる前記元素
    イオン注入量が、1×1012/cm2以上1×1019/cm2
    以下の範囲である光磁気記録媒体。
JP22781391A 1991-09-09 1991-09-09 光磁気記録媒体 Withdrawn JPH0567358A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20100310778A1 (en) * 2008-02-08 2010-12-09 Central Glass Company, Limited Apparatus and Method of Applying a Coating Solution

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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