JPH0566078A - 液体冷却方法及びその冷却装置 - Google Patents
液体冷却方法及びその冷却装置Info
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- JPH0566078A JPH0566078A JP14074391A JP14074391A JPH0566078A JP H0566078 A JPH0566078 A JP H0566078A JP 14074391 A JP14074391 A JP 14074391A JP 14074391 A JP14074391 A JP 14074391A JP H0566078 A JPH0566078 A JP H0566078A
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- Japan
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- liquid
- membrane
- hollow tube
- tube membrane
- cooling
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 冷却される液体を冷媒として利用して化学的
に熱交換し、簡単且つ安全に液体を冷却する。この液体
冷却方法を用いて多量の液体を、簡単且つコンパクトな
設備、低コストで、長期間連続して効果的に冷却する。 【構成】 合成樹脂や無機材質の高分子膜を使用し、こ
の高分子膜の透過側を減圧した雰囲気で高分子膜内部の
液体の分子をその外部に透過して凝集し、且つ凝集した
液体を気化して、その気化熱により高分子膜内部の液体
を化学的に冷却する。冷却装置は、密閉した所定の大き
さの減圧室11を有し、この減圧室11の減圧すると共
に気化した気体を排出する排出口12に真空ポンプ14
を接続し、この減圧室14の内部に高分子の細長い中空
管膜16を、液体の流入口17と流出口18に接続して
設置し、この中空管膜の内部を流れる液体の極僅かずつ
を連続的にその外周面16aから外部に透過して凝集し
且つ気化することにより、液体が中空管膜16を流れる
過程において連続して効果的に冷却する。
に熱交換し、簡単且つ安全に液体を冷却する。この液体
冷却方法を用いて多量の液体を、簡単且つコンパクトな
設備、低コストで、長期間連続して効果的に冷却する。 【構成】 合成樹脂や無機材質の高分子膜を使用し、こ
の高分子膜の透過側を減圧した雰囲気で高分子膜内部の
液体の分子をその外部に透過して凝集し、且つ凝集した
液体を気化して、その気化熱により高分子膜内部の液体
を化学的に冷却する。冷却装置は、密閉した所定の大き
さの減圧室11を有し、この減圧室11の減圧すると共
に気化した気体を排出する排出口12に真空ポンプ14
を接続し、この減圧室14の内部に高分子の細長い中空
管膜16を、液体の流入口17と流出口18に接続して
設置し、この中空管膜の内部を流れる液体の極僅かずつ
を連続的にその外周面16aから外部に透過して凝集し
且つ気化することにより、液体が中空管膜16を流れる
過程において連続して効果的に冷却する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば高架水槽の飲料
水等の液体を、その液体自体を冷媒として利用して化学
的に冷却する液体冷却方法、及びその冷却装置に関す
る。
水等の液体を、その液体自体を冷媒として利用して化学
的に冷却する液体冷却方法、及びその冷却装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、ビルディング等の建物では、高
架水槽にビルディング内部で使用される飲料水が一時的
に貯留される水道配管構造になっている場合が多い。こ
のような高架水槽においては、夏季に内部の飲料水が加
熱されて温度上昇し、所定の温度を越えると種々の細菌
が急激に多く発生して飲料水が汚れることが知られてお
り、これを防止するには高架水槽内の温度を外気温度よ
り例えば5℃程度低下させる必要がある。また、理化学
機器の冷媒を使用したり、工業用水を使用する場合にも
同様に、多量の液体を比較的小さい温度範囲で低下する
ように冷却することがある。そこで、このような要求に
対処するため、簡単な構造で且つ省エネルギの装置によ
り、液体の温度を所定量冷却する方法、及びその冷却装
置の出現が望まれている。
架水槽にビルディング内部で使用される飲料水が一時的
に貯留される水道配管構造になっている場合が多い。こ
のような高架水槽においては、夏季に内部の飲料水が加
熱されて温度上昇し、所定の温度を越えると種々の細菌
が急激に多く発生して飲料水が汚れることが知られてお
り、これを防止するには高架水槽内の温度を外気温度よ
り例えば5℃程度低下させる必要がある。また、理化学
機器の冷媒を使用したり、工業用水を使用する場合にも
同様に、多量の液体を比較的小さい温度範囲で低下する
ように冷却することがある。そこで、このような要求に
対処するため、簡単な構造で且つ省エネルギの装置によ
り、液体の温度を所定量冷却する方法、及びその冷却装
置の出現が望まれている。
【0003】従来一般に、上記飲料水等の液体の冷却方
法としては、圧縮液化した所定の冷媒を減圧気化する際
に、液体から熱を奪ってその液体を冷却するものであ
り、冷蔵庫等の冷却装置として既に出現している。
法としては、圧縮液化した所定の冷媒を減圧気化する際
に、液体から熱を奪ってその液体を冷却するものであ
り、冷蔵庫等の冷却装置として既に出現している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来の
冷却装置は、液体を冷却するための冷媒を用いた冷凍サ
イクルの構成であるので、ビルディングの高架水槽の飲
料水の冷却に適応する場合には、大型の装置となり、ス
ペースやコストや電力消費等が大幅に嵩むという欠点が
あった。また、そのような冷却装置では特殊な冷媒を使
用し、しかも電気的に制御されるため、比較的危険な雰
囲気の環境では装着することができないことがある。
冷却装置は、液体を冷却するための冷媒を用いた冷凍サ
イクルの構成であるので、ビルディングの高架水槽の飲
料水の冷却に適応する場合には、大型の装置となり、ス
ペースやコストや電力消費等が大幅に嵩むという欠点が
あった。また、そのような冷却装置では特殊な冷媒を使
用し、しかも電気的に制御されるため、比較的危険な雰
囲気の環境では装着することができないことがある。
【0005】本発明は、この点に鑑みてなされたもの
で、その第1の目的とするところは、冷却される液体を
冷媒として利用して化学的に熱交換し、簡単且つ安全に
液体を冷却することができる液体冷却方法を提供するこ
とにある。
で、その第1の目的とするところは、冷却される液体を
冷媒として利用して化学的に熱交換し、簡単且つ安全に
液体を冷却することができる液体冷却方法を提供するこ
とにある。
【0006】その第2の目的とするところは、上記液体
冷却方法を用いて多量の液体を長期間連続して効果的に
冷却することができ、しかも簡単でコンパクトな低コス
トな設備とすることができる冷却装置を提供することに
ある。
冷却方法を用いて多量の液体を長期間連続して効果的に
冷却することができ、しかも簡単でコンパクトな低コス
トな設備とすることができる冷却装置を提供することに
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の液体冷却方法は、合成樹脂や無機材質の高
分子膜を使用し、この高分子膜の透過側を減圧した雰囲
気で高分子膜内部の液体の分子をその高分子膜を透過し
てその外部に凝集し、その凝集した液体を気化して高分
子膜内部の液体を冷却するものである。
め、本発明の液体冷却方法は、合成樹脂や無機材質の高
分子膜を使用し、この高分子膜の透過側を減圧した雰囲
気で高分子膜内部の液体の分子をその高分子膜を透過し
てその外部に凝集し、その凝集した液体を気化して高分
子膜内部の液体を冷却するものである。
【0008】本発明の冷却装置は、減圧室と、この減圧
室内の気体を排出して減圧室内の圧力を低下させる真空
ポンプと、内部に流体が流れる高分子から成るものであ
って前記減圧室の内部に備えられる中空管膜とを有し、
この中空管膜の内外の圧力差によって、この中空管膜の
内部を流れる液体の極僅かずつをその中空管膜を透過し
てその中空管膜の外面に凝集して気化し、その気化によ
って中空管膜の内部を流れる液体を冷却するようにした
ものである。
室内の気体を排出して減圧室内の圧力を低下させる真空
ポンプと、内部に流体が流れる高分子から成るものであ
って前記減圧室の内部に備えられる中空管膜とを有し、
この中空管膜の内外の圧力差によって、この中空管膜の
内部を流れる液体の極僅かずつをその中空管膜を透過し
てその中空管膜の外面に凝集して気化し、その気化によ
って中空管膜の内部を流れる液体を冷却するようにした
ものである。
【0009】
【作用】上記方法により、高分子膜内部の液体が、その
透過性や膜両側の圧力差等により外部に透過して凝集
し、且つ減圧した雰囲気で直ちに気化して、液体自体が
冷媒として作用するようになり、このときの気化熱によ
り液体が化学的に冷却される。
透過性や膜両側の圧力差等により外部に透過して凝集
し、且つ減圧した雰囲気で直ちに気化して、液体自体が
冷媒として作用するようになり、このときの気化熱によ
り液体が化学的に冷却される。
【0010】上記冷却装置の構成に基づき、減圧室の内
部が真空ポンプにより所定の減圧状態になり、この条件
で中空管膜の内部を流れる液体がその外周面の全域で、
外部に透過して凝集し、且つ気化するようになり、こう
して液体が中空管膜を流れる過程において連続して効果
的に冷却されるようになる。
部が真空ポンプにより所定の減圧状態になり、この条件
で中空管膜の内部を流れる液体がその外周面の全域で、
外部に透過して凝集し、且つ気化するようになり、こう
して液体が中空管膜を流れる過程において連続して効果
的に冷却されるようになる。
【0011】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。本発明の液体冷却方法の原理は、高分子膜の気体
や液体の透過現象と、液体の気化熱による熱交換とを利
用したものである。即ち、図1に示すように、合成樹脂
や無機材質の高分子膜1は、大きい分子量を持った高分
子2が強固な共有結合により結ばれて薄膜状に構成され
るもので、高分子2の間に孔3を有するものである。こ
の高分子膜1は孔3を有しているため、この孔3を気体
が同じ分子レベルで透過することが可能になる。水等の
液体は分子が凝縮した形態であるから、当然液体の分子
が蒸気となって透過することができる。
する。本発明の液体冷却方法の原理は、高分子膜の気体
や液体の透過現象と、液体の気化熱による熱交換とを利
用したものである。即ち、図1に示すように、合成樹脂
や無機材質の高分子膜1は、大きい分子量を持った高分
子2が強固な共有結合により結ばれて薄膜状に構成され
るもので、高分子2の間に孔3を有するものである。こ
の高分子膜1は孔3を有しているため、この孔3を気体
が同じ分子レベルで透過することが可能になる。水等の
液体は分子が凝縮した形態であるから、当然液体の分子
が蒸気となって透過することができる。
【0012】ここで、気体の透過の条件について説明す
ると、その透過量は膜の多孔度や気体の粘性や膜厚や膜
の両側の気体圧力差等により決定される。そして、気体
が透過する駆動力は、拡散の法則により膜の両側の濃度
C1,C2に基づく濃度勾配ΔCであり、高い濃度C1
から低い濃度C2の方に気体の分子は移動する。また、
液体の透過量は膜の両側の圧力差に大きく依存し、高圧
P1から低圧P2の方に液体分子が移動する。そして、
この濃度勾配ΔCや圧力差ΔPが存在する以上、元には
戻らない不可逆な変化である。また、気体が膜を透過す
る場合は、先ず気体が膜に取り込まれ、この取り込まれ
易さを示すものとして溶解度係数Sがあり、次いで気体
が膜内を移動し、この移動し易さを示すものとして拡散
係数Dがある。そして、これらの溶解度係数Sと、拡散
係数Dにより透過係数Pが決定されり、この透過係数P
が気体透過の重要な要素になる。ここで、気体の種類や
高分子材料の種類によりこれらの係数S,D,Pが異な
り、酸素や水素や二酸化炭素等の気体を透過させるもの
としては、透過性や拡散性が優れているシリコンゴムの
膜(ポリジメチルシロキサン膜)が良く用いられる。
ると、その透過量は膜の多孔度や気体の粘性や膜厚や膜
の両側の気体圧力差等により決定される。そして、気体
が透過する駆動力は、拡散の法則により膜の両側の濃度
C1,C2に基づく濃度勾配ΔCであり、高い濃度C1
から低い濃度C2の方に気体の分子は移動する。また、
液体の透過量は膜の両側の圧力差に大きく依存し、高圧
P1から低圧P2の方に液体分子が移動する。そして、
この濃度勾配ΔCや圧力差ΔPが存在する以上、元には
戻らない不可逆な変化である。また、気体が膜を透過す
る場合は、先ず気体が膜に取り込まれ、この取り込まれ
易さを示すものとして溶解度係数Sがあり、次いで気体
が膜内を移動し、この移動し易さを示すものとして拡散
係数Dがある。そして、これらの溶解度係数Sと、拡散
係数Dにより透過係数Pが決定されり、この透過係数P
が気体透過の重要な要素になる。ここで、気体の種類や
高分子材料の種類によりこれらの係数S,D,Pが異な
り、酸素や水素や二酸化炭素等の気体を透過させるもの
としては、透過性や拡散性が優れているシリコンゴムの
膜(ポリジメチルシロキサン膜)が良く用いられる。
【0013】そこで、気体透過性の良いシリコンゴム等
の高分子膜1を管膜状または平膜状に形成し、この高分
子膜の供給側に液体Aを流すかまたは滞留させ、透過側
を供給側より低い圧のものとする。すると、高分子膜1
の両側の圧力差ΔPの増大で溶解度係数Sが大きくなっ
て、液体分子4が高分子膜1に取り込まれ易くなる。ま
た、高分子膜1の透過側では低圧であるので液体が迅速
に気化し、膜内に対する液体の濃度勾配ΔCと共に拡散
係数Dが大きくなって、高分子膜1内を液体分子4が移
動し易くなる。そして、これらの条件と高分子膜1の透
過係数Pにより、液体分子4が蒸気の状態で高分子膜1
の孔3を不可逆変化で次々に透過して、高分子膜1の透
過側の面に凝集する。一方、高分子膜1の透過側は低圧
であるので、高分子膜1の透過側の面に凝集した液体A
は直ちに気化し、この液体Aの気化の際に周囲から気化
熱を奪うことになる。こうして、高分子膜1の内部の液
体Aの極僅かずつがその外部に透過して気化し、この液
体自体が冷媒として作用して、高分子膜1とその内部の
液体Aを化学的に連続して冷却し、所定の温度低下を生
じる。
の高分子膜1を管膜状または平膜状に形成し、この高分
子膜の供給側に液体Aを流すかまたは滞留させ、透過側
を供給側より低い圧のものとする。すると、高分子膜1
の両側の圧力差ΔPの増大で溶解度係数Sが大きくなっ
て、液体分子4が高分子膜1に取り込まれ易くなる。ま
た、高分子膜1の透過側では低圧であるので液体が迅速
に気化し、膜内に対する液体の濃度勾配ΔCと共に拡散
係数Dが大きくなって、高分子膜1内を液体分子4が移
動し易くなる。そして、これらの条件と高分子膜1の透
過係数Pにより、液体分子4が蒸気の状態で高分子膜1
の孔3を不可逆変化で次々に透過して、高分子膜1の透
過側の面に凝集する。一方、高分子膜1の透過側は低圧
であるので、高分子膜1の透過側の面に凝集した液体A
は直ちに気化し、この液体Aの気化の際に周囲から気化
熱を奪うことになる。こうして、高分子膜1の内部の液
体Aの極僅かずつがその外部に透過して気化し、この液
体自体が冷媒として作用して、高分子膜1とその内部の
液体Aを化学的に連続して冷却し、所定の温度低下を生
じる。
【0014】次に、図2に基づいて本発明の冷却装置に
ついて説明する。冷却装置10はほぼ密閉に近い減圧室
11を有し、この減圧室11の排出口12がパイプ13
を介して真空ポンプ14に接続され、減圧室11にはそ
の内部を所定の減圧状態に保つ小孔15が開いている。
そして、このような減圧室11の内部の略中心に、高分
子膜を細長い筒状に形成した中空管膜16が、両端に液
体の流入口17と流出口18を有して水平に設置されて
構成される。ここで、中空管膜16による冷却効果は、
その外周面16aの表面積の大きさとそこを通過する液
体の流量で決定される。即ち、液体の流量が少ない方が
冷却効果が大きく、また、外周の表面積が大きい方が冷
却効果が大きい。尚、中空管膜16の形状は図示のよう
なストレート状に限定されるものではなく、コイル状等
に形成して外周の表面積を増大するようにしてもよい。
ついて説明する。冷却装置10はほぼ密閉に近い減圧室
11を有し、この減圧室11の排出口12がパイプ13
を介して真空ポンプ14に接続され、減圧室11にはそ
の内部を所定の減圧状態に保つ小孔15が開いている。
そして、このような減圧室11の内部の略中心に、高分
子膜を細長い筒状に形成した中空管膜16が、両端に液
体の流入口17と流出口18を有して水平に設置されて
構成される。ここで、中空管膜16による冷却効果は、
その外周面16aの表面積の大きさとそこを通過する液
体の流量で決定される。即ち、液体の流量が少ない方が
冷却効果が大きく、また、外周の表面積が大きい方が冷
却効果が大きい。尚、中空管膜16の形状は図示のよう
なストレート状に限定されるものではなく、コイル状等
に形成して外周の表面積を増大するようにしてもよい。
【0015】そこで、上記冷却装置10を高架水槽20
の飲料水A’の冷却に適応した場合には、送水ポンプ2
3を有するパイプ24を介して、高架水槽20を冷却装
置10の中空管膜16の流入口17と流出口18とに接
続し、水槽20の飲料水A’を中空管膜16を通って循
環するようにする。なお、この水槽20には水道の給水
管21と配水管22とを接続し、常に飲料水A’を水槽
20に蓄え且つ使用することが可能とする。
の飲料水A’の冷却に適応した場合には、送水ポンプ2
3を有するパイプ24を介して、高架水槽20を冷却装
置10の中空管膜16の流入口17と流出口18とに接
続し、水槽20の飲料水A’を中空管膜16を通って循
環するようにする。なお、この水槽20には水道の給水
管21と配水管22とを接続し、常に飲料水A’を水槽
20に蓄え且つ使用することが可能とする。
【0016】次に、この実施例の作用について説明す
る。先ず、夏季の水槽内飲料水A’の温度が高い状況に
おいて、送水ポンプ23を駆動して水槽20の飲料水
A’を中空管膜16に循環させ、それと共に、冷却装置
10の真空ポンプ14を駆動し減圧室11内の圧力を減
圧させる。すると、上述の液体冷却原理に基づき中空管
膜16の外周面16aの全域において、中空管膜16の
内部を流れる飲料水A’の液体分子が、膜両側の圧力
差、濃度勾配、高分子膜の透過性により次々に中空管膜
13を透過してその表面に凝集する。そして、この凝集
した飲料水A’が減圧した減圧室11内において直ちに
気化し、中空管膜16の外周面16a全域で気化熱によ
り中空管膜16と共にその内部の飲料水A’が冷却され
る。この減圧室11内の空気は真空ポンプ14によって
吸引されているので、気化した液体を含んだ気体Bが排
出口12から排出され、それと共に小孔15から減圧室
11内には常に少量の新しい空気が流入する。この減圧
室11内に流入する空気によって空気の流れが生じ、こ
の空気の流れによっても中空管膜13の表面に凝集する
飲料水A’の気化をより促進する。こうして、水槽20
の飲料水A’が冷却装置10の中空管膜16を流れる過
程において、その飲料水自体が冷媒として作用し連続し
て効果的に冷却される。そして、この冷却作用が水槽2
0の飲料水A’を循環して繰返されるのであり、これに
より水槽20の飲料水A’は所定の低い温度に保持され
て、細菌等の増大が防止されることになる。
る。先ず、夏季の水槽内飲料水A’の温度が高い状況に
おいて、送水ポンプ23を駆動して水槽20の飲料水
A’を中空管膜16に循環させ、それと共に、冷却装置
10の真空ポンプ14を駆動し減圧室11内の圧力を減
圧させる。すると、上述の液体冷却原理に基づき中空管
膜16の外周面16aの全域において、中空管膜16の
内部を流れる飲料水A’の液体分子が、膜両側の圧力
差、濃度勾配、高分子膜の透過性により次々に中空管膜
13を透過してその表面に凝集する。そして、この凝集
した飲料水A’が減圧した減圧室11内において直ちに
気化し、中空管膜16の外周面16a全域で気化熱によ
り中空管膜16と共にその内部の飲料水A’が冷却され
る。この減圧室11内の空気は真空ポンプ14によって
吸引されているので、気化した液体を含んだ気体Bが排
出口12から排出され、それと共に小孔15から減圧室
11内には常に少量の新しい空気が流入する。この減圧
室11内に流入する空気によって空気の流れが生じ、こ
の空気の流れによっても中空管膜13の表面に凝集する
飲料水A’の気化をより促進する。こうして、水槽20
の飲料水A’が冷却装置10の中空管膜16を流れる過
程において、その飲料水自体が冷媒として作用し連続し
て効果的に冷却される。そして、この冷却作用が水槽2
0の飲料水A’を循環して繰返されるのであり、これに
より水槽20の飲料水A’は所定の低い温度に保持され
て、細菌等の増大が防止されることになる。
【0017】図3において、本発明の冷却装置10の他
の実施例について説明する。図3(a)では冷却装置1
0の流入口17と流出口18との間に、複数本の中空管
膜16A,16B,・・が接続して設けられる。そこ
で、複数本の中空管膜16A,16B,・・により多量
の液体が流れ、且つそれらの各中空管膜16A,16
B,・・で冷却されるため、冷却効率が増大するように
なる。図3(b)では減圧室11に飲料水A’の中空管
膜16と他の液体の中空管膜16’が並列に設置され
る。そこでこの場合には、1つの減圧室11により2系
統の液体を同時に冷却することが可能になる。尚、この
実施例において併設される中空管膜16’の液体が無機
または有機系の溶媒であってそのまま大気に放出できな
い場合は、中空管膜16’として透過性の悪いものを使
用したり、または後処理装置を付設する必要がある。
の実施例について説明する。図3(a)では冷却装置1
0の流入口17と流出口18との間に、複数本の中空管
膜16A,16B,・・が接続して設けられる。そこ
で、複数本の中空管膜16A,16B,・・により多量
の液体が流れ、且つそれらの各中空管膜16A,16
B,・・で冷却されるため、冷却効率が増大するように
なる。図3(b)では減圧室11に飲料水A’の中空管
膜16と他の液体の中空管膜16’が並列に設置され
る。そこでこの場合には、1つの減圧室11により2系
統の液体を同時に冷却することが可能になる。尚、この
実施例において併設される中空管膜16’の液体が無機
または有機系の溶媒であってそのまま大気に放出できな
い場合は、中空管膜16’として透過性の悪いものを使
用したり、または後処理装置を付設する必要がある。
【0018】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の液体冷却
方法によれば、高分子膜の液体透過現象、液体の気化現
象を利用し、冷却される液体自体を冷媒として用いて液
体を化学的に冷却するものであるから、簡単な設備で安
全に液体を冷却することができる。また、高分子材料や
圧力差等により液体分子の透過性や気化状態を変化させ
ることができるので、冷却効果を任意に設定できる。
方法によれば、高分子膜の液体透過現象、液体の気化現
象を利用し、冷却される液体自体を冷媒として用いて液
体を化学的に冷却するものであるから、簡単な設備で安
全に液体を冷却することができる。また、高分子材料や
圧力差等により液体分子の透過性や気化状態を変化させ
ることができるので、冷却効果を任意に設定できる。
【0019】本発明の冷却装置によれば、真空ポンプに
接続される減圧室に液体が流れる中空管膜を設置した構
成であるから、構造が簡単で軽量、コンパクトであり、
保守管理も容易になる。また、液体の流路に中空管膜を
接続すれば良いので、いかなる流路にも装着できる。更
に、液体が中空管膜を流れる過程でその外周面の全域で
連続して冷却されるので、冷却効果が大きく、水槽の飲
料水等を充分に冷却できる。
接続される減圧室に液体が流れる中空管膜を設置した構
成であるから、構造が簡単で軽量、コンパクトであり、
保守管理も容易になる。また、液体の流路に中空管膜を
接続すれば良いので、いかなる流路にも装着できる。更
に、液体が中空管膜を流れる過程でその外周面の全域で
連続して冷却されるので、冷却効果が大きく、水槽の飲
料水等を充分に冷却できる。
【図1】本発明に係る液体冷却方法に適した実施例を示
す説明図である。
す説明図である。
【図2】本発明に係る冷却装置の実施例を一部断面して
示す構成図である。
示す構成図である。
【図3】本発明に係る冷却装置の他の実施例を示す断面
図である。
図である。
1 高分子膜 2 高分子 3 孔 4 液体分子 10 冷却装置 11 減圧室 14 真空ポンプ 16 中空管膜 A 液体
Claims (5)
- 【請求項1】 合成樹脂や無機材質の高分子膜を使用
し、この高分子膜の透過側を減圧した雰囲気で高分子膜
内部の液体の分子をその高分子膜を透過してその外部に
凝集し、その凝集した液体を気化して高分子膜内部の液
体を冷却することを特徴とする液体冷却方法。 - 【請求項2】 上記高分子膜は管膜または平膜に形成さ
れて、その高分子膜の内部に水等の液体を循環または滞
留することを特徴とする請求項1記載の液体冷却方法。 - 【請求項3】 減圧室と、この減圧室内の気体を排出し
て減圧室内の圧力を低下させる真空ポンプと、内部に流
体が流れる高分子から成るものであって前記減圧室の内
部に備えられる中空管膜とを有し、この中空管膜の内外
の圧力差によって、この中空管膜の内部を流れる液体の
極僅かずつをその中空管膜を透過してその中空管膜の外
面に凝集して気化し、その気化によって中空管膜の内部
を流れる液体を冷却するようにしたことを特徴とする冷
却装置。 - 【請求項4】 上記中空管膜は、水槽から取出された飲
料水の循環系路に接続して、飲料水を冷却することを特
徴とする請求項3記載の冷却装置。 - 【請求項5】 上記減圧室は、同じ種類の複数本の中空
管膜、または異なる液体の複数系統の中空管膜が設置さ
れることを特徴とする請求項3記載の冷却装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14074391A JPH0566078A (ja) | 1991-05-17 | 1991-05-17 | 液体冷却方法及びその冷却装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14074391A JPH0566078A (ja) | 1991-05-17 | 1991-05-17 | 液体冷却方法及びその冷却装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0566078A true JPH0566078A (ja) | 1993-03-19 |
Family
ID=15275690
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP14074391A Pending JPH0566078A (ja) | 1991-05-17 | 1991-05-17 | 液体冷却方法及びその冷却装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0566078A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2001018467A1 (fr) * | 1999-09-03 | 2001-03-15 | Daikin Industries, Ltd. | Dispositif de refrigeration |
WO2001018465A1 (fr) * | 1999-09-03 | 2001-03-15 | Daikin Industries, Ltd. | Dispositif de refrigeration |
JP2006529022A (ja) * | 2003-05-21 | 2006-12-28 | ヴァイマール,トマス | 熱吸収用熱力学的装置および方法 |
-
1991
- 1991-05-17 JP JP14074391A patent/JPH0566078A/ja active Pending
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2001018467A1 (fr) * | 1999-09-03 | 2001-03-15 | Daikin Industries, Ltd. | Dispositif de refrigeration |
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JP2001074322A (ja) * | 1999-09-03 | 2001-03-23 | Daikin Ind Ltd | 冷凍装置 |
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EP1215455A1 (en) * | 1999-09-03 | 2002-06-19 | Daikin Industries, Ltd. | Refrigerating device |
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